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スーパーチャージャー取付け 難易度

人間はより刺激を求めるとはよく言ったもので、とうとう過給器に手を出してしまいました。

うちのヴィッツは1.3Lの2NZエンジンであり、これに対応した過給器キットは1つのみでした。
まー、あるだけ幸せですね(・∀・)

話を聞いているとエンジンを降ろしたりしなくとも取付が可能との事。
そして、ディーラーに取付を頼むと工賃が高いときで9万円ほどかかるとも。

これなら俺にも出来そうだし、いっちょやってみるかってことでDIYと相成りました。
次週、積むや積まざるや?!

※文中ではスーパーチャージャーを「S/C」と表記します。ご了承下さい。


作業時間
 3〜6時間 (熟練者)
 丸1日 (不慣れな人)

準備するもの
 ・ジムゼS/Cキット
 ・ブースト(ターボ)計一式
 ・基本工具(10・12・14mm、エクステンション各種)
 ・スパナ(10mm2本)
 ・六角レンチ(6・8・10mm)
 ・インパクトレンチ+22mmディープソケット
 ・パーツクリーナなどの脱脂剤
 ・スクレーパー
 ・プラスチックヘラ(スクレーパーで代用可)
 ・LLC(2L〜)

あった方がいいもの
 ・ホースバンド1/2" 1個
 ・板ラチェット10mm
 ・代車
 ・やる気

参考資料
 ・jimze Kompressor/SuperChargerSystemキット 取り付け説明書
 ・精文館 新版自動車用語辞典<改訂版>


< 目次 -Contents- > クリックするとジャンプできます。

 Step 1. キット内容紹介
 Step 2. 下準備
 Step 3. 純正パーツ取り外し (其の壱)
 Step 4. 純正パーツ取り外し (其の弐)
 Step 5. 純正パーツ取り外し (其の参)
 Step 6. 純正パーツ取り外し (其の四)

 Step 7. S/C取り付け準備 (其の壱)
 Step 8. S/C取り付け準備 (其の弐)
 Step 9. S/C取り付け (其の壱)
 Step 10. S/C取り付け準備 (其の弐)

 Column. 1. インプレ
 Column. 2. 過給器あれこれ
 Column. 3. トラブル七転八倒記


Step 1. キット内容紹介

まずはキットの華から。

コンプレッサユニット (24kB)

S/C構成部品いろいろ(其の壱) (15kB)

S/C構成部品いろいろ(其の弐) (27kB)


Step 2. 下準備

このキットに限らず、部品の欠品がないか確認する事は重要です。
特に今回は作業を始めてしまうとエンジンが始動できなくなりますので、なおさらです。

ついでにボルトやナット、カラーなどにはマーキングしておきましょう。
説明書に対応した番号やアルファベットを書いておくと、作業時に間違える確率が大幅減です。
バキュームホースも指定された長さにカットしておきます。

また、今回の作業にあたり、一番のネックになりそうなのが「液体パッキンの乾燥時間」と感じました。
最低2時間は寝かす(養生する)必要があるのです。
少しでも作業効率の向上を図るため、事前に組める部分は組んでおく事にしました。

S/C本体組み付け (38kB)

テンショナ組み立て (25kB)


Step 3. 純正パーツ取り外し (其の壱)
>
作業をするにあたり、車輌は角材に乗せるなどして高くしておいた方がよいでしょう。
長時間屈んでいると腰に来ます(;´Д`)
もっとも高くしていたら高くしていたで膝に来ますが(笑) <でも腰よりマシ

1. バッテリターミナル取り外し (参考)
2. アンダーカバー取り外し
(参考)
3. 冷却水(ラジエータ側)抜き取り

  冷却水が熱いときは作業しないでください。火傷しますよ〜
  ドレンプラグはラジエータ下部にあります。
  ※今回は手抜きしたので抜いていません。水温計の時と同要領です。>(参考)手抜きの仕方
    最低限の量しかこぼれないので楽といえば楽です。


4. エンジンフード取り外し (参考)
  外したナットのうち、2個だけ再使用します。
  また、エンジンフードは後工程で加工して取り付けます。


5. エアクリーナケースAssy取り外し
  インテークダクトをスロットルボディから切り離します。
  ホースバンドをマイナストドライバ、もしくは8mm工具で十分に緩め、ホースを引き抜きます。
  ホースが固着している場合は、ホース自体をひねると外しやすいです。

  ケース横にブローバイガスのホースが1本来ているので、取り外します。
  ホースバンドは指でつまむだけで緩みます。ホースは引き抜くだけ。

  エアフロメータ配線を取り外します。(参考)
  すぐそばにあるDVSV(青い部品)のコネクタも外します。
  DVSVに接続されているホースはスロットル側で切り離します。って引き抜くだけですが。

  エアクリーナケースの底側を外します。 (参考)
  ケース自体は10mm3本で留まっています。
  あと外気吸入用のダクトがバッテリの車両前側まで来ていますので、
  それの固定ボルト12mm1本も外します。

  書き忘れがなければ、ケースの下半分がダクトごと外せるはずです。


6. スロットルボディ取り外し
  スロットルワイヤーを取り外し (28kB)
  
  各種コネクタ取り外し (22kB)

  スロットルボデー取り外し (18kB)


7. ラジエータキャップAssy取り外し
  冷却水が熱いときは作業しないでください。
  ラジエータキャップを取り外します。
  軍手や厚手の布などをキャップに被せ、素手でキャップを押しつけるようにしながら反時計回りに回します。
  回ったのに外れない場合は、もう一度キャップを押しつけながら回すとまだ回る場合があります。
  キャップを自分とは反対方向に少し浮かせて圧力が掛かっていないか確認の上、外して下さい。

  ここでミスをすると、蒸気が噴き出し火傷する羽目に。手が2倍くらいに腫れるほど火傷します。
  冷めてからやれば全然怖くはないですけど(^^ゞ

  ラジエータキャップAssy取り外し (48kB)


Step 4. 純正パーツ取り外し (其の弐)

8. インテークマニホールド取り外し
  ブローバイのホースを外します。
  ホースは2本あり、後で組み付ける際とても間違えやすいらしいので、ガムテープにマジックで
  「インマニ側」などと書いておくと良いでしょう。
  ちなみにインマニに挿してあるホースはエンジンの奥から生えている方です。
  #エンジン手前から生えている方はエアクリーナケースに刺さります。

  インテークマニホールドを取り外します。
  ボルト3本、ナット2個、最後にスタッド(植え込み)ボルト2本です。

  ホース、およびインマニ取り外し(その壱) (41kB)

  ホース、およびインマニ取り外し(その弐) (26kB)


Step 5. 純正パーツ取り外し (其の参)

9. オイルレベルゲージガイド取り外し

  オイルレベルゲージガイド取り外し (14kB)


10. オルタネータ取り外し (1)
  作業前に再確認。バッテリーターミナルは外してありますか?
  また、きちんと絶縁処理してありますか?
  外したつもりで一部がくっついていたという場合もあります。念入りにご確認下さい。

  まずは邪魔な部品を外します。

  エアバッグセンサAssyRH取り外し (25kB)

  続いてオルタネータにつながる配線を外します。

  オルタネータ配線取り外し (13kB)

  配線を外した後は、Vベルトの取り外しにかかります。

  オルタネータベルト取り外し (22kB)


Step 6. 純正パーツ取り外し (其の四)

11. オルタネータ取り外し (2)
  ようやくオルタネータ取り外しです。

  オルタネータ・他スモールパーツ取り外し (45kB)


ようやく部品取り外し終了。S/C取り付け準備にかかります。
話長いなあ(^^;)


Step 7. S/C取り付け準備 (其の壱)

12. ラジエータキャップAssy取り付け

  ラジエータアッパーホースは製品に付属している物に交換します。
  ホースバンド2個はそのまま使用します。
  また、ラジエータキャップAssyの位置も少し移動させる必要があります。

  ラジエータキャップAssy取り付け (31kB)


13. オルタネータプーリー交換

  オルタネータのプーリーを交換します。
  ここからもう1本ベルトを掛けてブロアユニットを駆動するためです。

  オルタネータプーリー交換 (20kB)


14. S/Cボルト取り外し
15. インレットチャンバー取り付け準備


  いずれも事前に準備できる事柄だった...orz

  S/Cボルト取り外しとインレットチャンバー取り付け準備 (13kB)


Step 8. S/C取り付け準備 (其の弐)

16. スロットルボディブラケット仮付け

  スタータ固定ボルトを1本取り外し、スロットルボディを移設・固定するための
  ステーを取り付けます。

  スロットルボディブラケット仮付け (23kB)


Step 9. S/C取り付け (其の壱)

S/C取り付けに入ります。

1. オルタネータ仮付け

  基本的に外した時の逆手順でOK。(参考)
  オルタネータ下側を純正ボルトで仮付けします。
  RHエアバッグセンサをボルト2本で取り付けます。
  
  オルタネータの配線を取り付けます。バッテリ端子(B端子)線とカプラ1つ。
  これはS/C取り付け後は狭くて作業できなくなりますので、必ず作業しましょう。

  カプラはカチッと音がするまで深くしっかり差し込みます。
  接触不良を避けるために音が鳴った後ももう少し押し込むと完璧。
  壊すほど力は入れなくて良いけどねw


2. スタッドボルト取り付け

  シリンダヘッドのインマニ取り付け部にスタッドボルトを取り付けます。

  スタッドボルト取り付け (10kB)


3. インテークマニホールドAssy取り付け

  Assyということで、事前に組み付けたブロアユニットごとの取付となります。
  結構重いんだな、これが。

  インテークマニホールドAssy取り付け (29kB)


4. オイルレベルゲージガイド取り付け

  キット付属のレベルゲージガイドの根元にOリングを取り付けます。
  その後でOリングにエンジンオイルを少量塗っておくと、作業がしやすいかも。

  オイルレベルゲージガイド取り付け (22kB)


5. オルタネータブラケット取り付け
6. Vベルト(クランク側)取り付け


  オルタネータブラケット取り付け (33kB)

補機類を1本のベルトでクランクプーリから直接駆動させる方式を
サーペンタイン(serpentine : 曲がりくねった、の意)と呼びます。
メリットは従来式に比べ場所(奥行き)をとらないこと、
デメリットは折れたり曲がったりする為、ベルトへの負担が大きいことでしょうか。
後者は耐久性の向上がカギでしょうね。

もっともヴィッツ(2NZ)の場合、もともとパワステポンプのベルトは別ですし、
今回はS/C駆動ベルトが別ですから、このクランク側ベルトが純正と比べて
とても長くなっているとしても、サーペンタイン方式とは呼べないでしょう。


Step 10. S/C取り付け (其の弐)

7. テンショナプーリ取り付け

S/C側ベルト用のテンショナを取り付けます。

テンショナ取り付け (52kB)


8. Vベルト(S/C側)取り付け

短い方のVベルトをS/Cプーリーとオルタネータプーリーに掛けます。
アイドラプーリーはベルトの背中が当たる形になります。
説明書中ではこのアイドラプーリーの取り付けはベルトを掛けた後の工程になっていますが、
プーリーを付けた後のどちらでも作業は可能です。

アジャストボルトは、前述したように板ラチェットがあると便利です。
早回し用途だけなら100円ショップでも入手できますので、一つ持っていると良いかと。
張力を確認した後、プーリーを固定している六角ナットを本締めします。(締付トルク 34.5Nm{3.5kgfm})


9. エンジンマウントラバー取り付け (1.3Lのみ)

オルタネータと一緒に取り外したエンジンマントラバーを取り付けます。ボルトは10mm。


10. バイパスバルブ取り付け

取り付け前のバイパスバルブはこちら。

 Step 1. - S/C構成部品いろいろ(其の弐) (27kB)

バイパスバルブに液状ガスケットを塗布した後、インマニに取り付けます。
同時にブーストホースの取り付けも行います。

バイパスバルブ取り付け (29kB)



Column1. インプレ

注文してから納品までは、即納〜1ヶ月程度かかるようです。
スケジュールは余裕を持って組みましょう。

・騒音については、低回転時では全くと言っていいほど変わりません。
高回転(およそ3,000rpm以上)になるにつれて、映画で聞くガトリング砲のような
"ヴーーーッ"という音が聞こえます。
ただし、もともと静かなクルマではありませんし、音源としてはマフラーや
ロードノイズもありますので一概には言えません。

また騒音ではありませんが、インマニを変える事による影響か、排気音自体が変化します。
私の場合は低音寄りになりました。


メリット&デメリット


Column2. 過給器あれこれ

ターボ、S/C...いわゆる過給器と呼ばれるもの。
それぞれに長所・短所があります。ぼろが出るので書かないけどw
ヴィッツの場合は1.5L"1NZ-FE"エンジンに対応している物が多いようです。

ここではキットとして販売されているものを紹介してみます。
詳細は各リンクから辿ってご確認下さい。
#流用まではカバーしきれません(^^ゞ

●ターボ
TRD - TRDターボチューニングプラン \627,900 (税・取付費込)
HKS - ボルトオンターボキット \258,000 (税込)
HKS九州 - ボルトオンターボキット \298,000〜 (同上)

●S/C
JIMZE - コンプレッサーキット \417,900 \488,250 (同上、2005.10.01価格改定)
BLITZ - コンプレッサーシステム \344,000 (同上)
TRUST(GReddy) - スーパーチャージャー \344,400 (同上、AT車専用)


Column3. トラブル七転八倒記

そりゃ素人が付けたのですから、多少のトラブルは覚悟していましたよ(^^ゞ
予想の範囲内のトラブルから、経験不足から起きたトラブル。
果ては「初めての症例」とまで言われたトラブルまでをご紹介。

話せば長くなるので、別頁でどうぞ。(kB)

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