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デッドニング 難易度 ★★

先日ドアスピーカを交換してみると、それなりに良くなったものの、
エンクロージャ(箱)の整備が不十分と感じました。
これを改善するにはデッドニングという作業が必要です。

もっとも素人がいくら頑張ったところで限界は見えているのですが...
まあ何事も勉強って事で(^^ゞ

※内容について、間違っている可能性もあります。
 生暖かい目で見てないで、どうか指摘してやって下さいm(_ _)m


作業時間 
 ・2時間(ドア2枚計)

準備するもの
 ・デッドニング材料 (Column. 材料の調達参照)
 ・スポンジテープ
 ・はさみ(出来れば万能ばさみ)
 ・ローラー(抑え付けるのに用いる。100円ショップに有る。)
 ・ガムテープ
 ・脱脂材(ブレーキクリーナなど)
 ・お気に入りの音楽 (聞き比べるために使用)

あった方がいいもの
 ・やる気


< 目次 -Contents- > クリックするとジャンプできます。

 Step 1. デッドニングって何?
 Step 2. 下準備
 Step 3. デッドニング (ドア篇)
 Step 4. デッドニング (ダッシュボード篇)
 Step 5. デッドニング (内装篇)
 Step 6. スピーカグリル加工

 Column 1. 材料の調達
 Column 2. 感想と参考資料


Step 1. デッドニングって何?

デッドニングは、deaden・ingと書きます。
#deadningはスペルとして変だと思いますが、如何でしょうか(^^;)deadneって単語はないよ〜
#それぞれのスペルで検索すると、後者は日本のサイトしか引っかかりませんw

それは兎も角。
deadenは動詞であり、「〜を失わせる・弱める」という意味の他に、「〜を防音にする」という意味があります。
オーディオ用語でデッドとは「響かなくする」(対義語はライブ「響かせる」)の意なので、
デッドニングとは「ノイズの主な発生源である振動や音質を悪化させる音波を吸収・遮断し、音質の向上を図る作業」...としておきます。

メリットとしては上記の通りですが、デメリットとしては重量の増加、また整備性の悪化が挙げられます。
前者では最悪の場合、ヒンジが変形する「ドア下がり」という状態になり、後者では、パワーウインドウなどの整備や
事故などでの板金作業時には作業の妨げになる為、全て剥がされてしまうという哀れな結末が待ち受けています。

 それでもやるのが、漢(おとこ)ってもんですかね?w

今回はドアの他にダッシュボード部分も施工してみるつもりです。
触ってみると、結構共振しているのが分かります。


Step 2. 下準備

難しい理屈はよく分からん(^^ゞさっさとやろ。
まずはドア内装を剥がします。
これは当サイトの既コンテンツ分解講座 〜Aピラー編〜をご参照下さい。
写真は主に左ドアですが、左右は基本的に同じ手順です。

そうそう、説明に入る前に用語を少しだけ覚えて下さい。
これを知らないと話が通じないんですよ(^^;)

 ドアトリム    --- ドアの内装、内張り。
 アウターパネル --- 外板。いわゆるボディのこと。
 インナーパネル --- ドアは鉄板1枚ではなく2枚の鉄板を組み合わせてあり、その内側の鉄板の事。

内装を剥がすと現れる大きなビニール、その名をフロントドアサービスホールカバーと言います。
用途はすきま風や水の進入を防止するためですね。これは見た目そのままです。
このカバーは黒いネバネバしたゴム、ブチルゴムで留められています。

このブチルゴムはアセトンでないと溶けないため、地道に剥がしていくしかありません。
このアセトン、ホームセンターでは扱っていないらしく、塗装屋での入手が早いらしいです。
価格は1L1,000円程度。近所のホーマックにはありませんでした。

他の所を拝見すると、ガムテープを使用しているところが多いようです。
ちなみに俺は早々に諦めました。いつも手抜きです...

なお、素手での作業の場合、手の汚れが内装を汚す可能性大なので注意が必要です。

フロントドアサービスホールカバー取り外し (28kB)

デッドニングをする前に主なポイントをピックアップしましょう。

サービスホールいろいろ (51kB)


Step 3. デッドニング (ドア篇)

デッドニングと言っても、ただ貼ればいいと言うものではないようです。
その基礎は家庭用スピーカにあります。
とはいえ、素人が知ったかぶりしても仕方ないので、諸先輩に頼るとしましょう。

創造の館 - カーオーディオの音質改善

ここの頁が分かりやすかったのでご紹介。
この中で一般論として挙げられている三本柱、

透過損失 壁が持つ音の通りにくさ
内部損失 壁が持つ振動のしにくさ
気密性 エンクロージャ(ここではドアという箱)からの音の漏れにくさ

をイメージしながら作業すれば、ただやるよりはいくらかは違うはず...!


さて、作業時の大まかな手順です。
1. アウターパネル施工
2. インナーパネル施工
3. ドアトリム施工

アウターパネルが先なのは、インナーパネル施工すなわち、穴を塞いでしまうので
アウターパネルにアクセスできなくなるからです。
#正確にはスピーカホールからしかアクセスできなくなります。
極端な話、他は後からでもどうにでもできますが、こればかりはしっかりやっておく必要があります。

そのアウターパネルへの施工、どのようにしたらいいのでしょうか。

制振材貼り付け (1) (23kB)

後悔先に立たず、先に立ったら役立たずという言葉を思い出しつつ、インナーパネルへの施工に移ります。

制振材貼り付け (2) (23kB)

一通り穴を塞いだら、後はインナーパネルの各部に制振材を貼り付けます。
今回は適当に貼り付けましたが、ショップのものを見ると全面に貼っています。
必要なネジ穴などを除いて、その方が早くて確実なのかもしれませんね。


Step 4. デッドニング (ダッシュボード篇)

ドアの他にデッドニングをやってみたい場所がもう一つありました。
それはダッシュボード。
カロの目玉親父がいらっしゃるあの場所です。

外した事がある方であればおわかりかと思いますが、スピーカの土台は全て樹脂です。
一体成形されたダッシュボードの上に載っているだけなのです。
勿論、理想は強固な土台の構築ですが、難しそうなのでパス(ぉぃ
せめて補強程度は...というのがあらすじです。

制振材貼り付け (3) (15kB)


Step 5. デッドニング (内装篇)

実はまだやってません。
ですが、鳴らしながら触ってみると、結構共振しているようなので対策は必要かと思われます。


Step 6. スピーカグリル加工(其の壱)

デッドニング施工後、試聴していて気が付いた事があります。
それは内装のあるなしで音が大きく変わる事です。
内装を付けていると、音がこもった感じになるのです。

いろいろ調べてみると内装のスピーカグリル部分が原因で、いわゆる「音の抜けが悪い」
状態である事が判明しました。
ちょうど旅行に出発する直前だったため、突貫工事の上に未完成(片側だけ)となりましたが、
途中経過としてだけでもご報告したいと思います。

純正スピーカグリルの考察 (25kB)

さて、ではどうするか。
自分で作れたら苦労はないのですが、何せまともな電動工具すらない状況です。
流用に走ろうかと思ったのですが、ちょうど良い大きさのものが見つからず断念しました。
ちなみに直径は135mmです。何か良いものあったら教えて下さい。

検討の過程で候補に挙がったものの中に、Fostexスピーカグリルがあります。
形状はラウンド(丸形)フレームでとなると16cmのタイプなのですが、実物は結構大きいです。
また、そのままだとドア側に相当な加工が必要となることと、一般的なスピーカなら兎も角、
ドアにはそのデザインが似合わないという致命的な問題もあったたため、見送りになりました。

あとは既存のスピーカからグリルを流用しようかという考えに至り、調査しました。
ヨド●シの店員さんは「グリルだけ取り寄せできますよ〜」と仰ってくれたのですが、丸いグリルが全然無い罠(;´Д`)
気持ちだけ取り寄せてもらいますた。

で、物は試しで2つほど作ってみました。
何せ全ては文字通り「手作業」(=非電動)なので、面倒くさい事この上ないです。
更に突貫工事となると精度なんて二の次に...(ぇ
嗚呼、電動工具と作業場所が欲しい。

純正スピーカグリルカットと試作1号 (33kB)


Step 7. スピーカグリル加工(其の弐)

試作1号の結果を受けて考えつくのは、やはり如何に手抜きできるかということでした。
俺ってば加工に向いていないと思います。辛抱が足りないね。
で、楽して作った方が実際マシだったりするのです。

失敗を踏まえて試作2号 (29kB)

でもこれは運転席側しか作ってなかったり。
助手席側はむき出しですw


Column 1. 材料の調達

大前提として、自動車で使用する場合は不燃もしくは難燃性である必要があります。
いくら性能が良くても、例え使用する箇所がドアだとしても、可燃性のものは危険と考えた方がよいでしょう。

さて、デッドニングで使用される部材は大きく分けて2つあります。すなわち、

・ 制振・防振材
・ 吸音・防音材  が挙げられます。

●前者としては、鉛テープ、レジェトレックス、ダイナマットやカスケードなどが挙げられます。

高機能制振材レジェトレックス http://www.nitto.co.jp/product/datasheet/sealing/009/
今現在、鉛テープは主流ではないようです。
また、最近ではレアルシルトという製品も登場したらしいです。http://www.sekisui.co.jp/nb-p/html/realschild/
ちらっと検索すると、レジェトレックスよりも良いという評価がちらほら...果たして?!


●後者としては、一般的なスポンジ(すき間)テープの他にエプトシーラー、ニードルフェルトなどがあります。

エプトシーラー http://www.nitto.co.jp/product/industry/automobile/interior/eptsealer/index.html
ニードルフェルトとはニードルパンチ(棘の付いた針)で羊毛を押さえ込み、毛と毛を絡み合わせて圧縮し、布状(フェルト)にしたもの。らしいw
価格的には、エプトシーラー>ニードルフェルト で、
重量的には、エプトシーラー<ニードルフェルト だそうです。要はお財布次第ってことで。

この辺の情報はここが詳しいので、一読しておくと良いでしょう。
Premier Caraudio Station


●購入のコツ?
余った部材は車内の静音にも流用できますので、二度手間になった場合の送料と財政事情を天秤に掛けた上で、
出来るだけ多めに買っておく事をお勧めします。
特に初めての方は、失敗(貼り直し)する可能性を十分考慮に入れるべきでしょう。

購入は、実際のところホームセンターでは入手が難しい場合が多いようです。
一部部材は東急ハンズで扱っている事もあるようですが、ヤフオクなどのネット経由で購入が定番のようです。
ヤフオクの検索エンジンで「デッドニング」と検索するとたくさん引っ掛かります。


Column 2. 感想と参考資料

これは明らかに効果有りです。特にドアスピーカの低音が変わりました。
ズゥゥンからドンという感じで、低音がパワーアップです。
俺的にはこれくらいあればサブウーハーは要らないくらいです。(重低音は苦手なのです(^^;))
しかしこの後、全体のバランスが納得できずに、オーディオネットワークの自作に走る事になりますw

高いスピーカを買っても、エンクロージャがしっかりしていないと性能を十分に発揮できないという事を
良く聞きますが、なるほどこれは正論だと感じました。
スピーカを生かすも殺すもこれ次第、といっても大袈裟ではないかもしれません。

面倒といえば面倒ですが、難易度は意外に低いので挑戦してみると面白いですよ?

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