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Blanc de Blancs NV Diebolt-Vallois
ブラン・ド・ブラン NV ディーボルト・ヴァロア
(フランス/シャンパーニュ、シャンパーニュ)
田舎モンなもので遅刻してしまいました。すんません。で、駆けつけシャンパーニュがこれ。うまい!ブラン・ド・ブラン (シャルドネ種のみを使った、の意) だがきれ優先というよりは味にふくらみがあり実に豊かな印象。いやな酵母っぽさもまるで感じられません。最初リンゴの香りだったのが時間が経つとリンゴのタルトといった趣になってきた。ああ、やっぱりシャンパーニュはうまいなあ (^Q^) 大好きです。
Tokay Pinot Gris '96 Bernhard-Reibel
トケイ・ピノ・グリ '96 ベルナルド・レイベル
(フランス/アルザス、白)
安易にシャルドネを出さずにトケイ・ピノ・グリで攻めるあたりがイワン流。かなり強いリンゴとハチミツの香り。ほのかに揮発油も感じたがこれは気のせいかも。これも結構ふくらみのあるタイプで余韻が長い。かといってくどさはまるでなく、飲み口は非常に良い。食事にもあわせやすそうですね。甘露、甘露。
Minervois "Carte Noire" '95 Dom. Maris
ミネルヴォワ "カルト・ノワール" '95 ドメーヌ・マリス
(フランス/ラングドック?、赤)
赤の一本目がこれ。飲むと南仏のワインの割には濃くなく、かといって繊細なわけではないのだが、なんといっても甘い香りが特徴的。最初チョコレートとイチゴの香りだったが、時間が経つと甘ったるい感じが更に強まり、モモやアプリコット、そして「イチゴのシロップ煮をオーブンで軽く焦がした」ような香りに変わっていった。おもしろいねえ。すごく印象に残っています。
#ただし酔っ払って書いたメモをもとに書いておりますんで、ハイ。
Barolo "Brunate" '94 Marengo
バローロ "ブルナーテ" '94 マレンゴ
(イタリア/ピエモンテ、赤)
久しぶりに飲むバローロ。ベリーに混じってやや埃っぽい香りがイタリアワインらしい (ほんとかよ)。TAK さんが「これブルゴーニュって言われたら信じるよな」っておっしゃってましたが確かにそうだと思います。バローロってもっと荒削りなイメージがあったけど、なんのなんの酸がおいしい品格のあるワインでした。
Cote Rotie "Rose Poupre Special" '96 Gaillard
コート・ロティ "ローズ・プープル・スペシアル" '96 ガイヤール
(フランス/コート・デュ・ローヌ、赤)
実はコート・ロティって飲むの初めて (だと思う)。まだまだ未熟者ですな>筆者。色はまだまだ赤紫で、クンクンと香りを嗅ぐと……肉、いやソーセージそのものの香り!飲むとチョーク (白墨) のような煙っぽさというか、スパイシーさというかそんなのも感じられました。色は若いけどタンニンが浮いているとかそういうことはなくて適度な果実味も心地よく、結構するすると飲めましたよ。あぶねえなあ。
Nuits-Saint-Georges '78 Doudet Naudin
ニュイ・サン・ジョルジュ '78 ドゥデ・ノーダン
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ、赤)
なぜか歯がないことで有名なドゥデ・ノーダンのニュイ・サン・ジョルジュ。こんな古いブルゴーニュはほとんど飲んだことありません。やゑ様の話によると、『実は他のワインは、すべて「これを入れられるかどうか」のための調整用だった。』とか。んでもってパニエに寝かせられてしずしずとやってまいりました、このワイン。二十年も前のワインとは思えないぐらい元気。酸にはりがあるんですよね。古びることもなく何かが突出することもなく、王道を行く貫禄。願わくば酔っ払う前に飲みたかったってことか。それはしかたないですね。
Marc Josmeyer
マール ジョスメイエール
(フランス/アルザス、マール)
これはワインではないですが……ゲヴュルツトラミネールのマールです。ISO のようなグラスに入れられてやって参りました。最初見たとき本当に水かと思いました。(^-^;) 完全な無色透明。やゑ様によると『蒸留後も葡萄品種がわかるマール』とのことですが、私には泡盛のような香りに感じられました。あとほのかに干し葡萄っぽさと。アルコール度数の割には口や食道が燃え広がるような感じが少なく、ついつい飲んでしまう危ないお酒です。
参加者は、 やゑ様、光弘さん&マダーム、たねもりさん、安師範さん&師範代さん、かぎさん、島崎さん、トビさん、TAK さん、そして私。
ワインも料理も良かったのですが、なんといっても多彩な参加者とのお話がおもしろうございました。私は全ての方と初対面だったので。こうした機会を作っていただいた幹事の皆様にあらためてお礼申し上げたいと思います。
Bin 35 "Cabernet Sauvignon and Shiraz" '95? Penfolds
Bin 35 「カベルネ・ソーヴィニヨン&シラーズ」 '95? ペンフォールズ
(オーストラリア/バロッサ・ヴァレイ、赤)
ペンフォールズといえばかのグランジを作っている会社。ちょっと期待して注文してみたのだが…。なんと出されたのは冷えたボトル。ご丁寧にグラス (しかもタンブラー) まで冷やしてくれていました。香りもなにもわからねえ。ちょっとロースト香&イチゴがあったと思うが。二次会の席で。たぶん 3500 yen ぐらい。
Brut '95? Dom. Chevalier
ブリュット '95? ドメーヌ・シュヴァリエ
(スペイン、スパークリング)
なんかフランスっぽい名前が付いていますがスペインのカヴァ (スパークリング) です。さんざん飲んで食って口の中がしつこくなったところで注文してみました。さらりとした飲み口でかぱかぱ飲めます。これはこれでいいんですが、悪く言えば平板ということですね。周りの人の「飲みやすい」というコメントは的を射ていたと思います。さっき飲んだヴァロワとは比べるべくもなし。って比べるなってか。三次会の席で。2500 yen ぐらい。
Puligny-Montrachet "Les Folatieres" '92 Louis Latour
ピュリニー・モンラッシェ・レ・フォラティエール '92 ルイ・ラトゥール
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ボーヌ、白)
注がれた直後、グラスの中で火花が散っているかのような香り。そしてナッツ。飲むと最初弱かったが時間を追うにつれてどんどんパワーが出てきた。余韻も長い。やがてグラスの中はフルーツをぎっしり詰めたような状態になり、パッションフルーツとか洋ナシ。さらに時間が経つと焦がしたハチミツ。何時間も経った後にはまるで森林浴でもしているかのごとく清々しい香りに転じていった。ああ、
Ch. Clos Rene '85
シャトー・クロ・ルネ '85
(フランス/ボルドー/ポムロール、赤)
タバコの香りと埃っぽさ。少し灰のような匂いも。とてもきれいでチャーミングな果実味。ちょっとざらっとした部分はあるがほとんど気にならない。牛タンとも (当然のことながら) いい相性。'85 のボルドーを飲むのは初めてでした。
Ch. Pichon-Longueville Comtesse de Lalande '84
シャトー・ピション・ラランド '84
(フランス/ボルドー/ポイヤック、赤)
これもスー・ボワ (森の下草) なのかな。身体の中が洗われるような清々しい香り。飲んでも一点の曇りもない清らかな味わいが素晴らしい。喉越しも極めて滑らか。フィネスとはこのことか。'84 というと世評では外れ年だとされているようだが、そういうのを盲信するなよ、と語っているかのようにも思えた。濃度だけでなく、こうした繊細さもワインの魅力の一つのはず。年ごとに様々なワインができ、かつその予測ができないのが我々の大きな楽しみなのだから。
とかなんとかエラソーなこと書いてしまいましたがリリース直後に購入。その後十年以上自宅で寝かしたからこそできる体験なんでしょうね。本当にごちそうさまでした。
Chassagne-Montrachet "Clos Saint-Jean" '89 Amiot Bonfils
シャサーニュ・モンラッシェ・クロ・サン・ジャン '89 アミオ・ボンフィス
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ボーヌ、赤)
ピション・ラランドの余韻に浸っていると家の主がさらなる一本を持ってきてくれました。普通なら「いや、もうそろそろお暇しないと…。」と断りそうなものだが、「クロ・サン・ジャン (どちらかというと赤で有名なシャサーニュ・モンラッシェ村の一級畑)」「アミオ・ボンフィス (シャサーニュ・モンラッシェ村有数の作り手。私は AC ブルゴーニュの白しか飲んだことない)」「'89 (ブルゴーニュは当たり年とされる。さっきのエラソーな言説はどうした??)」の三拍子で『うはっ!いいですねえ』と言ってしまう浅ましさよ。ボルドーに比べるとやはり明るい色だが、なんともいえず深い色合い。むっとするような動物臭。ちょっとアルコール感はあるが生花をぎっしりグラスの中に詰め込んだような華やかな香り。柑橘類もあるかな。飲むと梅カツオ!旨味が口の中をぐわっと広がっていく。やがて甘味がかなり感じられるようになり、焦がしたような香りとエステル系の香りも出てもう、うひゃひゃひゃ状態。た、たまらん。
ちなみにピション・ラランドとこのクロ・サン・ジャンを交互に飲むと前者は貴族的なまでの繊細さが、後者は官能的なまでの肉付きの良さが、よりいっそうはっきりとわかる。しかも互いに自分の領分を守っており、干渉しないのが素晴らしいところ。
Ch. Climens '81
シャトー・クリマン '81
(フランス/ボルドー/ソーテルヌ、白)
一般家庭の冷蔵庫にこんなものが転がっているだろうか?そしてそれを見て『うおぉ!最高のデザートですね!』という客人がいるだろうか??何かが間違っている……あっ、間違っているのは俺だけか。クンクンと香りを嗅ぐと…鉛筆の芯のような香り。白カビ系チーズのような香りもあり。ハチミツ香はもちろんだが、杉だとかミントのような香りで清々しい。香りに関してはフルーツたっぷり、というタイプではないようだ。骨格をなす酸が甘味を上品なものにしており、まさしくこれ自体がデザート!タクシーが来たといってグイっと飲み干した私には遠からず天罰が下るであろう。
Brut '95? Dom. Carneros
ブリュット '95? ドメーヌ・カーネロス
(アメリカ/カリフォルニア/ロス・カーネロス、スパークリング)
なかなかやるじゃないですか!焼きリンゴのような香りをベースにおかき (ボリボリ食うやつね) のような香ばしさが乗っかっている。重厚なタイプではないけど味にふくらみがあり結構複雑。これだとシャンパーニュと言われても区別がつかない。
Vosne-Romanee '93 Jean Tardy
ヴォーヌ・ロマネ '93 ジャン・タルディ
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ、赤)
久しぶりに飲むヴォーヌ・ロマネ。抜群の芳香!なんというか……フルーツ系と花系とクリーム・チョコレート系と動物系の香りが混然一体、立体感を伴ってグラスから立ち上る。それがまたグラスをくるくると回す必要もないぐらいに強烈。飲むと最初すごく軽かったのだが時間が経つと味にふくらみが出てきた。が、もう少し、もう少し味にも立体感があればなあ。うちの押入れにある 1er cru に期待しよう。
#キノコを食べていたらやっぱり赤が飲みたくなったので。こうして夜は更けていく。
Marc '82 Armand Rousseau
マール '82 アルマン・ルソー
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ、マール)
これはワインではないです……マールです。葡萄の絞りかすを蒸留して作ったお酒です。40% アルコールあります。フルーツのような香りが素晴らしいです。むせ返るようなアルコール感はないです。くいくいっと飲めます。こんなの飲むから二日酔いになるんです。はい、私が悪うございましたです。
30 Year Old Port Reserve Tawny NV Warre
30 年熟成ポート・トーニー (と書くしかないか…) NV ウォア
(ポルトガル、ポート)
いままでほ安物のポートしか飲んだことなかったのだが、これは桁違いに旨い。べたべたした甘さがまるでなく、かなりさらっとした飲み口。干しぶどうや干し草 (同席者の指摘) のような香りも上品。いやあ、素晴らしい食後酒ですね。ってメシほとんど食ってないってーの!
#ちなみにトーニーというのは樽の中で黄褐色 (トーニー) になるまで何年も熟成させたタイプとのこと。でも黄褐色というよりかなり濃い琥珀色だったな。
Marc ? Jean Chartron
マール ? ジャン・シャルトロン
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ボーヌ、マール)
あれれ?さっきもマール飲まなかったでしたっけ?さっきのはコート・ド・ニュイ村 (ジュヴレ・シャンベルタン村)、こっちはコート・ド・ボーヌ (ピュリニー・モンラッシェ村) ですね。って「ですね」じゃねーだろ!すみません、嗅覚、味覚とも記憶がないです。ほんとにもう。
着席してオーナーのお話でも聞きながらテイスティングをするのかと思いきやなんのことはない、単なる立食パーティー形式でした。受付で番号の書かれたチケットをもらって、それと引き換えに各ヴィンテージのワインをもらいます。グラスは INAO のテースティンググラスを一人につき三脚使用 (つまり使い回しね)。口直しには薄切りのバケットが少し。最後の方はなんかコメント短いけどこれは酔っ払ってきたのではなくて時間が足りなかったのだ (全部でたったの二時間半)。と、最初に言い訳しておく。
ごたくはこれぐらいにしてボリー氏と笑顔で握手を交わして早速飲んでみよう。
飲んだのは以下のとおり。この順です。それぞれリンクを貼っています。
- Ch. Haut-Batailley '94
- Ch. Haut-Batailley '82
- Ch. Grand-Puy-Lacoste '86
- Ch. Grand-Puy-Lacoste '78
- Ch. La Croix de Beaucaillou '95
- Ch. Ducru-Beaucaillou '95
- Ch. Ducru-Beaucaillou '89
- Ch. Ducru-Beaucaillou '85
- Ch. Ducru-Beaucaillou '82
- Ch. Ducru-Beaucaillou '78
- Ch. Ducru-Beaucaillou '75
- Ch. Ducru-Beaucaillou '70
- Ch. Ducru-Beaucaillou '61
Ch. Haut-Batailley '94
シャトー・オー・バタイィ '94
(フランス/ボルドー/ポイヤック、赤)
あずき。ややアルコール感があるが、甘やかで濃密な花のような香り。グラスをまわすと鼻の頭をなでられているような感触が強まり心地よい。飲むとまだばらけた感じがあるがタンニンは滑らかになりつつあり充分おいしい。料理と合せるとよさそう。でもこの後飲んだ '82 と比べると軽く、未完成の感は否めない (あたりまえか)。20 分ぐらい経つと樽香の甘ったるさが目立ち、キャラメルのようになってきた。
#Ch. オー・バタイィと Ch. グラン・ピュイ・ラコスト、Ch. ラランド・ボリーもボリー氏の所有とのこと。
Ch. Haut-Batailley '82
エッジがオレンジで熟成色が出ているがまだまだ濃い色合い。香りは '94 の軽やかさ、華やかさはおとなしくなったもののグラスに引き込まれそうになるような深い香りがする。不思議なことにバナナのようなエステル香も少し。グラスをまわすとウォッシュタイプチーズのような熟成香が出てくる。飲むとまだまだ元気いっぱいで非常にヴォリューム感があり、粘着質。柔らかな酸の余韻が素晴らしく、全く年齢を感じさせない。飲んだ後鼻に抜けるのはかすかな醤油の風味。ここでわずかに枯れているのが感じられるのみ。
Ch. Grand-Puy-Lacoste '86
シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト '86
(フランス/ボルドー/ポイヤック、赤)
かなり濃い色。意外と熟成色は出ていない。オー・バタイィとは打って変わって男性的。ミントのような香りや枯れ葉が少々。グラスをまわすとウォッシュタイプチーズや漬物のような香りが出ては消える。飲むとかなりタニックで、ざらついた感じすらあったが、時間とともにおとなしくなる。非常に粘度がありクリーミーで口の中にまとわりつくにもかかわらず、味が目茶苦茶に濃い感じというのではない。喉に突き刺さるようなアルコール感があり、余韻は短くあっさりしている。なぜか冬を感じさせるワイン。
Ch. Grand-Puy-Lacoste '78
色はさすがに '86 より薄くなりつつある。枯れ葉のような感じがさらに強まるが、香りが立っているのは '86 でなくこちら。'86 の暴れた部分はすっかりおさまって非常に滑らか。フルーツでない植物系の甘みがゆっくりと舌を包み込んでくれる。余韻も長い。枯れ木の山の中に入ったような香りはあまり魅力的ではないが飲んだときのバランスと品の良さ、こなれた果実感は素晴らしい。
Ch. La Croix de Beaucaillou '95
シャトー・ラ・クロワ・ド・ボーカイユ '95
(フランス/ボルドー/サンジュリアン、赤)
これはデュクリュ・ボーカイユのセカンドラベルです。親と子を同時に比べるのも初めて。
甘く清々しい香りに焼きたてのパンが乗っかっている。フルーツっぽさや (なぜか) 漬物っぽさもあり。グラスをまわすと清々しい香りは感じられなくなりむっとするような甘い香りが立ちこめる。飲むと渋みはあまりなく、かなりの甘さが感じられる。ややアルコールを感じるものの非常に飲みやすい。後述の親、Ch. Ducru-Beaucaillou '95 に比べるとさすがに軽いがもう充分に楽しめます。
#私のいた小学校は新設校だったので給食のパン箱も杉の香りがする新品だった。そんなことを思い出したよ。
Ch. Ducru-Beaucaillou '95
シャトー・デュクリュ・ボーカイユ '95
(フランス/ボルドー/サンジュリアン、赤)
強烈。以前飲んだ Ch. Haut-Carles '96 で感じたような強烈な樽香。ゴムを焦がしたような香りで他の要素がわからない。ところが飲んでみると予想に反して非常に飲みやすい。舌を包み込むようなフルーツでない植物系の甘みがあり、タンニンもこなれつつある。飲んだ後は口の中がワイン一色状態。信じられないかもしれないが家に帰るまでこの樽香が残っていた気がする。
#これまた子供の頃に見学で行ったゴム工場を思い出してしまった。(^-^;)
Ch. Ducru-Beaucaillou '89
'95 のような暴れた樽香がずいぶん落ち着き、甘い香り、ヴァニラやコーヒー、紅茶に転じている。ウォッシュタイプチーズの腐り系もかすかに出てきた。飲むと……うーん、幸せ。口に含んですぐには正体を現さないのだが、飲み込む過程で上口蓋に達するあたりからすごく上品な甘味と旨味が口いっぱいに広がる。もう味蕾が麻痺してしまいそうなぐらいで誰が飲んでも旨いと思うのではないだろうか。時間が経つと樽香が少し浮いてきたのと、なみいるこれ以下の VT に比べると味の複雑性という点では劣っているがそれを言うのは酷だろう。
Ch. Ducru-Beaucaillou '85
'89 に比べると香りの枯れ葉感がかなり入ってきおり、甘い香りが少し控え目に。品が良くなったと言うべきか。飲むと '89 より素直に味がやってくる。渋み、甘み、酸味とかいった味の要素が溶け合って繊細で複雑な味わい。逆にいうとパワフルさでは '89 の方が上。飲む順番も大切だということですね。
Ch. Ducru-Beaucaillou '82
甘い香りは '85 より強い。杉を思わせるような清々しい香りも出てきた。そうした要素が複雑に絡んでよりいっそう深い香りになっているのだが、一方でアルコール臭を感じさせる強さもある。これは良い VT だからなのだろうか?飲むと '85 より甘味を強く感じ濃厚でクリーミー。突出したタンニンや酸はまるで感じられないが、かすかにアルコールを感じる。やはりこれも優良収穫年のせい?
とかなんとか書いてしまいましたが、果実味が楽しめて複雑で深くてバランスも良く、そんなドラえもんのポケットのようなワインです。
Ch. Ducru-Beaucaillou '78
あずき。枯れ葉感が強まる。グラスをまわしても甘い香りが強まることもなく、森の中をイメージさせるような深く清々しい香りが津々とたゆたうのみ。そうしたなか、なぜか途中からパッションフルーツのような甘酸っぱい香りが少し感じられた。飲んでみると非常に柔らかで繊細。角ばったところは全くなく、ビロードのような喉越しとはこのことなんだろうか?
Ch. Ducru-Beaucaillou '75
香りは比較的おとなしく、ウォッシュタイプチーズのような熟成香が強まってきた。グラスをまわしてもそれが強まるのみ。時間が経つとチーズは消えてなくなり、フナ (魚だよ) みたいな匂い、杉のような香りのみ残った。飲んでみるとなんと '78 よりパワフル。果実味の要素も強くタンニンもしっかりしている。しかし……この辺から感覚が麻痺してきた……。
Ch. Ducru-Beaucaillou '70
不思議なことに '95 のようなゴムを焦がした香りが復活。特に最初の方で。フナや杉は '78、'75 ほど強くはなく、むしろ甘くて重苦しい香りが支配的でグラスをまわしてもチーズや漬物が出てこない。飲むとさすがにパワーの衰えを感じるが '75 よりもタンニンがしっかりしている。
Ch. Ducru-Beaucaillou '61
初めて飲む世紀のヴィンテージ。が、しかーし!「あと 10 分でワインのサービスを終了させていただきまーす!」はないだろ > エノテカ。時間がなかったせいもありこれだけデキャンタージュなしで飲む。'70 と同じくロースト香が少し復活していたがすぐに消えた。香りのそうした贅肉のような部分は (それはそれで好ましいものなのだが) 全てそぎ落とされ、ブルゴーニュのワインのように梅の香りがほのかにする。あとタバコと紫蘇がわずかに。でもほとんどの香りの要素は融合している。飲んでみると……旨い!まあ '61 だという先入観もあるのだろうけど、全てが完全に溶け合って素晴らしいバランスを構成。上品で繊細な味わいで、飲むまでもなく口から染み込んでいくみたい。飲み初めは '70 の方が力強かったがやがて '61 の方が逆転。でもこれは注がれた時間の差から来るものなのかな。
しめて 18900 yen 也。
年に一度ぐらいはいいだろう。
どれが一番?っていう質問は無意味だと思うけど……
あえて言うなら力強さと繊細さを兼ね揃えた Ch. Ducru-Beaucaillou '82 かな。
飲み頃というものの難しさもわかったような気がする。

