| Champagnophile という言葉があるそうだ。 |
R de Ruinart '92 Ruinart
エール・ドゥ・リュイナール '92 リュイナール
(フランス/シャンパーニュ/ランス、シャンパーニュ)
フルーツよりもクリームやヘーゼルナッツの香りが主体。そして飲んだ後に広がる得も言われぬ香ばしい香りが素晴らしい。飲むとしっかりした厚みがあり、良くも悪くも熟成感はあまり感じない。全体的にコンパクトな印象だがその存在感は磨き抜かれた珠のよう。グラスで 1600 yen 程。酒屋で買うと 5000〜6000 yen だからこれはお勧め。
Amazone NV Palmer
アマゾーネ NV パルメール
(フランス/シャンパーニュ/ランス、シャンパーニュ)
あまり見かけないパルメールだけど、この "Amazone" はさらに見かけないんじゃないかな。NV だが通常の Vintage Brut よりも上位銘柄である。色は薄い金色。まずはカスタードクリームなどのタマゴ系の香りが愛らしい。その他、ハーブや野菜系の香り。飲むと泡は繊細で上のエール・ドゥ・リュイナールに比べるとスリムでたおやかな印象。しかし決して弱いわけではなく、精緻で密な造りは生産者の心意気を感じさせるようなもの。飲み終わった後にはこれも煎ったアーモンドのような香ばしい香りが残り、「飲む」というストーリーを見事に完結させてくれる。実はこれはボトルで注文したのだが、食べ物もないのに飲み飽きすることもなく二人でペロリと平らげてしまった。単に濃いだけのスパークリングだったらこうはいかなかったのでは。酔い心地は極楽。
使用されたグラスはロブマイヤーの「バレリーナ」。初めて見たのだが、その優美で完成されたフォルムはシャンパーニュの美しさを際立たせてくれる。一組欲しい…。
Brut '89 Palmer
ブリュット '89 パルメール
(フランス/シャンパーニュ/ランス、シャンパーニュ)
シャンパーニュなので泡が細かいのはあたりまえ。クリームの香り少々、ゆで野菜、特にゆでたソラマメのような香りは上のアマゾーネに共通しており面白い。レモンのような酸はチャーミング。やや軽めだがこれは作り手の意図する方向なんじゃないかな。軽いといってもこれまたしっかりした造りをしているのでそのへんは誤解なきよう。
Brut '89 Alfred Gratien
ブリュット '89 アルフレッド・グラシヤン
(フランス/シャンパーニュ/ランス、シャンパーニュ)
クリームのまろやかさ、グレープフルーツの爽やかさ、ウイスキーの深さを感じさせる複雑かつバランスの良い香り立ち。飲んでもバランスよいのだが、ややコンパクトな印象。その中でもきれいで長くたなびくような酸の余韻は非常に印象的。時間とともに果実の力強さがでて、グラスが空になる頃には完熟リンゴや甘栗、梅酒のような力強い香りも楽しめた。これは素晴らしい。今度はボトル一本でおつきあいしたいものだ。
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以下、お店の人との会話。
お座「高級なシャンパーニュってよく『高めの温度で飲め』って言われますけど、私はやっぱり冷やした方が好きなんですけどねえ。」
店主「温度が高い状態でグラスに注ぐとすぐに泡が出ちゃうからじゃないですか。冷やしてグラスに注いで温度が上がるまでゆっくり楽しめばいいんじゃないでしょうか。」
なるほど!ちょっと騙された気もするけど、なんとなく納得。
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お座「ワインが好きな人でもシャンパーニュ、スパークリングがお好きな方は比較的少ないですね。」
店主「シャンパーニュを味から入っていく人は少ないんじゃないですか。ひとつは F1 のシャンパンファイトみたいなのに影響されて入る場合と、もうひとつはお洒落なイメージから入る場合に分けられるような気がします。やはりシャンパーニュそのものは acquired taste だと思います。」
ふむふむ、私は後者だろうな。この世界を知ってしまったのは幸か不幸か。
また、このお店が近所にないのは幸か不幸か。
"Chardonnay" Brut NV Caves Jean Bourdy
「シャルドネ」ブリュット NV カーヴ・ジャン・ブルディ
(フランス/ジュラ、スパークリング)
シャンパーニュ五連発に続いてさらにスパークリング。ったく好きだね>俺。AOC は Cotes du Jura となっていました。シャルドネは認められているのかな?最初からレーズンやウィスキーのやや深い香りがする。そういう意味で華やかさはあまりない。飲むと結構濃く、苦みの余韻が続くやや大人びた味わい。シャルドネから作られているのに金属的な印象があり、ロワールのシュナン・ブランのようだ。しかし時間とともに豊かになっていくあたりちゃんとしたスパークリングであることを実感。お店で飲んで 3000 yen/bottle なら納得のお値段。
Wintzenheim "Riesling" '97 Josmeyer
ヴィンツェンハイム「リースリング」 '97 ジョスメイヤー
(フランス/アルザス、白)
いきなり強い青リンゴ香。ジュニパーベリーのようなスパイス香がするのは気のせいかな?(^-^;) 飲むと上のジュラのスパークリングの印象が強すぎたせいか気の抜けた清酒のような頼りなく感じられた。しかし時間とともに洋ナシのような甘ったるい香りも出て、厚みとミネラル感のあるワインに転じた。複雑さに欠ける印象もあるが、力強さがある一方、いろんな料理に合いそうな愛敬のある側面も持ち合わせている楽しいワイン。たしか 4000 yen/bottle ぐらい。
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ワインリストは比較的シンプル。品揃えはコストパフォーマンスの高いものを中心にフランスものだけでなく新世界ものも良心的な値段で揃えてある。しかしそれよりもさらにコストパフォーマンスが高いのは料理だね。今回は 2500 円程度のコースだったのだが、品数、量、味ともにかなり満足できました。それぞれに工夫を凝らしてあるし。関東圏でしいて言えばゴールデン・ドロップに近い印象のお店だが、少なくとも料理のレベルはずっと上であろう。食後酒も充実しておりうれしいかぎり。あのグラッパを飲みにまた行ってみようっと。
Brut Non Dose Grands Crus NV Egly-Ouriet
ブリュット・ノン・ドゼ・グラン・クリュ NV エグリ・ウリー
(フランス/シャンパーニュ/アンボネイ、シャンパーニュ)
シャンパーニュでは珍しく (だと思う) ブラン・ド・ノワールを産するエグリ・ウリーのノン・ドゼ。オレンジ色の柑橘類の香りが強いが、ココナッツのようなほの甘い香りもベースにある。飲んでも爽やかな印象とずっしりとした印象が同居しているのが面白い。余韻はまさに夏ミカン。もうちょっと濃いのを期待したが、これは分類上は爽やかなタイプになるかな。
「トマトとモッツァレラのカプリ風」
何度食べても相変わらずおいしい。私が作るとどうもドレッシングのまとまった味わいが再現できないんだよなあ…。
「イタリアンパセリ風味のポテトサラダ」
シンプルだが味わい深い一品。
「牛たたきのプロヴァンス風」
レモンがやや強い印象があったが、それでもホースラディッシュ+醤油なんかで食べるよりもずっと牛肉の味がわかる。ちょっとしたことなんでしょうけどね。
Cotes de Province "La Courtade" '97 Dom. de la Courtade
コート・ド・プロヴァンス '97 ドメーヌ・ド・ラ・クールタード
(フランス/プロヴァンス、白)
浅学な私はプロヴァンスの白というとすっきりしたものという印象を持っていたが、先月のシャトー・シモーヌといい、これといい、非常に密度の高いワインもあるのを思い知らされてしまった。まずかなり色が濃く、しかもねっとりとしたテクスチャーは少しグラスを回しただけで明らか。そしてグラスを回さずともソーダキャンディーのような甘い香りが猛烈に立ち上ってくる。なんとなく炭酸っぽい香りの印象も。飲むと逆浸透膜で濃縮したのかと思うほどの凝縮した果実感があり、南方のワインらしく酸はかなり弱い。余韻もココアパウダーでとにかく濃いのだ。爽やかさにはかなり遠く、ややその濃さには人工的な印象を感じないでもないのだが、時間とともに湧いてきた洋ナシの香りがこのワインの真価なのではないだろうか。ポルクローレ (Porquerolle) 島という地中海に浮かぶ島がこのワインの産地。そしてドメーヌ・ド・ラ・クールタードの当主はなんでもアルザスの作り手の子息だそうだ。
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追記:このワインに使用されているブドウ品種について、ご提供していただいた方から情報を頂きました。以下、ご参考あれ。
Rolle ロールだそうな。いやはや貴重な情報を本当にありがとうございます。
プロヴァンスの葡萄で、元来ニースの近くのベレに栽培されていたが、いまではラングドック、ルーションで増加中。香り高く暖かい気候のワイン産地に必須の、酸が高い。フランス当局(?)によると、コルシカ、サルデーニア島のVermentinoと同一種だと確認された。ちなみに…
Vermentino ヴェルメンティーノ
香り高い葡萄で、ラングドックルーションで広く栽培。コルシカ島では、マルヴォワズィエ・ドゥ・コルスと呼ばれ、最も栽培されている白葡萄品種として白 AC ワインを支配。イタリア(サルデーニア、リグーリア)では4000haほどで栽培されているワインは、ボディ、酸、芳香、バランスの良さが特徴。
Cassis '95 Clos Saint Magdeleine
カシー '95 クロ・サン・マグドレーヌ
(フランス/プロヴァンス、白)
以前にもいただいたカシー。「カシーってブイヤベースに合うんですよね?」という私の発言がこの会の発端だったか。薄い金色のワインは脚が長く、砂糖水にレモンを入れて煮詰めたような爽やかさと濃さが同居する香り。そしてローズマリーやなぜかマスタードのような香りも。飲んでも干しブドウのような濃い果実があるが、上のドメーヌ・クールタードよりはずっと酸が効いており、爽やかな余韻をも形成している。ブイヤベースとの相性はもちろんばっちり。
「ブイヤベース」
香ばしさと魚介類のダシが素晴らしい一品でした。ただバゲットはやはりトーストすべきだと思うのと (面倒なんですが)、私が手がけたアイオリソースが混ぜすぎで腰がなくなっていたのが改良点か。(^-^;) これに米を入れて雑炊ならぬリゾットにすると旨かっただろうな…。
Griotte-Chambertin '90 Joseph Drouhin
グリオット・シャンベルタン '90 ジョセフ・ドルーアン
(フランス/ブルゴーニュ/コート・ド・ニュイ、赤)
ブイヤベースが出ていちおう会は一段落したのだが、やはりちょっと赤ワインが飲みたいモードになっていた。そうした雰囲気を察知したのか家の主が差し出してくれたのがこれ。うーん、そんなにもの欲しそうな顔をしていたかな?(^-^*;) もう本当に恐縮してしまいます…とかいいながらうれしそうに飲んでいたけど。
閑話休題。深く、濃いガーネット色をしており、脚は長いというより厚いといった方が近い気がする。すぐに感じられるのはその名の通り完熟サクランボ。そしてイチゴジャム、紅茶、スミレの花などなど甘くて深くてもうこれだけで夢見心地。その他、オレンジピールもほのかに感じられ、草木朽ち果て系の熟成香の深さと果実香の華やかさが絶妙なバランスを保っており、飲まずとも十二分に楽しめる。が、飲まないわけもなく、凝縮した完熟フルーツ感とカツオだしのような強い旨味、複雑な酸とやや目立ち気味のビターチョコレートのようなタンニンが絡み合うさまは、旨いを通り越して快感としかいいようがない。フレッシュな酸を中心とするの余韻は永遠かと思われるぐらいに続く。そして飲んだ後に鼻に抜けるのはココアパウダーやクレーム・ブリュレの甘い香り。一時間ほど経つとフルーツ香はかなり飛び、海草の香りや土やキノコを思わせる香りに、そしてフルーツは野生の果実という様相を呈してきた。しかし旨いことには変わりはなく、最初から最後まで実に官能的な体験。今年飲んだピノ・ノワールの中ではまずまちがいなく No 1 であり、これを超えるピノというのは私にはイメージできない。
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追記:なんでも文献によると…
厳しい pruning、手摘みによる選果、収穫。Drouhin 自慢の自社畑の一つ。'90 は 250 ケース。 (!)
だそうな。いやはや本当に貴重なワインをありがとうございます。
Sassi Neri "Rosso Conero" '97 Fattoria le Terrazze
サッシ・ネーリ・ロッソ・コネロ '97 ファットリア・レ・テラッツェ
(イタリア/マルケ、赤)
もう血糖値は 120% ぐらいまで上がっていたのだが (^-^;)、またまた一本開けていただきました。いやもう、本当に恐縮してしまいます。以下、最初はブラインドで。
色は濃い青紫色、エッジは青みがかっている。そして煮詰めた黒砂糖やエスプレッソ、コンデンスミルクのような色に見合った濃い香りに野生のベリー系の香り。飲むと予想通り濃く、酸よりもややタンニンが目立つ味わい。しばし考えて「南仏のカベルネ・ソーヴィニヨン」と答えてしまっが、結果はご覧の通り、品種はモンテプルチアーノだそうだ。ボトルを見せられても恥ずかしながらピンと来なかったのだが、言われてやっとわかりましたよ、正月に飲んだモンテプルチアーノから作ったスパークリングと同じ生産者だって。なるほど!
「オリーブのスパゲティ」
もう腹一杯だっちゅーのに…ぺろっと平らげてしまいました。(^-^;) 旨い!
ということで相変わらずお料理もワインもたくさん頂きました。海より深く感謝しております。