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ホーム⇒博物館の窓⇒地質の窓 地質の窓(平成26年度) ![]() ![]() ![]() |
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![]() ![]() 相模原市西部を流れる道志川は相模川の主要な支流の一つです。山梨県山中湖村と道志村の境界、山伏峠付近を源流とし、相模原市緑区三ケ木付近で相模川と合流します。道志川の上流部には富士山が噴火したときの噴出物や丹沢山地の中心部をつくっている岩石がみられます。 富士山の噴出物は相模原でみられる関東ロ−ム層とよく似ていますが、こちらの方が厚く堆積しており、層がはっきり見えています。含まれている溶岩の破片も相模原のローム層中のものよりも大きなものが多いです。富士山が近いため噴出物の粒も大きく、地層も厚くなります。また、道志川の護岸には天然石が利用されているところもあります。使われている石は玄武岩で、富士山の溶岩の可能性が高いです。
丹沢山地の中心部をつくっている岩石は、閃緑岩や斑れい岩のなかまです。閃緑岩や斑れい岩は、マグマが地下深くで、ゆっくり冷えて固まってできた岩石、いわゆる御影石と呼ばれているものの一種です。含まれている鉱物がかなり大粒の斑れい岩もみられます。
道志川の支流、室久保川の河床に目玉のような模様が見られます。この模様は「的様」と呼ばれており、伝承では昔、源頼朝が武道鍛錬のために作った標的ということです。他にもあったようですが埋もれてしまったそうです。このあたりの河床は閃緑岩のなかまでできています。全体(灰色の部分)が閃緑岩のなかまで、目玉模様の白い部分は別の種類のマグマが冷えて固まってできたものです。「的様」は“的”の周囲の閃緑岩のなかまをつくったマグマと“的”の白い部分を作ったマグマが完全に混じらずにできた模様です。マーブルケーキのマーブル模様のようなものです。
「的様」の下流、「道志の湯」の近くでは、変成岩の一種である結晶片岩が見られます。丹沢山地に見られる結晶片岩は、凝灰岩や安山岩・玄武岩等の火山岩が高い圧力によって押しつぶされてできたものです。高い圧力により、もともとの岩石を構成していた鉱物は別の鉱物につくり変えられています。 (地質担当学芸員 河尻) ![]() | |||||||||||||||||||
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