法律問題Q&A  離婚・相続
質 問
 今日,PTAの新年会で飲んで夜遅く帰ったところ,妻からいきなり,「もう,あんたとは別れる」と言われたのですが,私は,別れる気持ちはありません。これから先どうなるのですか

 @ 離婚には,どのようなものがあるのですか。その手続はどうなっているのですか
 A 一方が離婚を嫌がっている場合にも離婚させられる場合があるのですか。
 B 離婚になった場合,慰謝料を払わなければならないのですか。
 C 財産分与というのは何ですか。
 D 未成年の子どもがいるのですが,親権者や養育費はどうなるのですか。
 E 妻と離婚した後,妻が死亡した場合,妻の財産を相続できるのですか。
    私が親権をもつようになった子どもは妻の財産を相続できるのですか。
 アドバイス
 @ 離婚の種類
    離婚には,(1)協議離婚,(2)調停離婚,(3)審判離婚,(4)裁判離婚などがあります。
    (1)協議離婚は,当事者が離婚することに合意し,離婚届を作成し双方及び証人2名が
            署名押印し提出して行うものであり,離婚届が受理されたときに離婚が成
            立します。
    (2)調停離婚は,当事者が家庭裁判所に調停(夫婦関係調整調停事件)を申し立て,調
            停委員2名及び裁判官からなる調停委員会が,話し合いによる円満な解
            決を図ろうとするものであり,夫婦間の合意ができれば,合意事項を調停
            調書に作成します。調停で離婚の合意が出来れば,その時点で離婚が
            成立することになります。話し合いがつかない場合は,後述の裁判離婚
            を求めることなります。
    (3)審判離婚は,あまり家庭裁判所に調停に付されている付されている事件について,
            合意の見込みはないが,審判が相当であると認められる事件について,
            調停に代わる審判をすることができるというものであり,審判の告知を受
            けた日から2週間以内に異議の申立をすればその効力を失いますが,そ
            の期間に適法な異議申し立てがなければ,審判が確定し,判決を同一の
            効力を生じます(私の経験ではあまり審判離婚は少ないようです)。
     (4)裁判離婚は,地方裁判所(平成16年4月1日からは家庭裁判所) に対して,離婚
            を認める判決を求めるものです。このような裁判を提起する前には,あら
            かじめ調停をし,調停で話がつかなかった場合に裁判離婚を求めること
            が出来ます(これを調停前置主義といいます)。
 A 離婚原因
    調停によって離婚の話し合いをするも話し合いがつかない場合には,離婚を求める訴え
    を裁判所に提起することになります。今回のように,奥さんがあなたに対して離婚を求め
    る調停を起こし話し合いをするも,あなたが離婚に反対し,話し合いに応じない場合に
    は, 調停は不調となります。
    そうすると奥さんのほうから,離婚を認めることを求める裁判を地方裁判所(平成16年4
   月1日からは家庭裁判所)に対して起こすことになります。
   この場合に離婚が認められるためには,民法770条1項の離婚原因があることを主張・
   立証することが必要です。
     同条1項によれば,離婚原因として 
     @ 配偶者に不貞行為があったとき
     A 配偶者から悪意で遺棄されたとき
     B 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
     C 配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき
     D その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
   が挙げられています。