1998/02/10 岡崎さんからのメイル

Subject: おっしゃる通りです

これは全部岸田秀という心理学者の受け売りなんですが、彼が言うには人間の性格というのは他者との関係によって構築されます。もともとある人に客観的な意味での「性格」というのが存在するのではなく、接する人との関係の質によって様々な性格に変化します。例えば私がケチと判断した人も、違う人には気前がいいと判断されたりしますが、それは接する人間が(この場合は私が)相手のケチな傾向を引き出したり、もしくは引き出さなかったりするわけです。もちろん誰がどう見てもケチな人はいますが、それはその人の体のなかにけちになるような物質か何かが含まれているとかそうゆうことではなく、それまでの人間関係により構築された一定の行動パターンになっているだけではないでしょうか。こういう人も後々の人間関係の構築の仕方次第で「性格」に変化が出てきます。

話が抽象的になりました。前出の学者の著書を引用しますと、「金色夜叉」のお宮を得た男は、金に欲が眩んだお宮を得ることはできましたが、貫一の知る心のやさしいお宮を得たわけではありません。もしかすれば後々お金よりも他のことに価値を見出さざるをえない人間関係を構築し(例えば愛情とか、悪い意味?では宗教とか)富岡(名前はこれで正しいですよね?)の元を出奔することもありえるのです。つまりお宮はもともと金に目が眩んだ「性格」をしているのではなく、相手との関係において金に目が眩んだわけです。

こういう意味において、人間の内面に性格なるものの原因を見出す試みは無意味である、とこの老人は述べています。


次の賛成メイルを読む
前の賛成メイルを読む
みなさんのご意見 に戻る
血液型性格判断をやめよう に戻る