香港返還30/June/1997

 ロンドン時間の午後5時、香港は英国領から、中国の特別行政区に生まれ変わった。まさかこの瞬間を、旧宗主国で迎えるとは思いもしなかったが・・・。昼間行った中華街も、何かいつもと違うようなそうでもないような・・・香港系の人が結構いるようなので、思いもひとしおだったに違いない。
 ところで、香港での最後のセレモニーは、総督が船で香港に別れを告げるというもの・・・いかにも伝統国家という感じである。よく言えば伝統を重んじる国家、悪く言えば伝統を引きずっている国家だと思う。私は今の現状は、悪い意味での伝統が引きずっている面が結構あるように思える。別に船で出る必要もないだろうに・・・18世紀じゃあるまいし。啓徳空港からチャーター機で出ていったっていいじゃないか!。引き際も荘厳に伝統に則って、という考え方もあるのだろうが、無駄なことに金を使って、そんなことをする金があるのならば、病院作れよ!みんな困ってんだから!と思う。ただでさえ税金や保険料が高いこの国、国民は自分の税金があんな事に使われて怒らないんだろうか(そもそも税金で賄われているのかわかりませんが・・・王室分は別としても、総督の費用は国持ちだと思う)。日本だったら騒動が起きそうな気もする。
 また、新聞(日系紙ですが)で読んだが、イギリスにはまだ、統治領がたくさんあるそうだ。香港に関して言えば、元々の国が中国であり、その中国が社会主義国家として経済が停滞していた背景があり、香港は英国領として資本主義システムの中で経済の発展があったことを考えると、一概に悪いこととは言えないのだが、どうも今の世の中に「○○国領」というのも合わないような気がしてならない。
 とにかく香港は、もはやイギリスではない。今後どうなっていくのか、気になる存在である。


コインランドリー29/June/1997

 洗濯機が故障した。家主を呼んだら直してくれた。どうやらモーターとドラムを結ぶベルトが伸びてきているようで、外れてしまったようだ。「今度外れたら、新しいベルトを付けよう」と家主は言い残し、帰っていった。そして修理が終わった洗濯機で洗濯を開始・・・しかしそこでまたベルトが外れてしまったらしい。また動かなくなってしまった。どうしようもない。そこで、今日はコインランドリーで洗濯することにした。
 私の家の裏にはコインランドリーがある。結構大きい規模で、クリーニング屋を併設している。今まで使ったことはなかったが、日本では学生時代に何度もお世話になっていたし、Mr. Beanで、コインランドリーのシーンを見たこともあったので、あまり考えずに店内へ。店内には料金表が・・・16lbまで£2、25lbまで£3。まあまあのお値段・・・だがしかし、どうやって重さを量るのだろう???と、店員が寄ってきた。「わからないことはないですが」。何もわからなかったので、とりあえず使い方を訊いてみた。すると、「洗濯物を洗濯機の中に入れ、洗剤を洗剤入れに入れ、入口のコンピュータの所で自分の使っている洗濯機の番号を入力すると、金額が表示されるので、それに従い料金を払え」とのこと。各機械に料金を入れる方式ではなかった。重さもその時にきちんと量られるのだろう。コインランドリーにしては、ものすごい装備である。言ったとおり操作をしてお金を入れると・・・あら不思議(なわきゃないが)、自動的に(手でお金を入れたからでしょうが)洗濯機が動き出した。
 かくして、白物と色物で計£4、2時間で洗濯は終了。日本のコインランドリーよりは長いが、強力に洗ってくれる。そこの店は朝8時から夜10時まで営業している。イギリスを長く旅行される人は、活用するのも手である。夕食の間に洗濯をしてくれる。乾燥しているので、一晩干せば洗濯物はたいてい乾く。心配なら乾燥機もある。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Swing Out Sister "SHAPES AND PATTERNS"
日本では3月に発売、アメリカでも6月中旬に発売、でもなぜかお膝元イギリスでの発売の予定がないこのアルバム。前々からレコード店をハシゴして探していたのですが、今日やっとアメリカ版が見つかりました(おかげでちょっと高かった)。内容は、やっぱり
SOSやってくれるなぁという珠玉の一枚。それにしてもShakatak同様、日本リリースの方が多くなってきてるなぁ、SOSも。


Stoke - on - Trent28/June/1997

 Stoke - on - Trentとは、Trent川のほとりにあるStokeという町と言う意味。イングランド北西部、BirminghamMancesterの間に位置する。こう言ってもわかりにくいと思うが、Wedgwoodの窯元があるところと言えば、ピンと来る人もいるだろう。
 先週の1,000km単独走行の教訓を胸に、今回はナビゲーター一人に同行してもらい、Stoke - on - Trentまでドライブすることになった。ロンドンから約3時間、まずWedgwoodVisitor Centreへ到着。ここでは£3.25で、Wedgwoodの製品製造に関するビデオを見た後、実際に作っているところを見学することができる。あの綺麗な焼き物がどのように作られるのか・・・見てのお楽しみである。続いて直売所。ここはほとんど原価で売っており、見るのにはいいが、買うのはちょっとためらった。また、ここにはカフェテリアが併設されており、Wedgwoodの食器で食事ができる。味はまあまあ。その辺のレストランへ入るよりは格段にいい。
 次に、町中のGladstone Working Pottery Museumへ行った。ここは、窯元の跡を公開しているもので、実際に焼き窯の中まで入ることができる。ただ、入ったときの印象は、「昨日まで仕事をしていて、そのまま残して出ていった感じ」といったところだった。ここでは、焼き物産業の歴史と、伝統的な窯の下での作業工程を知ることができる。ここはなかなかおもしろかった。ただ、人形を使ったり効果音を入れたりしている部所を見ると、どうも「ゴールデン佐渡」を思い出してしまう。
 そして最後に行ったのが、Wedgwoodの半端物即売所。ここでは、汚れが着いたり、焼き色が悪かったりした商品を販売しているのだが、はっきり言って素人には違いがわからないものもある。おまけに安い!!。思わず衝動買いしてしまった。ここはオススメである。
 電車で行く方法もあるが、いろいろ歩くなら車で行くことをお薦めしたい。時間的にはロンドンからちょうどいい距離である。


左ハンドル27/June/1997

 イギリスは日本と交通法規が同じ・・・というより、日本はイギリスの真似をして道路を造ったので、どちらも左側通行である。よって車のハンドルは右にある。日本では左ハンドルが多く売られているベンツ、BMW、ルノー、プジョー、ローヴァーなども、ほとんど右ハンドルのものが売られている。しかしながら、他の欧州諸国はアメリカ同様右側通行であるため、左ハンドルである。
 欧州内は国境を車で越えられるため、大陸の車がイギリス国内を走っているのは日常茶飯事である。当然の如くハンドルは左。運転していて怖くないかと思う。
 ところで、日本では「金持ちのステイタス」的なイメージがある左ハンドル。この国ではそんなことがあるのか・・・そんなわきゃない。事務所のイギリス人(フランスで購入した、左ハンドルの日産マーチ所有)に訊いてみたところ、「保険が高いだけ。料金所は不便」という。別にステイタスでも何でもないのだ。だいたいにして、同型の右ハンドル車が簡単に手にはいるのだから。
 日本でも、BMWあたりの、手頃な右ハンドル車を売り出せば、多分200万程度で発売できると思うので、人気が上がるのではないか。ちなみに私の車も、手頃な右ハンドルのBMWである。


耳かきと綿棒26/June/1997

 まるで東京スポーツ好評連載中(かなぁ?)の「馬場と猪木」の様な今日のタイトル。どちらとも耳そうじの定番である。私は「綿棒は森川美穂コンサートで投げるもの」との信念の下、耳かきを愛用している。しかしながら、イギリスで耳かきを手に入れようとすれば至難の業である。
 この国では綿棒が一般的である・・・と言うか、綿棒しか選択肢がない。ドラッグストアに行けば、たくさん置いてある。スーパーでもそうだ。ただ、「どうも耳かきでないと、そうじした気になれない」といった、私のような通の方がイギリスで生活する場合、耳かきを日本から持ってくることが必須である。日本にいても、爪切りと並んで「必要なときに見つからず、掃除をしていると3〜4つ出てくる生活用品」として知られている耳かきである。スペアは必要。うっかり忘れてしまいそうだが、鞄の中に忘れずに入れておこう。


病人の食事・・・その225/June/1997

 風邪は大体良くなった。消化の状況が悪かったのだが、どうも昨日の昼に食べた炒飯が病人のお腹に過激だったようだ。その話を秘書の子(イギリス人)にしたところ、「中華なんか食べたら・・・」という答えが返ってきた。そこで、「病気の時に何を食べてるの?」と訊いてみた。すると、こう返ってきた。

「・・・・何でも。フライものは駄目かなぁ。あと、炭酸飲料も駄目。」

おいおい、そりゃそうだろうよ。それにしても何でもってー回答も予期しなかった。そりゃ炭酸系も駄目だろうけどね。そこで、「昨日は非炭酸のレモネードを飲んだ」と言ったところ、「レモンは栄養価は高いけど、お腹に与える刺激が大きいから駄目」と返ってきた。じゃぁ何食えばいいの??。最後に一言

「アイスクリームもいいのよ」

ア、アイスぅ??結局好きなもの食べてればいいという話。
 まぁ、彼女の場合は極度の偏食だからちょっと極端な例なのだが、それこそイギリス人の病人食ってどんなものだろうか不思議になった。下手に大きな病気になって入院なんかすると、食べさせられるものは何なんだろう。不思議である。
 昼は、お腹に優しいチベタンに行った。やっぱりチベット料理は、胃が荒れているときや、体が弱っているときにいい。


病人の食事24/June/1997

 風邪をひいてしまったようだ。消化不良と体のだるさに悩まされている。ということで今日は手短に。
 病気ということで、今日は家でおとなしくお粥を作って食べた。生姜が効いて体がぽかぽかしている。ところで、この国の人は病気の時に何を食べるのだろうか。油っこい食べものが多いこの国で、何が病人食になるのだろうか?よくわからない。オートミール辺りが結構良さそうだが、真偽の程は確かではない。まぁ、フィッシュアンドチップスを食べることはないだろうが・・・。


ウィンカーのタイミング23/June/1997

 皆さんは、車を運転していて車線変更をする際に、ちょうど移りたい車線を後ろから車が走ってきた際、どのタイミングでウィンカーを出しますか?。私は、ちょうどその後続の車が、今自分の車を抜かさんとする、ちょうど車が並んで、少し抜かそうとしたその瞬間に出すことにしている。そうすれば、抜かしている車の運転手がびっくりすることもなく、また、その後ろの車には「車線変更するぞ!」と意志をはっきりと伝えることができる。しかしながら・・・昨日、一昨日と車で走っていて思ったのは、そのウィンカーのタイミングが、みんな早く、ちょうど後ろを走っているときに、自分の車に気付いてくれているんだろうかと、少々心配になるときがあった。それもほとんどの場面でである。

 

私がウィンカーを出すタイミング 他の車がウィンカーを出すタイミング 車線
   →(私の車)     →(他の車)  走行車線
   →(他の車)   →(私の車)    追い越し車線

 追い越し車線を走っていると、突然左側の車線を走っている車が右ウィンカーを出すことが多い。また、自分の車はその車の所まで到達していない。前の車の死角に入るぎりぎりの辺りである。そこでウィンカーを出されると、「この車は、自分の前に出たいのか、はたまた自分の後ろで車線変更したいのか?」疑問に思う。私は最悪のことを考えて、その時は少しスピードを緩めて、前の車をうかがう。しかしながらほとんどは後者の場合であり、再度アクセルを踏み、その車を追い越す。はっきり言って紛らわしい。いい加減他の車の運転手に与える影響を考えてもらいたいものだ。おまけに無理な割り込みや追い越しも多い国なので、油断も禁物。自分が痛い目にあってしまう。
 これはイギリス特有のものなのだろうか。日本でもあるのだろうか。その辺りはよくわからない。でも、私はこのテの不快感を感じたのは、イギリスに来てからである。


排水機能22/June/1997

 最近雨が多い。今日もイギリスにしては珍しいバケツをひっくり返したような雨が降っていた。晴れたかと思えばまた雨が降り出すという、はっきりしない天気だった。
 こんな日は家でじっとしている方がいいのだが、放浪癖のある私は、IKEA(スウェーデン系の家具などを売っている店)、YAOHAN(言わずと知れた日系スーパー)、TESCO(イギリスのダイエーとも言えるスーパー)と、3店もハシゴで買い物(ほとんどしてないが・・・)へと出かけた。途中車を運転していて感じたのが、異常に道路に水が浮いていること。普段余り大雨の降らないイギリスでは、道路の排水機能を余り考えていないようだ。
 そういえば、この国の道路には、路肩の雨水用の側溝がない。また、道路に高低をつけて、雨水が流れるようになどという配慮がされていない。そうしなくても、普通の雨なら、やむとすぐに道路が乾くという気候のためなのだが、今日のような強い雨が降ると、とたんに道路に水が浮いてしまう。そんな状況でも人々はスピードを緩めない。私はバイク運転の時の癖が抜けず、雨が降るととたんにスピードを緩め、ギアを低めにし、ブレーキも早めにかけるようになるのだが、そうするとなおさら他の人のスピードが気になる。「あんたらちょっと無謀じゃないの?」事故にでも巻き込まれたらたまったもんじゃない。そういえば今日も道路の真ん中で、対向車に接触した車が立ち往生していた。水浮いてるんだから、ちょっと気を付けて走った方がいいんじゃないの!
 排水機能を気にせずに道路を造ることができる・・・このお陰で、イギリスの道路は低コストで整備できたんだなぁということがわかった。日本でこんな道路作ったら、雨が降ったら川だよ川!


Blackpool21/June/1997

 起きたら7時前だった。朝飯を食いながら考えた。

「どっか遠くへ行きたいなぁ」

とりあえず、お気に入りのCDを持ち、車へ。地図を見ながら考えた末、とりあえず北ということで、8時にスタート。
 途中、大雨にたたられ、事故渋滞にあい、大変だったが、何とか辿り着いたのがBlackpoolである。映画"Shall we dance?"の撮影もあった(と思う。少なくともボールルームは映っていたはず)ところである。場所はリバプールの北、中学校の社会で、綿産業が盛んということで教わったランカシャーにある。ここまで聴いて、イギリスの地理に詳しい人なら気がつくだろう。「無謀だ」。そう、行くのに6時間もかかってしまった。それもほとんど高速道路経由(95%以上)で時速80マイルで走っててだ。途中休憩は行き3回、帰り2回。
 まぁ、それはおいておいて、Blackpoolの印象だが、遊園地があることは聞いていたのだが、この街は街中が遊園地という感じだ。とにかく遊ぶ場所ばかり。海に面した遊園地や、大きなカジノ(というよりゲームセンターかなぁ)、とにかくいろんな施設がある。駐車場も大きい。そういえば、わざわざこの街の近くまで、高速道路の枝線が伸びていた。それだけ来る人も多いのだろう。また、ここの名物が、海岸線を走る2階建ての路面電車。街から海を見ると、この電車が通っていき、何かウキウキしてくる。通りには電飾も施してあり、夜歩くと綺麗だと思う。海沿いにパビリオンなどの施設を持つ街はいくつかあるが(Brighton, Southendなど)、そのテの中でも、桁外れに規模が大きいのが、このBlackpoolだろう。今度は秋の寂しげな海を見に行きたいと思った。
 ところで今日の走行距離、600mile、約1,000kmである。まぁよくもここまで走ったものだ。21時にはロンドンに帰ってきた。今、頭の中は呆然としている。


車の個人売買20/June/1997

 いやぁ、本当に腹の立つ話だ!ということで、当事者の了解を得たので、この話をここに書こう。
 イギリスでは車の個人売買が簡単にできる。車庫証明が必要ないので、登録書類にサインをしてDVLCに送るだけで、簡単に名義変更ができてしまうからだ。日本のような面倒な手続きはない。ディーラーの車は高い。それも個人売買の多さの原因だろう。
 日本人社会でも同様である。日本語情報紙の売ります買いますコーナーでは、車も結構メインの商品になる。日本人社会の中だから大丈夫・・・そんなことはない。特に帰国売りに関しては、ポンコツをつかまされたりする危険性があり、危ないと言われる。では、住んでいる人から買うのはどうか・・・大丈夫だと思っていたが、今回、これも余り信用できないことがわかった。
 最近イギリスに赴任してきたZさん(仮名)が、ある日本語情報紙の広告に載っていた車を買うことにした。10年ものではあるが、まぁこの国では普通(私は11年もの)であるので、それは問題ない。売り主は、日本から自分の車を持ってくることにしたので、その車が不要になったとのこと。売り主が日本に帰るわけではないので、まぁ帰国売りよりは安心できる。車齢から来る不具合には目をつむり、Zさんはその車を買った。結構快調。
 そしてMOT検査(車検みたいなもの)のため、Zさんは私の紹介した日本人経営の修理工場へ車を持ち込んだ・・・。と、工場のオヤジが電話をしてきた。「これじゃぁ、MOT通りませんよ。直す価値もない。」意外すぎる忠告だった。見た目は問題ない。でも、内部は商品価値もないくらいだったようなのだ。どう考えても、MOT通らないことをわかっていて、それを隠して売ったとしか考えられない程だった。
 そこでZさんは売り主に連絡を取った・・・と、「そんなんなら裁判でも起こしますか!」。連絡を取りやすいように昼の電話番号を聞き、電話をかけてみると、「そんな人働いていません」。とにかく話にならない。そして、ある筋の情報でわかったのだが、その売り主は、日本から送ったという車(MR2だそうな)を、イギリス到着と共に、日系のディーラーに売ろうとしたそうだが、「1ヶ月以内に売るのは、輸入目的になる」と断られたそうだ。これでわかった。そいつは

「車で儲けようとしている阿漕な奴」

だったのである。狭い日本人社会の中にも、こんな奴はいるのだ。
 みなさん、疑えとは言いません。買うなとも言いません。でも、車の個人売買をするときは、一応売り主のこともしっかり調べておくこと!そして、こんな奴は日本人社会の中から追放しましょう!。同じ海外で住む日本人同士、助け合わなければ。「日本では私は馴染まない」などとのたまって、こんな阿漕なことをしているのなら、それは世界中で馴染むことのできない人なんでしょう。とにかくこの一件を聞いて、他人事ながら腹が立ってきました。


日本限定盤19/June/1997

今日は飲んだ!Picadilly Circus近くの日本料理屋で飲んだ。焼酎がうまかった!ということで、上機嫌で駅へ向かう途中、「ついでに」と思い立ち、同僚と別れて行ってしまったのが、Tower Recordである。
 探している、Swing Out Sisterの新作アルバムはまたなかった。そろそろ発売になりそうな、スウェーデンの若手歌手Robynのアルバムもなかった。そこで、ふらふらとポップスコーナーを見て回ったのだが、そこで気付くのが、日本からの輸入CDである。英語の渦の中にある日本語である。とにかく目に付く。それも半端な数ではない。
 当然日本の歌手ではない(ポップスコーナーには例外でCHAGE & ASKAだけは置いてある)。イギリス系、アメリカ系、まぁとにかくこっちの歌手のCDである。当然価格は高く、こっち産の約2倍。でも価値があるのは、日本限定盤であることが多いからだ。
 来日記念盤を含め、こういった日本からの「逆輸入」CDでも、置いてあるということは、売れるのだろう。まぁ、Tower Recordは、特に日本版CDが多い店なのだが(何せJ-POPコーナーがあり、我らが森川美穂も売ってるんですから)、他のHMVとか、Virgin Megastoreに行っても、たまに見かけることがある。特に欲しいアーティストになると、「日本に帰って買った方がなぁ・・・でも欲しいしなぁ・・・」と悩んでしまう。とにかく、本国よりアルバムが揃っているとは、やはり日本は大きな市場なんだろう。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
"THE MUSIC OF PHIL COLLINS"
 
16曲入りで£5.99!!おまけに名曲Separate Lives(浜田麻里じゃないよ)が入っていたので、思わず飛びつきました・・・・・・が、しかし、帰りのバスの中で聴いてみると・・・・・・おぉぉ、歌が入ってない!!よく見ると、サブタイトルが16 INSTRUMENTAL HITSとありました。歌はないのね・・・失敗した。
Lisa Stansfield "Affection"
 「何を今さら・・・」と言われそうな1枚。でも、しょうがないんです。持ってなかったんだから。チョットだけ聴きましたが、いいですね


タクシーの運転18/June/1997

 昼飯を食べ、ナショナルギャラリー横の横断歩道にさしかかった。道は渋滞しており、ちょうどトラックが横断歩道の手前に止まっていた。と、前の車が動き出し、そのトラックが前に出ようとした瞬間、横からタクシーがスッと割り込んでいった。トラックは急ブレーキをかけ、難は逃れたものの、あの運転は常識を外れていた。
 日本のタクシーもかなり運転が荒いと思う。しかしながら、トラファルガー広場の巨大ラウンドアバウトを走るタクシーは、それを越えてかなり荒い運転をする、というか必要とされる。ただ、それをよく見ると、タクシーの動きは常識から考えておかしいと思うときがよくある。とにかく車線の変更や割り込みが、いかにも当然と言った感じの走りだからだ。3車線一気に車線変更しても、どう見ても割り込めないところで割り込みをかけて、入れないとクラクションを鳴らす・・・いくら客を乗せているとはいえ、あれはないと思う。とてもじゃないが紳士・淑女とは言えない。
 タクシーに使っている車は、普通の車より小回りが利くという。だからああいう無茶な運転も可能になるのだが、車を運転する者として、ああいう人たちと一緒の道で走りたくはない。特にトラファルガー広場周辺は、道が集まってくる所なので、車が右へ左へ動く。この前も、事故(とはいってもかすった程度だが)になったタクシーと一般車が、広場の所で止まってけんかになっていた。あの状況を見るに、タクシーが無理矢理割り込んできて、一般車がタクシーと歩道に挟まれ行き場を失い、接触したといった感じ、とにかくタクシーの運転は荒い。運転手達は、厳しい試験にパスし、名誉ある職に就いている人たちだ。確かに荒い運転でもしなければ、街中を走り抜けることはできないかも知れない。でも、思いやりを忘れてはいけないと思う。自己責任といえば格好はいいが、他人に迷惑をかけた時点で、自己責任という言葉は、無責任という言葉に変わると思う。責任とは、迷惑をかけた人に償うことではなく、迷惑をかけないということなのではないか。
 タクシー如きでここまで考えてしまった一日だった。


食事の量17/June/1997

 今日の昼は、職場の新規現地採用職員の歓迎ランチだった。場所はイタリアンのカフェ。めいめいメニューを見ながら何を食べようか考えた。私は以前イタリアンの店で前菜とメインを頼んだところ、前菜だけで腹一杯になってしまった苦い経験があったため、今回はメイン料理だけにした。しかし他の人はみんな前菜・メイン両方を頼んでいたようで、メインが来た頃には、「苦しー」とか「こりゃ入らないや」とか言っていた。余裕で食べていたのは、日本人以外と私だけといった感じだった。
 それにしても、ロンドンで外食するときに感じるのは、「もう少し量を減らして値段も下げてくれたらうれしいなぁ」ということである。とにかく量は多い。特にイタリアンとかスパニッシュは多いと思う。日本食でも軒並み量が多い。日本人にはきつい量だと思う。それでも現地の人は食べている。私の二倍くらいの幅のあるおばさんだけならまだしも、私の3分の1の体重しかないようなおねぇさんまでもが食べているときもある。中華ならまだしも、洋食であの量はきつい。
 そういえば昔、CoCo壱番屋で900グラムカレーを食べたことがある(私の限界はここまでだった)。そこまでは行かないにしても、こっちの食事は700800位はあるような気がする。ただ、食事だけは質より量とはいかない。


世界初の地下鉄の苦悩16/June/1997

 今日、BBCでロンドン地下鉄の特集番組をやっていた。先の保守党政権下で民営化の方針が出されたロンドン地下鉄、労働党政権では民営化推進は行わないようで、動向が注目されるところだ。
 この番組では、現在地下鉄が抱える問題を放映していたが、これを見ていると、「世界初」という歴史の長さも、現在大きな問題を抱える原因になっていることを感じた。なにせ100年は経っている地下鉄である。トンネルなどの建築物は老朽化しており、補修改善を要する箇所も多いとのこと。特にテムズ川下のトンネルは現在補修工事を行っており、私の使うBakerloo Lineも、現在7月までの予定で一部区間運休となり、トンネルの補修工事を行っている。車両の老朽化も激しく、特に評判の悪いNorthern Lineでは、やっと新車が投入される模様。少しは走行中の騒音(走る車内で隣の人と話ができないほどうるさい)が落ちればいいのだが。
 1週間を見る形のドキュメンタリータッチだったこの番組、そのなかで、「今日の障害」という感じで、その日起きた故障の回数を表示していたが、とにかく信号故障が多い。それもラッシュ時間帯に起きるもんだから、いくらラッシュが激しくないロンドンとはいえ、少々パニックになる。これがもしも東京で起きていたらと思うとぞっとする。
 私が東京で勤務していた頃、松戸−国会議事堂前の常磐線−千代田線を使って通勤していた。千代田線も少し古くなってきていると感じたが、ロンドンに比べれば車両自体は快適(あくまで車両の話。まぁ、あの車内の混雑は世界最低でしょう。人間の乗る電車じゃないよ、ありゃ)。混雑するとよく北千住の前辺りで止まったが、それは2分単位で、あんなに混んだ列車を運行しているからで、ロンドンに比べ遅れなどは少ない。それだけ精密に走らせないと問題が生じる日本の社会もおかしいとは思うのだが、遅れる壊れるが当たり前の社会というのも、おかしいと思う。これから何度、地下鉄に泣かされるのだろうか・・・。


日本のビール15/June/1997

 今、キリン一番搾りを飲みながら、キーボードを叩いている。ヤオハンの酒コーナーで買った貴重品!。日本のビールの喉越しは、夏には欠かせないと思う。この一番搾り、イギリス産ではあるが、味は一番搾り。気になるお値段は、330mlで£1.20。日本と変わらない値段である。
 では、日本製の輸入ビールはどうだろうか?大体一番搾りと同じ値段である。他の日本産商品が軒並み2〜3倍で売られているのになぜ??。税金の違いである。日本のビールは半分税金である。こちらはそうではないようだ。だから日本産の商品でも、送料や関税を払っても日本並みの値段で販売できるのだろう。
 日本のビールの味に似ている、ドイツ系ピルスナーなどでお茶を濁すこともある。なぜならそっちの方がより安いから。イギリスのビール価格は日本より安い。どおりでみんなビールを飲むはず・・・。最近では、日本のビールを現地スーパーで買うこともできる。TESCOでアサヒスーパードライを発見したときは嬉しかった。値段はやはり他の商品よりは高かったものの日本並み。思わず買ってしまった。
 乾燥した夜は、日本製のビールできゅっと一杯というのが、いいだろう。つまみに餃子なんかあったら最高だ。さわやかなロンドンの夏は、もうすぐそこまで来ているようだ。


14/June/1997

 今日は蟹ツアー!!ということで、同僚のJohnny氏(日本人です)と2人で、ロンドンの北東遠く、North NorfolkにあるCromerまで、名物Cromer Crabを食べるために、一路車で出発進行!!。
 現地まで3時間余り、途中給油のための休憩だけで突っ走り、目的地Cromerへ到着・・・しかし到着直前でである。とにかく崖の上にある駐車場に車を止め、海辺へ向かう。突風と雨、寒い。その情景は冬の日本海のようだった。この雨で、海辺には余り人がいない。食事のできる店が少しあった・・・でもいわゆる「イギリス系」の食事処である。メニューはフィッシュアンドチップスやソーセージ(英国流のやつ)ばかり。でもその中に、Cromer Crabという文字を発見!やった!と思いよく見ると、サンドウィッチとサラダにはあるということ。

他にはぁ?えぇぇ、それだけぇ?

蟹ずくし!!などという、いかにも日本人が考えそうなメニューはない。カニサンド、カニサラダである。かまぼこでないだけましなのだが・・・。そこで我々は魚屋へ・・・
 魚屋に行くと、あったあった、蟹の甲羅に茹でた蟹肉と蟹味噌が詰めてあるものが、その量により、£1〜2という、手頃なものがあった。我々はそれを買い求め、食べることに。さじなどないので、指で摘んで食べた。

これだよ!これこれ!

ただ茹でただけ、それが美味しい。茹でたてでないのが残念だが、それでも美味しい。甲羅には身がぎっしりと詰めてあり、食べがいもあった。願わくば酢と醤油があればもっと楽しめたのだろうが・・・。
 シンプルな味、茹で蟹を堪能したい方は、是非Cromerへ行くことをすすめる。しかしながらロンドンから遠いことと、運転していると、車窓が単調で飽きてくることが難点。ちなみに今日は500km以上走った。


13日の金曜日13/June/1997

 今日は13日の金曜日。仕事をしていると、入口から「ガラガラガッシャン!」とけたたましい音。何かと見ると、事務所の秘書の所にあった掛け時計が落ちてきて、秘書のコの頭に落ちてきたのだ。あぁOuch![痛っ](そういえばOw-witch!という森川美穂のアルバムがあったなぁ)
 落ちてきた時計を元の位置に戻すため、彼女は私の所に来た。そりゃそう、彼女は背が低いので届かない。金槌持って悪戦苦闘している私に彼女は「今日は13日の金曜日、電車も止まるし・・・」と、微笑みながら話した。えぇぇぇ、げんが悪い日なのに、何でそんなに明るくできるの?頭に時計が落ちてきたのに・・・。
 うちの秘書の例は別としても、やはり13は不吉な数のようだ。そういえばF1の車番号に13はないし、13階のないビルもある(ロンドンじゃこんな高いビルは希有ですが・・・)。とにかく13は良くない数字のようだ。日本の49に似ている。ただ、13という中途半端な数なので、日本のように「4つだから数が悪い。5つにしよう」などという話はまず出てこない
 そういう悪い日だったはずなのだが、そういう私は事務所のメンバー全員と、ラーメン屋に行き餃子で一杯やり、上機嫌で家に帰ってきた。やっぱり信仰薄日本人には影響ないんだろうなぁ。


梅雨?12/June/1997

 近頃のロンドンは、夜雨が降るせいもあってか、昼間蒸し暑いことがよくある。まるで梅雨時の日本のミニチュア版(あくまで日本よりはましであるから)という感じである。
 しかしながらロンドンと言えば乾いた気候。こっちの人に聞いたときも、「こんな気候あまりない」と言う答え、暑さ対策や湿気対策が日本のように万全ではないこともあり、同じ状況下だと、こちらの方がひどく感じるのだろう。北海道の人の方が寒さに弱いこともあると言う理論と同じだ。
 こういう気候になると、厳しいのが地下鉄。冷房がないので、混雑する時なんて蒸し風呂状態である。まるで日本の梅雨時の電車である。でも外に出るとさわやかな風が吹いている。
 建物の中は日本の方が優勢!でも外を考えると絶対にロンドンの方が気候がいい!と思うと、アウトドア派の私は、来年からの日本での生活が思いやられる。こういういい季候に慣れてしまうと、リハビリするのも一苦労であろう。


CD11/June/1997

 CDと言ってもChristian DiorでもCompact Diskでも、ましてや決してChunichi Dragonsのことではない。Cash Dispenser(預金自動支払機)である。アメリカなどでもそうだが、この国でもCDは24時間稼働している。
 現金もあまり持ち歩かないこの国ではあるが、引き出しはいつでもできる。但し一日の引き出し限度額は£250位と聞いている。日本円で5万円相当、日本の感覚から言うと少なすぎるが、これがカード社会の現実なんだろう。それにしてもこの便利さ、日本に帰ったらまず困るのがCDの営業時間だと思うくらい大きい。
 CDはだいたい銀行支店の外にある。機械の中にあまり現金が入っておらず、引き出せないことも多数。そういうときは他の機械をあたろう。また、CITI BANKのカードが使えるCIRRUSは、イギリスの銀行、郵便局のCDではたいてい提携しているので、どこに行っても安心である。
 それにしても、この国にいると、現金をおろすときも£50もおろせば大金の方、またそれで1週間以上暮らしていける。まぁ、その分カードで支払ってはいるのだが、キャッシュレスの生活は非常に便利だと思う。


尋ねる10/June/1997

 ロンドンのバス停には、必ずバス停毎の行き先を示す掲示がある。これを見ると、どこに行くときには、どのバス停で、何番のバスを待てばいいかわかる。日本のバス停よりわかりやすく親切だと思う。これだけ親切な掲示がありながら、それを活用していない人も多く見受けられる。
 今日は知人をWaterloo駅まで送っていった後、Stationlinkのバスを使って家に帰ることにした。このバスは、分散しているロンドン市内のBRターミナル駅をバスで結ぶものであるが、時間が読みにくいことなどから、1時間毎に時計回り、逆回りが1本づつ山手線のようにぐるぐると走るという寂しいダイヤである。最終は20:30と、ちょうど5分前だったため、乗り場へ行く。そこには早着したバスが停まっていた。定期を見せ中に入ろうとすると、運転手(若い女性でした)「どこまで?」と尋ねてくる。普通の形態のバスではないし、このバスはPaddington止まりとなるので、乗り間違えのないようにという配慮らしい。私は終点までなので、すんなり通る。乗客は他1名。マイナーな路線である。
 このバスは、Waterlooを出ると、Victoria, Victoria Coach Stationと停まり、Paddingtonへと行く。バス停が少ないので、結構早い。バスは順調に走りVictoriaへ。ちょっと早く着いたようで、入り口を開けて待っていた。と、おばさん2人組が運転手に何やら尋ねていた。結構ごちゃごちゃやっていた「何話してんだ?」と思い見ていると、そのうち運転手が外に出た。そしてバス停にある行き先掲示を使って説明している。「おいおい、ちゃんと見ろよ」何とか説明が終わったようで、運転手が戻ると、また同じ様な輩が来た。それも続々と・・・。運転手はその度に「掲示を見ろ」と指さすのだが、それでも執拗に訊いてくる場合は、また外に出て教えていた。
 親切と言えば親切だ。これがイギリス流と言えばイギリス流だ。でも、あんなにバス系統があり、四方八方へバスが出ているVictoria駅のバス系統を、運転手が行き先を聞いて全て答えられるとは思わないし、「掲示がある」と言われたらそれに従うべきじゃないかと思う。これは「掲示で大体わかる」という日本式の社会に慣れた人間としての意見かも知れない。でも「掲示でわかる」のであれば、他人の手は煩わせないのが当然だと思う。
 バスは、尋ねてきた人のうち、4人だけを乗せて出発。無事Paddingtonへ着いた。それにしてもこのStationlink、乗る度に通るルートが少しづつちがう。別にかまわないのだが、正式ルートってあるんだろうか?。不思議である。


観光バスオヤジ9/June/1997

 昼飯をよくSOHOの中華街でとる。他の所より安くて美味しい。そこに行く途中、National Garellyの横の所を通るのだが、そこにいつもいるのが、Sight Seeing! Sight Seeing!といつも叫んでいる、観光バスのチケットを売るオヤジである。
 彼はいつも同じ所に立っており、同じように叫んでいる。黒い帽子に赤いズボン。春秋は赤いジャケット。夏はMind The Gapと書いたTシャツなんかを着て、冬はコートを着て、一年中頑張っている。顔はなぜかいつも赤い。日焼けなのか酒飲んでるのか???。とにかく名物オヤジである。
 我々は毎日そのオヤジの横を通って食事に行くのだが、どうも顔を覚えられていないようで、よく「どうだ?」と声をかけられる。毎日同じ時間に歩いてンだから、いい加減に気付いてくれよ!とも言いたくもなる今日この頃である。


車線減少8/June/1997

 特段予定がなかったので、前から目を付けていた車用品店へ行った。日本のように車用品販売店が乱立していないので、探すのが結構難しい。シートカバーを買い、そこの駐車場で付けてしまい、気分一新でちょっとドライブ。快適に走って・・・いたはずなのだが、どうも走りにくい。それは、どうやら車線の付け方に問題があったようだ。
 交差点前で、左折1本、直進2本、右折1本の、計4車線あった道が、交差点を越えると3車線になり、そしてすぐに2車線になっている道が多かった。それだけ聞くと、「別に」って感じであるが、その2車線への誘導の仕方がおかしいのだ。左折レーンから伸びている道はそのまま残し、直進レーン2本から伸びている車線を、1本にしているのだ(下図参照)。
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     →↑       →→
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     →→       →→
────── ────  
     →→        
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    →↓
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これじゃぁ円滑な車の流れを疎外してしまう。現に、直進する車は車線を変更せざるを得なくなり、ぎこちない走りになっていた。
 また、交差点やラウンドアバウト付近だけ車線を増やし、過ぎるとすぐに減るという道も多い。これは、交差点に進入すするときはいいのだが、通過した直後車線が減るというのは、危険だと思う。最初からその先の車線数に会わせればいいのだが、いかにも「土地があったから」といった安直な考え方で道を造ったとしか思えない。あと、車線の幅も一定でないため、ひやっとすることも多数、もうちょっと考えて道造って欲しいと思う今日この頃である。


日本語ソフト7/June/1997

 プリンタの印字ヘッドが壊れたので、郊外にあるコンピュータ量販店、PC WORLDへ買いに行った。ここは、パソコン本体のみならず、周辺機器や消耗品もかなり揃っており、またこの手のものが高いイギリスの中では安い方なので、よく使っている。目的の品を見つけた後、店内をふらふら歩いてみた。今使っているパソコンデスクもここで買った。棚を付けたかったのだが、同じ色のものがなく断念。周辺機器もいろいろある。デジカメはまだ高い。DOS/V使ってると、周辺機器が世界共通で、非常に助かる。そしてソフトコーナーへ。新しいソフトがたくさんある。ゲームもたくさん。でも、これらは全て英語版である(そりゃ当然)。
 まぁ、簡単なゲームくらいなら、何とかなるんだろうが、複雑なゲームや、日本語入力を必要とするソフトであれば、当然の如く日本語版のソフトが欲しいところだ。しかしながら、一般の店でこれを購入することはできない。日系の業者を通して買うと、当然の如く日本の倍以上の値段になる。最近はインターネットでダウンロードすることも簡単だが、33,600の環境でも、大きいソフトを落とすのは、実に大変である。
 日本から数本のソフトを持ってきて良かったと思っている。また、新しい情報を取りたいがために、CD-ROM付きの雑誌を買うこともある。今日は、ヤオハンに行った時に、中にある旭屋書店で、思わずDOS/V POWER REPORTを買ってしまった。£12.30と、日本の価格の倍以上するが、最新情報や、最新ソフトが、これだけで手にはいるのが嬉しい。
 ここでパソコン使っていて、結構苦労するのが、「快適な日本語環境の維持」なのかもしれない。


SWAN LAKE6/June/1997

 今日は、Royal Albert Hallでやっている、English National BalletSWAN LAKEを見に行った。バレエなんて初めて見るので、どんなものだか見当がつかないが、まぁ、曲は有名なので、何とかなるだろうということで、一路South Kensingtonへ。
 開演直前に何とか間に合い、ホールへ。ここは円形の劇場で、客席が舞台を取り囲む形で設置されている。我々の席はオーケストラの後ろ。どこが正面かと思ったが、指揮者がこっちを向いていいるので、どうやらここは「裏側」の席らしい。でも、円形劇場なので、どこから見ても一緒である。
 内容については、下準備がなかったので、よくわからないのだが、見た感じで思ったことを書いてみよう。バレエというと、白いバレエの服を着たおねぇぇさんたちが、つま先立ちで踊るというイメージだったが、最初の印象は、「歌やセリフのないミュージカル」といった感じ。そして、湖のシーンになると、私の思っていた「バレエ服」のおねぇぇさん方が出てくる出てくる・・・舞台上に総勢60名!(思わず数えました)+主役の1人。よくまぁこんな人数で、あんなに綺麗に踊れるなぁと感心してしまった。しかしながら、主役の方は、実に上手である。足音も聞こえない。その辺は、他の人と大きな差があった。
 あの服で座っている姿を上から見ると、本当に「白鳥が休んでいる姿」に見える。これに気がついたのが、今日の最大の収穫だったろう。(その程度しか見ていない私って・・・)
 ところでこのホール、有名なのだが、空調が悪く蒸し暑い!!。今日は外で雨が降っていたので、特にひどかった。やっぱり観劇系は冬場に限る。
 いろいろ感心して、帰宅の途に着こうと駅に行き列車を待つが、ロンドンの山手線とも言える、Circle Lineの列車が、30分待っても来なかった。正確に言うと、同じ線路上を走っている、ロンドンの京浜東北線とも言えるDistrict Lineの方はたくさん来るのだが、肝心な方が来ない!ということで、諦めてPicadilly Lineに乗るものの、乗り換え予定のPicadilly Circus駅が、閉鎖になっていると、直前のGreen Parkの駅に着いてから少し経ってアナウンスが入り、急遽乗り換え、Jubilee Line, Bakerloo Lineと乗り継ぎ、何とか最寄り駅までたどり着いた。たかだか4駅のために、1時間以上も使ってしまった。もう少しダイヤを守って列車走らせろよLondon Transport!!


駅員の対応・・・その後5/June/1997

 おととい、駅員の対応に憤慨し、確認のためロンドン地域の公共交通を管轄するLondon Transportに対し、質問メールを送ったことを書いた。そして今日、これに対する回答が来た。幼稚な英作文を見せるのは少々気恥ずかしいが、このやりとりを紹介しよう。
 私が書いたメールは下記のとおり

Dear Sir/Madam

I'd like to know about the system to use travelcard.
Now I have annual travelcard valid only Zone 1 area.
Today I used Putney Station operated by southwest rail.
But this station is situated in Zone 2/3.
I wanted to go to Waterloo station.
Between Putney and Waterloo, there are Vauxhall station situated in Zone 1/2
So I thought I should pay the fare between Putney and Vauxhall.
But station officer said that travelcard issued at underground station is not valid at BR station.
I think this man's decision was wrong.
So I ask 2 questions.
1 Are Travelcard issued at underground station not valid at BR station?
2 How much do I have to pay at this situation?
I'll waiting for your clear answer.

Sincerely yours,

文法上の間違いを確認しなかったなど、かなり失礼な文章にはなったが、言いたいことは伝わるだろうと思い、これをメールした。で、回答が下記のとおり来た。

Your travelcard is valid on buses, tubes and trains in the zones regardless of whether it was issued at underground or BR station.
You would need to pay the fare from Putney to Vauxhall, being the boundary of zone 1.
I cannot tell you the fare as this is a BR only journey which we do not carry details of.

結局、私の判断して採った方法が正しいかったということ。運賃については、各事業者毎に違い、BRの運賃については、お答えはできないということだが、これは自動販売機で確認したとおり、Putney - Vauxhallは£1.20。これですっきりした。
 ここで一つ覚えたことは、「釈然としないことがあれば、しっかりと確認することが必要」ということである。とにかくわからなかったら、とことん確認しなければ、損をすることもあるということだ。電話が苦手なら、手紙でいいと思う。e-mailなどという姑息な技(今回使いました)もあるので、あたって砕けろでやって見た方がいいと思う。


MOT4/June/1997

MOTとは何か?Ministry of Transportの略。でも今はその省庁は、Department of Transportになっているそうだ。でも、MOTという言葉は、今でも使われている。それが、日本で言う車の車検を指すMOT検査である。
 イギリスでは、車を買って3年経つと、毎年この検査を受けなくてはならない。しかしながら、日本の場合と違い、費用は少額。また、確認箇所もあまり細かくない。昨年、買ったばかりの車(とは言っても車齢約10年)を、MOT検査に持っていった。トラブルはいやだったので、MOTを代行で引き受けてくれる、日系の修理工場へ持っていった。「悪いとこ全部直しておいて下さい」と言い、お任せした。「MOTに通るように調整しました。で、気になった点は直しておきましたから」という、現地業者では望めない、実に日本的な仕事で嬉しかった。車は快調になった。エンジン全開!ハンドルの動きもいい!でも、タコメーターは動いていなかった。つまり、この国ではタコメーターが動かなくても、MOTは通るということ。
 あくまでも基本的な検査しかしないようだ。だから、私はあえて日系業者で「かゆいところに手が届く」サービスをしてもらった。で、思った。この国では、路上での故障車が多い。高速道路に乗ると、故障車を見ない日はない。何台も止まっている。車齢が高いのはわかるが、これだけ故障が多いと、「もうちょっと検査してもらったら」とも思う。けど、日本の車検制度は、やはり「やりすぎ」だと思う。
 昨日検査に出した私の車は、まだ帰ってきていない。件のタコメーターの件を、今回はお願いしてあるため、どれだけ費用がかかるか心配ではあるが、それでも日本の車検のような費用はかからないはずだ。


駅員の対応3/June/1997

 今日もまた喧嘩腰になってしまった。
 朝、MOT検査(日本の車検)のため、車を修理工場に置きに行き、職場に行くためBRPutneyの駅に行った。ここはZone 2/3の駅で、向かう方向によりZoneの扱いが異なる。私はZone 1Travel Cardを持っている。行き先はWaterlooZone 1の駅だ。途中、Zone 1/2となるVauxhall駅があるため、そこまでの切符を手に入れれば、乗っていいはずだ。とりあえず切符を買うため窓口へ。2つの窓口は、切符を買う人、定期を買う人がごちゃごちゃと並んでおり、混んでいた。まぁ、こんなのはもう慣れた。で、自分の番がやっと回ってきた。

Waterlooまで(と言って定期を見せる)」
「・・・・・・・・・・(はっきりと聞こえない)」
「はぁ、(と言って、金額表示板を見る) £2??Waterlooだぞ!」
「そうだ。Waterlooまでだ」
80pだろう!(と、地下鉄の場合の金額を言う)」
「いや、£2だ!」
「そんなはずない!80pのはずだ!」
「£2だ!」
Zone 1の定期もってんだぞ!」
「その定期は地下鉄のだから駄目だ!!」

全く埒があかない。結局そこでは買わず、自動販売機でVauxhallまでの切符を買い、列車に乗った。ただ、買った切符の金額は£1.20だった。
 ロンドン近郊の公共交通機関の料金について説明をしておく。バス、地下鉄、BRと、いろいろな形態の交通機関があり、一般の乗車券は、ロンドン圏内に設けられた6つのゾーンに基づき、個々に切符が発行される。しかしながら、一日乗車券、定期券(Travel Card)の類になると、区間ではなくゾーンに基づき発売され、ぞのゾーン内ならバス、地下鉄、BRは自由に乗り降りできる(バス専用など特殊なものを除く)。当然この券は、地下鉄の駅で買おうと、BRの駅で買おうと、値段も使用範囲も同じとなる。(詳しくはLondon Transport参照のこと)
 私の主張した金額も間違ってはいたものの、駅員の判断も間違っていた。「地下鉄駅発行のカードは使えない」などということはないはずだ。確かにBRZone 1内の駅は非常に少ない。でも、ルールはルール、きちんと覚えて欲しいものだ。
 この話を同僚にしたところ、こういうエピソードを教えてくれた。かつて出張の際にBRの駅で切符を買うために、東京銀行(現東京三菱銀行)発行のVISA CARDを出したところ、「こんなところが発行したクレジットカードは使えない!」と突っ返されたそうだ。当然そんなことはなく(当たり前ですよ、世界のVISAですから)、クレームの手紙を書いて出したところ、詫びの手紙が返ってきたとのこと。今までも書いているが、「係員全権委任」のこの国では、間違っていても、係員の主張が、その時の真実となってしまう。だから、それに対しクレームを付けることも、利用者側の当然の権利なのかも知れない。
 窓口で切符を買うとき、またバスで料金を払うとき、平気で間違った料金を請求されることがけっこうある(私も結構あった)。だから、正しい料金・ルールをきちんと確認しておくことも必要なのかも知れない。
 今回の一件については、ロンドン地域の交通を統括するLondon Transportに対し、質問のメールを送っておきました。もし回答がなければ、手紙で抗議をしてみるつもりです。


バスの故障2/June/1997

 帰宅の途、バス停へ歩いていくと、乗りたい23番のバスが2台並んで停まっていた。一台は既にウィンカーを上げたところ。「しまった!このタイミングじゃ乗れないなぁ」と思い少々早歩きになっていると、一台はボンネットを開けているのに気付く。「あぁ、また故障か」後ろには取り外したシートが立てかけられていた。
 旧式ロンドンバスは故障が多い。まぁ仕方ない。車齢20年以上の車がごろごろしてるんだから。私も一度乗客として遭遇したことがあった。シティに用事があり出かけ、バスで帰る途中、あのバンクの交差点で、バスが信号が青になっても動かない。「おやっ?」。エンジン音だけがうなる。別に渋滞はしていない。どうやらギアが入らないらしい。後続の車は横をすり抜けていく・・・。4回目の青信号でも進まない。2階に乗っていた私は、少々気になり下へ行く。すると車掌が運転席の横に行き、様子をのぞき込んでいる。特に「降りろ」という気配もない。乗っていた乗客もあきらめ顔。私もまぁこんなもんかとあきらめ、様子を見ていた。と、バスが動き出した。わずかな乗客から歓声が上がった。
 こんなもんなら笑い話で済まされるが、目の前で煙を吐いたバスなど、結構危険な奴も見たことがある。車を大事に使うのはわかるが、整備の方もきちんとして欲しい。新しいものに変わってしまうと、今までの情緒あるロンドンバスがなくなってしまうので、ずっと残して欲しいという気持ちをこめて・・・・・・。


日差しと気温1/June/1997

 天気は快晴!実にいいドライブ日和である。どっかに行こうと車に向かう。日差しはきつく刺すような暑さである。そこで気付く「車大丈夫かなぁ」
 こっちの車にクーラーがついているなんてぇのはまれ。当然私の車も自然換気方式である。少々不安になり歩いていくと、ちょうど私の車は日陰に入っており、天然のクーラーで涼しくなっていた。日陰は風が吹くと肌寒いくらいである。
 今の季節、日なたの気温はかなり上がるのだが、日陰はまだ肌寒い。風も冷たい。夜になると結構寒くなる。陽の高さと夜の寒さは、「ここは高緯度なんだ」と感じさせる。また、湿度が低いというのも要因しているんだろう。
 そういえば仙台にいるとき、夏場は窓を開けておくだけで、日陰なら家の中でも快適に過ごせた。湿度が低く、日差しだけで暑いところでは、日陰にはいるだけで暑さ対策ができる。こういう街は私は好きだ。


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