バス停一時閉鎖31/May/1997

 夕食後街へ出た。しかしながら、目的のCDは見つからず、一路家へ帰ることにした。いつもの通りバス停に行こうとすると、どうも様子が変だ。バス停の表示の所に黄色いシールが張ってある。そこの前では道路工事が・・・。道路工事に伴うバス停の一時閉鎖だ。これは、渋滞を引き起こしかねないときに行われる。
 バスが、バス停の前方で停車している。どうやらそこが臨時のバス停らしい。そこまで行こうとすると・・・何と、閉鎖されているバス停でバスを待っている人が数人いる。そこには黄色でいくつも「このバス停は一時閉鎖されています」という表示がされているにもかかわらず。
 そこで気付いた。そこには「一時閉鎖します」という掲示はあったが、「どこそこに移動しています」という肝心の表示がなかったのだ。これじゃぁ移動のしようもない。まぁ、私はさっき見当を付けたところへと向かう。するとそこには臨時バス停のマークがある。でも、どの系統のバスが停まるかまでは表示されていない。じきにバスが来た。私が乗るやつではなかったので、待っていると、一時閉鎖のバス停で待っていた人が手を挙げた(ロンドンでは、バスに乗る意志表示のため、手を挙げるのが普通である)。しかしながら閉鎖中なので、バスはスピードも緩めずそこを通過し、私たちの待つ臨時バス停へ。状況を飲み込んだ手を挙げた人たちは、走ってこっちまでやってきた。そして間一髪バスに乗ることができた。
 表示をきちんと見ていない乗客が悪いのか、はたまた完全な表示をしていないバス側がまずいのか・・・。こういう光景を目に余るほど見ている私としては、「どっちもどっち」という気がする。確かに表示は信用できないことが多い。それにしても、わかりきったことを人に訊かれることも多い。もう少し正確な表示と、それを見る習慣があった方がいいのではと考えるのは私だけなんだろうか。でも、同じ様な問題は日本でもあるような気もする。


督促状30/May/1997

 払い忘れていた電話料金を払うため、今朝小切手を送った。一週間以上手帳の中に挟んで忘れていた奴だ。そして案の定、帰ってみるとBTからの督促状が来ていた。まぁ、忘れていたのだから仕方がない。
 ところで、同じ様な失敗を最近した。それは電気料金。でもそれはすさまじかった。支払期日最終日に小切手を送ったのだが、督促状が発送されたのも、その支払期日最終日。集金に燃える執念というのもすごい。でも、せめて期日過ぎてから送るのがエチケットなんじゃないのかなぁとは思った。だって、期日までに払い終えている可能性もかなり高いはずだからだ。
 そういえば、こっちに住み始めたとき、BT以外では、こちらから何も言わなくても電気・ガスが使え、きちんと私あてに請求書が届いた。それだけフットワークが軽いので、督促も早いのか。それにしてもこの督促状、まず「」というのは、やはり注意を促すためなのだろうか。で来ると、こっちも何か「悪いことしたなぁ」と思ってしまう。


カップ麺29/May/1997

 今日の昼食は、オフィスに工事が入っていたため、事務所に残らなければならず、仕方なく、近くのスーパーでカップ麺を買ってきて食べた。こちらでもカップヌードルのイギリス版が発売されており、種類はビーフ、ハム、チキン、シュリンプと少ないものの、健闘している。
 スープの味は、完全にこっち産のカップ麺に比べいい。でも、やはり日本製の方が、味に深みがある。「ひと味違う」というのは、こういうことかと思う。何が違うか・・・わからない。でも確かに違う。味わいが違う。後味が違う。やはり日本の方がこういう物でも、味の深みの追求の仕方が違うんだろう。
 前に、日本から来た客人がカップラーメンを持ってきてくれた。何のことはない普通の奴だ。でも、あのスープの味は忘れられない。日本にいたときは何てことないと思っていたことなのだが、ここにいると、こんなことでも感動してしまう。きっと日本に帰ったときは、何を食っても感激するんじゃなかろうか。


ビールと爽快感28/May/1997

 夜、パブへ行った。まぁビールが飲みたかったので、何があるか見て、結局注文したのが「レーベンブロイ」。イギリスのビールではない。
 3回目に、やっとイギリスビールを注文、ビターである。温度は少々温め。これはハーフ(280ml強)にしていたのだが、その温さに爽快感を感じることはできず、結局4回目には、1,2回目と同じように、1パイント(566ml)のレーベンブロイを頼んでしまった。
 飲みながら、一緒に来ていたイギリス人の一人(日本在住経験あり)と話した。「私はイギリスのビールが好き」という彼女に対し、私は「スーパードライが美味しいと感じたときに、日本人だと思った」と話した。結局、好みはすり込みと同じで、環境で決まるという結論に達したのである。
 好みにもよるんだろうが、どうも私はあの生ぬるいビターは馴染めない。どうもラガーやピルスナー系に走ってしまう。それはビールに「爽快感」を求めているからだろう。スキッとしないビールは、何か「ビールを飲んだ!」という気がしない。確かに「味わい」はあるのだが、あくまで別の酒としてである。私の範疇のビールとはまた別物である。
 「札幌で飲むサッポロビールは確かに美味しい」という、某有名麦酒メーカー(サッポロ以外)の方の話を聞いた。確かに地方にあった味のビールがあると思う。でも、ビールでもあそこまで味が違うと、全く同じものであるという捉え方をするのは無理かも知れない。まぁ違う飲み物として味わうと、「いい味」と思えるのだが・・・。


怪汁と日本観27/May/1997

 昨日、ストックホルムで変な物を見つけた。スーパーの乳製品売場を歩いていたときのこと。牛乳の安さに感心していたその時、棚の1カ所に目が行った。1リットルの紙パックで、白地に、真ん中に赤い丸が描かれている。そしてパックに書かれている文字

おなか

何だ何だ??なぜこんな所にひらがなのパッケージがあるんだ??。疑問に思いよく見ると、横にJAPANSKAといった日本を意味するスウェーデン語が書かれている。メーカーは、この国を代表する乳製品メーカーのArlaだ。興味津々、その瞬間、買い物籠の中に、この「怪汁」は入っていた。
 そして今日、そのお披露目式である。職場に持っていき同僚の反応を見る。「ばかうけ」である。現地スタッフにもばかうけ。これがいったい何であるか見当もつかない。わかるのは「乳飲料」であることだけ。11時に開封。そして中身を出してみると・・・ただのプレーンヨーグルトドリンクだったのだ。それもかなりどろどろの。なぜに「日本」なんだろうか??。
 「体にいい」「おなかにいい」というだけで、「日本」のイメージが強いのかも知れない。確かに欧米で日本食が健康食であるという認識は強いようだ。しかしながらなぜにヨーグルトドリンクに日本のイメージがあるんだろうか。よくわからない。また、このドリンクを飲んでいるスウェーデン人は、日本ではこのような物を飲んでいるんだと思っているんだろうか。そうだとしたら・・・何か怖い。
 それにしてもこの飲み物、そのまま飲もうとすると、何か「バリュウム」を彷彿する外観で、何とも言えないのだが、味はまあまあで、フルーツと共に食べるとなお美味しいだろう。願わくば、300ml位のお手軽パックが出てくれることを期待したい


割り込み王国26/May/1997

 列への割り込みに関しては、再三このコーナーで話題にしている。今日もまた目に余る光景を見てしまった。場所はストックホルムの空港。私が乗るSK529便は、乗り継ぎ機の関係で、搭乗が少々遅れていた。一度はもうすぐ搭乗ですと言ったため、入口には長い列。私もその中程にいたため、身動きも取れず、重いリュックを背負ったままじっとしていた。
 そして搭乗。まず後ろの15番から30番までと、最初と同じアナウンスだ。すると座っていた人たちも動きだし列に並ぶ。と、ふてぶてしいオヤジが、私の斜め前方に何気なく接近。そして、何気なく列に入っていく。それに乗して4人くらいついてきている。 おのれーーーーー 何となく頭に来る。でも、最近ではあまりやられているので、だんだん慣れっこになってきてしまっている。で、結局彼らは私より早く機内に入って行ってしまったのだ。どこの国の人か結構気になる。ラテン系の国では、順番なんて関係ないという話も聞く。国毎の個性が出ると思うので、確認したかったが、パスポートのチェックがここではなかったためだめ。惜しかった。
 そんなこんなで割り込みの頻発に怒りながらも畿内にはいると、なぜか前の方のビジネスクラスに人が座っている。それもどうも日本人のようだ。どうでもいいけど、飛行機は後ろの人から入らないと、荷物詰めたりするために搭乗が滞るんだから、順番は守りましょうね、そこに座っていた2人!。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
"Skilda Varldar"
ストックホルムのレコード屋で見つけた、どういう主旨で作ったかは定かではない、スウェーデン版の
Hits 97とでも言った方がいいアルバム。いろんな歌手の曲が収録されているのだが、私の一押しはRobyn。ストックホルム中央駅のテレビで、Show Me Loveのプロモーションビデオが流れており、一度で気に入りました。まだ彼女のアルバムは出ていないようで、発売が楽しみです。


英語の力25/May/1997

 英語圏以外の国を旅行していて思うのは、「英語が通じることの重要性」である。私も、他の言語になると、挨拶程度しかできないのが現状で、嫌だなぁとは思いながらもついつい英語に頼ってしまう。北欧は、英語教育が行き届いているので、成人なら大体の人が英語を話すことができるようだ。今回旅行していても、大体の所で英語が通じた。駅に売店がなかったので、近くのガソリンスタンドに水を買いに行ったときだってそうだった。
 英語が使えれば、その国の言語が使えなくても、何とかコミュニケーションが取れる場面が多い。今回の旅行中、ドイツ語しか話せない男性が、車掌に物を尋ねていたが、車掌も「英語の方がわかるんだけど」と言い、彼も何とか片言の英語を使って意志疎通していた。言ってみれば世界共通語として開発された「エスペラント語」なんかより、より共通性がある。
 今の英語が通じる社会は、「英語による世界支配」の様な気がして、何か好きになれない。だからできるだけ現地では現地の言葉を使いたいのだが、フランスで少しだけ・・・それもほーんの少しだけできるのが限界。あとは、書いてある言葉をきちんと読む程度。何とかしたいものだ。でも、ケルン・ウィーンに代表されるような、地名を英語流に読み替えているものについては、絶対使わないようにしている。それがささやかな抵抗。でも、今の英語力では「負け惜しみ」としか取られないんだろうけど・・・。


Midnight Sun24/May/1997

 「予約も取らずに北極圏に行く」ツアーも、何とか切符が取れ、夜行列車でストックホルムから北極圏にある町、ノルウェーのナルビックへ到着。ホテルも飛び込みでとれ、一安心。白夜を心待ちにホテルの部屋で待機する。
 今回泊まったホテルは、丘の上にあるので、眺めは万全。町と海が見える絶好のロケーション。しかも安いときたもんだ。夕食後、列車での疲れで少し寝た後、20時から定時の写真撮影を敢行した。
 あいにくの曇りで、太陽の位置は見えない。でも、明るいということは言える。22時、ロンドンでも夏至の時期はこの頃暗くなる。でも明るい。電灯をつけなくても本が読める。23時、ほとんど変わらず。とにかく「夕方」って感じである。そして0時。ただの夕方である。太陽が見えないので、どんな感じかはわからない。多分まだ時期が早いので、少しの時間太陽が沈んでいる可能性もある。でも、真夜中の町を見ると、夏の「19時の街」って感じなのだ。実に不思議である。
 ただ、白夜がある以上、「黒昼(何て言葉があったかどうか・・・)」もあるわけで、冬には全く太陽が昇らない日もあるそうだ。ロンドンにいても、冬の日の短さに憂鬱になった時もあった。それを体験すると、日の長い時期というのがどれだけ大切かわかるような気がする。


Terminal 323/May/1997

 ロンドンの表玄関Heathrow Airportは、国際旅客世界一を誇る、大国際空港である。ここにはターミナルが4つあり、1は国内線とBritish Airways [BA], British Midlandなどのヨーロッパ線(但し、Paris, Amsterdam, Athnes, Moscow線は除く)、2は他国の航空会社のヨーロッパ線、3はヨーロッパ線以外の国際線(BAは除く)、4はBAのターミナル1以外のParis, Amsterdam, Athnes, Moscow線の国際線と、KLMなど一部の航空会社という振り分け(一部例外あり)。日本からの便は、BAは4、それ以外は3に到着するという仕組み。
 さて、Heathrowの免税店の充実ぶりは、世界的にも(?)有名だが、その中でも特に力が入っているのが、全世界から飛行機が集まるターミナル3と4であろう。4はお膝元の元国営航空が陣取っているのだから当然。3も負けじと世界中の航空会社の利用者相手に、免税品を売りさばくという勘定だろう。
 そこで今回のテーマTerminal 3。私は今回ストックホルムに行くのだから、1か2の利用としか考えられない。しかしながらあーた!「例外あり」という標記はここで重要になるのである。今回使ったScandinavia Airlines (SAS)は、ヨーロッパ線だから2だと思うのだが、なぜか3だったのである。まぁ、当然それを見越して、あえてBAを使わずにSASにしたということもある。
 今回出発は7:15と非常に早い。当然出国手続きをするのも6:30頃で、その頃免税店が開いているのか・・・そういう不安はあった。確かに閉まっている店もあった。しかしながら、あの高級デパートHarrodsは開いていたのだ。6:30といえば、ラジオ体操の時間じゃないですか??でも開いていた。あとは電化製品のDIXONSは開いており、目的のフィルムと電池を買うことはできた。
 それにしても噂の通り、ここの免税店の規模は大きい。今まで見た中では最大。コチャッとしている分、ターミナル4より店が多い気もする。こりゃお買い物も楽しくなりますぜ。


祝祭日22/May/1997

 来週の月曜は、Spring Bank Holidayで休み!3連休である。このいい季節、人々は浮き足立っていることだろう。
 さて、イギリスの祝祭日なのだが、日本より少ない。ここでは、私の住んでいるイングランドの祝祭日について紹介する

New Year Day 1/January いわゆる"正月"
Good Friday Easterの直前の金曜
Easter Monday Easterの直後の月曜
May Day 5月の第一月曜
Spring Bank Holiday 5月の最終月曜
Late Summer Bank Holiday 8月の最終月曜
Christmas Day 25/December いわゆるクリスマス
Boxing Day 26/December クリスマスの翌日

 移動休日がほとんどなのが特徴。固定は正月とクリスマス関係くらい。お陰で連休になるので、非常に嬉しい。今年の日本のように、ゴールデンウィークが最悪のパターンになるという様なことはない。
 ここで出てくるBank Holidayという言葉、やはり銀行が休みになるということから来ているそうだ。銀行が休みだから休むのか、休みだから銀行が休むのか・・・よくわからない。休みの数は少ないのだが、休暇をきちんと取るイギリスでは、日本のような働き過ぎにはならないんじゃないだろうか。羨ましい・・・ということで、私もイギリス人化しよう!ということで・・・・。
予告です!
 
3連休と、有休1日を使って、春の旅行シリーズ最終編、「北極圏を目指すぞ!ツアー」でスウェーデン・ノルウェーに行って参ります。今年でロンドン最後ということで、燃えまくってきた春の旅行ですが、これで締めくくり。但し、今予約してあるのは、ストックホルムまでの航空券のみ。行ってから寝台列車のチケットと、ホテルを予約する予定。本当に行けるのだろうか・・・乞うご期待。次の更新は、月曜日です!。帰ってきたら、ひもじい生活かなぁ・・・


切手自販機21/May/1997

 郵便物を出しにTrafalger Squareの郵便局へ。封筒の重さが73グラムだったので、日本までの郵送料は£1.95。窓口には当然の如く長い列が・・・。どうしようかなぁと思い、切手の自動販売機へ行く。しかしながらそこでは、国内用の1st専用(26p)2nd専用(20p)のほか、国外ハガキ用の37p、国外封筒10gまで用の43pしか売っていない。計算がめんどくさい、「ええいっ」と結局列に並ぶことになった。
 郵送料は日本のように切りのいい数字にはなっていないため、1p単位で主要な額の切手が販売されている。そのうちよく使うものについては、局内用として自動販売機がある。これは硬貨を入れ、必要な切手のボタンを押すと、一枚ずつ舌を出すように切手が出てくるというもの。そこで特筆すべきことは、この自販機、全ての硬貨に対応しているということ。1pも使える。当然1p単位で切手が販売されているからだろう。結構これが優れモノで、小銭がじゃらじゃらしているときに使い勝手がいい。また外用に、£1、£2単位で切手を販売する機械もある。これはパックになっており、局内用のように1st専用・2nd専用と言う形ではなく、額面で販売している。私は普通1stを使うのだが、これだと要らない2nd用の20p切手や、1pの切手が付くので少々邪魔。でも、昨年の値上げ前まで使っていた25pの切手用に、1pは使えるので、ちょっとは利用価値あり。しかしながら外用は故障が多い。
 さて、結局窓口で切手を買った私だが、渡された切手は£11枚と31p3枚、そして2p1枚。べたべたと切手を貼る羽目になった。

参考:イギリスからの郵便料金
Inland Letter

Class 60g 100g 150g 200g
First Class 26p 39p 49p 60p
Second Class 20p 31p 38p 45p

Europe - Airmail

to 20g 40g 60g
EU - Countries 26p 44p 56p
non-EU Countries 31p 44p 56p

Rest of the World - Airmail

to 10g 20g 40g 60g
Zone 1 43p 63p 96p 130p
Zone 2 43p 63p 107p 151p

Zone 1 (Americas, Africa, Middle East, India, South East Asia)
Zone 2 (Australasia, Japan, China)

Worldwide Postcard 37p Aerogrammes 36p

おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Lisa Stansfield "in session"
古ーいアルバム。何か曲調が懐かしい。
SPICE GIRLS PRESENT "THE BEST GIRL POWER ALBUM...EVER!"
スパイスガールズセレクトの、女性ヴォーカルだけの2枚組アルバム。今をときめく曲から、懐かしい曲まで全41曲!。


Resident's Parking Permit20/May/1997

 前にも書いたが、私は自分の住むWestminster区から、路上駐車許可をもらって、車を置いている。その期限がそろそろ切れるということで、区役所に更新をしに行った。
 区からは「そろそろ切れますよ」と、親切に手紙と必要書類が届いていた(だったら、Suspended Bayも事前に知らせて欲しかった)。それを記入し、自動車の登録書類を揃え、ふと気付く。 今の許可証どうすればいいんだろう?? 当然、更新するんだし、今許可証を持っていると証明しなければいけないのだから、持っていくような気もする。でも、区から送ってきた書類には、その点についてはっきりと明記されていない。また、許可証を持っていってしまうと、駐車ができなくなる。考えた末、「車で行く」ことにした。
 渋滞する街中を抜け、Victoria駅近くの区役所へ・・・でも駐車場なんてない。ということで、近くのパーキングメーターの所へ停め、区役所まで歩くことにした。今まで2階に、この関係の窓口があったので行こうとすると、1階の入口手前に窓口業務をしているようなコーナーが新設されていることに気付く。でも、一応係員に聞こうと建物の中に入り警備員に尋ねると、やはり件の場所に移転されているようだ。一路そこへ行く。中に入ってParking Controlの窓口を探すと一番奥。向かう途中、窓口が埋まっているのに気付き、手前で待っていると、ちょっと大柄の係員のお姉さんが「こっちこっち!!と呼ぶ。日本の役所の窓口なら、苦情ものの対応、イギリスらしい。そして書類を出してみるなり一言

「あなたの場合外国人なので、居住証明が必要です」

えーーー、去年わざわざ銀行まで行ってもらってきたのに今年も必要なのぉ!これは、区議会議員や弁護士、銀行のマネージャー、区の住宅部長、国会議員など、一応社会的地位のある人から、「この人はWestminsterに住んでいるんですよ」という証明を受けろというものであり、他の区で同様の申請を受けるときには、必要ないらしい。だいたいカウンシルタックス(住民税のような地方税)納めてるんだから、住民だってわかるだろうに・・・・・・こうも思った。

「去年その証明を出したけど、それじゃ駄目なんですか?」
「毎年必要なんです!」

こりゃ駄目だ、と、とりあえず窓口を後にすることにする。確かにこの国には日本のような住民登録制度はない。だから、住民票のようなものはないし、選挙権を行使するためには、選挙人登録を自らしなくてはならない。外国人登録は、日本のように自治体本体ではなく、警察でやっている。でも、どこで調べるのかカウンシルタックスの徴収はやってくる。それでわかると思うのに・・・去年もきちんと書類を出しているのに・・・。しかしながら、Westminsterといえば、東京の千代田・中央・港各区を足したような区であり、そんなところで路上駐車許可を出すのである。まぁ、厳しくするのもわかる。でも何か無駄があるようでおかしい気もする。
 また、今の許可証はいらないそうだ。何のために車で行ったのかわからない。いいのかなぁと思いながらも、まぁ、理屈をこねても制度は変わらない(内政干渉と言われる可能性・・ないかなぁ)ので、おとなしく自分の口座のある銀行へ行き、証明をもらうことにした。
 職場に帰り、昼休みに銀行へ行く。去年は自分の口座開設支店まで行ったのだが、さすがに遠いので、今回はいちばん近くの支店でできるかどうか、試してみることにした。が、店に入り、どこに聞けばいいのか見当も付かない。と、2階に上がる階段発見。多分事務室のようなので上がってみる。
 そこで、たまたま執務していた女性に声をかけてみた。

「あのぉ、私この銀行の口座持ってるモンなんですが、・・・この支店じゃないんですけど」
「はい」
Westminsterに提出する駐車許可申請に、サインしていただきたいんですけど」
「あぁ、これね」
「この支店でやってもらえるんですか」
「どこの支店ですか?」
Lombard Streetの支店です」
(と言って、チェックブック[小切手帳]を差し出す)
「あぁ、Premier Bankingね。ところでパスポート持ってます?」
「えっ?外国人登録証ならありますが」
(と言って、外国人登録証を出す)
「これ・・・何ですか?」
「これって・・・警察で発行している、パスポートに代わる証明書です。ビザの内容とか、地位とか住所とか書いてある・・・」
「でも、やはりパスポートがないと・・・」
「・・・じゃぁ、明日パスポートもって出直しましょうか。でなければ作った支店に行くとか・・・」
「いや、あの支店はここからじゃ不便だから・・・」
(と、私の口座をコンピュータで確認している)

そんなこんなやっているうちに、裁定は出たようだ、彼女はおもむろに私の申請書類に必要事項を書き込んでいった。 「Premier Bankingの支店に、個人的に知った人はいますか?」
「いや、あそこに行ったには、去年のこの申請の時1回だけです。口座は日本にいるときに書類を出して作りました」 これは、個人的な関係か、業務的な関係か、記載するところがあるためあった質問のようだ。そして、日付を入れ、彼女は私に書類を渡してくれた。あぁ、必要事項を聞いただけで、何も言わずに書いてくれたのは「神様」である。おもわずその周囲にいた人全員に「ありがとう」と言い、支店を去った。
 今日は、区役所の窓口が6時まで開いている日。しめたものと、終業後区役所に再び行く。入ると朝と同じお姉さんがいた。顔を見るなり覚えていたようで、何も言わずに書類を受け取った。 「今回は・・・・・大丈夫ね」 と、坦々と事務処理をしていた。やはり書類が揃っていると早い。とはいえ、コンピュータへの打ち込みには時間がかかり、5分くらい待つ。そして、書類をもらい、支払窓口へ。ここは申請窓口と支払窓口が別々であり、許可証などは、支払窓口でもらうようになっている。ここが・・・夕方なのに並んでいた。一つの窓口で、税金や使用料の支払い、また私のような駐車許可証の支払いなどをやっているので、事務が繁雑になり時間がかかっているようだった。ここでも5分ほど待たされ、支払いへ。料金は41日に値上がりし、年間許可が£85。無事駐車許可証がもらえた。
 Westminsterの駐車許可を取るのは実に面倒。何とかならんもんかなぁって思ってしまった一日だった。


guys19/May/1997

 "Guys"といえば、チャゲあすのアルバム名・・・ではなくて、「あいつ」ってーな感じで男性を指す言い方である。うちのイギリス人スタッフの一人は、帰り際に必ず"Bye guys!"と言って帰る。でも、そこには女性もいる。それなら、男性と女性両方を指して、"guys and dolls"(ここで反応したあなた!ラテンのリズムが流れてきたでしょう)というのが正解のような気もする。
 しかしながら、「米語」では、guyには、男性女性両方を指す意味があるそうだ。そのイギリス人スタッフは、我こそはイギリス英語という感じで、実は米語を使っていたのである(そんなことを本人の前で言ったらしばかれてしまうが・・・)。
 米語とはいえども、イギリスでも意味は何とか通じるそうである。でも、こういう表現は気を使って言うのが肝要だろう。しかしながら、"guys and dolls"というと、どうも森川美穂を口ずさんでしまうのは私だけだろうか。


クロワッサン18/May/1997

朝、何となく気が向いて、パンを買いに外へ。でも、開いている店はセブンイレブンしかなかったため、そこに行く。目に入ったのがクロワッサン。先週のモナコの際に、ニースのホテルで食べたクロワッサンは美味しかった。そこでまたということで、149pのクロワッサンを2つ買って帰った。
 あまり期待はしてなかったが、食べてみる。・・・・・・・予想通りまずい。割ったときに、フランスのものなら、パラパラとパンが落ちるのが普通。でもこっちのものはそんなことはない。まるで出来損ないのバターロールのようである。食べながら「やっぱり」と、パンのまずさにあきれかえってしまった。
 なぜ、あのような美味しいクロワッサンが手に入りにくいのだろうか。別にあっても良さそうなのだが、スーパーなどでお目にかかったことはないし、パン屋自体も少ないため、見つけることも難しい。あのバターの味が美味しい、サクッとしたクロワッサンを手軽に手に入れる方法はないのだろうか。とにかく、イギリスのスーパーで売っているクロワッサンには、手を出さない方が良さそうだ。


スト−SNCF17/May/1997

 パリの友人が遊びに来るので、出迎えにWaterloo駅に行った。Eurostarの到着の所に行こうとすると張り紙がある。

SNCF(フランス国鉄)のストのため、Eurostarのダイヤに乱れが出ます

はぁ?まぁ、Eurostarは、British RailSNCF両方の線路を使って、他の会社が運営する列車なので、まぁ少しは影響が出るのであろう。そう思い、乗客出口へ行ってみると、友人の乗っているはずの列車は運行中止というサインが出ていた。全席指定の列車である。どうなるの??。首を傾げながらも、その後続列車は予定通り走っているということなので、まぁ、次の列車が着くまで待つことにした。
 結局友人は後続の列車に乗っており、無事対面することができた。しかしながら友人の説明によると、「パリ北駅で1時間半も発車しなかった」とのこと。結局運行中止としていた列車を、次の列車にしてしまったということだったようだ。
 それにしても、フランスではストが多いということだ。あまりのストの多さに、外国企業の投資も伸び悩んでいるという。今回のSNCFのストは、このEurostarはもとより、周辺各国との国際列車のダイヤにも影響を出したことだろう。自国だけの問題だけではない。せめて国際列車の運行には支障を起こさないなど、もう少し考えて欲しいものである。


中華街のスーパー16/May/1997

 昼食後、ひょんなことから中華街のスーパーへ行った。店の前は歩行者天国になっているのだが、その路上に生鮮(あえて新鮮とは書きません)野菜が並んでいる。イギリスのスーパーでは手に入らない大根や、小さい茄子などもある。当然中国系の野菜もバッチリ。また、店内には中華の調味料などが所狭しと並んでおり、中華系の私としては、心躍る一瞬だった。
 日本のものもあった。少しではあるが、あるのはうれしい。「アジア」という括りでは、日本も中国も同じである。こういうところに来ると、「自分はアジア人なんだ」と再認識させられる。
 結局オイスターソース1瓶と、スプリングオニオンクラッカー(これがなかなかのお味)を買って帰ってきた。また、大根を同僚と半分に分けた。ここに来るだけで、和食の食材も手に入りそうだ。


横断歩道15/May/1997

 イギリスの歩行者のマナーは悪いと思う。信号無視は当たり前。横断歩道を渡らない。でも、きちんとした横断歩道もある。
 信号のない横断歩道の中に、白と黒の縞々のポールの先に、黄色い「ぼんぼり(と我々は呼ぶ)」の付いているものがある横断歩道がある。このポールをビーコンと言い、この横断歩道では、運転者は横断しようとしている歩行者を見かけたら、停まらなくてはならない。完全歩行者優先のマークなのである。ビーコン付きの横断歩道なら、一歩足を道路に踏み出せば、車は見事に停まる。結構気持ちがいいものである。
 けど、ビーコンのないところ、そこは完全に「車優先」である。我々の昼食場所へのルート上には、ビーコン付きの横断歩道が2つと、なしが1つあり、前者は何の気なしに渡れるのだが、後者はうっかり足を踏み出すと、車にひかれそうになる。
 こういう交通ルールは、わかっていないと大変である。ましてや平気で信号無視をするお国柄、人の動きに頼って横断すると、命がいくつあっても足りない。きちんと覚えよう。特にイギリスで車を運転しようとしている人!これは知ってないと大変である。


L!VE TV14/May/1997

 日本にも「くだらねー」と、くだらないもの好きの私をうならせる番組は結構あった。でも、くだらないものばかりを集めたテレビチャンネルというものはさすがに一部関東ローカル局を除いてはなかった。今、ロンドンでそんな局に出会えた。それはL!VE TV
 これは一般の放送局ではなく、有線用のテレビ局。だからこそあのくだらなさが出るのだろう。まず朝7:30と夜19:30からやっているA Game of 2 Scarvesというクイズ番組。これは、フットボールのサポーター21組でよくわからないクイズに答える2チーム対抗戦。これだけなら普通なのだが、途中ハーフタイムということで、各チームの得点表示をしているお姉さんが、スポーツ対戦をして、勝った方のチームに得点が入るというコーナーがある。しかもその時の格好、「水着」である。なぜ?必然性がない。その格好で、縄跳び対決や、ボート漕ぎ対決、はたまたサッカーゲーム対決などくだらないこと請け合い。けど何となく好きである。
 けど、くだらないことと、お下劣さの極致と言えば、夜22:0023:003分番組でやっているTopless Dartsだろう。これは名前の通り、アイススケート場などで、トップレスのおねぇさんが、ダーツをするという、実に意味のない番組。勝った人にはTシャツが投げられるが、どうすれば「勝ち」かがさっぱりわからない。3分番組なので、さり気なく始まりさり気なく終わるが、これもまたくだらなくていい。
 あと、天気予報がよく入るのだが、このキャスターはノルウェー人のAnne Marie Fossという人。ここではイギリスと、Anneの出身地のノルウェーはOverhellaの天気予報をやるのだが、どうもこのイギリスの天気、ノルウェー語でやっているようである。何せ英語の字幕が出るんだから。そしてノルウェーの自分の故郷をやるときは、英語になる。実に意味がない。けどなぜか見てしまう。
 イギリスでこんなくだらない番組に出会えるなんて……。嬉しいんだか悲しいんだか。


車の保険13/May/1997

 車の保険の更新が近づいた。書類を見ると、あさって失効!急いでチェックを送らなくてはとあわててしまった。
 イギリスだから、やはり英語で……そんなわきゃない。頭のいい人はいるもんで、イギリスの保険会社と提携して、日本語で代理店をしているところがある。私もそこを使う一人である。これだと、何かあったときに日本語で対応してもらえるので心強い。だいたい、英語での交渉事なんて、考えるだけでも恐ろしい。
 さて、保険の値段なのだが、これが、居住地区や駐車方法によってかなり違う。私は都心の路上駐車なので、高い部類。今年は年額で£730である。でも、郊外で、駐車場を持っている人ならば、結構安いそうだ。盗難保険まで入っているだけに、やはり都心は危険ということで高いのだろう。でも、この値段、はっきり言ってこの円安の時期(ちょっと円も戻してきたようですが)にはきつい!。でも、日系だろうがそうでなかろうが高いことには変わりないのでしょうがないようだ。車検が安い分車の維持は楽かと思いきや、ここで大きな出費は痛い。


買い出し12/May/1997

 「(ヨーロッパ)大陸に住む日本人は、ロンドンのヤオハンまで買い出しに行く」という話を聞いたことがある。でもロンドンに住む日本人でも、大陸まで買い出しに行きたいときもある。
 今日はニースからミラノ経由でロンドンに帰る日、10時発の列車に乗る前、街をぶらぶらしていると、スーパー発見!。思わず入り、いろいろと買い込んだ。
 買ったものは、マヨネーズ、マスタード、スープ、ソーセージ、そして焼きプリン。どれも、イギリス製品の味に満足できないものばかりである。特に焼きプリン!!これは本当に待ち望んでいたもの。今食べたけど実に美味しい。なぜイギリスのスーパーにこれがないのか不思議である。
 買い物が終わると、リュックが満杯になってしまった。かなり重いが、大満足。やはり食べ物はフランスで買うに限る。


モナコ本戦!11/May/1997

 本戦だぁ!朝のテスト走行で、いきなりJohnnyがクラッシュ!道を塞いで赤旗が出た。おいおい、ちょっと不安。さて、予定の時間が近づくにつれ、雲が厚くなってきた。スターティンググリッドには、各チーム晴用と雨用の計8本のタイヤを持って行っていた。と、雨がポツポツと……。それから雨はやむことなく、スタート!雨の日はマシンの性能の差がなくなり、ドライバーの腕で勝負が決まると言われている。「雨の中嶋」などと言う言葉を思い出すが、中嶋はやはりいい腕のドライバーだったと思う。さて、レースがSchumacherがいいスタートを切り、そのまま独走。途中1回坂の手前でスリップしたものの、目で見ていてわかるくらい他の車と違うスピードで走りきり、優勝。2位にはBarrichelloが入った。我らがJohnnyは、最初いいところにつけていたのだが、序盤でクラッシュ!悲しかった。
 観戦は大変だったものの、「雨のモナコ」を見ることができたのが、とっても貴重だった。また、座席の位置が良かったので、ピットやスタートラインなどを除くことができたため、生で結構近くでドライバーを見ることができた。もう2度と来れるかどうかと思うと、もう言葉がない。
 レース好きにとって、モナコは特別な場所だと思う。そのモナコは、レース好きを暖かく迎えてくれるだけのハード・ソフトが備わっている街だと思う。大体にして公道サーキットなので、コースを歩けるし、車さえあれば走ることだってできる。また、F1関係の商品販売などもしっかりとしている。カジノなど、金持ちの遊び場だけでなく、私のような貧乏人のF1ファンが歩いて楽しめる街だと思う。また行きたいなぁ、でも駄目だろうなぁ。


モナコ予選10/May/1997

 今日はモナコグランプリの予選の日!期待に胸膨らませ、電車でニースからモナコへ。20分ほどでモナコへ到着。駅はめちゃくちゃ混んでいる。駅前から出店が並ぶ中、自分のシートの入口へ。
 今回の座席は、プールの手前の所(中嶋が止まったところといえば、わかる人はわかるでしょう)。シートの後ろはスタートライン。前後から爆音が響きわたることが期待される。9時頃に到着、そしてシートにあがるやいなや、テスト走行が始まった。後ろからはピットから出る車の音、そして左手に見える坂を上っていく音が聞こえる。1分もしないうちに、目の前を車が走っていく。その時私は言葉を失った。

今、モナコにいるんだ……

去年の8月にモナコに来たときに、コースを歩いて一周した。その時も感動があったが、実際にレースのためコースが造られ、その上F1のマシンが走っていく。そんなシーンを見ているうちに、だんだん感激してきてしまった。

モナコだよモナコ!……

もう止まらない。ただ、黙って車の走りを見ていた。それだけでもう十分だった。
 ところでモナコの印象はである。赤といえば、言わずと知れたFerrariである。半分くらいの人はMarlboroDEKRAの帽子をかぶっていた。やはりイタリアが近いのか、Ferrariのファンが多いのだろう。私といったら、やはりGo Johnny Go!Johnny Herbertしかない。マイナーとはいえ、目の前を走っているときは思わず応援してしまった。
 予選を見て、イギリスグランプリと違うなと感じたのは、客層。Silverstoneの時は、家族連れが、ピクニックという感じできていたのが目に付いた。しかしながら今回を見ていると、何かいかにも「F1通」って感じの人が多く見受けられる。好きな人にはたまらない、やはりモナコである。


ミラノ9/May/1997

 なぜにミラノ?モナコに行ったんじゃぁ?と不思議に思うあなた。そう、モナコに一番近い空港であるニース便が取れなかった私たちは、裏の手段として、ミラノまで空路で行き、そこから陸路で宿泊先のニースへ行くという変則的な方法を採ったのである。ということで、今回はミラノの印象を。
 実はミラノはこれで2回目。最初は、冬の列車旅行で立ち寄った。クリスマスだったので人もまばらで街も閉まっていた。しかしながら今回は快晴!。かっぱぎ王国(?)イタリアで薄着をしなくてはいけないほど暖かかった。冬に来たときは、いきなり駅でスリのおばさんやジプシーの子供を見かけたモンだったが、今回はなぜか平和。しかしながら地下鉄の駅は何とも怪しい感じ。薄暗く汚い。まぁ、薄汚い格好で出かけていた我々を狙う、物好きなスリもいなかったようで、平和に目的地「最後の晩餐」のあるSanta Maria delle Grazieへ到着。しかししかし行列である。長かった。結局40分くらい並んだ途中、横にいたロシア人の爺さん婆さんの団体が横入りしてきた。どうやら2人位で場所取りしていたようで、何食わぬ顔で列に20人くらい入ってきた。厚かましいことこの上ない。そういえば、空港の入国審査の際に、インド系のおじさんが、何食わぬ顔で列に割り込み、なおかつ入国審査でもめて時間がかかり、みんなあきらめ顔だったということもあった。列を守らないのは、イギリスだけではなく、かつイギリスなんていい方だとその時思った。
 さて、何とか最後の晩餐にありつけたのだが、何と改修中で、作業をしている状態で公開していた。それはいいのだが、心ない観光客がフラッシュをたいて撮影していた。その度に係員が注意をしていたが、一向に収まらない。その中に日本人がいたのが情けなかった。
 今回のミラノは印象が良かった。多分天気が良かったのと、怪しい人に会わなかったことが原因だろう。イタリアも捨てたモンじゃないなと思った。しかし、最後に昼食を取りには行ったバールの飯が不味かったのは、ポイントを下げた。


Beauty and The Beast8/May/1997

 職場の有志でミュージカルを見に行くことになった。お題目はBeauty and the Beast、いわゆる「美女と野獣」である。ディズニーのアニメが原作だけに、「どんなものか」という不安はあったが、結構評判はいいようなので、期待をしつつ、小雨混じりの街をThe Dominion TheatreのあるTottenhan Court Roadへと歩いていった。
 劇場に入り、席を探す。私の席は、2階のど真ん中、中央通路のすぐ後ろの席だったのだが、ここにはいるためには、はじから入り、一番上まで上って行くしかない。通路から入るところがないのである。「欠陥劇場や!」ちょっとプッツン。でも、とりあえず座れたので(当たり前)、一息つく。
 幕が上がりすぐに、後ろのオヤジから「頭が邪魔」と指摘された。悪かったな!。そしていきなり野獣にさせられてしまうシーン。火花バシバシ。「爆破もの」とか「火花もの」が好きな私は、ここが結構気に入った。そしてストーリーに。話は単純、野獣にとらわれた父親を救いに行った美女が、自分と引き替えに父親を解放してもらう。最初は野獣が嫌いだった美女も、外に逃げたときに狼(だと思うんだけど)に襲われそうになったところを野獣に救ってもらい、それから愛が芽生える。結局野獣は美女を父親の元に返してしまう。その美女をものにしたい(結構これって死語?)と狙っていた青年が、野獣狩りに出る。青年と野獣の格闘により、青年は高所から落ちてしまったものの、野獣も剣による重傷を負う。それを美女が看病し、"I Love You."の一言で魔法が解け、野獣は王子様になるというもの。はっきり言ってこれだけだとただのベタな話。でもミュージカルで見るとおもしろい。
 前回見たMiss Saigonは、結構現実的な話でなかなかだった。でもここで私が注目したのは脇役陣。まぁ、ミュージカル好きな人はやっぱり脇役に目がいくもんだと思う。今回も、脇役の充実度が高かった。ただ、アニメ的な動きが多いため、ちょっと漫画チックになってしまうのが残念。ただわかりやすいことこの上ない。
 また、この「非現実的」な話の中にも、不器用な男の悲しい愛と言う感じの、何とも涙ぐましい努力が見えて、何とも言えなかったのは私だけではないだろう。とにかく、前評判どおり歌よし、ストーリーよしの、お勧めミュージカルである。
 予告!!
 明日から
モナコグランプリ観戦ツアーだい!へへん。ということで、また更新が遅れますので御容赦の程を。一生に一度見れるかどうかのイベントなのでちょっと緊張気味。是非我らがJohnny Herbertに頑張ってもらいたいものです。


ビアガーデン7/May/1997

 夕方、うちの事務所の日本語の堪能なイギリス人スタッフと話していた。彼女は日本で働いていたことがあるので、日本の文化についてもよく知っている。そこで一言「ビアガーデン行きたいよね」
 そういえば、ロンドンには屋外に座席のあるパブはあるが、当然の如くビアガーデンはない。夏の夜空を見ながら、冷たーいビールをジョッキで飲み、つまみは枝豆・唐揚げ。うーん、よだれものである。なぜあんないいものがないのか。
 まず、第一に屋上がない。でも公園や空き地でやればいい。しかし第二に夏は日が長い。日本のように夜空を見ながらということになれば、時期によっては22時半以降ということになろう。またビールをジョッキで飲まないとか、つまみをとらないとか、探せばいろいろな違いが出てくる。
 日本のビールの飲み方は、「冷たいところを一気に」だが、イギリスでは「ちょっとぬるめのビールをちびちび」なので、日本のビアガーデンで得られる爽・快・感はないだろう。ただ、夏でも日本みたいに蒸し暑くないので、いらないのかも。でもでも、夏は生ビールを屋外で一気に飲みたいものである。


物価上昇6/May/1997

 終業後、床屋に行った。そこは安くて早いので、これからも使おうと決めたところ。しかしながら行って驚いた。

「値上げしてる!」

£8.50から£10.50への値上げ。こんなところにまで値上げの波は押し寄せているようだ。
 そういえば、最近いろんなものが値上がりしているような気がする。今年初めには地下鉄運賃が値上がりした。うちの家賃も値上がり。どうも家関係は不動産投資が好調な要因もあるようだ。また、中華街の料理店のメニューも軒並み値上がり。ものの見事に時期が一致している。
 イギリス経済は好調という。でもそれは相対的にでしかないと思う。実体はあの日本に比べても低調じゃないかという気もする。でも、経済が好調ということだけで値上がりしているような気もする。その幅もちょっと尋常じゃないと思う。折しも円安の時期、昨年の今頃が懐かしく思えてくる。悲しくなるほど円の価値は落ち、出費は増えるという悪循環である。何とかならないかなぁとは思いながらも、何もできないということはわかっているのがまた悲しい。


雨の夜の運転5/May/1997

 今日は何の日?子供の日。そうじゃない。森川美穂の誕生日である。実に覚えやすい。何?森川美穂を知らない。あなた30年人生を損してますよ。今すぐレコード屋に行って、「森川美穂のCD下さい!」と言いましょう。
 さて、夜に友人を車で家まで送っていたのだが、外はあいにくの雨。まあ、仕方ないと車を走らせて、ふと気付く。

車線が見えない

雨のために路面が濡れているため、完全に車線が読み切れない状態であった。日本でもここまでひどい状況はない。また困ったことにロンドンの道は道路の幅が一定でないところが多く、いきなり車線が増えたり減ったりすることが多い上に、夜になると合法的に路上駐車できるようになるため、駐車車両が多くなるなど、運転しにくい要因も多い。今日はいつも走り慣れている道だったので何とかなったが、これが初めての道だったら結構怖かっただろう。
 確かにイギリスの道路は排水に対する考慮が全くないと言ってもいいと思う。日本なら一定の方向に水が流れるようにやっているが、ここではそういう感じはない。また、車線のペンキに対する考慮もないのかも知れない。道路に水が浮くというコンディション事態が少ないということはわかるが、安全を考えて、最悪の事態を想定することが必要じゃないかと思う。


闇の窓拭き軍団4/May/1997

 夜、車で帰宅の途につき、A41を南下、Baker Street駅のところで右折しようとすると、そこにいたいた、いつもの窓拭き軍団。彼らは、交差点で停車した車のフロントガラスを拭いてお金をもらう。どうも強制的にやられるのが嫌いな私は、「お金を払う意志はないよ」とハッキリというのだが、それでも彼らは拭いてくる。今日は、まぁかなりフロントガラスが汚れていたこともあり、あきらめ、拭き終わったところで50pを渡した。しかしながら釈然としない。
 実は、昨日も同じ場所で同じ目にあった。その時はハッキリ言って頭に来たので、拭いているところでワイパーを動かし、強制的に退去させた。ガラスには大量の石鹸の泡。いい加減にして欲しい。人の車に勝手に石鹸の泡をつけておいて、金を取ろうなんて虫のいい話し。かなり前の話だが、同じようにどうしても窓拭きをやめなかった少年に、最後まで拭かせたものの、あえてお金を払わなかった。当然、お金を払う意志のないことは言ってあった。すると、彼はガラスに石鹸をわざと付けて帰っていった。
 お金が必要なのはわかる。稼がなければいけないのはわかる。でも、同じサービスを受けても、その人が感じる効用は全く違うはずだ(うーん、経済学部出身者らしい見解)。これじゃ「作れば売れる」と考えている経営戦略のない農家と一緒である。サービスを提供すれば対価がもらえる。それは、あくまで受ける側の判断なのである。どうもこの闇の窓拭き軍団のような、サービスの押し売りは気に入らない。でも、とくにラテン系の国などで、このような手口が多いような気がする。次回からは、帰るコースを変えようと考えさせられた一日だった。


菜の花の疑問3/May/1997

 イギリスの田舎の菜の花がすごいというのは、前にも書いた。今日、ドーバーまで行ったのだが、一面真黄色の菜の花だらけのところがたくさんあった。私は前にも見たことがあったので、それほどの感激はなかったが、一緒に行った他の3人の学生さん(おかげでドーバー城に学割で入ることができました。ありがとうございました)は、イギリスに来てまだ1ヶ月、かつロンドンからほとんど出たことがなかったということで、初めて見る田舎の景色に狂喜乱舞の大騒ぎ。車窓から菜の花畑が見える度に「すごーい」と、日本の女子高生顔負けの歓声を出していた。終いには見過ぎで飽きてしまうほど、菜の花畑が続いた。やはりイギリスは田舎、そして春である。
 そこで素朴な疑問が湧いた。

「この菜の花、何に使うんだろう?」

まぁ、綺麗ならいいという考えもあるが、あれだけあると、何に使うのか用途が気になる。あれだけ生えているのだから、自然発生ではなくあくまで畑だと思う。では、どういう商品になるのだろうか。全く見当が付かない。油を取るのか、はたまた染料に使うのか。どうなんだろう。読者の方でわかる方がいたら教えて下さい

 


季節の変わり目2/May/1997

 この前までコートを着ていた人がいたというのに、今日の最高気温は25度位まで上がった。外にはTシャツやノースリーブの人もちらほら。季節は春というより夏である。
 何か、いきなり季節が変わるというのが、このイギリスならではだと思う。中間がない。とにかくいきなり変わる。ただ、人々の反応はそれぞれ。上半身裸に近い人が歩いている横で、コートを着込んだ人が立っている。こんな光景は珍しくない。しかしながら夏になると肌を露出するというのは、冬場に陽が当たらない地域だからなのだろう。太陽が恋しい。これは、一冬越して実感が湧いた。これからが本当のイギリスの魅力が出てくる季節なんだろう。
 それにしても、これだけ昼間暑くなっても、夜は涼しい。まるで夏の仙台のよう。仙台に近い気候というのが、私にとって最大のロンドンの魅力だ。


選挙当日1/May/1997

 今日は選挙の日。イギリスでは法律で、地方選挙投票日は5月の第一木曜日と決まっている。今回はそれに国会の選挙が同時に行われる。日本的な感覚で言えば、「騒がしい」時期なのだが、こちらではそういった選挙活動はしない。やはり「党」の色がしっかりと出ているからなのだろうか。投票場は、朝の7時から夜の10時まであいている。といっても、この方式を日本で取り入れると、特に東京近辺では、投票できない人続出だろう。イギリスもまだ職住隣接だと思う。
 さて、投票については、私も投票権がないので何とも言えないのだが、その選挙速報番組を今見ている。日本のお祭り的な番組とは大違いで、雰囲気としては、NHKの「ゆく年、くる年」のような重さがある。BBCで見ていると、開票結果が出る度に、テロップが流れ、どの党が優勢か出る。しかしながら、659の小選挙区の名前さえ覚えるのが大変なのに、どんどんそれが出てくると、「どこがどの党」と言うより、「あの党が優勢」ということしかわからない。まぁ、それで事足りるのだが……。
 また、ニュース専門チャンネルのSyk Newsを今見ているのだが、ここでは画面の右下に、各党の獲得議席数がずっと出ている。青=保守党、赤=労働党、黄色=自由民主党、灰色=その他という色分けで、常に出ている。これはわかりやすい。
 議席が決まると、やはりイギリスでも歓声が起こる。しかし、さすがに日本のような万歳、樽酒、だるまは出てこない。


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