マヨネーズ30/Apr/1997

 今日、パリから知人が来ていた。忙しかったので、事務所近くのサンドウィッチ屋で昼食を買ってくることにした。「絶対にパリよりまずいですから。パンが特にまずい」と、食べる前から洗脳し、パリとの食文化のギャップを余り感じさせないようにと思った私だったが、そのまずさの指摘が思わぬところから出てきた。「マヨネーズがまずい」
 イギリスのマヨネーズは、あまり美味しくないと思う。日本で食べてきたものに比べ、まずすっぱい。そして味が何か違う。しかしながら、フランスで食べたマヨネーズは違っていた。前にわざわざ買ってきてもらったこともあるくらい、日本のマヨネーズと比べ遜色がない。何気ない調味料の話なのだが、海峡挟んでこれだけ違うというのもおもしろい。フランスの方、イギリスに住む友人への土産にマヨネーズはいかがでしょうか。


バスの座り方29/Apr/1997

 そういえば今日は日本は祝日でしたね。こちらの暦になれると、別に気にしないのですが、今日は職場で日本からの電話がほとんどなかったので、ゴールデンウィークというものを感じた。私は今日は休みではありません。
 さて、空いているバスに2人で乗るとき、あなたはどのように座りますか。ロンドンのバスは、基本的に2人掛けの椅子が両側にならんでいます。
 私が見ている限り、日本人観光客がこのような状況になった場合、通路を挟んで1人づつ2人掛けに座っているようだ。

○○ ○○
○●   ●○
○○ ○○

●…着席、○…空席

こんな感じに座る でも、イギリス人(欧米人)は違うようだ。だいたい一緒に2人掛けに座る。別に他にも座るところがあるのだが、多くの人はそうしているようだ。別に夫婦や恋人同士の場合だけではない。同性の友達同士でもそうしているみたいである。

○○ ●●
○○   ○○
○○ ○○

こんな感じだと思う 別に何てことないのだが、この違いが結構おもしろい。また、突然混みだした場合、別々に座っているより、一緒に座っている方が面倒がない。なぜこういう違いが出るのかは、はっきり言ってわからない。


肩書き28/Apr/1997

 今日、郵送物の宛名貼りをした。発送先の数は1,500!気が遠くなる。しかしながら、職員全員でペタペタと宛名ラベルを貼り、袋詰めをし、何とか作業終了。その時に気付いたこと、それは宛名の名前に付く肩書きの多いことである。
 まず、この国ではMr. Mrs. Ms.などの他に、Dr.をよく使う。日本でDr.と言えば、医者かDr.スランプの則巻千兵衛氏位しか頭に浮かばない私としては、Dr.のどこがいいんだろうと思ってしまう。しかしながら、これはよく使われる。そのほか、名前の後にずらずらならぶアルファベットの略称、これが全部把握付かない。一つや二つくらいならいいが、それ以上ずらずらと並べている人もおり、いったい何の称号かわからない。修士号などをきちんと書いているようだが、どうも日本人の感覚だと馴染まない。
 日本の「長」付きの肩書き主義とは全く違うことだとは思うが、結局イギリスでも肩書きがモノを言う社会なんだと思う。だから大学院で学ぶ人も多い。でも、これだけMAとかMBAとかがごろごろいる社会だと、余り価値観を感じないのは私だけだろうか。


表示を見ろ!27/Apr/1997

 最近のこのコーナーは、怒りの記事が多い。旅行ついでに怒りがまた増したので、連続ですがまた一文。
 今日、アムステルダムから飛行機で帰ってきた。会社はBA(British Airways)。普通のヨーロッパ便はHeathrowTerminal 1を使うのだが、パリ、アムステルダム、アテネ、モスクワ便と、ヨーロッパ以外の長距離線については、ちょっと離れたTerminal 4を使うことになる。飛行機は定刻より少々遅れ、Terminal 4に到着、横にはコンコルドがとまっていた。そこから入国審査場へ。ここの入国審査場は、英国及びEUパスポートと、それ以外をA,B,Cのゾーンに分けている。ゾーンは、EUからの飛行機と、それ以外の飛行機に分け、その時の状況によって、各ゾーンに振り分けているようだ。今日は、Aがモスクワ便とマルタ便、Bがパリ便とアムステルダム便という形になっていた。我々は当然Bで、我々はビザも持っているし、EU圏内からの帰国なので早いはずだ。
 が、異常に混んでいる。尋常じゃない。いままで入国審査でここまで混んでいたことはないと言うほど混んでいた。たった2本の飛行機なのになぜ。理由は簡単、表示が出ているのにもかかわらず、マルタやモスクワからの乗客が、Bゾーンの方に並んでいたからなのだ。それは持っているパスポートや、免税店の袋でわかった。結構いる。また、入国審査官の目も厳しく、時間がかかっている。そういえば、列の入り口のところに係官がいたのだが、結局何も振り分けをしていないらしい。気付くと30分を経過。結局私の場合は1分で審査官を通過した。待つだけ待って1分通過。短いのは嬉しいが、待たされるのはちょっと……。Baggage Claimへ行くと、すでにターンテーブルは止まっており、荷物が床に降ろされていた。
 その後、Long Term Parkingに行く無料バスに乗るためバス乗り場へ。5分ほどでバスが到着。乗り込むと、一緒に乗ってきた人が運転手に尋ねる。

「このバス、Long Term Parkingに行きますか?」
「バスの正面に書いてあったろう!たーけー!」

車で空港まで来る人なんだから、「英国在住者」=「英語くらい読める」はずである。ちいとは「表示」というものを見て欲しい。表示を見ずに確認をするためにかかるロスは大きいと思う。確かに表示を100%信じられる社会かというと、そうでもないような気もするが、わかっていることを聞くなんて……と思う。どうしてなんだろう。


in オランダ26/Apr/1997

 今日は426日、うちの兄貴の誕生日、また前の職場の大先輩KIM氏の誕生日でもある。また、チェルノブイリの原発事故発生や、名古屋空港に中華航空機が墜落した日でもある。
 まぁ、それはそうとして、オランダに行った。御多分の漏れず私たちも、空港から直接キューケンホフ公園に行ったのだが、行く途中のバスから見えるチューリップ畑に感激、また公園内の花々に感激、とにかくその平らに広がる原野一面に広がる花々に、目を奪われた。そこまでは良かった。
 帰りのバスは、やはり混み合う。乗り場には溢れんばかりの人、しかもバスがなかなか来ない。来た頃には歩道はひとだらけ。一応列はできていたのだ。しかし、結局バスが着き、3つある全てのドアが開くと、列なんてお構いなしに人が乗り込む。まぁそれは仕方がない。かなり強引に詰め込みバスが発車。我々は乗り込むことができなかった。しかしながら、あんな混んだ状態で立って行くのも何だということで、ドア近くに列を作り、次のバスを待つことにしていた。と、すでに次のバスが来ているではないか。100メートル手前で待機している。「やはり待つといいことがあるんだよ」と、安心してそのバスを見ると、なんと、こっちの列にはお構いなしに、人が乗り込んでいるではないか。

「おいおい、こっちに列があるんだぞ」

そんな声は届かない。しかしながら運転手も乗り込んだ客を呼び止め、降ろしている様子、当然である。でもその状態は1分と持たなかった。結局勢いに負け、乗せてしまった。そうなると決壊したダムのように人が流れる。こっちの列の人も、1020人と、そのバスのところまで駆けていき、乗り込む。正規のバス乗り場に到着したときは、既に立ち客の出る大盛況ぶりだった。
 もう言葉は出ない。仕方なく無理矢理バスに乗り込み、渋滞の道を1時間かけて駅に戻った。まぁ、これがこっち流なのだろう。イギリスでも列は作るが守らないという話を書いたが、オランダでも同じ目にあってしまった。しかも今回は屋外で、待っているときに雨が降り出してくる始末、正直者が馬鹿を見るとはこのことなのだろうか。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Lisa Stansfield "Real Love"
Lisa Stansfield "so natural"
免税店のHMVで買いました。内容バッチリ。


選挙と賭け25/Apr/1997

 職場のイギリス人スタッフが、コップに1ポンドを何枚か入れ、やってきた。「賭けないか?」という。何にと訊くと、今度の総選挙の議席数だという。そして出てきた三角表。そこには、保守党、労働党の獲得議席率と、その時の保守党、労働党、自由民主党の議席数が細かく書いてあった。そして、自分の思う箇所1つに○を付け、1ポンド投票、まず当たらないだろうが、あたってもどうせ賭けた人の数×1ポンドでしかないので、大したことはない。
 しかしながら、こういう賭けって、もしかしたら市中のブックメーカーで大々的にやられているのかも知れない。そういえば、昨夏にイギリスの「東京スポーツ」とも「日刊ゲンダイ」とも言えるThe Sunに、「この1年間に宇宙人が出没することに10ポンド賭けた」という記事が出ていた。何でも賭けにするこの国、選挙なんて、予測もあるし、賭け方もいろいろあるだろうし、格好の獲物なんだろうと思う。
 かくゆえ私は、中道の立場、人が賭けないところに賭けて終わり。でも、政治的思想のはっきりしているある現地職員は、思いっきり片側(トニーさんの方)に振れていた。これって考え方がもろにわかるので、怖いかも知れない。
予告
 またまた旅行です。今回は同僚と
4人で、12日のオランダ旅行。チューリップ畑を見てきます。ということで、土曜日の更新が遅れますので、御了承願います!


医療24/Apr/1997

英国の病院は待たせることで有名だ。国民はNHSという、日本の健康保険のようなものに加入する。すると、医療費はただになるそうだ。しかしながら、ただになる病院は待たされる。いつまで経っても診療をしてもらえない。手術もしてもらえない。入院もできない。そういえば、そういうことを、Mr. Beanでも作品に絡めていたが、あれは完全な英国の社会風刺だと思う。
 無料とはいえ、受けられない医療診断、しかたないので、人々はかかりつけの個人医を頼る。当然金は支払わなければならない。NHSで思いっきり高い金を払っているのに、結局サービスは受けられない。結局「貧乏人はサービスを受けるな!」と言っているようなもんだろう。
 こんな世の中、何か間違っている。やはり階級主義の英国の伝統の名残なんだと思う。こういうところを見ていると、英国人の心の貧しさを感じてならない。


Snooker23/Apr/1997

 イギリスに来たての頃、テレビを見ても余りおもしろくなかった。何を言っているのかわからない。しかしながら、スポーツだけはわかる。でも野球やってないし、よく中継があるのはクリケット!全然ルールがわからないので、見ていてもおもしろくない。その時、私の心をとらえたもの、それがSnookerである。
 一見、ただのビリヤードだが、そうではない。私も未だルールをよく知らないのだが、いわゆるビリヤード台(ナインボールとは大きさが違うという話を聞いたが、形は同じ様だ)で、2人で対戦。赤玉がたくさんと、それ以外の色の玉がいくつかあり、白玉を突いて、それらを交互に落としていく。赤玉は落ちたらそのままだが、それ以外の色は、落ちたら、定位置に戻す。そして、赤が全部落ちたら、今度はそれ以外を落としていき、全部落ちれば終了。点数の付け方はよくわからない(誰か教えて!!)。
 Snookerは、日本の将棋や碁に似ていると言う人がいる。先の動きや、敵の動きを読んで、玉の位置を決めていく。落とせないと悟ったら、相手が絶対に落とせない位置へ白玉を動かす。一度失敗すると、相手にどんどん付け入られる。考え方は確かに将棋や囲碁と同じだと思う。ということは、”日本人好みのスポーツ”なんだと思う。今年もSnookerの季節が始まった。テレビから目が離せない。


イギリスの春22/Apr/1997

 今日もいい天気。仕事をするなんてもったいないほどだ。でも現実は厳しいもので、結局そんないい日も、室内で仕事をする毎日。まだまだ週は始まったばかりなのに、こんな気分になる「早く週末にならないかな」
 イギリスはやはり春だと思う。昨年は赴任したてだったこともあり、あまり活動できなかった。しかしながら、一年が過ぎて、どの時期が一番充実していたか考えてみると、やはり「春」だと思う。気候もいいし、昼が長い。そして、田舎は最高!イギリスの魅力が出てくる時期だと思う。
 この前の日曜は、このページの愛読者、自称「北海道一北海道が好き!」さんを伴い、田舎へ出かけた。テーマは「イギリスの魅力とは」。この時期は、だんだんと菜の花畑の黄色が鮮やかになってくる。ロンドンから30分も行くと、一面の菜の花畑である。まだ時期が少し早いものの、場所によっては鮮やかな黄色が一面に広がっている。それを見て「北海道大好き人間」の彼女が一言

「富良野のラベンダーよりすごいかもしれない」

私も、ラベンダーの季節の一月後に行ったことがあるので、色の感じはわからないものの、規模は大体見当がつく。そういわれてみると、確かにそうだ。富良野なんて全然比較にならないほど、菜の花畑が一面に広がっているのだ。私も、昨年同僚とドーバーに旅行した際に初めて見たあの菜の花畑の美しさが忘れられない。
 イギリスの魅力はやはり田舎だと思う。ロンドンだけがイギリスだと思ったら大間違い。田舎が本当のイギリスなんだ!イギリスの魅力はここにあるんだ!と声を強くして言いたい。これからは、毎週末、田舎へドライブする日々が続くだろう。最後の春をエンジョイしたい。


駅の閉鎖21/Apr/1997

 すがすがしい朝、軽快な気持ちでフラットを出る。週の始まりとしては最高の朝だ。「今日も(”も”というより”は”かもしれないが)元気に仕事しよう!」と気合いを入れ、外に出る。と、うちの管理人のおばさんが掃除をしていた。挨拶をすると一言 「地下鉄止まってるよ」 はぁ?そういえば今日はニュースを見ずにMTVを見ていたので、地下鉄情報を見落としていた。私は普段バスを使っているのだが、地下鉄が止まると、バスが満杯になり、乗車拒否を受けるので、乗れなくなる。

「どうやって会社に行くの?」
「いやぁ、普段はバスなんだけど」
「バスも迂回してるから、どこから乗れるかわからないよ。どこまで行くんだっけ?」
Charing Crossまでだけど」
「バス停はどこかねぇ」
「いいですよ。どうせバスなんて乗れないだろうから」

諦めて、Paddington駅とは逆方向の、Hyde Parkの方へ向かう。道路も、異常な渋滞。どうやら駅前が通れなくなっているらしい。とりあえず、もう一つの近い駅である、Lancaster Gateまで行ってみる。すると、駅は開いているようだ。そこに掲示があった。

次の駅は、セキュリティーチェックの関係で閉鎖されています
Paddington
Baker Street
King's Cross St. Pancras
Charing Cross

おもいっきり、私の通勤経路の起点駅、乗換駅、終点駅が書いてあった。それにしても何のセキュリティーチェック?どうもこの総選挙前の時期は、こういう駅封鎖が多く行われるらしい(情報いただきましたYumikoさん、ありがとうございました)。やはりテロとかが頻発する時期なんだろう。
 結局経路を変え、Lancaster Gate -(Central Line)- Bond Street -(Jubilee Line)- Green Park -(Picadilly Line)- Leicester Squareと行き、そこから歩いて行こうと、乗った電車をBond Streetで乗り換え、Jubilee Lineのホームへ。ホームからは大量の人が上ってきていた。しかしながらホームへ行くと、丁度電車がGreen Park方面へ出たところ。動いてはいるらしい。3分待って次の電車に乗る。が、しかし動かない。そしてアナウンス。

Jubilee Lineは、Finchley RoadからCharing Crossまで、運転を見合わせます。」

へへ?電車が消えた。結局駅を出て、Oxford Circusまで歩き、なかなか来ないバスに乗り、Picadilly Circusまで行き(バスの運転もそこで打ち切り)、そこから歩いて職場まで行った。途中、Trafalger Squareは、進入禁止。朝の混み合う時間、ただ鳩だけが飛んでいた。
 後で聞いた話だが、閉鎖対象となった駅は、通過扱いで電車は動いていたそうだ。Jubilee Lineのように、閉鎖駅が終点だったりすると、運行に支障がでたようだ。また、閉鎖されたと書いてあったPaddingtonでも、Bakerloo Lineは使えたようで、これを使えば、一直線でPicadilly Circusまで行けたという。情報が錯綜して、正しい情報がどれだかわからなくなっていたようだ。
 また、今回のこの処置で一番疑問に思ったこと。なぜ、危険だと言って閉鎖した駅を、電車は通過扱いで運転されたのか。危険があるなら、そこを通過するだけでも危ないのではないか?ということである。バスなど、通過できないように交通規制していたのに、なんか処置が中途半端のようでおかしい。


洗車機20/Apr/1997

 車が汚い!ということで、給油のついでに洗車をすることにした。イギリスでは、大体のガソリンスタンドに洗車機がついており、24ポンドで洗車ができる。システムは、まずレジでカードまたは番号を受け取り、それを洗車機の入口で入力、そのメニューに従い、自動的に洗車機が動くというもの、日本にも同じものがあると思う。
 こういう自動物、どうもイギリス人は苦手なようだ。今日は、前にいた車のお姉ちゃんが引っかかっていた。まず、レジで金を払うのを忘れていた。前の人が終わる前にレジへ行き準備。まぁ、それはいい。自分の番になり、番号を入力し、車を洗車機に入れる……はずなのに、入るところで何を慎重にするのか、ゆっくり入っていき、途中で止まる。前には電光表示で「前へ出ろ」を言わんばかりに、緑色の矢印が点灯している。彼女はエンジンも切ったようだ。これじゃ機械が動かない。「おいおい、知らんなら使うな!」 頭に来て、クラクションを鳴らし、彼女が振り向いたところで、前を指さす。そして少し前へ、でも少しなので、まだ動かない。そして3回こういう動きが続き、やっと機械が動いた。この間5分、このおかげで約束の時間に遅れた。
 まえにもこういうトラブルがあった。それは、カード挿入式のところで、カードを完全に入れなかったため、動かないというもので、そのドライバーは、機械の中に入っている車から出てきてカードを入れ直し、水が出る前に間一髪で車に戻った。実に危ない。
 そういえば、懇切丁寧な説明が記もない。せめてこういう機械ものには、英文で説明書きをつけないとだめだ。また、使い方が解らないなら、レジで訊け!たーけー


注意表示19/Apr/1997

 「財布の中に1ポンドもない!」と気付き、銀行へ。Barclays Bankの、Picadilly Circusの支店のキャッシュディスペンサーへ向かう。丁度真ん中が空いていたので、カードを入れる。と、カードは機械の中へ。「何だ当たり前じゃないか」とお思いでしょうが、そうじゃない。カード挿入口のところが、修理中か何かで、ぽっかりと空いており、使えない状態だったのだ。私のカードは、その穴から、機械の中へ落ちていってしまったのだ。気付いたときはもう遅い。取り出す手段もなく、またこの支店は今日は休み。月曜日に、行って取り出すしかない。
 しかしながらこの機械、画面上ではきちんと稼働しており、またどこにも"Out of use"などという表示はなかった。どういうことそれ??。まぁ、きちんと見ずに、カードを突っ込もうとした私も悪かったが、画面上動いている機械を普通信用するはずだ。いつもの力加減でカードを挿入しようとすると、最後の方で力が緩くなるので、落ちてしまったのだ。まるでのれんに腕押し状態。
 お金は何とか、CITI BANKのカードでおろすことができたが、それにしても注意表示が全くないというのはお粗末。ひどいもんだ。なんかどっきりカメラに引っかかったようで、納得がいかない。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Lisa Stansfield "Lisa Stansfield"
MTV
で見て一発で気に入りました。内容も完璧。これからのお気に入りになりそう。


ロンドンでの日本語18/Apr/1997

昼飯を食いに、中華街へ。いつものことである。今日はこの前新規開拓した店へ行く。ここの鰻と肉うまに飯がおいしい。店に入り、"Seven"と人数を言うと、店の店員、我々が日本人であると察したのか、「イラッシャイ、コンニチハ」と話しかけてきた。
 日本語が出てくるのは、相手の努力なのだろうし、讃えなければならない。しかしながら、こういう所での日本語、とりわけ挨拶だけ何度も連呼するのは、なぜか気分を害する。誤解かもしれないが、何か「日本人だからおだてていれば金を使ってくれる」とでも思っているようで、どうも好かない。ヨーロッパを旅行していたときも、集団でいるときは特に、日本語で挨拶連呼により呼び込みをする飲食店が結構あった。3月にブリュッセルに行ったとき、5人でレストランに入ったのだが、ここの店員も挨拶連呼型。嫌な予感はしていたが、そのとおり、店に入って落ち着いてから、「安い目玉メニューはもう売り切れており、他のを注文してくれ」と、高いメニューを出してきた。またこれが高いなりに美味しければよいのだが、そんなはずもない、じつにチープな味だった。こういう目に何度か遭っているので、挨拶連呼型の店員のいる店はどうも好かない。
 私の知っている中華の店の中には、少しだけ日本語が話せる店員がいる店がある。この人は、挨拶連呼などはせず、ここぞの時(メニューがよくわからないときなどに説明するとき)だけ日本語を使う。こういう使い方をされると、こちらも好感を持つ。何か偏見かも知れないのだが、挨拶連呼型は、やはり好かない。

おまけ 今日の収穫(買ったCD)
SHAKATAK "STREET LEVEL"
実はこのCD5年前に日本で買ってはいたものの、ひょんなことでディスクに傷が付き、一番のお気に入りの曲ANYWAY YOU WANT ITが聴けなくなってしまったため、再度買おうと探していたところ、タワーレコードで発見、思わず買ったもの。やはりロンドンの夜景にSHAKATAKは似合う!


TESCOの寿司17/Apr/1997

 仕事帰り、買い物のため、「イギリスのダイエー」とも言える激安スーパーTESCOへ行った。ここはとにかく安い。また、私がよく使うOxford Street店は、街の中心部ということもあり、仕事帰りの人で混んでいる。入り口を入り、奥へ行くと、そこには寿司のパックを手に取るイギリス人が数名。ここはロンドンか?
 最近、TESCOでは寿司を売り出している。味はと言うと……はっきり言うと「寿司」と呼べる物ではない。「刺身が乗った小さいおにぎり」と言う方が、味にかなっている。値段も結構高い。また、乱雑に運ぶのか、ネタがしゃりから落ちている物もある。一度は怖い物見たさに試したものの、さすがに2度は手が行かない。やはり寿司は、きちんと酢がきいたもんじゃなけりゃだめでしょう。
 日本食が浸透するのはいいのだが、「これって日本食」と言いたくなるような日本食もけっこうある。「イギリス系日本食」とでも言うのだろうか、はっきり言って名前だけ見ても「まずそう」な感じだ。ただ、完全に日系のところがやっているものはまずまずと思える。同じスーパーでも、WAITROSEでは、日系スーパーヤオハンで営業している大吉寿司の商品を売っているらしい。そちらの方はまぁまぁなんだろう。
 一番恐れていることは、「日本食ってこんなもんか」とイギリス人に思われること。「てめーらだけには言われたかないわい!」


サングラス16/Apr/1997

今日、ピカデリーサーカスにある「メガネのParis Miki」へ行き、メガネに付けるタイプのサングラスを買った。今までは、その辺のディスカウントストアで売っている安物を使っていたので、今回は気合いを入れ、まぁ、それでも£25なのだが、まともな物を買った。
 イギリスではサングラスは必需品。特に車の運転をするときなどは、必携である。冬でも日差しがきついときがある。緯度が高いので、夕陽がなかなか沈まない。また、昼でも太陽が低いところにある。そのため、日差しが直接目にはいるのだ。また、空気が乾燥しているため、太陽光線が、遮断されることなく直接降りてくるため、目にやさしくないという話もある。
 私がサングラスをすると、どうも「あっち系」にも見えるのだが、まぁこれも日差しへの自衛手段だから仕方がない。間違えられないように、品行方正にしているしかない。


15/Apr/1997

イギリス人は列を作るのが好きだという。確かによく列を作る。では列を守っているのか。必ずしもそうとは思えない。今日、バスに乗るときでも、乗る前まであった少しは整然とした列が、バスが到着するとともに崩れ、好き放題に乗っていった。また、昨日郵便局のPOST SHOPでバースデーカードを買ったときに、2つのレジを1本の列で待っていたはずだったのだが、要領を得ない年輩の女性が戸惑っているすきに、数名が一方のレジに新たなレジを作っていた。どうも、列を作るのは好きなようなのだが、その列が強制的にできたもの(郵便局や銀行で、ここに列を作って並ぶように指示をしたもの)以外では、自然発生的にできるため、法則がなく、結構無法者的な行動をしてもまかり通ることが言えるようだ。
 自分が無法者になったときは、実害がなくていいのだが、反対に、自分が待っているときに、列を乱す行動があったとき、私は結構腹が立つが、誰も怒らない。日本での列の作り方がまずいとか、横入りが多いとかいうが、ここロンドンにいる限り、マナーは日本の方がいいような気もする。
 そういえば、「東京で電車に乗るときに、自然に列が3本できているのに驚く」と言う話を聞いたことがあった。これは、私も北千住の日比谷線のホームで遭遇したが、直通列車、始発列車、その次の始発列車と、3列で3本の列ができている。これも、そうしなければ円滑に動かない日本(東京)の知恵なのだろう。妙な集団行動も不気味だ。でも、イギリス人にも列を守るという最低のルールは守ってもらいたい。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
George Michael "OLDER"
PET SHOP BOYS "BILINGUAL"
あと、ビデオなのですが、
SPICE GIRLS "THE OFFICIAL VIDEO VOLUME 1
やっと出たかって感じです。これで、MTVのチェックが甘くても大丈夫
また、今日届いた
CD!!
Miho Morikawa "HER-Best II"
やっと来ました、森川美穂のVAP時代のベスト第2弾!


住めば都14/Apr/1997

 今日、この4月に赴任してきた同僚がうちのそばに住むことになったので、一緒にバスで帰宅した。その途中、「いやぁ、毎日が驚くことばっかりですよ。」と言っていた。彼は日本でも外国人との接触の多いセクションにいたのだが、それでもである。
 そういえば、最近ロンドンにやってきた、このページの愛読者といろいろ話す機会があったのだが、彼女も、「毎日がカルチャーショック」などと言っていた。まぁ、双方ともロンドンに来て一週間、いろいろと見えてくる時期なのであろう。
 そういえば自分はどうだったろう。自動販売機のない街、コンビニのない街、電車がよく止まる街、気軽に入れるレストランのない街、お湯を沸かすだけでポットの中が石灰だらけになる水、異常に高いティッシュペーパー、よく故障するバス。最初の1ヶ月は、とにかく驚くばかりだった。それでも、もう一年も経つと、それが当然のように生活してしまっている。電車が止まっても、「まぁいつものことだ」と焦らない。列が長くても「しょうがない」と諦める。意見はズバズバ言う。イギリス人化していない(というよりして欲しくない)点は、味覚位のような気がする。
 今の状況は「住めば都」。今までも、いろいろな街に住んできたが、日本でも最初のうちは新しい街に馴染めなかった。特に名古屋に行ったときなのだが、あれほど好きな名古屋ではあったものの、言葉以外の点では(まぁ最初は名古屋弁もわかりにくかったが)ロンドン並みに戸惑うところもあった。でも結局好きなところを発見して、自分のFavoriteとなっていく。ロンドンも、嫌な面もいろいろあるものの、好きな面がもっとたくさん見えてきたので、今の生活を楽しめているといったところなのだろうか。


ヤオハン13/Apr/1997

 昨日買い物をし損ねたので、今日は昼からヤオハンに行った。ヤオハンはロンドンの北の方にあり、私のように北に出やすい所に住んでいると使いやすい。車でSwiss Cottage, West Hampstead, Hendon Centralと抜け、ヤオハンまで30分、私の週末のおきまりコースである。
 ところでヤオハンは「完全に日本」である。置いてある商品も日本と同じなら、店の構成も同じ。違う点は「値段」である。多くの日本人は「ヤオハンは高い」と言うが、ロンドンの日系食料品店の中では安いと思うし、この値段も輸送コストや関税、そして商品のロス率などを考えれば妥当であると思う。しかしイギリスのものと比べれば高いのは当然で、対策を講じる必要がある。そこで登場するのが他のアジア諸国の食材である。特に中国製・韓国製には本当にお世話になっている。
 ヤオハンには、そのコーナーがあり、見たことのない食材まで並んでいる。中華料理を得意とする私としては、本格的な中華調味料が安く手にはいることは非常に嬉しいし、また韓国コーナーの乾麺類には、本当に助けられている。「アジア」という括りは、食文化の面では実に似ているところがあるなと感じる。
 また、ヤオハンのフードコートもなかなかいい。そこには日本料理はもとより、中国・韓国・シンガポール・ベトナムの料理店が並ぶ。今日の私は韓国料理、市中より安い値段で楽しめる。買い物ついでによく使う。
 どれだけイギリスに馴染んでも、食文化だけはどうしても馴染めない。譲れないものなんだろうと思う。ロンドンに住む日本人、そして多くのアジア人の生活を支えているヤオハンの存在は大きいと思う。


Richmond Park12/Apr/1997

 今日、同僚の家で、花見ランチパーティーがあった。お好み焼き、餃子、ちらし寿司といった、実にまとまりのない食べ物(半分以上は、このなごやんが作った)を前に、散ってしまった桜の木を眺めた。その後、ちょっと散歩ということで、車で近くのRichmond Parkへ行った。
 公園だが公園とは言えない規模、それがこの公園。中には乗馬をする人がいた。また鹿が放し飼いになっている。馬と鹿がいるのだ。何か日本語的発想をして笑ってしまう。まぁ、それはよいとして、そのくらいの規模はある。先が見えない。とりあえず、車で中央部にある駐車場に行き、池まで歩く。ここは冬に一度来て、白鳥に餌を与えたことがあった。結構私好みなところである。今日も親子連れがたくさん来ており、パンくずなどを、白鳥や鴨に投げていた。実にのんびりしている。そこから15分程歩いていった。何か原野を歩いているようだ。どこまで行っても原野。とにかく広い。途中で飽きてきて、「引き返そう」と音を上げ、結局車に戻り、車で回ることにした。とにかく広い。
 ロンドンには、ハイドパークなどを始め、広い公園がたくさんある。特に郊外にあるRichmond Parkなどは、とてもロンドンにあるとは思えないほど、自然がたくさんある。豊かさとは何か?豊かさとはこういうものが近くにある生活なのだろうか。仙台の台原森林公園や青葉山などと比較して、結構考えてしまった。


シティバンク11/Apr/1997

 最初に断っておくが、私は決して会社の回し者ではない。ただ、事実を伝えるだけのこと。伝書鳩のようなメッセンジャー(?)として日夜活躍していく。
 さて、イギリスで暮らすのに、日本から送金する必要がある際に、どういう銀行の使い方をした方がいいか。当然イギリスの銀行の口座は必要。小切手を切る必要もあるし、作っておかないと始まらない。それでは日本側はどうか。私はシティバンクだけを使っている。それで何も問題はない。イギリスの大体の銀行のキャッシュディスペンサーから、直接日本の円預金からポンドでおろせるし、また送金も電話一本で大丈夫(但し登録が必要)。困ることもない。また、イギリスの銀行のキャッシュディスペンサーは、一日の引き出し上限が低いが、シティなら大丈夫。でも現金を大量に使う機会はないので、それほどのメリットではないが……。
 「どこの銀行にしようか」という不安はあると思う。しかしながら、日本が好きな私も、ここではあえてアメリカの会社の肩を持つ。「シティバンクの口座を持ちなさい。そうすれば大体大丈夫」イギリスで最も便利な日本の銀行である。但し、イギリスでシティバンクの口座を持つのは、また別の話。それはあまり意味のないことである。
 日本はシティ、イギリスは地元銀行!これが得策


消毒薬10/Apr/1997

 今日、うちの事務所の給水機(ミネラルウォーターのタンク)を入れ換える際、現地職員が、「消毒薬を入れなきゃだめだ。中では黴菌がうようよしているんだ」とゴタクを並べる。しかし、私は消毒薬を入れて欲しくなかったので、何も言わずタンクを取り替えた。
 この消毒薬、直接冷水機の中に入れ、循環しながら殺菌するというもの。タンクを取り替える際に、中に入れ、水を出して洗い流す方式だ。しかしながらタンクが空になることはなく、消毒薬は水の中に残る。実際水からは異臭が発する。消毒後は、とても飲めたものではない。よっぽど消毒しない方が安全のように思える。
 現地スタッフと話していると、こういう薬品関係の危険性に疎いような気がする。「薬だから大丈夫だ」の様なことを彼らは言う。しかしそんなことはない。危ないと思う。また、こちらの人は食器を洗剤で洗った後、すすがないと言う話を聞いた。すすがないとまではいかなくても、すすぎは甘いと思う。洗剤が体内にはいることを危険だと感じないのだろうか。「洗剤だから洗ってくれる」などということはない。薬品や洗剤に対する危険性の教育をきちんとやっていないのだろうか。外食するときなど、食器類の処理方法を考えると、結構怖くなる。


レター9/Apr/1997

 今日は、私がロンドンに来て1周年である。何とおめでたい日。でも49!しかしながら英語圏では関係ない。しかしながら1年後にはもう日本に帰っているはずだ。もう半分を過ぎてしまった。
 ところで、今日新規赴任者の家探しに付き添ったのだが、契約の段になって、家主が「給与や家賃の支給を証明する、お宅の所長のレターが必要だ」と言った。まぁ、レターを作るなんて簡単なことだが、どうしてまぁレターなのだろう。この国はレターが実に強力な力を発揮する。
 昨年、通勤のため定期券を買おうとチャリングクロス駅まで行き、「一年定期が欲しいんですけど」と言うと、「あなたがロンドンに住んでいるという証明が欲しい」と言われ、結局買えずじまいであった。しかし事務所に戻り、現地スタッフにその話をすると、彼女が、私がこの事務所の職員であり、ロンドンに住んでいるというレターを、ものの10分で作ってくれた。そしてそれを持っていくと、係員は手のひらを返したように、一年定期を発行してくれた。一介の調査員が発行してくれたレターで信用があるのである。
 とにかく、イギリスで交渉事を行う場合は、サインの入ったレターが必要。それがあれば、結構強く出ることができる。この1年間で、レターの強力さを身にしみて感じた。


外国人登録8/Apr/1997

 この前ビザを延長したので、外国人登録をし直さなくてはならない。ということで、今日はHolbornにある外国人登録センター(Aliens Registration Centre"へ行って来た。
 日本ではこの業務は市町村が行っているが、この国では警察がやっている。何事にも時間がかかる国、事務所の同僚と覚悟はしていた。入り口の受付で書類が揃っているか確認、「あの長い列の後ろへ」と言われ、見てみると、20人掛けのベンチ7列分ぐらいに人が座って並んでいる。 「これじゃいつ終わるかわからんじゃないか」 気の遠くなるような人数である。まぁ、何を言っても始まらないので、とにかく列の最後部に並び、順番を待つ。
 既に入国審査において、正規のビザが発行された人々である。パスポートの記載事項を外国人登録証に転記するだけである。それなのになぜこんなに時間がかかるのかわからない。特に私の場合、最初の登録に所に職業や住所が記載されているので、はんこをちょっと押すだけのような気もする。とにかくなぜ時間がかかるのだろうか。
 待った。2時間くらい待ってやっと自分の番。しかしながら、表にある15人分のカウンターで普通行われるのだが、私の場合、順番で、その奥の方にいる係員が私を呼んだ。丁度昼休みなので、交代で代わりの人が出たのだろうが、他の人と違うところというのも変だ。呼ばれたところへ行ってみると、そこは壁で仕切られた取調室のような所 「何かまずいことでもやったっけなぁ」 不安になる。なぜ自分だけこんな半個室みたいな所へ……。
 係官にパスポートと登録証を見せ、「新しいビザが出たので……」と言うと、過去法律改正と言われ、勝手に同じビザを再発給されたものと、ユーロスターの車内で勝手に2ヶ月分のビザを出されたものを見て、「こういうのも変更届をしなくちゃいけないんだよ」と言われた。そんな自分が希望して出してもらったものじゃない、ましてや法律改正の時なんか、国の都合で全く同じビザを出されただけなのに、そのためだけに外国人登録所に出かけて無駄な時間を使わせるとは、結構ふざけている。まぁ、「今、全部処理しますね」ということで、私の登録カード(最初に来たときに作った奴)を取りに行った。まぁ、スムーズだ。
 係官は戻ってきて、書類に今まで出たビザ(既に新規ビザで4つ目)を記載し始めた。私も暇なので、係官といろいろと話していた。話題は官公庁の民営化について。結構まじめな話だが、盛り上がった。強制競争入札による自治体業務の民営化が行われているが、一部部門において、入札業者の独占化が進んでいるようで、問題もあると係官は言う。また、タワーハムレッツというロンドン区の話になり、「オレはそこの住人なんだけど」と彼は言う。「バングラデシュの人が多いんだけどねぇ」と、今度は少数民族問題について話し合う。結構おもしろい。
 そうこうしているうちに変更作業は終わった。変更作業中は、係官とまじめな話で盛り上がり、結構楽しかったが、それにしてもちょっと待たせ過ぎである。列を作るのが好きな国民とはいえ、ここに来るのは絶対に「外国人」、列は作りたくはない。何とかして欲しいものだ。


プリン7/Apr/1997

 今日は、職場の新規赴任者とその家族を呼んで昼食会があった。店はイタリアン。その店だけではないのだろうが、量が非常に多いので、今回はメニューをうまく読み切り、丁度いいように調整、普通なら「最後はコーヒー」となるところを、今日は「デザートを取ろう」という気になるほどであった。選んだメニューは"Cream Caramel"、キャラメルではない、日本で言う「プリン」である。
 Puddingという英語がある。これにも日本の「プリン」という意味があるのだが、「卵、牛乳、小麦粉などを混ぜて固めたもの」というような意味でである。それこそYorkshire Puddingというと、ローストビーフの焼き汁を付けて食べるものであり、日本の「プリン」とはほど遠い。また違う意味で「ソーセージ」というものがあり、Black Puddingというと、豚の血で固めたソーセージのことである。決して黒いプリンではない。お店で見て買うときはいいのだが、レストランなどで間違って注文するとえらいことになる。「プリン」を食べたいときは"Cream Caramel"を頼まなければならない。
 それにしてもイギリスのスーパーで売っている「プリン」は美味しくない。パリの友人のの所で食べた市販の焼きプリンは最高に美味しかった。ドーバー海峡の食品文化の隔たりは大きい。


高速走路の工事6/Apr/1997

 今日走った高速道路M40(London-Oxford-Birmingham)が、車線規制をして工事をしていた。いや、正確に言えば、片側3車線の道の一部の工事だったのだが、車線を工夫して、きちんと片側3車線を確保しての工事である。
 もともと3車線しかないところの路肩と1車線が工事対象になっている。そして、残りの2車線は少しづつ狭めて車線をキープし、もう1車線は、反対側車線の方の内側に作られていた。そして、1者線分切り取られた反対側車線は、路肩の部分を調整して、2車線と路肩を3車線にして使われていた。よくまぁそこまでして、大がかりな……と思ってしまう。
 しかしながら、そういう細工をすると、結局車線が狭くなる。反対側車線に移った1車線などは、両側にポールがたっており、普通車でも結構走りにくい。また、この国の高速道路では、車線の間に金属の鋲が打ってあり、車線を移動すると、おのずとこの鋲の上をタイヤが通ることとなるので、乗り心地が悪くなる。そのうえ、みんなこんな道でもガンガンとばす。よくもまぁ……。
 車線を減らさず、渋滞を避けた努力は買うが、運転しにくくなることを考えると、単純に1車線を減らす車線規制でもいいのではとも思ってしまう。


BTの勧誘5/Apr/1997

 2日前に電話会社の熾烈な争いについて書いた。そして今日、BT(British Telecom)から電話が来た。「登録した電話番号の通話料金が10%引きになる」という、その時書いた手紙のことについてのセールスである。
 敵もなかなかな者、よく考えるとわかる。

BTは電話番号を調べる必要がない

BTの電話に加入しているのだから、当然電話番号と加入者名は知っている。そりゃそうである。彼女はこの料金システムについて蕩々と話した。しかしながら、既に手紙をもらっており内容を把握していたから良かったものの、ただ電話で聞いていたら何を言っているのかわからない。どうやら電話で加入できますのでと言っているようだ。まぁ、直接金の支出に関わることを電話で言っていることもないので、申し込んだ。しかしながらそれだけでなく、他の商品まで勧めてくる。非常に商売熱心。感心してしまう以上に呆れてしまった。しかも今日は土曜日、普通なら会社は休みである。
 BTの民営化は成功だったんじゃないかと80%は確信した私であった。しかしながら後の20%は、「休日はきちんと休むというこっち流のやり方の崩壊か」と悲しく思ってしまう。けどもしかしたらこういうセールスの作業を委託運営しているのかも知れないとも思った。NTTも見習えよ!!


英語での議論4/Apr/1997

 今日は、事務所内で結構長いミーティングがあった。現地スタッフがいるので、会話は全て英語。内容は事務所のパンフレットについて。普通こういう日系の事務所であれば、日本人がイニシアティブを取ってやるのだろうが、うちは違う。あくまで現地のスタッフも議論に参加させる。特に今回は現地スタッフからの提案で始めたことなので、彼らも真剣だ。
 話していて思う。「英語のネイティブと議論すると、すでにネイティブの方が5〜6倍のアドバンテージを持っている」ということ。そりゃそうだ。しかしながら自分の言いたいことは言わなくてはならない。あちらは日本語が分からない。こちらは英語が分かる。しかしそんなのは英語のネイティブからみれば「当然」のことのようだ。
 言いたいことがたくさんあった私は、とりあえず提案者に一番近い席に座った。これも作戦。遠くだと言いたいことも伝わらない。英語でのミーティングのいいところ、それは日本語だと(というか日本人同士だと)後で後腐れのあるような発言の応酬も、英語だとそれほどには感じない。もしかしたらかなり失礼なことも言っているのかも知れないが、こちらからすれば、日本語よりは重くない。また、そのような真剣な議論の中にも、笑いがある。また、彼らも後でぶつぶつ言うより、その場ではっきりと自分の考えを言うのが当然だと思っているようだ。
 そういうことで、今日は結構すっきりした。英語でのミーティングは大変だが、言いたいことが言えるのがいい。日本では通用しないとは思うけど……
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Eternal "Before The Rain"
今のヒットチャートに乗っています


電話会社の熾烈な争い3/Apr/1997

 日本でも通信事業の規制緩和が叫ばれている。実際、長距離系通信や国際通信については数社での熾烈な値引き合戦が行われているようだ。イギリスでは……いろいろ状況は違うが、通話料金は安いと思う。
 英国電信電話(BT:British Telecom)が民営化されたのはサッチャー政権の頃だろう。そしてマーキュリーという電話会社も登場して、長距離通話については競争が起きた。また、BTは国内通信だけでなく、国際通信についても事業を持っているのだが、これについてはコールバック方式の安い電話通信の会社がたくさんあり、私も使っている。これを使うと、1分間約30p(60)で日本まで電話をかけることができる。このような会社では、「国際電話をかけるための店」を設置しているところもあり、街中では、電話ボックスだけを置いた店があり、中は国際電話をかける客で賑わっている。さすが国際都市ロンドン、いろいろな国籍の人が住んでいるので、このような商売も成り立つのだろう。そういえばポルトガルに行ったときも、リスボンの街角に同じ様な店があり、結構はやっていた。思えば、すぐとなりにかけても国際電話になるような地域である。需要も多いのだろう。
 そして今日、BTから手紙が来ていた。「登録した電話番号の通話料金が10%引きになる」という、日本にもあるようなサービスのお知らせである。それも、最近の通話料の高い電話先が既にリストアップされた申込書類付!。中には、国際電話と移動電話の番号を1つずつ入れることができる。もう「入って下さい」と言わんばかりである。インターネットを使っている者にとって、このサービスはありがたい。しかしながら、この積極的な売り込み、日本のNTTも殿様商売にかまけていないで、少しは見習って欲しいものである。


写真の現像2/Apr/1997

 イギリスは、日本に比べ写真の現像料金が高い。それも不思議なのは、同時プリント時に、もう1セット焼き増しをする場合はそれほど高くはないのだが、ネガを持っていって焼き増しをする際は、1枚につき50p(=\100)位取られる店もある。どういう違いがあるのだろう。
 これは市内に多くあるドラッグストア"Boots"での例だが、同時プリントも、1時間、4時間、1晩、3日、1週間と選択の幅があり、時間が長ければ長いほど安くなる。特急仕上げというのが高いのはわかるが、3日とか1週間というメニューがあるというのも、何ともおもしろい。
 私は現在APSのカメラを使っているが、このフィルムの現像は、急いでも朝出して翌日の夕方である。現像価格も、結構高い。ちなみに今日受け取ってきたもので、25枚で£7.5040枚で£9である。但し、日本よりサイズが大きいというのも事実で、現像結果についてはこれで結構気に入ってはいる。
 フィルムも高い。信じられないくらい高い。イギリスに旅行に来る際は、京成スカイライナーに乗る前に、駅前のヨドバシカメラでフィルムを買ってくる方がよいでしょう。


夏時間1/Apr/1997

 この日曜日からヨーロッパではサマータイムになっている。1時間普通の時間より繰り上がるというものである。330日の午前1時が、”小雨混じりの”午前2(このネタわかる人少ないだろうなぁ)となったのである。
 この時期旅行中であった私は、まず28日にGMTからCETの移動のため、1時間繰り上がり、その後30日に件の夏時間への変更でまた1時間繰り上がり、その後31日に帰国した際にまた1時間戻るという、4日間で3回時刻が変わるという、異常な事態になった。
 夏時間のメリットは、夜遅くまで明るいこと。今日も20時少し前に職場を出たが、まだ明るい。これが6月半ばだと、22時位まで明るい。本当は明るい時間に余暇を楽しむのがヨーロッパ流なのだが、「仕事帰るときも明るい、いいのだろうか」と思ってしまうのは、日本人の悲しいところだろうか。
 今年こそは、仕事から帰ってきて、自宅から5分のところにあるHyde Parkでインラインスケートの練習をしようと心に誓った今日この頃であった。


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