実況、ビザの更新−その後31/Mar/1997

 今日は旅行から帰ってくる日、当然のことながら入国審査は受けなければならない。「それなら、ついでにビザの延長ができないだろうか?」そう思い、旅の荷物にビザ延長の書類を忍ばせていた私であった。
 19時10分、飛行機は空港の到着、長い長い通路(1km位はあるでしょう。何とかせえよ)を歩き入国審査場へ。落ち着こうと思い、とりあえずトイレに行く。そして審査官の前へ。「今のビザはこれだけど、あと一年延長したいんですよ。理由はこの手紙の通りで、本当は2年出してもらいたかったのに、1年しか出なかったもので」と説明すると、「ちょっと確認してみるけど、今日から2カ月のビザを出して、ホームオフィスへ行ってもらうことになるでしょう」とつれなく言われた。 「まぁ、そんなもんか」 出なければ再度クロイドンまで行く覚悟はできていたので、無理強いはしなかった。しかしながら、変なビザを出されても後が面倒である。どうしようかと考えていると、係官は私の出した書類を読んでいる。そのうちスタンプを押したようだ(机の配置上、係官が何をしているかは見えない)。「警察へ外国人登録をしていますか?」突然聞かれ、「はい」と答える。また係官は何か書き始めた。そのうち「1998年3月31日までですね」と聞いてきた。「そうですけど」どういう風の吹き回しだろう、ホームオフィスへの手紙でも書いてくれているのだろうか。そのうち出した書類が帰ってきた。何も変化はない。そしてパスポートが

Leave to enter the United Kingdom on condition that the holder maintains and accomodates himself and any dependants without recourse to public funds does not enter employment paid or unpaid other than with(会社名)and does not engage in any business or profession without the consent of the Secretary of State for the Home Department is hereby given until 31 March 1998

「ビザ出とるやんけ」 念願のビザの延長ができた。それもこんなに簡単に。ホームオフィスでまた5〜6時間も待ってやるかと思っていたが、出てしまった。それもこれも係官に権限があるこの国ならではのことであろう。前回はイヤだと思ったこのことも逆手に取ると結構うまく行くこともある。


北欧の女性は背が高いか?30/Mar/1997

 デンマーク・スウェーデンを歩いていて思ったこと、それは「北欧の女性は背が高い人が多い」ということだ。列車で荷物を棚に入れるところなどを見て、「えぇっ」と思うことも多かった。
 ロンドンにいても、欧米人は日本人より背が高いなぁとは思った。身長187cmある私が目立たないというのは、結構うれしい。でもそれ以上に北欧では女性の背の高さが目立っていたような気がする。180cm超という人も結構いた。
 人種の差なのだろうか、それとも食べ物なのであろうか。これって結構不思議である。


コペンハーゲンカード29/Mar/1997

 コペンハーゲンを旅行するのに便利なのがこのコペンハーゲンカードである。24、48、72時間の3種類あり、価格は140DKR、220DKR、295DKRとなっている。
 何ができるのか?まず首都圏内のバスや国電(S-Tog)が乗り放題!。それだけなら高すぎる。そう、このカード、コペンハーゲン域内の博物館や城旧跡など、いろいろなところの入場料が無料もしくは割引になるのである。これは大きい。今回は24時間券を買って歩いてみたが、施設の入場料だけでもすでに140DKRを超えた。これはお買い得。また、この券で空港から市内への路線バス(リムジンは除く)も乗れるので、空港のインフォメーションで買うと、市内への交通費も浮く。
 知っているのと知らないのでは大違いのこのカード、一度試しあれ。


出国審査28/Mar/1997

 朝のロンドン・ヒースロー空港。イースター休暇の初日ということもあり、空港内は朝からごった返していた。言わずもがな私も英国航空機でコペンハーゲンへ向かうべく第一ターミナルへ行く。チェックインも並んでいたが、手荷物だけなのですぐに通過。しかし……そこからが地獄だったのである。荷物検査と出国審査に長者の列が。まぁ、荷物検査は良しとしよう。なぜ出国審査に時間がかかるのだろう。
 相変わらずこの国の出国審査は時間がかかる。他のEUの国に行くと出国審査どころか、入国審査もパスポートを見るだけというところが多い。しかしながらイギリスからとなるとそうはいかない。EU域内のパスポートはOKなのだが、それ以外となると入念。しっかりと入国月日やパスポート番号を確認、出国カードもきちんと書かなくてはいけない。いままでヨーロッパを旅行していて、出国カードや入国カードを書いたのは、ビザを持っているイギリスだけである。不思議な話だ。
 また、これだけ混んでいるのにも関わらず、EU以外の国籍の人用の窓口はたったの2つ!!。少なすぎる。入念にチェックするのならばもう少し考えて欲しい。
おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Eternal "Always & Forever"
Louise
がまだいた頃の作品


ロンドンのラーメン27/Mar/1997

 今日、同僚と中華街で昼食を取り、帰ってくる途中、いままで韓国料理屋があったところに新しい看板がついているのを発見!名前は「ジパング」。この安易なネーミングは、どう考えても日本料理店だとわかったので近づいてみると、店内はまだ改装中であった。でもすでにメニューは付いている。そこのトップには、燦然と輝く「博多ラーメン」の文字が!。そう、ラーメン専門店だったのである。
 そういえば、ロンドンで日本風のラーメンを食することができるところは少ない。中華店のラーメンは、日本のラーメンとは違う。何と言ってもスープが違う。日本のラーメン店のスープへのこだわりはすごいと思う(けど中華もすごいとは思いますが……私の好みに合わない)。
 「日本食で何が食べたい」と聞かれたとき、刺身とか寿司とか、そういう高級な物は頭に浮かばず、「立ち食いそば」とか「吉野家の牛丼」などと答えてしまう私としても、日本風のラーメンは、5本の指に入る「食べたいもの」の一つだ。しかしながら、スープが決め手のラーメン、やはり専門店で味わいたいものだ。そこで、新しいラーメン専門店の登場は喜ばしい。
 ところで、私が知っているラーメン店もまだ少ない。おもしろいところだと「ワガママ」というところがある。ここは日本の名前が付いているが、日本人を見かけない店だ。調理場を見ると中国系の人が多く、店員は白人。客も日本人はほとんどいない。だからかどうか、味はイギリス風(?)にアレンジしてあるようだ。この味、まぁなかなかだが「日本への郷愁」は湧かない。是非日本的なラーメン店ができることを望みたい。これだけ日本人が働いているロンドンだからうけること必至でしょう。

お知らせ!!
 明日より4日間のイースター休暇です。御多分に漏れず私もコペンハーゲン3泊4日の旅行に出かけてきます!。ということで更新が遅れますので悪しからず。


信号無視26/Mar/1997

 「歩行者は信号を守らない」これがイギリス流だろう。とにかく車が来なけりゃ人は道路を渡る。歩行者信号はあくまで飾り。道路にはどちらから車が来るか描いてあるので、それをみて車が来ないか確認をして、渡る。誰でもそうしている。警察官ですらそうである。
 そこで、注意しなければ行けないのは、「隣の人が渡り始めたからといって、一緒に行ってはいけない」ということである。もしかしたら走らなければ危険なタイミングかも知れない。とにかく、自分の目で確認をした上で、渡る始めることが肝心である。そうでなければ命がいくつあっても足りない。
 横断歩道で「信号を見る」ことを忘れ、「車の流れを見る」という癖がついてしまった。これを日本でやったら危険であろう。ちなみにドイツに行ったときは、人々はみな歩行者信号を守っていた。これもお国柄なのだろうか。

おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Gina G "Fresh!"


ネクタイの柄25/Mar/1997

 ネクタイの柄は、日本より派手だと思う。いや、「個性的」というか「自己主張がある」と思う。
 ロンドンのネクタイ専門店Tie Rack(最近では日本にも進出している)に行くと、実に多種多様なネクタイが売られている。キャラクター物のネクタイ、動物の柄がちりばめられている物、一般的な柄の物、その選択肢は多く、実におもしろい。「これって大人がするのか?」と思える物もあるが、実際にそれをして街を歩いている人がいるので、大丈夫なのだろう。結構いい大人が、日本で言えば「子供っぽい」ネクタイをしているのは事実だ。でもそれが自己主張なのだろう。
 昨年のクリスマス時期のパーティーで、知人から紹介されたある団体の役員さん(60代位、イギリス人)のネクタイは、黄色のニコちゃんマークがちりばめられた物であった。「60過ぎの禿げオヤジにニコちゃんマークねぇ」とは思ったものの、結構様になっている。それを見てから、加速が付いたように派手なネクタイを買っている私である。今日買ってきたのはひよこの柄と馬の柄のネクタイ。日本ではつけられないだろう。


24/Mar/1997

 扉の形状が、イギリスと日本では違う。別に飾りとかそんなんじゃない。内開きか外開きかである。日本の家屋の場合、だいたい外開きである。しかしイギリスでは内開き。これはなぜなのだろう。
 一説には、内開きだと、敵が攻めてきたときに、扉の前に何かを置けば、進入を防げるからという。本当かどうかは知らないが、一理あると思う。しかしながらこの方式、時に使いにくいことが多い。何せ、その扉の移動半径には物を置くことができない。廊下側には何も置かないだろうが、部屋の中には家具を置くのが普通だろう。しかしながら、この移動半径の制限のため、私の居間でも、CDラックが扉とぎりぎりのところに置いてあるのである。時にぶつかる。台所の両開きの扉も、冷蔵庫の扉やゴミ箱にぶつかりはっきり言って不便。何しろ、開くと電気のスイッチが隠れてしまい不便である。
 今日、日本に帰る人の不要品を引き取りに行き、自分の家に入れるとき、何か日本よりやりにくいなぁと感じたのがそこである。外開きなら、体で扉を押さえて、とりあえず家の中に入れてしまえばいいのだが、内開きだと、家の中に入れても、扉の移動半径の中にあると、扉が閉まらなくなる。また、イギリスの家屋には扉が多く、それが重かったりするので結構きつい。
 万国家屋を見てもお国柄が出るなぁと再痛感した今日このごろであった。


ガソリンスタンド23/Mar/1997

 「いらっしゃいませ、満タンでよろしいですか?。灰皿掃除しましょう」などというと、日本のガソリンスタンドである。イギリスではこんな光景はない。なぜなら、セルフ方式だからである。
 「ガソリンは自分で入れるもの」というのが欧米の常識。何も難しいことはない。イギリス式は、まずスタンドに車をつけ、自分の入れたいガソリンを選ぶ。Leeded()が有鉛、Unleeded()が無鉛、Diesel(黒)が軽油である。そして、選んだガソリンのノズルを車の給油口に差し込んで、給油する。満タンになると、センサーにより自動的に給油が止まる。終わったら、スタンドのショップ(販売しているものは、日本のコンビニに近い)に行き、自分のスタンドの番号(書いてある)を言い、代金を支払う。これだけのことだ。日本では導入に際し、かなりもめているようだが、何も危ないことはない。ただの利権擁護としか思えない。
 ガソリンスタンドにはだいたい洗車機がついている。日本のようにコイン洗車場などがないので、これを使うことになるが、£4位でかなりきれいになる。これは優れモノである。
 また、イギリス英語では、ガソリンのことをPetrolという。くれぐれも間違えないように。


バース22/Mar/1997

 「バースかっ飛ばせバース!ライトーへレフトへホームラン!」。もとい、そうでではない。バース(Bath)というのは、イングランド南西部、かつて温泉があったことで栄え、英語の風呂"Bath"の語源となった町である。それが縁でか、日本の大分県別府市と姉妹都市である。但し、現在はその温泉に入ることはできない。
 今日は、何となく思いつきでバースへ行くことにした。ロンドンから車で2時間半、町が見えてきた。遠くから見ていると非常に美しい。イングランドには珍しく坂の多い町である。とりあえず駐車場をと思い、市内の駐車場へいてはみたが満車、結局パークアンドライドの駐車場へ。この町のパークアンドライドは、平日と土曜で駐車場が異なっているそうだ。今日は土曜なのでバース大学の駐車場が使われていた。市街地までバス代が往復で80p!安い。片道80円である。
 町中も全体的に坂になっており、真ん中あたりにBathという言葉の源となったローマンバスがある。行ってみようとは思ったが、入場料が£5.50だったので、誰か来たときにでもここに連れてきて、入ろうと決めた。市内をくまなく歩いてみたが、イギリスの町にしては日本的だ。それはひとえに市内を流れるAvon川と、「坂」のおかげだろう。川が結構少ないイギリスで、市内をせせらぎが流れ、かつ坂があるなんて、まるで日本的(多分こういう郷愁の感覚は、日本に住んでいる人にはわからないと思う)、懐かしさすら感じた。
 イギリス生活に疲れたら、バースに行きましょう!


アイスクリーム21/Mar/1997

 「食事の後はアイスクリーム!」東京勤務時代からの私の習慣である。そのくせがたまに出て、今日も昼食帰りに、Europa Foodsでアイスを買った私だが、どうもロンドンで売っているアイスは高いと思う。
 日本にいたときは、だいたい50円位から商品があり、100円くらいで結構いいやつが手に入った。しかしいまこっちで買うとだいたい£1(=\200)は絶対にする。棒アイスでである。安っぽいアイスキャンディーでも、60P(=\120)は下らない。かつて、田舎の方で15P(=\30)のアイスキャンディーを買ったことがあるが、同じものはロンドンにはない。手頃なアイスがない。結局棒で£1というのはちょっといやなので、ハーゲンダッツのカップ(だいたい£1.3)を買ったりすることも多い。
 スーパーで売っている大型容器の奴は安いのに、小さい奴がべらぼうに高いのはチョットいただけない。まぁ、味は確かに良いのだが、もっと気楽なアイスが欲しい。
 そういえば、アイスと言えば、ロンドンから北西に60マイルほど行った、コッツウォルズにある、ローワースローターのミル博物館の、売店のアイスクリームが非常に美味しい。自家製ということだが、味は天下一品。訪れた際は一度お試しあれ。


街灯20/Mar/1997

 夜、日本へ帰国する同僚の家に、車で不要品を取りに行った。家で美味しいカレーをごちそうになり、くだらない話を延々としていると、時計は既に12時30分を回っていた。急いで帰途へ。車で家まで帰る途中、街灯が非常に暗い。周りがよく見えず、事故を起こしそうなほどだ。
 街全体が暗いというのは、ヨーロッパ全体で言えることだと思うのだが、日本のような電光広告が少ないロンドンではなおさらである。幹線道路の街灯もあまり明るくないので、運転が大変だ。欧米系の人は、暗くてもよく目が見えるそうで、家の電灯も暗い。まぁ、それは人間の体のことだからいい。それよりロンドンの街灯に言いたいこと、 信号の黄色と同じ色やんけ! 遠くから見ていると、黄信号の連続のようで、どれが本当の信号かわからない。ふと前を見て、黄色信号が見えたのでブレーキを踏んでよく見ると街灯だったという、冗談のようなことがよくある。せめて白色にしてもらいたいと思う。また、高速道路に至っては、一部街灯がないところがある。車のライトだけが頼りである。其処は結構怖い。日本にいたときはナイトライダーだった私が、今なぜあまり夜に運転したがらないかは、それが原因である。


Back Stage Tour19/Mar/1997

 今日は、劇場の裏側を見学するバックステージツアーに参加した。ミュージカルや演劇を催す数々の劇場があるこのロンドン、このようなツアーを行う劇場も数ある。今回は、劇場街から少々離れたテムズ川の南岸、サウスバンク地区にあるRoyal National Theatreに行った。
 開始前、ロビーで見学の注意などを受け出発、まずは一番大きいホールへ。開演前のホールには、セットが準備されていた。そのセットの風景はNew York!広告のネオンは、本物に近く精巧である。ここで説明。この建物自体は結構新しい。まぁ、古い建物の多いロンドンにありながら、このサウスバンク一帯は新しい建物が多い。舞台装置の仕組みなどを説明してくれたのだが、やはり英語で次々に説明されると全ては理解できない。まぁ、£3で中を見せてもらえるだけでも万歳だろうということで、聞き漏らしは諦めることにする。
 舞台の裏側に行くと、セットが並んでいる。ここで何となく舞台装置の移動の仕組みがわかる。また、大道具の製作所に行ったが、まるでそこは「ホームセンターの木材売場」よう。木の香りが懐かしい。または「中学校の技術室」といったところだろうか。
 そして最後に一番小さい劇場へ。ここは現在「リヤ王」をやっているということだが、配置が、ステージを挟んで座席があるというおもしろいもの。一人芝居などやるのに最適だろう。キャパは200〜400とのこと。問題はステージへの入り口が小さいので、大きな舞台装置が持ち込めないということである。
 なんやかんやのうちにツアーは終わった。ロビーには、開演を待つ人がいる。ここにはバーがあり、みな思い思いの飲み物を飲んでおり、ピアノとヴァイオリンの生演奏をしていた。食事をする人も見える。雰囲気は最高、ちょっとみみっちい話だが、普通のパブ並みの料金で、生演奏を楽しみながら、ビール(ワインもウィスキーもある)が飲めるなんてすてきな場所である。おまけにここは入場券のチェックを入り口でやっていないので、ロビーなら誰でも入れる。ツアーより、このようなすてきな場所を知ったのが、今日の大きな収穫だった。


選挙戦開始!18/Mar/1997

 昨日、総選挙の実施が発表され、今日の新聞は選挙戦一色であった。これから6週間、最後の防戦に燃える保守党と、評判通りの評価を受けるか真剣な労働党の熱い選挙戦から目が離せない。
 ところで、投票日は5月1日、木曜日である。日本では日曜日に投票が行われるが、イギリスでは木曜投票となっている。平日投票の方式など、日本との違いが気になる点が多い。日本ならゴールデンウィークの真っ盛りのため投票率も落ちるだろうが、こちらはそんなものはないので、大丈夫だろう。
 それにしても、この時ばかりは、各新聞の「色」がよく出る。別に政党の機関紙ではないのだが、それぞれ基本方針があるため、書いてある論調が、即世論を反映しているとは思えない。かなり各紙で論調が違う。実際に世論を読むためには、何紙か比較する必要がある。
 投票権はないものの、これからの動向に注目したい


ブルージュの魅力17/Mar/1997

 ラテン系の国へ行って初めて「また来たい」と思ったところがあった。そこがブルージュ。ベルギーの北部の町である。
 「ベニスに似ている」という話をする人がいる。ベニスに行ったことがないのでわからないが、こんな感じなのだろう、いや、ベニスより上品なんじゃないだろうか。とにかく町が落ち着いている。イギリスの田舎並みに落ち着いているが、田舎ではない。きちんと街が形成されている。また、歩いているとホッとする。水辺に行くと落ち着く。アクセクしない。とにかく「ボー」とするにはもってこいである。
 水郷を船で行くツアーがある。これに参加したが、さすが観光地、フランス語と英語で解説してくれたので助かった。白鳥が戯れているのを見て、おもわず「ええなぁ」と言ってしまった。けど何と言っても良かったのは「安心して歩ける」ということである。変な奴は一人もいなかった。物乞いもいなかった。町はきれいだった。もう最高である。
 今回はトンネルを使って電車で来たが、ロンドンから電車と船を乗り継いで行くこともできる。地の利を活かして、是非夏に行ってみたい。ただただ観光名所旧跡をまわる旅に飽きたあなた!!ブルージュでのんびりとした週末を過ごしてみませんか。


ブリュッセルの路面電車16/Mar/1997

今日は路面電車乗り放題の切符を買って、市内を巡ってみた。
 ブリュッセル市内の公共交通機関の一日乗車券は130BF(約520円)、一回乗車で50BFかかることを考えると、かなりお値打ちである。また、切符売り場で路線図をもらうと、だいたい概要がつかめるので、市内を縦横無尽に回ることができる。
 交通機関としては、地下鉄、路面電車、バスがあるが、やはり行き先はわかりやすく、外も見える路面電車がお勧め。しかしながら、ブリュッセルの路面電車は他と少々違う。それは「地下も走る」ということである。交通量の激しい地区では、路面電車は地下を走る。地下には地下鉄レベルで造った駅があり、そこに路面電車が発着する。見ていて奇妙な感じがする。同様の方式をサンフランシスコに行ったときに見たことがあるが、郊外に出ると平面レベルの移動で乗降できるし、都心では交通渋滞に巻き込まれないということで、非常に効率的な方法だと思う。
 地下から路面電車に乗っていくと、途中で強引な坂を上って地上へ。街の様々な風景が見えてくる。歩きのに飽きたら、電車に乗ってみるのも一興かと思う。


Eurostar15/Mar/1997

 今日からベルギーへ旅行!。交通手段はEurostar。「国際列車」というと何か特別な気がするが、大陸に行くと、国境を接しているため、当然のように国際列車が走っている。しかしイギリスは島国であるため、国際列車は特別なもの。Channel Tunnelを抜けるこのEurostarは、特別ホームからの発車、20分前のチェックイン、ボディーチェック有りと、やはり格が違う。
 外観はフランスの超特急TGVと同じこの列車、中身も一緒なのだが、一つだけ違うところがある。それは「路盤」である。イギリス側の経路は、あくまで在来線を使っている。そのため、列車の性能が全く活かされず、まるで普通列車のような走りをするのだ。また、パリ行きはフランス国内で高速線を走るので、時速300km/hの性能をフルに発揮するのだが、ブリュッセル行きは、またイギリスと同じ様な路線を走るため、「夢の超特急」などという言葉とはまるでかけ離れている。いらいらするほど遅い。
 また、最大の問題点は、「2等車の座席が狭い」というところにある。1等は広いのに2等はかなり狭い。普通列車の方がよっぽどいい。飛行機的な「詰め込み」の思想があるのだろう。一度でいいから食事も出るゆったりとした「一等車」に乗ってみたいものだ


Red Nose Day14/Mar/1997

 昼前に、うちの現地職員が、小さな袋もをってやってきた。鼻のところに赤いボールみたいなものをつけている。「今日はRed Nose Dayだよ」と言う。そういえば、Mr BeanことRowan Atkinsonが、赤い鼻を付けてポスターになっていたのを思い出した。
 今日は、あまり時間がなかったので、英字新聞を読まなかったため、いったいRed Nose Dayが何たるかがよくわからない。しかしながら、唯一わかることは、募金活動を行っていること。赤鼻の袋には、「釣り銭などの小銭を入れて下さい」と書いた袋が入っていたし、何と言っても仕事帰りに、Picadilly Circusを歩いていると、なんと大きな赤鼻を付けたトラックが走っており、中には大きな募金"バケツ"を振り鳴らす赤鼻募金隊がいた。
 目的はともあれ、行き先がはっきりとわからない募金は、どうも性に合わないので、結局募金せずじまい。それにしても、イギリスではバケツを持って募金を募る姿が結構多く見受けられる。ホームレスなどの深刻な問題を抱えているだけに当然だろうが、こういう問題は、募金の配分による結果の平等をもたらすのではなく、機会の平等を与えないことには、根本的解決にはならないだろう。何か、「富める者」「持たざる者」の区別が未だはっきりとしているようで、こういう国民性は嫌いだ。

お知らせ!!
明日から3日間の予定でベルギーへ旅行してきますので、更新がおくれます。このコーナーをお楽しみにしている方(いないか……)ごめんなさい。

おまけ 今日の収穫(買ったCD)
Bee Gees "Still Water"
Gabrielle "gabrielle"
Gina G "Fresh!"(single)
Gina G "I belong to you"(Single)


バスのアナウンス13/Mar/1997

 「次は東北公済病院戦災復興記念館前」とか「次は、保健環境センターたばこ工場前」とか、日本のバスは、停留所に着く前にテープアナウンスが入る(それにしても、もう少し短い名前を付けろよ仙台市交通局!)。しかし、ロンドンを含め、私が乗ったことのある日本以外のバスでは、そういうアナウンスはない。自分で判断して、降りるしかない。
 しかしながら、従来型のロンドンバスには、車掌がいる。要所要所のバス停で、"Bond Street!"などと停留所名を大声で叫び、降り忘れがないように注意を払っている。あらかじめ車掌に目的地を言っておけば、きちんと教えてくれる。さすが観光客が多いだけのことはある。
 それでは新型のワンマンバスではどうだろうか。さすがに大声で叫ぶようなことはない。しかしながら、目的地を教えておくと、教えてくれるそうである。新型は特に夜間に走っているため、外の景色がよくわからないので、初めて乗る路線などでは、結構緊張するものだ。いっそのこと、名鉄バスのように、運転手がハンディーフリーマイクをつけた方がいいかもと思う。しかし、「うるさい」と言われるのがオチだろう。
 さて、ワンマンの2階建てバスだと、大声を出しても、終点に着いたことが全員に知り渡らない。そ・こ・で、このようなバスでは、終点に着くと、車内灯をつけたり消したりする。途中までしか行かない系統に乗ってしまったときなど、安心しきって乗っていると、車内灯をチカチカされたりして、すごすごと外へ出ることもしばしば、結構恥ずかしいものだ。私の場合は、いつもPaddington終点の15系統に乗るのだが、たまに途中のMarble ArchOxford Circus行きになっているものがあり、「やられた」と思うことがある。
 この車内灯チカチカ方式、言葉の判らない人でも何となく言わんとすることが理解できるので、いいのだろうが、夜に一瞬でもバスの中が真っ暗になるというのは、運転手に怒られているようで、どうも好きになれない。


Parliament Tour12/Mar/1997

 昨日のショックから立ち直り、今日はParliament Tourに参加することになった。パーラメントと言っても、たばこではない。国会のことである。わかりやすく言うと、ビッグベンのある建物の中を見学するものである。
 イギリスの国会議事堂は、かつてのPalace of Westminster(ウェストミンスター宮殿)である建物が使われている。この建物は、昨年来のIRAの爆弾テロ活動以来、一般の見学を結構制限している。ということで、今回は希望者を募り、ガイドをつけて見学ということになったのである。ガイドは結構お年を召した方、観光協会のガイドの資格があるようである。「私の英語は早いですか」などと、日本人相手なので、気を使っていた。
 何と入り口は、王室専用のところであった。厳重警戒で、金属検査があったが、そこでガイドは一言 「女王は検査なしで入れます」 当たり前や!。次に入ったのは女王の待合室。結構豪華である。使うのは年に1回、実にもったいない。ここで、英国王室についての解説が入る。

「ビクトリアと結婚したのは誰ですか?」
(誰だよ誰だよ、わからねえよ)
「ドイツ人のアルバート王です」
(まぁ、そんなこといいじゃないか、先へ進もうぜ)
「だから王室はドイツ人なのですが、英国のパスポートを持っています」
(そ、そこまでゆうか)

王室に対しての発言は結構大胆だ。軽いもんだと思う。
その後、王室に関する解説は永遠と続く。はっきり言ってあきてきた。そしてやっと上院会場へ。結構こじんまりとしている。英国ならではの、向かい合って座るシステム、結構興味をそそる。と、そこへ小学生高学年か中学生の集団が。解説のオヤジの話は、我々のガイドの3倍のスピードで、5倍の声量。何を言っているのかよくわからない。さすが子供とはいえ、ネイティブは違う(当たり前だ!)。
 途中パンフレットを売っているところがあった。おばさん曰く「日本語のパンフも有るよ」。でも、出したのはロシア語のパンフ。 全然違うやんか どういう勘違いだろう。また、国会チョコレートみたいなものも売られていた。さすが観光都市ロンドン!。
 今日は下院会場は使っているということで、見学できなかったが、普段は入れないところに行くという貴重な体験をさせてもらった。英国の場合、建物自体が文化財的価値があるので、結構おもしろい。最後に気をひいたのが、首相の墓。やはりチャーチルが大きかった。
 外に出ると、日差しが眩しい。春の気配がする。日差しを浴びたビッグベンが、綺麗だった。


実況、ビザの更新11/Mar/1997

 朝起きて時計を見ると7時半、「そうだ、今日はビザの更新に行くんだった!」あわてて飛び起き、10分後には外へ。急いでPaddingtonの駅へ向かう。集合は8時にVictoria駅、家からだと回り込む形になり、結構時間がかかる。しかし、そういうときに限って地下鉄は来ない。ホームは人で溢れてきている。「おいおい」。8分位待ったであろうか。やっと目的に電車が到着。Circle Lineを3分の1周する形で、定刻より3分遅れで集合場所へ到着。ホッとした。
 今回は、2年間の予定できているのに、昨年の入国審査の際に、審査官の「一年しか出せない」の言葉に負けてしまった、同僚3名と一緒に、ロンドンの南東、CroydonにあるHome Officeに行くことに。とりあえず切符を買うことにするが、売場には長者の列……。すでにここから並んでいる。Zone 1の定期を持っているので、割引になるはずだが、発券されたのは、正規料金の£5.80。なぜ?しかしこの国は係員に絶対的権限があるので何も言えない。そこからCroydonへ向かう電車を探しにホーム入り口の掲示板へ。しかし「ない」。探しても「ない」。そのうち「8時半発のCroydon経由の電車が16番線から」というアナウンスが入る。急いでホームへ。この駅、上野駅と同じ様な頭端型のホームの駅であり、また非常に入り組んでいるので、とにかくわかりにくい。長い通路を歩いて16番線へ向かうと、今度は電車の案内が全て消えている。また、16番線の列車が出ていった。どういうこと??。駅員に尋ねると、「19番線が最初に出る」と言う話、そこで、ホームの表示を見てみると、19番線は8時46分発、向かいの18番線が8時半発、「これだよこれ!」さっきからアナウンスがあった電車は、知らぬ間に18番線から発車に変わっていた。 「ええかげんにせい!」 まぁ、何とか目的の電車の乗ることができた。所要時間18分、East Croydon駅に到着。駅前の青い表示に従い、Home Officeへ向かう。周辺は、ロンドンらしくない近代的な高い建物が並び、道路も立体交差、まるで東京の環七を歩いているようだ。7〜8分で、Home Officeへ到着。がしかし……すでにすごい列!!。入り口で持ち物検査をしているため、結構時間がかかっている。私はマクドナルドでもらったバッジと、薬がなぜか金属検査で引っかかったものの、何とか中に入り、2階の窓口へ向かう。入り口でおじさんが整理券を配っていた。番号は231!確か9時から開始なのに、既に231番目である。それを持って窓口のある部屋にはいると………とにかくびっくりした。人人人……、ものすごい人である。現在番号は20番台、まだまだである。しかしながら最初に予備審査のようなことをするようで、列に誘導された。奥の方で書類のチェックをしているようだ。そこだけで6〜70人の列だ。とにかくじっと並ぶ。列の先頭に、「前に詰めて並んで下さい」とだけ言っている係員のおばさんがいた。

「あんたの仕事無駄や!」

並んでいる人の神経を逆なでするだけである。みんな早く済ませたいので、どんどん前に詰めているのに、と思った。
 20分以上は待っただろう。やっと自分の番。まず番号札を係員に渡し、「一年ビザを延長したいんだけれど」と用件を話し、昨年来英したときに使った、仕事内容及び給与保障について書いて有るレターを手渡した。事務所に着いての照会が来たので、パンフレットを渡すと、「いいパンフレットね」などと言っていた。「アプリケーションフォームを持っているか」と尋ねられ、ないと答えたところ、それを手渡し、「これを記入して、あと1時間くらい待っていて下さい」と言われた。楽勝である。
 一緒に行った同僚の様子がおかしい。聞いてみると、「日本での給与証明や、銀行の残高証明が必要だ。だいいちレターの日付が古い」と言われたそうだ。これではビザはおりない。窓口の人に全権を託しているイギリス流の「窓口毎に対応が違う」の典型だ。彼はもう一度並んで、確認してみるとのこと。こちらもアプリケーションフォームを書いて待つことにする。
 1時間位経っただろうか、2度目のトライが始まった。私は荷物番で座っていたが、一人加勢して、2人で対応することに。しかし、「他の人は同じ条件でOKなのに、なぜ自分だけだめなのか」と言う問いにも、「個人個人で状況は違う」との一点張り。「国の機関だったら、平等に取り扱うのが当然だろ」との質問にも、いい反応はない。結局前回と同じ結果に。
 「まぁ、だめだったらもう一回来るわい」などと話していると、今度は名指しで窓口が呼び出している。「何か好転の兆しでも」と思い行ってみると、「あなた方4名は、今日の書類ではビザを延長できません。また書類を用意して下さい」とのたまう。なぜと聞くと「前に問題ないとしたのはこちらの間違いだった」とのこと。平等に、全員を問題ありとしたらしい。

「ふざけるな!何のためにこんなに待ったと思っとるんや!」

切れた。この時ばかりは切れた。こいつら自分たちのミスのためにこちらが被った費用を考えちゃいない。そのくせ「郵送で申請できるので、そうしたら?」とまで言う。

「郵送だったら1カ月位かかるやろ!」

本当に頭に来た。ここぞとばかり、係員に食いかかった。しかし英語で食いかかるのは、日本語より非常に難しい。何せ言いたいことの2〜3割しか言えないのだから。しまいに「OK」と聞いてきたので、「Not OK, but OK」などと意味の分からないことをいい、番号札を窓口に投げつけてきた。
 我々も、必要な書類を揃えていったはずだ。何せ、職種上労働許可証が要らない旨、英国大使館からお墨付きをもらっているので、一般企業のような煩わしい手続も要らないし、英国内で給料をもらっていないので、英国の所得を吸い上げる様なこともしていない。まぁ、それは各論だが、それにしても、公共機関の窓口が、最初に適切な処理をしないというのはいただけない。また、この窓口は年中混み合っているらしい。人はたくさんいるようだが、効率が悪い。だいたいなぜこんな町外れにあるのか不思議だ。
 しかしまぁ、身分と給与を保障する新しいレターが有ればいいとのことで(だったら今のレターでも十分事足りることだろうに)、次回はまず問題なく延長ができそうだ。しかし、今回の申請のために費やした半日の対価は大きい。英国の窓口は時間がかかるというのはよく言われるが、これは笑い事ではなく、経済効率を下げる大きな問題ではないか、非効率の人力行使は、ただの失業対策にすぎないのではないかと思った今日一日だった。

今日の教訓
Home Officeへ行くときには、8時半には着いているようにしよう
●暇つぶしの本や、ジュース類は必携
●対応の悪い係官に当たったときは、「運が悪い」とあきらめよう
●係官は絶対権限を持つ偉い人だ(名古屋弁の「えりぁあ人」かもしれない)


若者たち10/Mar/1997

 君の〜行く〜道は〜〜。もとい、そうじゃない。今日、日本から戻ってきたGo Johnny Go!氏と話していると、東京の若者たちが実に均質化していると言っていた。「乱れきっている」ではない、「均質化している」のである。
 乱れ方ならロンドンの方がひどいだろう。なにせ「この辺りはコカインが流行ってるんだ」などと少年指導施設の所長が言っているくらいで、ドラッグの問題はかなりあるようだし、若者は日本より派手に遊んでいる。でも、ロンドンは日本よりましだと思う。なぜなら「自己主張」があるように思えるからだ。今の日本の(東京の、と言う方が正解だと思うが)若者の流行を見ていると、みんな同じものを追いかけているとしか思えない。「人と同じことをして何が楽しい!」と思ってしまう。何も茶髪が悪い訳じゃない。ルーズソックスが悪い訳じゃない。みんな同じ格好をして歩いているのが実に気味悪い。たまにロンドン市内を歩いている日本人留学生(とおぼしき人)にもそういう傾向の輩がいる。そういう奴がまた固まっているのだ。一種異様である。「流行は追うものではなく作り出すものじゃないの」と思いながら、相変わらず人のやらないようなことばかりやっている私であった。
予告!明日はHome Officeへ行って、ビザの書き換えをしてきます。ということで、明日のお題は、「実況、ビザの更新」としたいと思います。留学生必見!!


電話番号の言い方9/Mar/1997

 Johnny Herbert第一コーナーでクラッシュ!!非常に悲しい一日となってしまった。まぁ、新しいイギリスのヒーロー(と、ITVのアナウンサーが言っていた。これってDamon Hillに失礼かも)David Coulthardに乾杯!
 本題に入ろう。日本では、電話番号を覚えやすくするため、語呂をよく使う例えば、9696で「黒々」、2323で「フサフサ」、324929で「身によくつく」、834-2556で「ヤミヨニココロ」(これってかなり強引)などである。アメリカの場合、各数字に、3文字程度のアルファベットが割り当てられており、これで単語を作って略称にしている。例えば、Holiday Innなら、1-800-holidayで通じる。
 イギリスでは、語呂と言うより、数字の連続をよく使うように思える。例えば、205205で"two o five, two o five"(oは「オー」のこと)、555577なら"double five, double five, double seven"、まぁ、聞いていて歯切れはいい。これは日常生活でも使う。例えばうちの職場の電話番号の下4桁は8500なので、"eight five zero zero"ではなく、"eight five double o"と言う。2つ以上数字が並ぶと時は必ずこうだ。簡単に言えそうだが、慣れないと結構戸惑う。響きはいいが、やはり数字は1つづつ読み上げた方がわかりやすいし、間違えが少ないような気もするが、やはり英語ネイティブには違うのだろうか。
 余談だが、私の知り合いで名前に「川」のつく人が、電話で名前を言ったら、kawaではなくkaaaとなってきた時があった。「ダブリュー・エイ」が、「double "a"」になってしまったのである。こういう時の言い方も、結構難しい。


English, British, UK Nations8/Mar/1997

 とうとう今年のF1が始まった。今年の注目は、チームでは、中嶋が噛んでいるTyrell、ドライバーではやはり我らがJohnny Herbertだろう。(実に個人的意見)
 さて、今年からイギリスのでのF1放送のテレビ局が、BBCから民放のITVにかわり、趣向も新たに、いろいろなF1番組が流されている。その中で、当然イギリス出身のドライバーが、多く紹介されるのだが、その時の国籍の言い方がおもしろい。
 「イギリス」の正式名称は、United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland"(略してUK)、日本名で「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」である。日本語で「イギリス」といえば、UKのことを指すのだが、じゃ、英語でそれを何というのか。"English"だと、イングランドだけだし、"British"だと、北アイルランドが抜ける。"UK Nations"だと、なんだか説明的である。元々は4つの国の連合体であるこの国、人々の自分の国への愛着心は強い。そこで、言いかえる場合などによく、"English""Welsh""Scottish""Irish"を使っている。だから、Damon Hill"English"だし、David Coulthard"Scottish"と紹介されていた。
 テレビだけではない。イギリス人と話をしていて、出てくる言葉で、"I'm an Welsh."とか、"We are Scottish"など、"British"を使わないことが多いと思う。そこで困るのが、こちらが話す言葉。迂闊に"English"とか"British"などと使うと、相手の機嫌を損ねる場合がある。スコットランド出身の人と話しているときに、"Are you enjoying your life here?"などど聞いてきたとき、"Yes, England is very good!"などと言うと、「おいおい、スコットランドを忘れちゃいないか!」などと思われるのも困りもの(ちょっと例文が貧弱すぎましたね)。そこで、普通は便利な言葉"UK"を使うようにしている。"Yes, I'm enjoying my life in UK!"、この位が無難だろう。大した話ではないのだが、独立問題(北アイルランド)や、地方議会の設置要求(スコットランド)など、様々な問題があり、結構気を使うことである。


「英語」と「米語」7/Mar/1997

 ホームページ作成用ソフトを持ってはいるものの、何となくワープロを使ってこのページを作っている。そのときに思うこと、それは"centre""center"の違い。やはり無意識に"centre"と打ってしまう。
 "theatre""colour""labour"、こんな言葉は、アメリカに行くと"theater""color""labor"になってしまう。ロンドンに来た当初は、日本で「米語」をやってきたこともあり、やはり後者の方がなじみやすかったが、さすがに1年間もいると、前者の方が自然に入ってくる。やはり"City Centre"(意味は米語で"downtown"のこと)であり、"Her Majesty Theatre"(The Phantom of Opera-オペラ座の怪人-をやっている劇場)であり、"The colour of Love"(Celine Dionのアルバムのタイトル)であり、"Labour Party"(「労働党」のこと。決して労働者のお祭りではない。ちなみに私はConservative Party-保守党-の方が好き)なのである。だから、アメリカの本や解説書などを読んでいると、違和感を感じることもある。何と言ってもインターネットが「米語」で統一されているというのは、我々「英語」使いにとっては、少なからず面倒なものなのである。


ロンドンの日本人観光客6/Mar/1997

 最近、卒業旅行の季節なのか、若い日本人観光客が事務所の周辺を歩いているのを見かける。だいたい、「地球の歩き方」を片手に、うろうろとしている。それを見ていて思うこと、「こいつら、狙って下さいと言っているようだな」
 観光ガイドの地図を見ているとき、彼ら(正確には彼女らというのが正解だろう)の周辺は不用心極まりない。バッグの口は開けっぱなし、目は本だけに注がれる。見かけは欧米人並みの大男(ほっとけ!)の私でも、さすがにそこまではできない。まあ、比較的安全なロンドンだからできることなのだろう。これがひとたびイタリアなどに行ったら、身ぐるみ剥がされてるんじゃないかとも思える。
 いくら凶悪犯罪が他よりも少ないロンドンでも、スリや置き引きといった犯罪は多い。だからこそ、地図を見るときでも、周囲に気を払うことが大切だと思う。だいたい、バッグや買い物袋をたくさんぶら下げて歩いているのはだいたい日本人(最近は、日本の隣の国の人も多い)。欧米系の人は、結構手ぶらで歩いている人が多い。だからこそ、「旅先では手ぶらで。ポケットに入る物はそこに入れ、貴重品は外から手が届かないように」が鉄則だと思う。それができない人は、盗まれても文句は言えないでしょう。


英語の発音5/Mar/1997

 夜、エスパーニャ氏が話していた。「"two years""two ears"の区別が付かない」とイギリス人に言われたそうだ。確かにこの発音は日本人には難しいと思う。どちらも「トゥー イヤーズ」だと思うのだは、前者は「トゥー ヰヤーズ」に近いという。難しい。
 けど、ロンドン土着のイギリス人は、「これでも英語か!!」と言うような英語を使っている。

「イットゥ イズ ファイン トゥダーイ」
どう聞いても"It is fine to die."
死ぬのには絶好ですね(馬鹿かお前は!)
でも本当は"It is fine today."
今日はいい天気ですね。

これはよく言われている方なのでまだいい。私が戸惑ったのは、郵便局の窓口でのこと。エアメールを出そうと窓口で封筒の重さを量り、係員にいくらか尋ねたところ帰ってきた回答がこれ。

「アイティー パーンス」
あぁ、あいてぃーぱーんす???なんじゃそりゃ????
そうか!eighty pence(80p)のことか!
「オー、エイティー ペンス!(Oh, eighty pence!)
「イエース、エイティー パーンス(Yes, eighty pence.)

埒があかない。そういえばこの前の土曜日にタクシーに乗ったとき、運転手が料金を見て「アイト アイティー "eight (pounds) eighty (pence)."」と言っていた。何じゃそりゃ。けど、これが本当の「英語」なのだろうと思ったら大間違い。BBCで使われている英語は、全然違う。日本で言えば方言みたいなものなのだろうが、首都がこういう状況というのも、住む者にとってみれば、結構面倒なものである。


ラッシュアワーの電車4/Mar/1997

 今朝、通勤のためバス停へ行くと、いつもと様子が違う。尋常じゃない人だかりだ。「もしや地下鉄が止まっているのでは」。予想通り、Bakerloo Lineが止まっており、Oxford StreetRegent Street方面へ向かう人が、みなバスへ流れてきたのであった。当然の如くバスは定員オーバーのため、乗車拒否の嵐。これはもう無理と判断、動いているCircle Line + Jubelee Lineの乗り継ぎで行くことにした。
 こちらの人たちは、日本のようなラッシュになれておらず、電車の乗り方が下手である。奥に詰めればいいものを、出入り口周辺に留まる人が多く、今日のような特別な事情があると、積み残しが続出する。案の定、Baker StreetからのJubelee Lineは、いつもより人が多かったため、乗るのも命がけ。「さっさと中に入れ!」といらだってしまう。それでも、私が昨年経験した常磐線のラッシュに比べれば、天国みたいなものである。また、こちらの人は、出入り口周辺に乗っていても、ドアが開いたときに、一旦降りるということをしない。おかげで乗降に時間がかかる。ただでさえ狭いんだから、乗り方くらいきちんと覚えろイギリス人!でも、そういうときの乗り方を知っている日本人の方が、悲しい国民なのかも知れない。


イギリス系中華料理?3/Mar/1997

昼食時、私はよく連れ立って中華街へ行く。どの店もだいたい安定した味を出しており、はずれが少ないし、やはり東洋系の料理はあきない。しかし、そういう中華料理の中にもはずれがある。
 ロンドンに来た当初、職場の人と夕食を取る店を探すため、Queenswayあたりを歩いたことがあった。この辺は中華の店も多く、目移りしながらてくてくと歩いていた。そこで目に入ったのが、白地に黒の看板で"Eat as much as you like!"という文字。「食べ放題か」。£5.50という値段にも惹かれ(当時のレートで900円程度)、思わず入った。客層は白人系が多い。とにかく食うぞということで、皿を持って料理を取る……がしかし。まずいのである。思い出したくないくらいまずいのである。どの料理を食べてもまずかった。口に合わないのである。「中華でもこんなことがあるのか」。とにかくまともに飲み食いできたのは、最初に頼んだレモネード(しかも別料金)だけであった。
 後で気付いたのだが、この店、ロンドン市内に多くの支店を構えており、またそのほとんどの店では£4.50で営業しているのである。「損した!」少額ながら、不味いものを食わされた恨みは大きい。そういえばこの店、さっきも言ったように東洋系の人は少ない。こういう傾向も、我々の口に合うかどうかを判断する材料なのだろうか。今日、昼食を食べたチベットレストランの窓から見える、その店の支店の客層を見ながら、そんなことを思った私であった。


車庫と駐車違反…その後2/Mar/1997

 以前、車庫と駐車違反(12/Feb/1997)において、予告なき臨時の駐車規制のため、駐車違反を取られたことを書いた。その後、その地域の駐車規制の行政庁である、Westminster City Councilの駐車許可担当部署に対し、駐車規制を行うのならば、事前に対象者に対して文書での通知を行うのが正当であると、抗議の手紙を送ってみたものの、全く反応がなく、渋々反則金が安いうちに£30払うこととなってしまった(警告日から14日以内ならば、半額の£30、28日以内なら£60、それ以上なら出るところに出て……)。
 この件で、今日家賃の値上げ交渉に来た家主と話をした。彼が言うには、「いつ何時工事のため、駐車許可地域が規制を受けるかわからないので、自分の責任で常に見ておかなくてはならない」という。やはりこれがイギリス流なのだろうか。反則金を払ってしまっては何だが、どうも腑に落ちない。やはり「詐欺だよなあ」と思ってしまう。でも、悲惨な例として、私と同じ目にあった上に、車はレッカーで移動させられていた人もいた。だいたいにして路上駐車許可という制度自体不思議な気もする。家主曰く、路上駐車地域を増やす傾向にあるということだ。あの狭苦しい日本ですら、都心部でも駐車場があるというのに、ロンドンの中心部にはない(高級住宅ならあるが、そんなところに住めるのはほんの一握り)。常に盗難の危険性があるし、車の痛みも激しいだろう。こういう制度を続けているこの国は不思議である。
 さて、そんな話を家主としていたが、まんまと家賃10%UPをもぎ取られてしまった。まあ、「壁の修理が終わったらこの金額に」、という話は入居時からあったし、例え値上げしても、周辺に比べて家賃が安いため、要求をのんだが、やはり英語での交渉事はめんどくさい。


深夜の道路工事1/Mar/1997

 今日はパリから、狐の皮をかぶった狼氏が来ていたので、自宅で深夜までくだらない話をウダウダしていた。夜12時を過ぎて、彼をホテルに送っていくため、車でA501(ロンドンの内環状線)を走っていくと、Baker Streetあたりから異常な渋滞。「何かあるな」と思ったら、先に車線規制の表示。「えぇぇ、3車線が1車線になるの!」
 こういう強引な車線規制をしいた道路工事は結構ある。ただ、こういうことをするにもかかわらず、「工事をしているので迂回をして下さい」という事前の表示にお目にかかったことはまれである。事前にわかっていたら、この道は通らなかったのにと、怒りながらも、すでに抜け道はないというところまで来てしまっていたので、無理もせず、よどむ車の流れの中に身を置き続けることとなった。
 もともとそれほど交通量のないところならわかるが、普段から渋滞が起きている道路である。なぜこんなことをするのか不思議になった。「イギリスは日本のように紛らわしい道路標示が少なくていい」と、イギリス在住歴の長い人が話していたのを聞いたことがあったが、私が思うに、イギリスでは「本当に必要な道路標示が少なすぎて、迷ってしまう」である。特に工事の予定及び実施の表示は、迂回路の表示と共に、的確に行って欲しい。そうすれば、運転者も工事区間を通る必要がなければ迂回できるはずだ。手際の悪さに結構呆れた。なお、こういうことは今回が初めてではない。
 結局普段なら10分もかからない経路に、50分も費やしてしまった。帰宅したら1:40を回っていた。クラッチの踏み過ぎで、左足が痛い。


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