十一月二日(金) 「ゲームハンターズ」と相互リンクしてもらえることに。本気で嬉しい。
 
 
 水に潜ると深度に応じた水圧を受ける、というのは常識ですね。
 水1ミリリットルが1グラムであり、1ミリリットルとは1平方立法センチメートルのことであるので、1センチ潜る毎に1グラムずつ加重されます。
 普段地上の人間が受けている気圧は1気圧であり、1気圧とは1キログラム、1000グラム。
 よって、1000センチメートル、つまり水深10メートルまで潜れば、水圧は1気圧となり、以降は潜れば潜るほど水圧が強くなっていくわけです。
 ところで、ここで思ったのですが、水圧を受けている時は、気圧は受けないのでしょうか?
 平たく言うと、水深10メートルにいる場合、受ける圧力は水圧の1気圧分だけなのか、あるいは水圧1気圧+気圧1気圧の計2気圧になるのでしょうか。
 体の上に水10リットルと大気が存在するので、普通に足せば2気圧になるのですが、でも水深10メートルで1気圧を受けるという話をどこかで聞いた覚えがあるんですよね。
 それに水の中にいると、気圧の影響は受けないような気がする。
 しかしそうなると、水深5メートルでは0.5気圧しか受けないことになってしまう。
 水深1メートルでは0.1気圧、水深50センチで0.05気圧。
 さすがにそれはないと思うんですが、水深10メートルで2気圧という話もしっくり来ない。
 そこで少し考えてみた推論。
 水に潜ると、潜った深さに応じて少しずつ気圧が弱くなり、その分水圧が強くなるのではないか。
 水深10メートルで気圧の影響が零になり、後は水深のみの計算になる。
 つまり水深10メートルまでは、どの深さにいても常に1気圧を受けるのではないでしょうか。 
 ぼくは物理は赤点だったので、物理には詳しくありません、というよりほとんどわからない。
 正しい答えをご存知の方がいらっしゃいましたら是非お教え下さい。
 
 
 
 宇宙空間に密閉型居住空間を建造し、そこに人類を移住させよう、という計画は、今や現実のものとなりつつあります。
 ほんの数十年前には夢物語だったスペースコロニーは、近未来の姿として誰もが認めるところです。
 このスペースコロニーについて、なかなか面白い話がありました。
 
 宇宙空間に浮かぶコロニーにとって、最大の問題は物資の供給法です。
 エネルギーは太陽発電によって二十四時間生み出すことが出来ても、肝心の物資がなければ何も出来ません。
 物資とはつまり資源であり、人口の建造物であるスペースコロニーには絶対的に不足するものです。
 とにかくモノがなければ、エネルギーを消費して加工することができません。
 では資源はどこから運ぶか。
 答えは簡単で、月から運んでくれば良いのです。
 月の岩石は地球の岩石と同じ構造であるため、鉄、ニッケル、酸素、水、なんでも取り出せます。
 ちょっと意外な気がするかもしれませんが、地上の岩石には鉱物資源だけではなく、酸素や水も含まれているのです。
 水と空気があれば動植物を育てて自給自足でき、鉄とニッケルをあわせれば建築材が手に入ります。
 ひいては工業製品を作って鉄道をしき、車を走らせ、音楽を聴き、本を読み、地球上となんら変わらぬ生活ができます。
 さらに月には大気が存在しないため、地球のようにいちいち膨大な燃料を消費して大気圏を突破する必要がなく、大気汚染による公害も絶対に起こりせん。
 全ての資源を月に頼ると、いずれ月を掘り尽くしてしまうことになりますが、月を芯まで掘り尽くすのに十万年はかかるそうなので、当分そんな心配も必要ありません。
 このやり方には解決すべき点も多いのですが(例えば月が小さくなると、月の重力が小さくなって他方に影響がでないか、等)、月を第二の地球とするのではなく、完全な資源採掘場所にするとメリットが大きい。
 なかなか信憑性のある話です。
 しかし、こうして月が石油プラントのような存在となってしまうと、神秘性なんて微塵も無くなってしまいますね。
 月をキモに据える演出なんて絶対使えなくなっちゃうなあ。
 狼男や猪男はさぞ困るに違いない。
 
 
 
☆ゲーム事情
 雑学ばっか書いてたんで、珍しくゲームの話を全然書いてませんでした。
 十月は特にこれといったソフトがなかったので、積みゲー消化月間として、やりかけだったゲームを色々遊びました。
 ジオニックフロントや天誅弐などをクリアして、今はデビルメイクライの「Dante Mast Die!」をやってます。
 ギャルゲはKIDのものがメインで、夢のつばさDC、てんたまDCなど。
 最近なんとなくオウガがやりたくなってきたから、積みっ放しの「タクティクスオウガ外伝」をそろそろ始めようかな。
 
 
十一月四日(日) 月。Moon。Moon.では月がラスボスだった。(ネタバレガード)
 
 
 前回書いた圧力の話、間違いだらけでした。
 まず水1ミリリットルは1立方ミリメートルです。
 よって、1気圧分である1キロの重みを受けるのは、水深10メートルではなく、水深1メートル。
 また、水中にいようとどうしようと、気圧の1キロは絶対に逃れられないそうです。
 水深10メートルの時に受ける圧力は、11気圧。
 1万メートルなら1万1気圧。
 これらの点を教えてくださったせーすいさん、ありがとうございます。
 
 
 
 せっかくだから、もう一つ宇宙関係の話。
 地上と衛星軌道を結ぶ超高高度エレベーターというものは、現在の科学技術で実現可能だそうですね。
 ただ、建設にはとてつもない費用が必要となるので、誰も(国家レベルでさえ)作ろうとしないだけだとか。
 これが完成すれば、スペースシャトルなどに頼らなくても誰でも容易に宇宙へ上がれるようになるので、経済効果は非常に大きいと思うのですが、それでも作られないということは、よほどコストが高いのでしょうか。
 一基作るだけで5000垓円くらいかかったりするんだろうか。
 そんな額を出すことに比べれば、スペースシャトルを一万回飛ばす方が安くつくかなあ。
 ちなみに垓とは京の一つ上の単位です(京は兆の上)。
 
 ところで、技術的には可能である、ということでちょっと思ったこと。
 かつて人間が築き、神の怒りを買ったとされる「バベルの塔」。
 聖書に登場するこの塔は、実は衛星軌道まで伸びたエレベーターだった、というのはどうでしょう。
 文明の進歩は、今考えられているような段階的なものではなかった、という学説があります。
 有史以前の超古代には、現在と同じか、それ以上の文明が存在した、というのですね。
 その世界では、この「バベルの塔」が完成して実用化されていました。
 しかしある時大事故が起こり、バベルの塔は崩壊してしまったのです。
 これがきっかけとなって世界規模の大戦争が起こり、文明が滅亡してしまった、とか。
 結構面白いと思うんですが、どんなもんでしょ。
 
 あと、衛星軌道まで伸ばすのは可能であっても、月までの直通エレベーターを作るのはさすがに無理でしょうね。
 距離的な問題もさることながら、月と地球の距離は少しずつ広がっています。
 この結果エレベーターシャフトに歪みが生じ、壊れてしまうでしょう。
 なお、月が遠ざかっていくスピードは、年3.4センチほどだそうです。
 
 
 
☆今日のサイト紹介
 月世界への招待。
 月に関する色々な話が載っています。
 月の色は何故変わって見えるのか、ということにも詳細な解説をしてくれています。
 月が赤く見えたりするのは、科学的に説明のつく現象ですが、特定の条件が揃わなければ起こらないようです。
 他にも、満月が天高く輝くのは冬で、夏の満月は地平線近くで鈍く光るだけ、とか。
 うーむ、ぼくは月について何にも知らなかったんだな。
 このサイトを元に色々月の話を探してみたんですが、知れば知るほど、月が特異な存在であるということがわかってきました。
 そもそも月はどうやって生まれたのか、という根本的な部分さえ、いまだ明らかにされていません。
 月の神秘性は当分薄れることはなさそうです。
 
 
 追記。
 上記を書いた直後、せーすいさんからの「10メートルで2気圧であってます」とのカキコを見ました。
 10メートル=1000センチメートル=10000ミリメートル。
 水1グラムは1ミリ立法メートルではなく、1センチ立法メートルでしたっけ?
 それなら10メートルで1000グラム、1キロになるんですけど。
 あーもー、物理って単位がややこしいから嫌い。
 って物理のネタを書いたのはぼくなんだけどさ。
 
 
十一月六日(火) 「エロを抜ける」という言葉を邪推しないよーに。
 
 
 今日から文字サイズを一回り大きくしてみました。
 いや、自分でも前々から思ってたんですよ、新聞紙みたいで読みにくいなって。
 一応はテキストサイトなのに、肝心のテキストが読みにくいのではどーしよーもない。
 ハンドルが左右逆さになってるクルマみたいなもんです。
 文字を大きくすれば、多少は読みやすくなる…といいなあ。
 読みやすくなったかどうか、掲示板にでも一言書いていただけると助かります。
 
 
 
 まず前回・前々回と続いた水圧の話にケリをつけます。
 水1ミリグラム、1mg=1mm×1mm×1mm=1mm3、1ミリ立法メートル。
 水1グラム、1g=1cm×1cm×1cm=10mm×10mm×10mm=1000mm3=1cm3、1センチ立方メートル。
 1気圧はこの千倍なので、1cm×1cm×1cm×1000=1000000mm3=1000cm3=10m3、10立方メートル、1キログラム。
 やっとまともな正解がわかりました。
 中学校の教科書を見れば10分で済んだ話だった、という事実には気付かないフリをするのがポイントです。
 
 
 
 本日の本題。
 KIDが次に出すコンシューマ移植エロゲは、「果てしなく青い、この空の下で…」だそうですね。
 これは本当に意外でした。
 ぼくはこのゲームは未プレイですが、伝え聞くところによれば、伝奇ADVだとか。
 今までKIDが出してきたギャルゲとは一線を画すジャンルです。
 コンシューマではこういった方向性のADVはほとんど出ていないため、採算に見合う売れ行きを出せるんだろうかと余計な心配をしたくなりますが、逆に新ジャンルを開拓するということで結構売れるかもしれません。
 でもぼくは買うつもりはありません。
 なんとな〜く、このソフトは18禁でこそ活きるような気がするんですよね。
 PC版をやって気に入ったら買おうかなあ、という程度です。
 仮にこのソフトが馬鹿売れした場合、二匹目のどじょうを求めたLeafが痕をPS移植するに3000カノッサ。
 
 
 
 ところで、エロゲ移植ということで気付いたんですが。
 アリスソフトのエロゲって、一度もコンシューマ移植されたことがありませんよね。
 DOS時代のエロゲー黎明期からエロゲ界のトップブランドとして君臨してきたのに、コンシューマには
一本たりとも出していない。
 ライバルであるエルフ・Leaf・keyをはじめ、多くのエロゲソフトがコンシューマで出ているのに、なぜ王者アリスのソフトだけはないんでしょうか。

「オレたちはエロゲしか作りたくねえのさ!」

という信念でもあるかと思いきや、戦巫女を出してるし。
 コンシューマに嫌な思い出でもあるんですかねえ、企画を持ってソニーとセガに行ったら両方で門前払いを喰らったとか。
 結構ありそうでコワい。
 
 
 
 冗談はさておき、ちょっと真面目に考えてみます。
 アリスのゲームとしてイの一番に思い浮かぶのは、なんと言っても「鬼畜王ランス」です。
 1996年発売のソフトですが、2001年11月6日現在、このソフトを超えたと言えるエロゲは無いと思っています。
 凄まじい完成度を誇り、未だに絶賛する声が絶えません。
 11月30日の大悪司は本当に鬼畜王ランスを超えたのか、楽しみですね。
 …と、話が逸れた。
 ゲームとしてケチのつけようがない鬼畜王ランスですが、しかしコンシューマ移植が絶望的なまでに難しいのは考えるまでもありません。
 鬼畜王の場合エロシーンの必然性は薄いのですが、ソレがなくなったらランスじゃなくなる。
 さて、鬼畜王が無理なら次は、ということで思い浮かぶのは、(人それぞれでしょうが)ぼくの場合「闘神都市II」です。
 しかしこれもやはりコンシューマ移植は難しい。
 不可能じゃないだろうけれど、もしエロを抜いてコンシューマ移植しようものなら、何千何万というアリスファンが一斉にブーイングするでしょう。
 ぼくもする。
 闘神都市はエロがあるから闘神都市なのです。
 それなら次、「アトラク=ナクア」。
 これからエロを抜いたらやっぱりブーイングの嵐。
 これ以上いちいち見ていくと長くなるし、何よりぼくはここ数年のアリスのエロゲを全然知らないからボロが出るのでやめます。
 でもアリスのゲームって、あんまりコンシューマに向いてない気がするんですよね。
 アリスゲームが移植されないのは、その辺に理由があるのかも。
  
 
 
 ところで、ここで思ったんですが、最近リメイクされた「Only You-リ・クルス-」はコンシューマ移植作としていけてるかもしれません。
 いや、まだ遊んでないんだけどさ。
 DOS版を遊んだ限りでは、エロ抜いてもそんなに困んないし、ゲーム内容の面白さは折り紙付き。
 DOS版はDOSゲー最高傑作の一つと言って良い出来映えです。
 リ・クルスも好評ですし、シナリオが似た感じなら多分エロ抜けるし、アリスがコンシューマに殴りこむ時の尖兵はリ・クルスであるに4000点。
 
 
 
 こんだけ書いといて何ですが、
 
「何言ってんだこのバカ。アリスのエロゲはとっくにコンシューマに出てるよ」とか、
「ハァ? 物を知らないヤツはこれだから困る。アリスがコンシューマに進出しないのにはちゃんと理由があるんだよ」
 
などというアリス通からのダウトが入ったら、とんだ間抜け野郎ですなぼくわ。
 でも日本には「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」という素晴らしい格言があるので気にしないのです。
 
 
 
 余談。
「鬼畜王ランス」はかつて一度生産中止になりかけたんですよね。
 その理由は、「鬼畜王ランスが店頭の隅で埃を被るのは忍びない」というアリススタッフの熱い思いからだったとか。
 結局はユーザーからの強い要望でその後も生産は続きましたが、今にしてみれば、生産中止にした方が良かったのかもしれません。
 実際に「鬼畜王ランス」が売れ残ってしまっていますからね。
 それはしょうがないことなのかもしれないけど、アリススタッフにしてみれば複雑なんじゃないかなあ。
 
「やっぱりあの時やめときゃ良かったんだよ! あるいは完全受注生産にするとかな!」
 
って思ってる人もいるかも。
 あと、中古では豪華パッケージ版を「限定版」って言ってるけど、あれホントは限定版じゃないよね…。
 
 

十一月八日(木) テストで零点とったことはないです。
 
 
 
 四聖獣として有名な「朱雀」という鳥がいますね。(いや、現実にはいないけど)
 朱雀は東西南北のうち南(夏)を司り、四神相応の南に配される伝説の鳥です。
 一方、西洋には「フェニックス」、いわゆる不死鳥がいます。
 その名の通り不死であり、たとえ死んでも炎の中から再生すると言われています。
 ここでふと思ったんですが、もしかしたら朱雀とフェニックスとは同じ存在のことではないでしょうか。
 そこで早速ネットで調べてみたんですが、朱雀の情報はたくさんあるけど、フェニックスの方は全然なかった。
 
#「フェニックス」や「不死鳥」で検索してみても全然関係ないサイトが引っかかる…。
 
 だから傍証は全く得られていないのですが、全然関係ないとは思い難いんですよね。
 朱雀は鳳凰の姿をしているとされますが、鳳凰とは「火の鳥」のことで、それはフェニックスの姿に通じます。
 仮に「朱雀」=「フェニックス」であるならば、中世の中国とヨーロッパでこの類の文化交流があったか、或いはこのような鳥が実在したということになるので、なかなか面白い話になると思うんですが。
 
 ところで、四聖獣の一種「青龍」は、「青竜」と記述しているところもありました。
 これってどっちが正しいのかなあ。
「朱雀」「白虎」「玄武」と、他の四聖獣には画数が多くて角張っている文字が使われている事を考えると、「青龍」が正しいような気がします。
 なお、昔から日本の凧には「龍」の文字を書いたものですが、これは凧を天高く上げることで、天空を舞う龍を呼ぼうとしたためだそうです。
「竜」の文字は書かないところを見ると、「龍」と「竜」は明確に違うものだったようですね。
 
 

 来週から家を改築することになりました。
 どうにかネット環境だけは維持できそうですが、エロゲは全滅です。
 親や妹弟の前でエロゲできるほどは達観してません、まだ
 当然大悪司も無理です。
 一般ゲームなら遊べるかもしれない、と気付いたのは、PCソフトを梱包し終わった後でした。
 ただ、どうしてもやりたいソフト、「水夏」「歌月十夜」「アマランス」だけは残しておきました。
 水夏は未通過ルートエロ薄そうだし、歌月十夜もエロシーンだけをピンポイントで隠せばどうにかなりますから。
 あとは…せっかくだから「英雄伝説III 白き魔女」でも買ってみるかなあ。
 
 先日「改築のために部屋を空っぽにしろ」と親に言われ、部屋の整理をしました。
 マンガがダンボール十一箱分にもなったのはまあいいとして、問題はオタクグッズを押し込んでるクローゼット。
 開けてみたら、出るわ出るわ。
「あー、そういえばこんなのあったな」と懐かしくなることしきり。
 ほとんどタイムカプセルを掘り出す心境。
 セガサターン版サクラ大戦限定版(再販版ではない)がAタイプ・Bタイプ両方出てきたときは、
「ああ、ぼくって昔から全っ然変わってないんだな」と妙な感慨に浸ってしまいました。
 PS版ときめきメモリアル限定版パッケージのオルゴールが未だに鳴るとか、ソニアとメガストアのやり取りが載ったソニアの会報とか、色んなものが発掘できて面白かったです。
 自室で即席考古学者になれるとは思わなかった。
 
 
 
 以前書いた名前のネタについて、内藤マサキさんより、
 
耕一や祐一は(音+訓)、七夜志貴は(訓+音)+(音+音)かと思われ。
 
とのツッコミをいただきました。
 うーむ、最近間違いまくってる。
 のび太の宿題みたいだ。
 どうにかせにゃあ。
 
  

十一月九日(金) 「ぷちチェリー」なるエロゲを購入してしまった…。
 
 
 ゲームハンターズのキングス佐藤さんが絶賛している、「オーレvsカクレンジャー」を見ました。
 いや〜、実に面白かった。
 とりあえず内容に関しては、佐藤さんが極めて的確で素晴らしく笑えるレビューを書かれています(しかも三部作の長篇!)ので、そちらをお読みいただきたい。
 しかし、本編の面白さは、佐藤さんのレビューから想像していたレベルをはるかに超えていました。
 あまりの面白さに笑いが堪えられない。
 何かってーと笑ってしまいます。
 特に妖怪オンブオバケ君が最高でした。
 他の悪役「機械人バラハグルマ」「皇帝バッカスフンド」「皇子ブルドンド」などと比べ一人だけあからさまに名前のグレードが低いぞとか、こんなバーバパパみたいなピンクの物体Xを一体誰が怖がるんですかとか、冒頭部の「攻撃を全て跳ね返す」設定が終盤ではなくなっていたんですがどうしてですかとか、色々言いたいこともありますが、そこは見て見ぬフリをしてあげるのが大人の対応です。
 終盤の殺陣は本当に見応えがありましたし。
 前半ギャグで後半シリアスということで、ONEやKanonの系統と言えなくもない(相当無理をすれば)
 僅か340円でこれだけ楽しませてもらえれば御の字です。
 このビデオはマジでお薦め。
 戦隊モノに興味なくても、それ以外の部分でお腹一杯に楽しめますから。
 
 
 
 
 昨日書いた朱雀の話について、我が終生のライバル・たすりんことTaSさんより丁寧なレスをいただきました。
 
 炎に包まれた鳥つーモチーフは結構世界中にあったはず。ロシアのサンダーバード
(手塚治虫の『火の鳥』の直接の原型)だとか、ネイティブアメリカンのファイアー
バードとか。日本のヤタガラス(字が出ないのぅ(笑))も、そんな風に描写されてる
のがあったはず。たぶん。きっと。そんな気がする。そうだといいなぁ(笑)
 これをして「種としての人類が持つ共有深層心理がどーこー」なんつー人もいるだ
ろーけど、結局は「空見たら鳥と太陽が一緒に目に入った」つー程度の事なんじゃない
かなぁ、などと夢もチボーもありゃしない結論に行き着いてしまうあたりが、あたしの
一番ダメな部分なのかも知れず(笑)
 
 ぼくもダメな部分だと思うよ(笑)
 冗談はさておき。
 世界中にそういう伝承があるのなら、世界をまたにかけて飛び回る炎の鳥がいたっていいんじゃないかなあ、と思うんですね。
 題して、
 
「衝撃! 『火の鳥』は実在した! 未開のジャングルの奥地に未知の鳥を追え!」
 
な川口浩探検隊シリーズとか。
 
 
 
 
 翼の話についても、

 翼つーのは力の象徴、とか言ってたのはフロイト先生だっけ? そう考えてみると、
天使=絶対者の使いが猛禽類の翼を持つってのもそー変な事ではないのかも知れづ。

というレスをいただきました。
 これは素直に納得できます。
 まさしくその通りですね、某エロゲ(ねがぽじネタバレガード!)でも似たようなこと言ってたし。
 でもそうすると、ギャルゲ・エロゲのヒロインが猛禽類の翼を持ってるってのは一層アレな意味を持ってしまうけど。
 
 
 
 
☆今日のサイト紹介
 その壱。
 こちらのサイトで、「メモオフ2バス」の写真を見ました。
 感想は一言…「スゴイね。色んなイミで」。
 とりあえず、こんなペイントを施すことを了承した東京都交通局は尊敬に値すると思います。
 
 
 その弐。
「君が望む永遠」のWinTopがとんでもなく上手い。
 水月の髪のツヤベタなんかプロ級。
 やっぱ水月は初期型だよなあ。
 
 
 
 
 追記。
 タイトルにあるように、戯画の「ぷちチェリー あなたといる季節」という学園モノエロゲを買いました。
 パッケージを見た瞬間、直感で「これは買いだ!」と感じたので、すかさずゲッチュ。
 しかしそれは本題ではありません、大事なのはその後。
 同人ゲームが並んでいる棚をぼけら〜っと眺めていて、「Will」なる同人エロゲを発見しました。
 制作元は「サークルメビウス」。
 その場は買わずに帰ってきたのですが、帰路の途中でメチャメチャ後悔し始めました。
 というのも、この「Will」にもまた、ぼくの直感が反応したんです。
 ゲゲゲの鬼太郎の妖気アンテナのごとく。
 これはもしかしたら、「月姫」に次ぐ同人ヒット作になるかもしれません。
 マジで。
 月曜に買ってくること決定。
 
 なおここでサークルメビウスサイトへのリンクを張ろうと思っていたんですが、見つかりませんでした。
 もしやHP持ってないのかなあ…まさかなあ…。
 
 

十一月十日(土) おお、最近なんだか日記並みの更新ペースだ。
 
 
 ねこねこソフトから、「みずいろおかえしCD2」なるものが届きました。
 内容は本編のおまけシナリオみたいなものなのですが、ちゃんと新規の音声入りなのが偉い。
 シナリオやCGを新しく書きおこすだけなら、自社のスタッフを使えば出来るけれど、声はそうはいきません。(いや、ねこねこのソフト制作形態がどうなっているのかは知らないけれど、普通は声だけ別に声優さんを外注の形で頼むハズ)
 このおまけCDのためだけに声優さんに仕事を依頼し、スタジオで録音して、ちゃんとギャラを払っていると思われます。
 完成までに結構な金がかかっているんでしょう。
 それだけのモノを、惜しげもなく無料でユーザーに配布する。
 前々から思ってたけど、ねこねこは本当に太っ腹な会社です。
 ねこねこ、偉いねぇ〜〜
 この点を思えば、FC入会葉書が添付されていなかったとか、CDケースにヒビが入っていてちょっとヘコんだなんて些細なことです。
 ねこねこ、偉いねぇ〜〜(アレッシー口調)。
 
#アレッシーはあくまでシャレです。
#ぼくは純粋にねこねこのファンです。ホントに。
#あと、「外注」は「害虫」と同じ読みで、どちらも「がいちゅう」で一発変換できるんですよね。
#皮肉な偶然です。 
 
 
 
 
 前回・前々回の朱雀の話の続き。
「中世のヨーロッパと中国で交流があったのでは」という点について、せーすいさんより詳しいメールをいただきました。
 
余談になりますが、中国の獅子、麒麟、それに日本の狛犬は、西洋のグリフォンの変
形した物と言う説があります。
実際シルクロード沿いの遺跡で、グリフォンの模様が入った装飾品多く見つかってい
るので結構有力な説らしいのですが。
さらに余談ですが、このグリフォンという奴は頭がライオンの物と、頭が鷲の物の2
種類あります。
モンゴル平原まではどちらの装飾もあるらしいのですが、それ以上東ではライオング
リフィンしか見られないそうです。
2〜3世紀ごろ中国ではお墓の前に「テンジャ」「ヘキロク」という守護獣を立てる
風習があったそうなのですが、
この守護獣の形がライオングリフォンと獅子の丁度あいの子、のような形をしている
そうです。
 
 なるほど、ってゆーかなんでそこまで知ってるんですか。
「テンジャ」「ヘキロク」なんて名前、初めて聞きました。
 しかしそうなると、中世どころか、古代と言っていいくらいの時期から、ヨーロッパと中国との交流があったということなのかもしれません。
 うーむ、勉強になるなあ。
 
 
 
 
 最近この手の話を考えるのが面白い。
 そういうわけで、今日のテーマは「神道」です。
 題して、「神道に輪廻転生の考え方はあるのか?」
 
 ぼくは神道の話も好きなので、聞きかじり程度の知識はあるのですが、輪廻転生の話は聞いた覚えがないんですよね。
 日本人の輪廻転生観としては、三途の川・閻魔大王あたりがポピュラーですが、ご存知の通りこれは仏教です。
 仏教と神道は全くの別物です。
 考えてみたら、神道における死後の世界観ってまるでわからない。
 伊弉諾尊が伊弉冉尊を黄泉から連れ戻した、という神話くらいは知ってますが、他はサッパリです。
 
 神道については、こちらのサイトが分かりやすく解説されています。
 しかし、やはり死後についての記述はありません。
 そもそも神道では、「死とは穢れである」とされているようです。
 これは輪廻転生の考え方にそぐわない気がするんですよね。
 ひょっとしたら、神道には輪廻転生の考え方は無いのではないでしょうか。
 
 さて、ここで前フリを生かす隠しダマに登場していただきましょう。
「久遠の絆」さんです。
 皆様、盛大な拍手でお迎えください。
 
 ご存知の通り、「久遠の絆」は神道を題材にしたビジュアルノベルです。
 その出来映えはほとんど神の領域に達してますが、ハテ、もう一つのテーマである「輪廻転生」って神道にあったかなあ? という素朴な疑問が、この話の原点です。
 既に書いてきたとおり、神道には輪廻転生に準ずる設定って無いような気がするんですよね。
 もし本当にないとすると、なんだかなあ、という気がします。
 
#そもそも久遠の絆の場合、
#「それぞれのキャラクターは、死んでいる間どこでどうしていたのか」
#という点が見事に抜け落ちているのですが…。
 
 ところで、明治期頃、「廃仏毀釈」「神仏習合」などで、神道と仏教が一緒くたにされていた時期がありました。
 今はちゃんと別れていますが、もしかしたらそーゆーことなのか?
 
 
十一月十一日(日) 日刊更新やってるとすぐネタが尽きてくる…また雑学に逃げるか。
 
 
 せんせいのお時間3巻に、「みか先生はごんぎつねを読むたびに泣いてしまう」というネタがありました。
「ごんぎつねってそんな悲しい話だったかなあ」と考えてみて、ぼくは「ごんぎつね」がどんな話だったのかをもう思い出せなくなっていることに気付きました。
 泣きゲーフリークとして、是非ごんぎつねを再読したい! と思い、検索してみたら、あるもんですねぇ、ごんぎつねの全文を掲載しているサイトが。
 厳木小学校平之分校ホームページ。
 最終更新が2000/3/2という、ごんぎつねを読まずとも妙に悲しくなってしまうサイトですが、とりあえずこちらの「国語のへや」の「ごんぎつね」項にごんぎつねの全文が掲載されています。
 ぼくと同じく忘れてしまった人は是非一読されたし。
 ちょっと泣きそうになるいい話です。
 なお、ページの一番下、「ワークシート6へ」の隣にある「みんなの感想」は一見の価値アリ。
 小学生の考えた文章に胸が熱くなってしまいます。
 ああ、学級崩壊が声高に叫ばれているけれど、日本の小学生もまだまだ捨てたもんじゃないなあ。
 
 
    
 
 
 今日は特にネタが無いので、神道の補足を。
 これについては、近いうちに神道に詳しい友人に話を聞いて、改めて書こうと思ってます。
 推測だけで物事を判断するのはよろしくありません。ハイ。
 
 
    
 
 
 最後に、今遊んでいる「ぷちチェリー」の簡単な感想。
 ぼくの満足度をパーセンテージで表すと、
 
CG    400%
キャラ   100%
シナリオ   20%
テキスト  −10%
システム  −50%
 
となります。
 平たく言えば、文章レベルとシステム完成度は低いが絵とキャラは抜群(個人的に)ということですね。
 ホントに絵とキャラはいいんですがねぇ…今日クリアした瑠維先輩にはかなり萌えた。
 まだ三人残ってるんで、この先どれほど萌えさせてくれるか楽しみです。
 
 
十一月十二日(月) わざわざ民法まで調べた。
 
 
 買えなかった…。
「Will」を売っているめろんぶっくす札幌店はPM8:00閉店。
 PM7:55に買いにいったら、既にシャッターが下りた後。
「ばっけやらー、まだ閉店まで五分残ってるぞぉこんこんちきぃー」と悪態をついても店が開くわけが無い。
 仕方なく、購入を諦めて帰りました、トボトボと。
 明日こそは、こんなことが無いように真っ昼間に買いに行きます。
 絶対に明日こそ買う。
 
 
 神さま、おねがいです。
「買いに行ったら売り切れだった」というオチはいりません。
 どうか、ぼくから。
「Will」をとりあげないでください。
 
 
 これ↑は「秋桜の空に」のネタなんですが、ほとんど誰もわかんないだろーなぁ…。
 ちなみに、お友達べかやん
「秋桜の空SSって探してみたんだけど全然無いねえ」って言ったら
「まーそりゃそーだろーな」と即答されました。
 そうと聞いて、マイナー好きで少数派の味方をしたがるぼくの血が騒いできた。
 久しぶりにいっちょ書いてみるかなあ…ネタが浮かんだら。
 
 
   ☆
 
 
 エロゲにおいて、近親相姦がタブーである、というのはご存知だと思います。
 一方エロマンガでは近親相姦どころか相手がS学生ってのも珍しくないわけで、この辺の差異も調べるとなかなか面白そうではありますが、今日の話とは関係ないので割愛します。
 
 一口に近親者と言っても、その範疇は曖昧です。
 何親等までを近親者とするかは判断が分かれるところですが、エロゲの場合は、実の姉妹がアウトで従姉妹なら血が繋がっていてもセーフであるため、「結婚できるかできないか」で近親者か否か、もっと端的に言えばヤッた場合近親相姦になるか否かを判定しているようです。
 
 民法では、
 
第734条[近親婚の禁止]
1 直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。但し、養子と養方の傍系血族の間では、この限りでない。
2 第817条の9[特別養子縁組による親族関係の終了]の規定によって親族関係が終了した後も、前項と同様とする。

と規定されています。
 この範囲内の人間とヤッてしまったらアウトなわけです。
 ちなみに1項「但し」以降があるために、義理の妹・義理の姉はOKなんですな。
 親族の数え方は既知でしょうから書きませんが、直系血族とは父母・祖父母などであり、三親等内の傍系血族とは、みんなが食べたがる実の妹・実の姉、父母の姉妹にあたる叔父や叔母が相当します。
 そして叔父・叔母の娘までいって、ようやく三親等のラインを超えられるので、晴れて美味しくいただけるようになるわけです。
 そこで考えた。
 どうにかこのラインを誤魔化せないものかと(そんなことにばっか頭を使ってる)。
 しかしさすがに難しい。
 考えてみりゃー、多くのエロゲ会社のスタッフだってどうにか掻い潜れないものかと悩んでるんだろしーなー。
 とりあえず一つだけ、ちょっとだけ近親な匂いのする設定を考えました。
 
 
 
 ここにある若い夫婦がいます。
 二人は女の子を一人もうけました(名前は仮に瑠維としておきます)。
 しかし、二人は離婚してしまいました。
 母が瑠維を連れて家を出た後、父は再婚しました。
 新しい妻との間にも新たに子をなしました。
 珠のような男の子です。
 父はその子を康一と名付けました。
 一方母も再婚し、女の子を産んでいました。
 翔子と名付けられた女の子は、母の連れ子である瑠維とも仲が良く、幸せな家庭を作っていました。
 
 
 
 と、まあこんな感じです。
 この場合、康一と瑠維は二親等の姉弟なのでレッドゾーンですが、康一と翔子なら問題ないですよね。
 この二人は血縁関係ゼロだもの。
 でも、そこはかとなく近親的じゃあないでしょうか。
 
 

十一月十三日(火) 一時間かかってます。
 
 
 買いに行ったら売り切れだった、というオチを期待していた方は残念でした。
 バッチリ買えました。
 売り切れが本気で怖かったけど、無事購入できて一安心。
 やっぱり日頃の行いが良いと、こーゆー時に神様が味方してくれるんだなあ。
 これからも正しく生きよう、うん。
(ここ、ツッコむところです、念のため)
 
 今日はプロジェクトX見てたから遊ぶ暇がなかったんですが、明日以降じっくり遊ぼうと思います。
 とりあえずホームページアドレスがわかったからリンク張っときます。
 しかし、なんでサーチエンジンに引っかからなかったんだろ。
 
 
 
    ☆
 
 
 
 宇宙戦艦ヤマトの最終目的地であるイスカンダルは、憎むべき仇敵・ガミラス星と連星になっている双子の星でした。
 ではこの二つの星のうち、科学技術が高いのはどちらでしょう?
 また、その水準はどの程度違うのでしょうか?
 
 
 
 
 地球外生命体が存在するかどうかは諸説ありますが、少なくともこの宇宙においては、惑星を伴った恒星というのはさほど珍しくないようです。
 それくらいの恒星なら文字通り星の数ほどあるらしく、ならば地球と似通った環境を持つ惑星が
あったって不思議は無い。
 地球と同じく水や大気があるなら、そこで生命が生まれ、環境に応じて進化したかもしれない。
 宇宙は広いから、そういった星だってきっとどこかにある。
 …と、簡単ですが、これが地球外知的生命体の存在を信じる根拠なわけですね。
 これは極めて薄い根拠であるので、当然否定する人だっています。
 それはもっともな意見だと思うのですが、それとは別に、ぼくはこの「地球外知的生命体」論を見聞きするたびに思ってきたことがあります。
 
 地球外生命体が地球型生物じゃなきゃ駄目だなんて、誰が決めたんだい?
 
 地球の生物が他天体で生き延びるためには、地球と似通った環境が必要です。
 しかし、最初っから地球とは全く別の環境下で生きてきた生命体なら、地球型環境なんて必要ないはずです。
 むしろ害悪になってしまうかもしれない。
 人間が紫外線や放射線を浴びると良くないのは、そのようなものをほとんど浴びずに進化してきたからであって、
「生物は紫外線や放射線を浴びてはならない」という規則があるわけではないのです。
 同じ理由により、例えば窒素を呼吸して水素を吐き出す生物だっているかもしれない。
 いないとは言い切れませんよね、宇宙は広いんですから。
 そうやって考えていくと、何も遠い星まではるばる出かけなくても、同じ太陽系内の他惑星にだって、もしかしたら生命体は存在するかもしれないわけです。
 火星なら火星型、金星なら金星型、土星ならどせいさん(は、冗談だけど)
 それぞれの星に適した進化を遂げていれば、ひょっとすると住みよい星なのかもしれません。
 大気のある惑星ならば、どんな星でも生命誕生の可能性は捨てきれないでしょう。
 
#さすがに大気の無い惑星は無理です。
#真空状態では、少なくとも生命誕生は起こらないでしょう。
 
 
 
 
「イスカンダルとガミラスの話はどうなった?!」とイライラされているかもしれませんが、ここまできてやっと冒頭のヤマトの話になります。
 この「生命体は地球型環境にのみ馴染むものではない」という考えを進めていて、
「これはまさしくガミラス星人のことではないか?!」と気付きました。
 ガミラスが地球へ遊星爆弾を落し、地球環境を荒廃させたのは、その状態こそがガミラス星人にとって快適な環境だからです。
 地球側もガミラスに抵抗するものの、さしたる効果も挙げられず、ついに滅亡まで一年というところまで追い詰められたのはご存知の通り。
 そんな地球を憐れに思ったイスカンダルのスターシャが、波動エンジンの設計図を妹のサーシャ(…だっけ? この名前ってティアサガの姫様と同じじゃん)に持たせ、どうにか地球へ送り届けることに成功します。
 この新技術を元に地球側は早速反撃の狼煙を上げようとするのですが、ちょっと待った。
 この設計図は、それまでの地球人類にとっては考えもつかなかった画期的な新技術です。
 それほどのハイレベルなものを、果たして人類はどれほど理解し、実利用可能な現実の機関として
作り上げることができたのでしょうか?
 ガミラスの攻撃の手は厳しく、一時の猶予も無い状況下において、設計図の解読はヤマト改修作業と平行して進められていたと考えられます。
 この状態では、波動エンジンをイスカンダルのものと寸分違わぬように再現することなど到底不可能です。
 80%程度の性能が出せれば御の字でしょう。
 未完成のエンジンを載せてヤマトは旅立ったわけですが、たかがその程度の戦艦一隻にガミラス星は完膚なきまでに叩き潰されてしまいます。
 このヤマトの大勝利の要因としては、もちろん沖田艦長以下乗組員の奮闘もあったでしょうが、技術力の差も見逃せません。
 ヤマトは主砲一発でガミラス戦艦を吹き飛ばせるのに対し、ガミラス側は撃っても撃ってもヤマトを沈めることができませんでした。
 冥王星基地の反射衛星砲の直撃を受けても船体が大破しなかったほどです。
 明らかに技術力が違います。
 アニメ冒頭に登場した地球純正艦隊が、ガミラス艦隊にさんざんに打ち破られていることを考えると、ヤマトに使われている技術は全てイスカンダルから譲り受けたものだと思われます。
 しかも、既に述べたように、ヤマトに搭載されている波動エンジンは未完成品。
 イスカンダル本星で作られた波動エンジンの力は計り知れません。
 ましてや、それだけのものを開発したイスカンダルの科学力となると、想像を絶するものがあります。
 もう先述の問いの答えを書く必要はないでしょう。
 ガミラスとイスカンダルでは、科学力に雲泥の差があったのですね。
 
 
 こう考えると、ガミラスが目と鼻の先にあるイスカンダルに手を出さず、わざわざ14万8千光年も離れた地球にちょっかいを出してきた理由もすっきり説明できます。
 イスカンダルの超科学の前に、ガミラスは手を出したくても出せなかったのですね。
 下手に喧嘩を売ると、自分だけが一方的に痛い目を見るからです。
 それくらいなら、ちょっとばかし遠くても、科学力で劣る地球軍を相手にした方がマシだとガミラス上層部は判断したのでしょう。
 しかしガミラスの誤算は、イスカンダルが地球に味方してしまったことでした。
 それさえなければ、ガミラスは目論見どおり地球を壊滅させ、無事移住計画を成功させられたのに。
 予めイスカンダルに根回ししとけば良かったのにねえ。
 
 
 
    ☆
 
 
 
 最近こんな話ばっかり書いてますが、決して揚げ足取りが好きなわけぢゃあないです。
 好きだからこそ、こういったところを考えてみたくなるんです。
 こうやってテキストをぱちぱち打ち込むのだって結構時間かかるんです、嫌いなモノのことなんて書きたくありません。
 それにツッコミを入れるには、まずその対象のことを良く知らなければならない。
 好きなものならいくらでも知りたいけれど、嫌いなモノのことなんて一つも覚えていたくない。
 今日の話だって、ヤマトが大好きだから書いてます。
 ヤマトが嫌いだったら最初からヤマトのことなんて書きません。
 ぼくは本当に「宇宙戦艦ヤマト」というアニメが大好きです。
 どうか誤解なきよう。
 
 
十一月十五日(木) 妖気アンテナが鈍ったかな…。
 
 
 ふと気付くとwillをゼンゼンやってない。
 昨日の晩に三十分遊んだっきりです。
 いや、悪いゲームじゃないんです、冒頭部分の感触は悪くありません。
 他にやりたいゲームがあったから後回しになっただけで、明日こそじっくり遊ぼうと思ってます。
 willについて書くのはもう四回目ですが、このソフトを遊んでいる人はぼくの知人には誰一人としていないし、多分オタク人口比率でも95%以上は遊んでいないと思うので、マイナー好きとしてしつこく延々長々と語り続けようと思います。
 今後もことあるごとに話題に出します。
 感想雑記もそのうち絶対書きます。
 それくらいやれば二〜三人くらいはひっかかって買うだろう。
 いや、それは冗談ですが。
 ぼくは\1,700で買いましたが、この値段ならバクチで手を出せる範囲だと思うので、気が向いたらチェックしてみて下さいな。
 
 
    ☆
 
 
 さて、本日は久しぶりに日記らしく、「今日あったネタ」を書こうと思います。
 まず買ったゲーム。
 
 PSエコーナイト廉価版。
 PS2正義の味方。
 DCマリー&エリーのアトリエ。
 
 エコーナイトは心霊系ソフトで、「シナリオがむっちゃ泣ける!」という話をどこかで聞いた覚えがあって、前から欲しいと思っていた一本です。
 正義の味方は、ファミ通で初めて記事を見て以来ずっと期待していたソフトで、発売即買いを決めていました。
 マリー&エリーのアトリエは完全な衝動買い。
 アトリエシリーズ未体験なので、この機会にやってみようと買いました。
 
 今日はずっと正義の味方をやってました。
(…って、この文は単体で読むとちょっと危ないな)
 いやいやいや、このお約束っぷりは見事。
 仮面ライダーとか宇宙刑事とか機械人間とか、その辺の枕詞に弱い人間なら絶対楽しめます。
 細かく見れば粗もありますが、それを上回る面白さがありますから。
 まあ長くやってるとダレるんで、一日一話くらいのペースで遊ぶのがいい感じです。
 ぼくは二話やって疲れました。
 
 
    ☆
 
 
 次に漫画の話。
 ぼくはひそかにヤングジャンプを毎週欠かさず立ち読みしています。
 といっても、読んでいるのは「キャプテン翼」「ぱじ」「ごまごま」の三つなんですけど。
 今日までは上記のラインナップに加え、月一連載の「アルカナ」という心霊漫画も読んでいたのですが、今週号で最終回を迎えました。
 この「アルカナ」ですが、話がぼくの好きな心霊モノで、絵が物凄く好みだったため、超気に入っていた漫画です。
 十二月にコミックスが上下巻一斉発売だそうで、出たら即買うつもり。
 贔屓目を抜きにしても結構面白い漫画なので、お薦めです。
 コミックス買ったらまた日記で書くだろーから。
 
 
    ☆
 
 
 む〜、最近雑学ばっか書いてたから、こーゆー「本来の日記」の書き方忘れてしまった。
 雑学ネタはまだいくつかあるし、当分はまた雑学日記にするか。
 ということで、本日の締めの雑学を一つ。
 以前書いた「読むクスリ」に興味深い話が載っていたので、引用させていただきます。
 
 
    ☆
 
  
カタカナ社名

(前略)

 戦後設立されて、世界的なスポーツ用品メーカーになったアシックス。
 これは ASICS を辞書で引いても載っていない。
 ラテン語の格言「健全な精神は健全な肉体に宿る」をちょっと書きかえて、
Anima Sana In Corpore Sano. とし、その頭文字をつなぎ合わせた。
 スポーツ用品のメーカーらしい理念がこめられていて、外国人も感心する。
 カタカナ社名ばやりのこのごろだけれど、「どういう意味ですか」ときかれた
とき、胸を張って答えられるようなものでありたい。
 

(「読むクスリ PART11」  文春文庫・上前淳一郎著  より)
 
    ☆
 
 
 横文字社名が多いソフトメーカー各社の方々にも是非お聞きしたい。
 あなたの会社の社名の由来はなんですか?
 
 
十一月十七日(土) 科学超人セイギマン。(正義の味方でぼくがデザインしたヒーロー)
 
 
 先日「ごんぎつね」について書いたところ、TaSさんより
 
『ないたあかおに』と並ぶ泣かせ系最高峰のお話じゃないかっ!! 
それを忘れるとは何事かっ!!!(笑) 
 
とのツッコミをいただきました。
 しかし、ぼくはこの話を読んだ記憶がないんです。
 泣けるらしいことは聞いていましたが、それだけ。
 再読したいと思い、早速ネットで検索してみましたが、こちらはありませんでした。
 うー、一回読みたい。
 
 
 絵本といえば、もう一つ。
「100万回いきたねこ」
 これも読んだことがないのですが、とても良い絵本らしいですね。
 今まで気合を入れて探したことがなかったので、ちょっと探してみようと思います。
 いい大人が絵本コーナーを血眼になって巡るというのもちょっとアレですが、まぁ悪いことするわけじゃないしぃ〜。
 ………この「犯罪じゃないし」って考えが危険なんだよなぁ…。
 
 
    ☆
 
 
 前回書いた ASICS の社名の由来となった格言について、内藤マサキさんより
 
実はこの言葉は間違った解釈だそうです。詳細は以下のリンク先参照。 
http://www.117.ne.jp/~t-hnfs/juvenal_intro.html 
 
とのツッコミをいただきました。
 まあ大枠は外れていないみたいですし、ASICS が社名に込めて目指した理念は非常に納得できるものなので、秀逸な命名であることに変わりはないですよね。
 
 
    ☆
 
 
 さて、今日は前々から予告していた虹の雑学知識とか、神学に詳しいハイドラントさんに聞いた神道のこととかを書こうと思っていたんですが、気が乗らないんでやめときます。
 書きたくも無いのに嫌々書いた文章なんて面白くないですからねえ。
 この辺のネタは次回以降に回すとして、今日はビデオを二本見たので、それについて書こうと思います。
 
 
 
 一本目、「名探偵コナン 天国へのカウントダウン」
 GWのお約束であるコナン映画五本目。
 レンタルビデオショップで偶然見かけたので借りてみました。
 感想はまあこんなもんかなというところ。
 終盤でそれなりに盛り上がるので、悪くは無いですね。
 でも「時計仕掛けの摩天楼」とかに比べると、明らかにパワーダウンしてる。
 年一作ペースである以上、しょうがないことなんだろうけど。
 ぼくはコナン映画五作を全て見てますが、個人的ランキングでは
 
時計仕掛けの摩天楼>世紀末の魔術師>十三番目の標的>瞳の中の暗殺者=天国へのカウントダウン
 
というところです。
 サブタイトルのセンスはどれもCOOLでNiceですね。
 なお本作「天国へのカウントダウン」で特筆すべきなのは、ヒロインが哀と歩美だということです。
 蘭じゃないです、小学一年生コンビです。
 そーゆー間違った狩猟本能を持つ方々は要チェキかと。
 
 
 
 二本目、「弟切草」
 やはりレンタルビデオショップ内をうろついていて見かけたビデオ。
 ゲームの弟切草が死ぬほど好きなので、借りました。
 結構期待してたんですが、ダメだコリャ、次行ってみよ〜、な出来映えでした。
 元がシナリオ分岐型のADVだから、映画にもそういった要素を出そうとしたんだろうけどねえ。
 完璧に空回りしてます。
 一言で言えばヘタ。
 やりたかったことはわかるけど、これじゃ視聴者が冷めるだけ。
 これなら普通に一本のシナリオの映画にした方がずっとマシだった。
 もうちょっとやりようがあったんじゃないのかな。
 
 
    ☆
 
 
 そういえば以前翼について書きました。
 そのつながりというわけでもありませんが、スズメの話。
 日本人にとって最も身近な鳥であるスズメですが、スズメの研究は意外なほどに進んでいません。
 例えば、スズメは一生を生まれた街の近辺で過ごすのか、或いは日本国内を縦横に飛び回っているのか。
 こんなことさえわかっていないのです。
 一応「スズメにも郷土愛のあるタイプと無いタイプがあり、一つの場所にいつくスズメと、ふらふら飛び回るスズメがいるらしい」くらいはわかっていますが、同じ日本のスズメなのにどうして違いが出るのかとか、ふらふら型はどれくらいの範囲を飛び回るのかとか、そういった点は不明のままです。
 あまりにも身近すぎる鳥であるが故に、熱心な研究はされていないのですね。
 こーゆーことって、他にもありますよね。
 
 
 補足。
 スズメは野鳥なので法律で保護されており、無闇に捕まえると罰せられます。(鳥獣保護法?)
 しかし晩夏〜初秋の時期に限って、駆除することが許されています。
 この時期に実る稲と、それを作る稲作農家を守るためです。
 この時捕まえたスズメを冷凍保存したものが、「寒スズメ」として冬の酒の肴に出されるんだそうです。
 これを知った時に一番驚いたのが、スズメって食えるんだということ。
 日本人はずっと前からスズメを食べていたんですね。
 うーむ、知らなかった。
 スズメが食用に適す鳥だったなんて…。
 
 
十一月十八日(日) 孤城落日
 
 
 遠い山間(やまあい)に陽が沈んでいく。
 大きく膨れ上がった太陽は陽炎のように霞み、全てを朱一色に染め上げている。
 一日の終わりのほんの僅かな時間。
 蝋燭が燃え尽きる瞬間にも似たこの光景が、彼は好きだった。
 目を下に転じれば、城壁を何重にも取り囲む敵の大軍団が見える。
 このような小国を攻めるのに、これほどの兵は必要あるまいに。
 遠野国当主・遠野志貴は小さく呟き、次いで自分の言葉の意味に気付いて苦笑いを浮かべた。
 
 
 国境の物見より敵襲の知らせが入ったのは、五日前のことだった。
 かねてより関係が悪化していた隣国・路亜国の手勢が大挙して押し寄せてきたのだ。
 すぐさま迎撃の兵を出したが、圧倒的な物量差の前にいかほどの抵抗ができようか。
 同盟国である乾国からの救援を期待して篭城するも、僅か二日で破られた。
 敵兵は雪崩を打って城内に侵入してきており、階下から時折鋼の剣戟が響いてくる。
 落城はもはや時間の問題だった。
 
 
「兄様……」
 柔らかい声音が耳をくすぐった。
 志貴は半身になって振り返り、そこに予想通りの顔が並んでいるのを見て表情を引き締めた。
「どうした。城を脱出して落ち延びよと命じたはずだ」
 主の叱責の声にも構わず、最前離脱した筈の三人は異口同音に命令への不満を口にする。
「……兄様。私(わたくし)は落ち延びたりなどいたしませぬ」
 志貴の妹・秋葉姫。
「私は志貴さまに仕えることが仕事です。どうかお側に控えることをお許しください」
 志貴付き女中・翡翠。
「逃げても良かったんですけど。でも、私がいないと志貴さんはご飯を食べられないじゃないですか」
 秋葉付き女中・琥珀。
 この城で志貴に最も近しい者たち。
 脱出を嫌がる彼女らに、城主として退却を命じたのは半時前のことだ。
 どんでん返しの裏の隠し通路を使えば、敵軍の包囲が及んでいない裏山へ抜けられる。
 そこから乾国まで落ち延びれば、助かるかもしれない。
 自分はとうに覚悟を決めているが、秋葉たちを巻き込みたくはなかった。
「兄様。此度の戦、原因は私にあります。だのになぜ、私が逃げられましょう」
 志貴が次の命令を口にする前に、秋葉が毅然として言い切った。
 秋葉のその言葉は、ある意味では真実であった。
 戦火の発端は、露亜国嫡子・四季が秋葉に一目惚れしたことにあるからだ。
 同盟の再確認という名目で遠野城を訪れた四季は、城内でたまたま出会った秋葉を気に入り、自分の嫁となるよう要求してきた。
 しかし秋葉がにべもなく断ったため、激怒した四季は国を挙げて攻め込んできたのだ。
「そんなことはない。お前のことなど口実に過ぎぬ。例えお前を四季に嫁がせていたところで、遠からず露亜は我が国を侵していたであろう。そしてこの負け戦の責は全て大将たるこの私にある。お前が気に病む必要などない」
 それが志貴の実感だった。
 露亜国とは表面上同盟を結んでいたが、実質はお題目でしかなく、いつ交戦状態に入ってもおかしくなかった。
 先の四季の訪問にしたって、遠野に戦を仕掛けるための口実を探しに来たようなものなのである。
 露亜国に対抗するため、乾国、弓倉国、知得瑠国などと共闘する策を考えていたが、事ここに至っては何の意味も為さない。
 遠野国の滅亡は避けようがなく、このまま城に留まるのは自殺行為であった。
「それでも、お前は逃げぬと言うのか?」
「はい。私は逃げませぬ。兄様を置いてなど行けませぬ」
 秋葉の意志は微塵も揺るがない。
「………」
「………」
 口にこそ出さないものの、翡翠と琥珀も同じ考えであることは容易に知れた。
「兄様…、秋葉は兄様がいなくては生きていけません…。逃げよと仰るのであれば、兄様もご一緒に…」
「ならぬ。私は逃げぬ」
 志貴は秋葉の言葉を遮るようにして答えた。
 体を戻し、秋葉達に背を向ける。
 眼下に広がるは見慣れた遠野の大地。
 朧に朱い光の向こう、露亜の旗がどこまでも続いていく。
 既に逃げる気のある者は皆城を後にした。
 城内に残る守備兵は百名に満たず、対する敵兵は少なく見積もっても数千は下らないだろう。
 ならば。
 ならばこそ。
 この絶望的な抵抗戦に身を投じ、城と運命を共にすることを選んだ忠義篤い部下達を。
 どうして見捨てることができようか。
「兄様…。兄様さえご健在であれば、遠野家再興も夢ではありませんのに…」
「何も言うな、秋葉。もう決めたことだ。私に迷いは無い」
 そう、迷いは無い。
 自分は十分に生きた。
 遠野は良い国だった。
 家臣も部下も領民も、みんな気の良い連中だった。
 若くして家督を継いだ自分を見縊る事もなく、皆で助け合って国を盛り立ててきた。
 ここで終わってしまうのは残念だが、それでも後悔は無い。
 自分は最期まで力の限り生き抜いたのだから。
 ………しかし。
 たった一つだけ、悔いがあるとするならば……それは……。
「志貴さま…」
 ふと見ると、翡翠が寄り添うようにして傍にいた。
 志貴の視界を妨げないよう細心の注意を払い、けれど強い意志を宿した瞳をまっすぐに志貴に向けて。
「…詮無いことだ。気にするな」
 翡翠の無言の問いに微笑で答える。
 秋葉と琥珀も、志貴に並ぶようにして消え行く陽に目を向けている。
 静かだった。
 何の音もしなかった。
 味方が切り結ぶ金属音も、敵の勝鬨の歓声も。
 何一つとして聞こえなかった。
 この天守閣だけが世界から切り離されたように。
 全てが朱く塗り込められた絵画であるかのように。
 
 こんなのも悪くないな。
 
 志貴は薄く笑った。
 それは満足の笑みか、自嘲の笑みか。
 あるいは、死に行く者達への手向けなのか。
 志貴自身にもわからなかった。
 秋葉たちを撤退させる気も失せていた。
 
 本人が望む通りの死を迎えさせてやるのも、君主としての度量だろう。
 
 そんなことを冷静に考えていられる自分が可笑しくて、志貴はもう一度笑った。
 不思議なほどに落ち着いていた。
 志貴ばかりではなく、秋葉も、翡翠も、琥珀も。
 この先の運命を悟ったからか、誰一人として取り乱すこともなく。
 ただひたすらに穏やかな時が流れていた。
 長い長い沈黙の後、やがて秋葉がポツリと言った。
「兄様…。ずっとずっと、お慕いしておりました…」
「…ああ」
 志貴は驚かなかった。
「志貴さま。私は、貴方を…」
「…ああ」
「私も、志貴さんは嫌いじゃありませんでしたよ」
「…ああ」
 翡翠と琥珀の言葉にも、志貴は小さく頷くのみである。
 その態度が不満だったのか、秋葉が突然口調を一変させた。
「ちょっと、兄さん。美少女三人に告白されたんですから、もっと感激したらどうなんです?」
「いや、俺は十分感激してるぞ。なあ翡翠?」
「は、はい。今の志貴さまは、滅多にお見せになられない程に感激しておられます」
「あらあら、翡翠ちゃん。また言葉がヘンになってるわよ」
 誰も驚かなかった。 
 秋葉の変貌を当たり前のように受け止め、それにあわせてくだけた言葉遣いになる。
 今だけは、こうして四人でいる時だけは。
 志貴は『遠野国国主』などという窮屈な肩書きから解放され、ただの青年に戻ることができる。
 秋葉という妹と、翡翠と琥珀という二人の友人がいる、一介の青年に。
「翡翠に聞いても無駄よ。兄さんの言葉に反論なんてしないんだから」
「い、いえ、私はそんな…」
「ほら、翡翠ちゃん。秋葉さまが羨ましいって言ってるわよ」
「そっ、そんなこと言ってません!」
 四人の間に和やかな空気が流れる。
 こうしてふざけあい、じゃれあっていられるのも、きっとこれが最後。
 口に出さずとも、皆理解していた。
 やがて秋葉がふっと顔を翳らせ、志貴に向き直った。
「兄さん…。最後に一つだけ、教えていただけませんか?」
「…ああ。なんだ?」
「兄さんが好きな人は――誰なんですか? それは――私たちのうちの誰か、ですか?」
 志貴が息を呑んだ。
 秋葉に引き摺られるように、翡翠と琥珀の表情にも陰が差した。
 六つの目が志貴に集中する。
 ごくり、と喉が鳴った。
 皆が志貴の言葉を待っている。
 志貴は──
「…なんて、ね」
 不意に秋葉が体を引いた。
 志貴から目をそらし、す、と髪をかきあげる。
「兄さんの心には、ずっと住んでいる人がいるんですよね。それは、私でも翡翠でも琥珀でもなくって…」
「………」
 志貴は何も答えなかった。
 何も答えられなかった。
 脳裏を旧い記憶が掠める。
 あれは。
 いつのことだっただろうか。
 
 かの人に出会ったのは――。
 
 
 
 戦の争乱が聞こえてきた。
 敵兵は直ぐ下の階まで迫っているようだ。
「志貴さま、これを…」
 翡翠が一振りの刀を差し出す。
 遠野家に伝わる宝剣「七ツ夜」。
 手にしたものは七日七晩戦い抜くことができる、と謳われる名刀。
「…うむ」
 志貴は刀を受け取ると刀身を引き抜いた。
 水を打ったように濡れ光る刃には、四人の姿が映り込んでいる。
 
 
 そして、天守閣の扉が破られた。
 
 
 
 
 銀の月輝く夜。
 果てしなく広がる草原。
 空には満天の星。
 風は草木をざわめかせ、彼女の髪を梳ってゆく。
 
 かの人は、そこにいるだけで絵になった。
 長く艶やかな髪は純金さえもくすむほどに眩く。
 深く澄んだ双眸は万物を射竦める赤い光を宿し。
 白い白い肌は大理石のように。
 
 彼女は。
 神々しいほどに美しく。
 禍々しいほどに清冽で。
 どこまでも孤独で。
 いつまでも気高くて。
 
 あれはいつのことだったのか。
 それはどこのことだったのか。
 遠い遠い満月の夜。
 
 
 
 
 
 
 
 援軍はとうとう来なかった。
 志貴さん、秋葉さま、翡翠ちゃんは四季に斬られ、その短い生涯を閉じた。
 遠野国は滅亡し、遠野の血に連なるものは一族郎党皆殺しにされた。
 けれど私は死ななかった。
 私は敵に生け捕られていた。
 下級兵士の慰み者とされ、露亜城の一室に閉じ込められていた私は、そのおかげで四季の目を逃れることができた。
 私は性欲処理の道具として扱われ、満足な食事さえも与えられなかった。
 でもそんなことはどうでも良かった。
 部屋から出ることもままならず、毎日見知らぬ男に抱かれているうちに、私は少しずつ壊れていった。
 自分を形作っていた全てのものが、一枚一枚剥がれ落ちていった。
 ギトギトと粘つく視線にも、吐き気を催す男たちの体臭にも。
 いつしか私は何も感じなくなっていた。
 
 
 それからしばらくたって、急に部屋の外が騒々しくなった日があった。
 でも私は、私を力ずくで押し倒す男達が来ないということで、早々に寝入ってしまった。
 そして次の日の朝、私が起きてみると、城内には誰もいなくなっていた。
 それまで私を蔑み、嬲り、弄んできた男たちの死体ならいくらでもあったけれど、生きている人間は誰一人としていなかった。
 私は死体の山を見ても何の感情も沸いてこなかった。
 いい気味だとも気の毒にとも思わなかった。
 そのまま露亜城を出ると、自然に遠野城へと向かっていた。
 
 
 遠野城はもう城ではなくなっていた。
 四季の手によって完膚なきまでに破壊されたらしく、そこにあったのは単なる残骸でしかなかった。
 四人で夕陽を見たあの天守閣も失われていた。
 それはとても悲しいことだったけれど、なぜか涙は出なかった。
 
 
 そのまま城址に佇んでいて、私は漸く自分の異変に気付いた。
 私は感情を失っていた。
 そのことに気付いても、不思議と驚きはなかった。
 それは感情を失っているから当然なのかもしれないけれど、でもどこかで、ああやっぱりな、と思っている自分がいた。
 私もあの時一緒に死ぬべきだった。
 私一人生き延びたって、何の意味もない。
 私の生きる場所は、志貴さん達の傍にしかなかったのだから。
 いや、今からでも遅くはない。
 私もここで後を追おう。
 心から信じあえる人達を失い、住んでいた国を失い、感情を失い。
 もう私には何も残っていないのだから。
 私は足元に落ちていた陶器の破片を手に取った。
 こんなものでも、喉を貫けばきっと死ねる。
 破片の尖った部分を、喉に押し当てた。
 
 
 視界の隅に、白いものが映ったような気がした。
 なんとなくそちらに目を向けると、白い服を来た異国の女性が歩いていくのが見えた。
 妙に気になったので、後を追ってみた。
 
 
 異国の女性は城址の一角で足を止めた。
 よく見ると、その人の前には一本の刀が突き立っていた。
 
 心臓がどくんと鳴った。
 
「七ツ夜」だった。
 その人は深く頭を垂れていた。
 初対面のはずだけど、なぜか私はその人を知っているような気がした。
 
 ごめんね、とその人は謝っていた。
 私がもっと早く気付いていれば、あなた達は死なずに済んだのにね、と。
 何のことを言っているのかは理解できなかったけれど、その人が本当に志貴さん達の死を悼んでいるということだけは分かった。
 涙を流してはいなかったけれど、でも泣いているみたいだった。
 だから私はその人に近づいて、言ってあげた。
 大丈夫です――。
 誰もあなたを恨んでいません――。
 きっと、あなたに感謝しているから――。
 だから、泣かないで――。
 その人は私の言葉に驚いていた。
 でも私は正しいことを言ったつもりだった。
 もし私があの時死んでいたとしても、この人を恨んだりはしないから。
 だから志貴さん達も、この人を恨んではいないと思う。
 それを確かめる術はもうないけれど、でも、私の言葉は間違ってない。
 そんな気がする。
 その人はちょっと考えた後、ありがとう、と言って軽く微笑んだ。
 凄く綺麗な人だった。
 あんまり綺麗すぎて、言葉が通じることの違和感さえも忘れていた。
 もう帰らなければ――とその人は遠い目になった。
 眠る前に、あなたに会えてよかった――。
 もう会うこともないだろうけど、元気で――。
 そう言って、最後にもう一度、「七ツ夜」に手を合わせた。
 私も何となく気付いていた。
 この先、この人と出会うことは多分二度とない。
 これが最初で最後の邂逅なんだと、薄々感じていた。
 無性に悲しかった。
 それは志貴さんたちを失ったのと同じくらいの悲しみだった。
 さようなら、と最後に手を振ると、その人はどこかへ歩いていった。
 走っていたわけでもないのに、あっという間に姿が見えなくなった。
 自己紹介もしていなかったことに気付いたのは、大分後になってからだった。
 
 
 私は「七ツ夜」に向き直ると、手を合わせて頭を下げた。
 まだ悲しみはあるけれど、後追い自殺をするほどの悲壮感はなくなっていた。
 そう。
 私がするべきことは、死ぬことじゃない。
 自ら死を選んでしまってはいけない。
 それは、生きたくても生きられなかった多くの人たちの覚悟を汚す行為だ。
 
 
 だから、私は生きる。
 志貴さんたちの分まで、私は生きる。
 
 
 城門があったところまで戻ってきて、私は一度だけ振り返った。
 無残に崩れ落ちた城址の中、「七ツ夜」が煌いたような気がした。
 
 
 私はこの光景を忘れない。
 志貴さん、秋葉さま、翡翠ちゃん。
 私たちに良くしてくれた、たくさんの遠野の人たち。
 みんな、この場所で生き、この場所を往き、この場所で逝った。
 ただ一人生き残ったのが私だから。
 だから、私は。
 決して忘れてはいけない記憶として。
 誰かに伝えなければならない想いとして。
 
 
 遠く高い青空の向こう。
 みーん、と蝉の鳴き声が聞こえた。
 
 
 
 
    ☆
 
 
 今回のSSモドキの説明です。
 先日「孤城落日」という四字熟語の存在を知りまして、その語感と意味から膨らんだイメージを元に書いたのが前半の三人称部分です。
 本当は最後に「天守閣が破られた」と書いて終わる予定だったんですが、書いている途中で
「とうとう援軍はこなかった。」というフレーズを思いついたんですね。
 このフレーズが自分で凄く気に入ったので是非使いたくなり、じゃあせっかくだからもうちょっとストーリー性も出しておくか、と急遽付け足したのが後半の一人称部分です。
 最後の二文は自分でも拙いなと思いましたが、他に良い締め方思いつかなかったんです…ヨヨヨ。
 うーむ、まだまだ練習しなきゃあなあ。
 
 
 なお「孤城落日」は「こじょうらくじつ」と読み、
「落城まじかの城で、落日をみる寂しく悲しい気持ち、心境。」
という意味を持っています。
 実にぼく好みの言葉です。
 こーゆー知られていない四字熟語からイメージを膨らませて何かを書くというのも結構面白いなぁ。 
 今後も閃いたら書いてみよ。
 
 
十一月二十日(水) 本当に曲は良い。
 
 
 ネットに繋いで早々、ゴン犬先輩よりQ。
「秋桜の空に」を貸してくれ! とのこと。
 札幌中を探し回ったが何処にも売っていなかったそうです。
 秋桜の空って密かに人気あるんだろーか?
 単に出荷本数が少なかっただけという考え方もあるけど、ファンとしては隠れた人気作であると思いたい。
 
  
 その後ゴン犬先輩と少し話していて、
 
「君の日記は全部読んでるが、興味ないゲームは注目せずに見てるからな。willとかも、
『あ、せりすが日記に書いてたゲームだな』と思う程度で」
 
というお言葉をいただきました。
 興味が無いと仰るゴン犬先輩も、willというタイトルは覚えて下さったみたいです。
 何度も書いてきた甲斐がありました。
 
 
 なおwillのゲーム内容は…ちょっといまいちかも、という気がしてきました(ダメぢゃん)。
 悠シナリオはいけてたんだけどなあ。
 曲もかなり良い感じなんですがねえ…つーか今現在も音楽CDとして聴いてるし。
 
 
 そういえば「読むクスリ」で、落語家の話の一節として、こんな科白が載っていました。
 
「他人の噺を聞いて、これは自分より下手だな、と思ったら同じくらい。この人は自分と同じ程度だな、と思ったらこっちの芸よりはるかに上だよ」
 
 落語に限った話ではありませんね。
 
 
    ☆
 
 
 ある日、何の前触れも無く全く突然に、歌の1フレーズや何かの漫画の1シーンを思い出すことってありませんか?
 ぼくはしょっちゅうあります。
 今もその真っ最中。
「あれっ、このシーンって何の漫画だったっけ?」
「ん〜、この歌って何の歌だったかなぁ、聞き覚えはあるんだけど…」
という気分って、くしゃみが出そうで出ない時なんかに少し似ていると思います。
 こんなもどかしい気分をぼく一人で味わっているのは悔しい勿体ないので、読者の皆様にも知っていただきましょう。
 
「世の中には、ついていい嘘と悪い嘘があるってこと、知らないの…?」
  
「命の恩人に、こんなことは言いたかないがね。
 俺の国じゃ、スープってのは頭からかぶるもんじゃなくて、口から飲むものなんだ。
 今後は俺の国の流儀でやってもらえるとありがたいんだが」
  
 これって何かで使われていたセリフだったと思うんですが、何でしたっけ?
 
 
    ☆
 
 
「たぬきうどんは狸が入っているわけでもないのに、なぜたぬきうどんなのか?」という疑問を思い立ちました。
 唐突にこんなことを思うぼくって一体何者なんだろうと自分で自分にツッコミをいれてしまいましたが、さっそく調べてみたら、実に面白く分かりやすい文体で書かれているサイトがありました。
 SingingCat(歌うネコ) のHP。
 ここの「2000文字シアター」の中にあります。
 それ以外のページも全体的に面白い。
 久しぶりに発見した、ハイレベルなテキストサイトです。
 
 
 そーいえば今まで色々サイト紹介してきたけど、ゴン犬先輩の「興味ない物は論外」というコトバを思い返すと、どれくらいの人がリンク先へ行ってくれているかギモンだなあ。
 
 
十一月二十二日(木) 次回の琥珀さんは悪人になる予定。
 
 
 国語の問題。
 以下の文のカタカナ部を漢字に直しなさい。(3分、2点×6)
 
 
1. マンシンをイマシめる。
2. シンセイをキョダクする。
3. ケンチクシザイをコウニュウする。
 
 
 どれも常用漢字レベルですが、ぼくは「イマシめる」が書けませんでした。
 自分の漢字力がここまで落ちていると知り、ガクゼンとしました。
(「ガクゼン」も書けなかったりする)
 そりゃあねえ、第二水準・第三水準の漢字は書けなくっても仕方ないと思うけど。
 常用漢字が書けないってのは日本人として情けなさ過ぎるよなぁ。
 英国人がアルファベットを忘れるようなもの。
 せめて常用漢字は書けるようにならないと…。
 
 
 上記の三問の答えはいちいち書きません。
 IMEでもATOKでも、確実に一発変換できますから。
 書けなかった方は、ぼくと同じくもう一度漢字の勉強をした方が良いです。
 いや、これは日本人としてマジでやっとかなきゃいけません。
 
 
    ☆
 
 
 最近妙に月姫な気分です。
 やたらと月姫が書きたい。
 歌月十夜遊んだわけでもないし、巧い月姫SSを読んだわけでもないんですけど…なんでだろ。
 100円ショップで四文字熟語辞典を買ってきてみたら、インスピレーションが湧く四文字熟語が次から次へと出てくる。
 まあ創作意欲が沸くってのは良いことなんで、この機を逃さずちょっと書いてみようと思います。
 
 
    ☆
 
 
 ONEの七瀬のセリフに「殺人的に面白くないわよっ!」というものがありましたね。
 今日突然ピキーンとニュータイプ的閃きが走りまして、この言葉の意味が初めて論理的に理解できました。
 
 
「殺人的に」という修飾語は、元々は「殺人的に暑い」「殺人的に寒い」などのように使われたものだと思われます。
 暑すぎて死ぬ(熱射病)、寒すぎて死ぬ(凍死)というのは人間の死因として十分考えられるものであるので、「殺人的に暑い」という言葉は、意味的にはおかしくありません。
 死んでしまいそうなくらいに暑い、という意味ですね。
 この「死因」という考え方を一歩進めると、「殺人的に厚い」「殺人的に重い」という言い方が生まれます。
「殺人的に厚い」とは、「人を殺すための鈍器にできそうなくらい厚い」という意味で、京極夏彦氏の本などが相当します。
「殺人的に重い」は「押し潰されてしまいそうなくらい重い」。
 これをさらに突き詰めたのが、冒頭の七瀬のセリフ、「殺人的に面白くない」に繋がります。
「あまりにくだらなくて悶死しそうだ」というような意味なのでしょう。
 たかがセリフ一つと言えども、こんなにも深い意味がこめられていたのですね。
 奥が深い。
 
 
 ところで、「奥が深い」というと、ついつい学生服を着たアンドロイドを思い浮かべてしまいませんか?
 
 
    ☆
 
 
 今日のサイト紹介。
 まくどなるどうの中の話の一つ。
 これまた奥が深い。
 一般人からはこう見えるんだなあ。
 でも、会場外でのコスプレって禁止だったよね?
 
 
十一月二十四日(土) 歌月十夜やるかなぁ…。
 
 
 今日はこれといったネタがないので、書き溜めていた小ネタを二つばかり。
 
 
    ☆
 
 
 日本語薀蓄。
 日本語が時と共に変化しているという事は何度か書いてきていますが、これは文法や言葉遣いだけでなく、発音に関しても当てはまる事なんだそうです。
 古文の文章が現代日本語とかけ離れたものであるように、当時の日本語の発音も今とはまるで違うものだったそうですよ。
 だからこの事実を踏まえるなら、
「現代人が過去の日本にタイムスリップして…」とか、
「過去の日本人が現代に現れた」とかのパターンは実は大嘘なのです。
 ほんやくコンニャクでもない限り、過去の人間と現代人とは話が通じるはずはない。
 いや、だからどうしたって言われればそれまでなんですけどね。
 ついでに言うと、講演会などでよく聞かれる「ごせいちょうありがとうございました」、
これは漢字変換するなら「ご清聴ありがとうございました」と書くのが正しい。
「ご静聴ありがとうございました」ではないのです。
「清聴」も「静聴」も「せいちょう」で変換できるからややこしいと言えばややこしいんですが、
「先立つ不幸をお許しください」「職権乱用」などと同系列の国語の問題です。
 いくら言葉が変化するものだとはいえ、これらは明らかな誤りですね。
 
 
    ☆
 
 
 AVG32を用いたゲームは、よく「システムの利点をいかしていない」などと言われますが、そもそもAVG32をゲームシステムとして採用したということは、システムの面白さの追求を放棄すると宣言しているに等しいのです。
 だから、AVG32システムのゲームにそんなことを言っても意味はありません。
 スタッフ側もそんなことは承知の上で作っているんですから。
 そういう批判をしたいのであれば、特定のゲームに関して言うのではなく、AVG32というシステムそのものを批判すべきでしょう。
 ぼくはAVG32を優れたシステムだと思っているので、批判する気は全くありませんけどね。
 ただ、それを軽々しく使うことに対しては否定派です。
 AVG32とは「シナリオを見せる」ことだけに特化したシステムであって、その他の面では何の取り柄もありません。
 すなわち、AVG32を採用するということは、
「うちはシステムの面白さを捨てたけれど、その分シナリオにはメチャ力入ってますよ」
ということです。
 さらには、
「このソフトはONEやKanonと同じ土俵で勝負しても勝算があります」
くらいは言えるはずです。
 本来それくらいの意気込みと自信があって初めて使用に踏み切れるシステムなんです。
 でも最近はそんなことを全く考えず、単に使いやすいシステムだから、というだけでAVG32が大流行しています。
 この点はいただけませんね。
 
 
 AVG32を用いた傑作としては、GBA「逆転裁判」が挙げられます。
 逆転裁判法廷パートでのAVG32の使用法は実に画期的。
 ギャルゲ・エロゲもいつまでも旧態依然のシステムに満足してちゃあダメだよ。
 
 
    ☆
 
 
 もう一つ思い出した小ネタ。
 近日中に「頭文字D」を読もうと思っています。
 頭文字Dネタは、クルマネタとして極めてポピュラーであるからです。
「豆腐屋の息子は速い」程度ならなんとか理解できますが、もっと突っ込んだネタになるとサッパリわからないし、自分でも頭文字Dネタを使えるようになっておくと色々便利な気がする。
 走り屋漫画として読んどいて損はなさそう。
 
 
十一月二十七日(木) 風邪をひいてました。風邪は万病の元。
 
 
 みずいろが本当にDCで出るんですね。
 こっちも21-TwoOne-と同じく、金勘定はほとんど移植メーカーの方に行くことになるっぽいんで、仮にナニか(みずいろがまるで売れないとか)があってもねこねこにはさしたる被害はなさそうです、というかエロゲメーカーで「私自ら出る」とサザビーに乗るようなマネをしてるのはエルフとLeafとkeyくらいなのですが。
 あ、F&Cもやってるか。
 まあそれはともかく、みずいろを選んだというのは正しい判断ですね。
 ねこねこ既存三作のうちでは、みずいろが最も一般受けを狙えますから。
 Whiteは素質はあるが未だ発展途上、銀色は出来は素晴らしいがユーザーを激しく選ぶ。
 その点みずいろは、純粋な萌えゲーとして極めてハイレベル。
 ゲームとしての出来は銀色に劣りますが、「萌え」でカバーできます。
 ぼくは銀色の方が好きですが、結局は買うだろうなあ。
 何だかんだ言ってもねこねこのファンだから。
 
 
 ふと思い出したけど、スタジオメビウスの「Snow」ってどうなったんでしょーか。
 夏くらいに「本気で冬まで引っ張る気らしい」という嘲笑めいた話をどこかで聞いた覚えがあるんですが、もう冬なんですけど。
 札幌は初雪も降ったんですけど。
 というか、驚くべきは一年以上新作ソフトを出してないのにスタジオメビウスが潰れてないことだと思う。
 key辺りも年一作ペースだけど、keyとスタジオメビウスじゃ儲けがダンチでしょう。
 keyはグッズ攻勢で甘い汁吸ってるけど、スタジオメビウスはそれもないし。
 Snowは発売即買いを決めてるから、早く出して欲しいんだけどなぁ。
 実は密かに倒産してたりして…HPの更新も9/21で止まってるし…。
 
 
    ☆
 
 
「100万回生きたねこ」、ようやくゲットできました。
 早速読みましたが、いやあ良い絵本ですねえ。
 この絵本、知ってる人は皆絶賛しますが、それも頷ける内容です。
 奥付の第71版という表記を見て驚きました。
 重版かかりまくってます。
 でももっと驚いたのは値段。
 30ページ強の薄い本なのに\1,300もする。
 コミックスが3冊買えちゃいます。
 絵本って高いんだなあ。
 
 
    ☆
 
 
 先日書いたAVG32について、TaSさんより
 
 今更かもしれませんし、そーでなくてもいらん揚げ足取りなのはわかってるんですが。
ADV32つーのは、ジャンルとかじゃなくってビジュアルアーツ系列のブランドで使わ
れてる基本プログラムの名称です。ほーら、いらん揚げ足取りだ(笑)
 
とのツッコミをいただきました。
 いや、一応それくらいの知識はぼくにもあるんだけどね。(笑)
 このテのゲームのシステムを一言でズバリ表せる言葉は、AVG32くらいしか無いと思うのです。
 実際通じてるじゃないか、たすりんよ(笑)
 …って、AVG32じゃなくADV32?
 
 
    ☆
 
 
 ここ数日、リネージュというネットゲーを遊んでます。
 このゲームは一言でいえば簡易版UOという感じで、UOに比べ自由度が低いのですが、一応はネットRPGだし、何より今はタダで遊べます。(これが大きい)
 ぼくはJAPAN2サーバー、「第一界円」という名のエルフでログインしてます。
 プレイされる方がいらっしゃいましたら、是非一緒に冒険しましょう。
 
#でもインストールソフト330MBをDLさせるっつーのは無理があると思う。
#ブロードバンドユーザーばっかりぢゃないんだよぉ…。
 
 
十一月二十九日(木) 青は藍より出でて藍より青し
 
 
「師匠」と呼ばれる人間にとって最も嬉しいことは、弟子が自分を超えることなんだろうなあ、とふと思いました。
 弟子が自分を超えるということは、その人間の素質を認めて弟子にしたことや、弟子への教え方が間違っていなかったということであり、自分の持つ技術を次世代へ残せたということです。
 感無量、という心境は、多分こういう時のことを指すんでしょうねえ。
 その辺を上手く描いたのがGガン四十五話「さらば東方不敗! マスターアジア暁に死す!」。
 他にも、例えば勇二がタイガージョーを倒してタイガージョーが「…強くなったな、勇二…」と言ってドウと倒れるとか、そーゆーシーンが簡単に思い浮かべられます。
「弟子が師匠を超える」というのは、熱血路線では外せない演出ですね。
 
 
 
 
 上記の話とは関係ないですが、過去の栄光なんて、所詮は才覚溢れる若人の踏み台でしかないのです。
 どんなに強くて立派な人間でも、いつかは年老い、力を失ってしまうわけで。
 そうなる前、”最盛期”の頃の力を保っているうちに、次の時代を担う新しい勇者に自分を打ち負かしてもらうことが出来れば、悔いなく引退して静かな余生を過ごせると思うのですね。
 ちょっと方向性は違いますが、一例が「ぱすてるチャイム」です。(ネタバレガード)
 世界を救った勇者サマが、冒険者の卵に過ぎない主人公達にあっさり負けちゃうんだもんなあ。
 過去の英雄なんてその程度の扱いなのかッ?!
 なおぱすチャはミューゼルとコレットしかクリアしてませんが、コレットのシナリオはなかなか良かった記憶があります。
 ラスボスを倒した後のセリフがなかなかに熱かった。
 不満といえばコレットが大人になったことくらいですね。
 くどいようですが、このタコのA子過去の栄光話は「弟子が師匠を超える」のとは全く別の話です。
 
 
    ☆
 
 
 今日エロゲ前日売りのショップに行ったところ、大悪司とピアキャロ3を売っているのを見かけました。
 買おうかな? とちょっと迷いましたが、現在PCが居間にあるためエロゲプレイ不可だし、なにより初回版が無いんだったら焦って買う必要もないな、と思い、見送りました。
 初回版があったらどちらも即買いしてます、ええ。
 これって一番バカなタイプのオタクだと自分でも思うんですが、限定モノに弱いのはオタクのサガ。
 …というより、民族的に見て日本人は「限定」「初回」などの言葉に弱いようで。
 そこを逆手に取った限定商法ってのは実にうまいもんです。
 ま、今限定商法についてぶうぶう言ってる人も、
 
    ☆
 
公正取引委員会、ゲームソフトを監視下に
 
 29日、公正取引委員会は、今後ゲームソフト制作メーカーに対する監視の目を強めることを発表した。
 委員会の報告によると、現在は同じ値段のゲームソフトが「初回版」と「通常版」にわかれており、初回版にのみ様々な特典がつけられているが、これが独占禁止法で定める「不当廉売の禁止」に違反する可能性があるとのこと。
 今回はあくまでも勧告であるが、仮にこの販売法が本当に違法であった場合、今後はゲームソフト発売元メーカーの告発も辞さないという。
 限定品を作るというのはゲームソフト販売の常套手段であり、実際に大きな成果を上げていると思われるが、これが完全に禁止される形となる。
 ソフトメーカー各社からのコメントは「寝耳に水です。予想もしませんでした」(K社、L社)「やっぱりですか。いつかこうなると思ってました」(A社、N社)と全く正反対のところでまとまっているが、ソフトメーカー受難の時代は続きそうである。
 
(日経産業新聞  2001年11月30日朝刊より抜粋)
 
    ☆
 
なんてことになった日にゃ、一斉に公正取引委員会を非難する限定シンパになるんじゃないでしょうか。
 無論ぼくは矢面に立って非難しますけど。
 
 
 上記新聞記事はウソニュースなんで、冷静なツッコミはご遠慮致します。
「んなワケあるかい」と吉本興業風に心中でツッコんで下さいませませ。
 
  
    ☆
 
 
 昔読んだ少女漫画を突然思い出しました。
「マリーベル」という漫画です。
 上原きみ子という人が描いた漫画なのですが、今にして思えば、ぼくはこの漫画の影響を多いに受けています。
 とりあえずこちらで紹介されてます。
 文庫で復刻しているようですが、この漫画はマジで読む価値あります。
 過去の名作と呼ぶに相応しい傑作ですよ。
 …あ、またタコのA子過去の栄光っぽい話になってしまった…。