宝くじを考える
年末の過ごし方と言えば、年賀状に追われる人やらお節料理やら大掃除やら仕事納めやら、人それぞれだと思いますが、そんな中、日本全国万人の風物詩があります。
誰もが並んでまでそれを買い求める、その名前は年末ジャンボ宝くじ。
毎年毎年「一等前後賞合わせて一億三千万円!」などと豪毅な事を謳ってくれますが、果たしてこれを買う価値はあるのでしょうか。
一枚三百円で、もし当選すれば何千万にもなる。
確かに、一攫千金の夢を狙うなら、これほど良い手はないように思えます。
しかし、こんな言葉があることをご存じでしょうか。
宝くじで当選する確率は、交通事故で即死する確率よりも低い。
日本国に於いて、一年間の交通事故死者数は約一万人。
全人口を一億三千万として…などと計算するのはまだ早い。
なぜなら、この一万人の内、即死者数はほんの何割かに過ぎないからです。
法律で定めるところの「交通事故死」とは、「交通事故に遭ってから二十四時間以内に死亡した者」となっています。
ちなみにアメリカでは一ヶ月。
傷の重さに関係なく、時間のみで決めています。
交通事故に遭った人は、たいていの場合、救急車の中か、病院のベッド(または手術台)の上で死にます。
即死するケースは、意外に少ないんです。
外傷性ショック死は即死ですが、出血性ショック死は即死とはなりません。
首の骨を折った場合でも、即死には至らない場合もあります。
統計では…三割くらい、だったかな?
ちょっと自信無し(^_^;
とりあえず三千人として、日本人口一億三千万で割ると…。
0.000023076%.
宝くじ当選確率は、これよりもさらに低いわけです。
もちろん、何枚も買ったり、何度も買い続けることによって、多少は上がりますが、それでも絶望的に低い事が分かるでしょう。
人間とは現金な物で、この数値を見て、「オレは即死するわけがない」なんて思いながらも、「宝くじは、ひょっとしたら当たるかも…」なんて思ってしまうんですよね。
縁起を担ぐ意味で、以前に一等が出た宝くじ売場で買おうとする人が多いですが、これまた無意味な行為です。
なぜなら、宝くじは基本的に、どこで買おうが確率は一緒だからです。
しかし、上記のように、一等が出た宝くじ売場は多くの人が押し寄せるため、売り上げ枚数が多くなる。
結果として、他の売場に比べて当選確率が高くなるのは自明の理。
よって再び一等などが出て、縁起のいい売場、となる。
さらに多くの人が押し寄せるようになる…。
ただの数字のマジックです。
結局、どこで買おうが同じなんです。
だいたいにして、宝くじなんぞ、地方自治体の赤字を埋めるための財源にすぎません。
毎年、「宝くじで何百億円の売り上げを見込んでおり…」なんてニュースが流れるじゃないですか。
絶対的に主宰者だけが儲かるシステムになっているんですよ。
そうでなけりゃ、毎年毎年やるはずがありませんからね。
まぁ、それでも「夢を買うんだ!」と言うのなら、別に止めはしませんが。
一攫千金を狙うのなら、宝くじに頼るより、雑誌の懸賞にハガキを出しまくる方が、まだ効率がいいと思いますよ。