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パースとは

人は思索の為には言語を必要とします。しかし、デザイナーがイメージを構築するためにはそれだけでは足りません。 頭の中で空間構成をする能力が必要となります。そしてそれらは、文字や絵としての表現になってはじめて第三者に伝え得るものとなります。

現在、建築デザインの世界では、設計者のイメージや設計図書を、パース(Perspective=透視図)という一枚の絵にしてプレゼンテーションすることが常となっています。そしてそのパースを専門とする職域も生まれ、それらの一部は労働省による 技能検定も行われているほどです。

デザイナーがデザインワークを進めるうえでは、自身のイメージをパースペクティブに整理しながらスケッチを起こし、さらに検討を加えるといる作業は不可避であり、また空間デザインの提案においては、それらスケッチパースが、時には言葉をはるかに超えた説得力をもつ情報絵画となります。







スケッチがコンセプトを導く

ある計画を練り上げるとき、理論的には、コンセプトといわれる計画目標や計画方針をつくり、その後にドローイングを進める(描く)、と考えるのが一般的です。しかし実際には、いくつかのスケッチをしながら、キーワードなども見つけ、だんだんとコンセプトを固めていくという方法をとることも多いのです。

また、そのコンセプトが造形的で空間的なものであれば、デザインはスムーズにいくと思いますが、与えられたコンセプトの場合や、抽象的な言葉の場合は、もう一度それを造形・空間のキーワードに置き換えなければなりません。その段階にスケッチは大いに役立ちます。

スケッチは、スピーディーに数多く、いろいろ局面から描きます。アイディアに詰まったら、お茶でも飲んで気分を変えて、もうひとつ別の面から描いてみたり、考えてみたりします。

コンセプト、キーワード、造形用語には定番はありません。ですから、そこから生まれるデザインはオリジナリティーを発揮することができます。オリジナルデザインであれば、プレゼンテーション(提案図)も、上手くいきます。






スケッチが問題を解決する

デザインの開発にスケッチは大切です。スペースデザインだけでなく、いろいろな製品のデザイン開発も同じです。コンピューターを使ってのデザイン開発も構想段階では手書きのスケッチが必要です。デザインの開発にはこじんまりまとめた絵よりも、いろいろなデータとアイディアを書き込んだスケッチの方が適しています。

まず、必要とする多くの機能をできるだけたくさん考えます。次に、これをひとつの形として、空間として仮に描きます。しかし、うまくいかない点がいくつも出てきます。そして、それら矛盾点や欠点を克服するための新たな形や空間を模索します。

ほとんど満足するデザインがその繰り返しの中に必ず出てきます。頭で考えていてもだめで、スケッチを繰り返します。大切なことは、必ず解決策が出てくると信じてスケッチすることです。このプロセスこそがデザイナーの仕事なのです。




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