(2) Acceleration <加速>

加速はとりあえずアクセルを踏めば加速しますが、ここではスムースな加速ということにしましょう。

もちろんマニュアル車のケースです;
    当然まず1速に入れてスタートですが、最初は車の構造を頭の中で想像してみましょう。パワーの伝達ルートを想像してみます。エンジンで発生したトルクが    ミッションを介してクラッチに伝達され車軸に到達してタイヤを回していると。やっぱり機械を使いこなすには中身の構造をある程度知っていると上達が早いし、気分もいいです。また応用問題にも対処できるようになるというメリットがあります。知っていても損はないので勉強しましょう。<-そういう自分もほとんど自信ない。

    そもそもギアチェンジをする理由はエンジン回転数を下げるためにあります。たとえばエンジンが8000rpmまでトルクが出るエンジンだったとします。1速で8000rpmまで引っ張ると60km/hになりました。エンジンの限界なのでこれ以上スピードが出ません。そこで2速にシフトします。スピードは60km/hのままエンジン回転数が6000rpmに落ちました。また8000rpmまで加速できます。2速8000rpmで100km/hになりました。エンジンの限界・・・・と繰り返して加速するためにあるものです。ここで重要なのはギアを上げると速度が一定ならばエンジン回転数は落ちるということです。

    1速に入れてアクセルを適度にあおりながらクラッチをつなぎ発進します。たとえば、1速で4000rpmまで引っ張って2速にシフトすると3000rpmになるとします。2速にシフトするタイミングは、エンジン回転数が4000rpmでアクセルを抜いて3000rpmに落ちるまでの間にシフトを終わらせるとベストです。

回転数 →4000
上昇
下降中 →3000
上昇
基本中の基本の表ですね。
ギアの位置 1速 2速  
クラッチ つなぐ 切る つなぐ  
アクセル ON OFF ON  

    上表で細かく行くと、シフトするために1速を抜く瞬間のタイミング、2速に入れるタイミング、クラッチをつなぐタイミング、アクセルON/OFFのタイミングがあります。Kuの場合次のような感じです。当然ながら3速、4速でも同じです。

  <1> <2> <3> <4> <5>
エンジンとタイヤ
の速度関係1速
E>T E=T E<T
エンジンとタイヤ
の速度関係2速
E>T E=T E>T
車の状態 加速 惰性走行 惰性走行 加速
回転数 →4000
上昇
下降始め 下降中 →3000 →3000
上昇
ギアの位置 1速 抜く 2速入れる 2速  
クラッチ つないでる 気持ち早め
に切る
切ってる つなぐ  
アクセル ON OFF OFF ON ON

    うーん、わかりにくい。理解するのに一苦労だ。軽く上表を説明すると、<1>は加速中ですね。<2>がシフトチェンジしようとしてクラッチを切った時、<3>はシフトアップした時、<4>はクラッチをつなぐ時、<5>は加速のため再びアクセルONにするときです。Kuの感触ではHONDA車は他社に比べてシフトフィールに剛性感が少なく、弱いような気がします。できるだけ回転数を合わせてシフトアップした方がいいと思います。シフトの速さより確実性に留意しましょう。

実はシフトチェンジする時は、回転数を合わせるのにコツがあります。回転数がピッタリ同じかちょっとエンジン側の方が+50rpmくらい早い時にはシフトは抵抗なくスコンと入ります。回転を合わせるシンクロが働かないので、シフト時の抵抗感がないんです。極めるとクラッチを切らなくてもシフトアップすることは可能です。というか、実際にKuはできますので、ちょっと練習すれば誰にでも可能でしょう。ただし、失敗するとクラッチを切っていないのでギアを傷めます。最初は半クラでシフトすれば多少抵抗は少なく練習できるんじゃないでしょうか?回転数が合ってないのに無理矢理入れるとガリって音がしますもんね。

回転数を合わせることを意識することは重要です。後で出てくるヒール&トゥにもつながります。

 

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