用語解説

荒俣宏(あらまた・ひろし)…
小説「帝都物語」の作家として、また博物学に代表される縦横無尽の知識を駆使した多くの著述によってもすでにおなじみの荒俣宏氏(最近は、水木しげるのマンガのキャラクター、アリャマタ・コリャマタ氏としても活躍中である)であるが、この「広告図像の伝説」巻末にある略歴を引用させていただく。
1947年東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1970年、日魯漁業入社後、北海道拓殖銀行コンピューター室に出向。79年に退社、日々商標研究にはげむ。
著書に「図像観光」(朝日新聞社)、NHK市民大学講座「博物学の世紀」(日本放送出版協会)、「標の周辺」(日本アイビーエム)、「世界大博物図鑑」(平凡社)
ボッティチェリ,サンドロ Sandro Botticelli(1445-1510)…
イタリア・ルネサンス絵画を代表する巨匠画家のうち、もっとも親しみに満ちた言葉で語られるこの画家については、このページに作品の画像がアップされている。
ボッティチェリの生涯に渡る作風の変遷はこれを初期、中期、後期と分けて考えることができるが、フィレンツェを支配するメディチ家のために絵を描くようになった中期の代表作がかの有名な「春<プリマヴェーラ>」「ヴィーナスの誕生」の2作品である。これはメディチ家の分家筋にあたるロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコの依頼によって描かれたものであり、ボッティチェリの最も有名であるとともに、最も異教的な画題による絵である。この2作に関しては古来から多くの論議がなされてきたが、これがマルシリオ・フィチーノやピコ・デラ・ミランドラによって流布した新プラトン主義哲学に大きく影響されたものであることは間違いない。
ボッティチェリの簡単な評伝
偽ディオニュシオス・アレオパギタ Dionysius Areopagita(500頃)…
「天上位階論」「神秘神学」ほかの神秘主義的著作の著者は、昔は聖書にも登場する伝説的人物、アテネのアレオパゴスにおいてパウロに改宗させられた裁判官アレオパギタであると信じられていたが、19世紀後半には著作中に見受けられる明らかな新プラトン主義の影響などから、500年頃の神秘主義思想家であることが明らかになった。この故に彼は「偽」ディオニュシオスと呼ばれる。
亜欧堂田善(あおうどう でんぜん 1748-1822/寛延1-文政5)…
江戸後期の洋風画家。本名永田善吉を略して田善と号した。亜欧堂はアジアとヨーロッパにちなむ堂号である。陸奥国須賀川の生。松平定信から銅版画(エッチング)の研究を命ぜられ、はじめ司馬江漢についたが、やがて定信周辺の蘭学者の協力を得て、江漢とは別途に銅版画や油絵の技法を習得した。
彼は数多くの輸入西洋銅版画を写して画法を磨き、またその模刻を行った。宇田川玄真著「医範提綱」の銅版挿絵などの仕事も多いが、彼の本領は大小多数の銅版江戸名所風景図にあり、その洋風画法と銅版術は江漢より進歩している。<参照:日本美術史事典(平凡社)>
マンテーニャ,アンドレア Andrea Mantegna(1430/31-1506)…
1430年頃パトヴァで生まれた北イタリア絵画の巨匠。作品のサイトはこちら。ドナテッロに影響を受け、堅牢な造形性、緻密な描写を特徴とする絵画によって同時代の画家ジョヴァンニ・ベッリーニ、またフェラーラ派の画家やアルブレヒト・デューラーにいたるまで多大な影響を与えた。代表的な作品としてはミラノ・ブレラ美術館の「死せるキリスト」、マントヴァのドゥカーレ宮にある「結婚の間」の壮大な壁画装飾などがある。
ロマンの泉美術館…
新潟県弥彦村(田舎です)にある蔵書票を中心とした小さな美術館。エロティシズム、デカダンスの画家フォン・バイロスのコレクションがある。館長は詩人で、雑誌「薔薇族」の編集長でもある伊藤文學氏。別に宣伝するわけではないが、行きたい人がいかも知れぬので住所と連絡先を記そう。
新潟県西蒲原郡弥彦村大字上泉宇込道 TEL:0256-94-5100

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