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年間ベスト FritzLanger!(フリッツ・ラングfan) 日本映画 その他雑文

BEST3:

「グラディエーター」

  古代ローマのコスチューム・プレイなんかがヒットするわけがねーという現代の常識に果敢に挑戦、みごとにヒットを叩き出したということ自体も賞賛するべきなのだろうが、なんといっても長く才能を使い果たしたと思われていたリドリー・スコット監督が、いまだ健在であるを証明してくれたことがオレ的には感動的だった。
 とにかく色彩、照明、コスチュームなどの美学的仕掛けが凝りに凝っており、見ているだけでまったく飽きないゴージャスな世界が眼前に展開する。かつてセシル・B・デミルやなんかの史劇を劇場で胸ときめかせて見てたお客たちはこんな気分だったのか?なんてことも思ったりするほどだ。風にはためく旗ひとさしですら画になっており、もはや陶酔境。
 主人公マキシマスは愚直な人物で、ヒーローとしてはちょっと一本気に過ぎ、融通がきかない感じだが、ラッセル・クロウにとってはいい役だったのではないかと思う。こういうタイプの人物は長生きしないおかげでヒーローになれるのだろう。アンソニー・マン監督「ローマ帝国の滅亡」とラストシーンまで同じ話だが、オレ自身も「ローマ帝国の滅亡」は半分くらい忘れているので、ほぼ新鮮な気持ちで見ることができたのだった。しかし、クライマックスの異常なまでの盛り上がりは旧作の方が上。リサ・ジェラード、ハンス・ジマー組によるスコア・サントラも今年一番よく聞いたスコア盤だったが、スコアファンの間ではホルスト、ワーグナーのあからさまなパクリが問題視された。


2000年製作/アメリカ
監督:リドリー・スコット
出演:ラッセル・クロウ、ホアキン・フェニックス、リチャード・ハリス、オリヴァー・リードほか