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BEST4:

「クッキー・フォーチュン」

なにしろこれまではアルトマン監督作といえば「プレタポルテ」しか見たことがなく、またこの一本の後に傑作の呼び声高い「ニューヨーカーの青い鳥」などもビデオで見てみたが、両作とも全然ノレなかった。そんな自分ながらこの「クッキー・フォーチュン」は120%おもしろかったので、おそらくアルトマンが分からない人でも楽しめるアルトマン監督作、ということになるんだろう。個人的には、本作の見所はジュリアン・ムーアの全出番と、リヴ・タイラーがナマズをさばくシーンである。黒いゴムでできた、いかにもゴム臭そうなオーヴァーオールをまとった短髪のリヴ・タイラーがナマズをさばく!容易には忘れがたい。
 この映画を語るにあたってはナマズナマズと連呼してちっとも映画の本質に触れられない(分かっていないせいかも)のだが、「I LOVE ペッカー」におけるカメラと同様、「クッキー・フォーチュン」におけるナマズも、単なる小道具のように見えて意外と映画全体の呼吸を支配する重要物のように思えてならない。いや、そもそもこの映画の登場人物は、そういえば実際ナマズに似ていた黒人のおっちゃんチャールズ・S・ダットンのみならず、半分くらいナマズの化けたモノなのではなかろうかとすら思われる。軽やかながらフテブテしいナマズ的傑作だ。


1999年製作/アメリカ
監督:ロバート・アルトマン
脚本:アン・ラップ
出演:グレン・クローズ、リヴ・タイラー、ジュリアン・ムーア、クリス・オドネル、チャールズ・S・ダットンほか