第33話 要塞対要塞(脚本:河中志摩夫 絵コンテ:牧野行洋 演出:上田芳裕)
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ストーリー:ネグロポンティは更迭され、新国防委員長にはアイランズが就任した。アイランズはハイネセンに駐留する唯一の艦隊である第1艦隊の出動を許可しなかった。このためヤンは、各星系の兵力と合流しながらイゼルローンへ向かっていた。その頃イゼルローン要塞では、ヤンの不在を悟られぬよう迎撃し、ヤンの来援を待つという方針で、要塞司令官代理のキャゼルヌらが指揮を執っていた。数度の小競り合いに続いて要塞主砲の撃ち合いが始まった。これは要塞同士のの引力を利用して潮汐を作り出し、その背後からミュラー艦隊が攻撃するという帝国軍の作戦だった。これに対し同盟軍は、メルカッツが彼自身の発案でヤンの旗艦ヒューベリオンで発進、ミュラー艦隊を包囲して砲撃し、要塞への上陸を阻止した。ヤンの奇策をおそれて作戦に失敗したミュラーは後方へ下がるようケンプから命じられた。ミュラーは忸怩たる思いがあったが従わざるを得なかった。こうして戦況は膠着状態になったが、先の白兵戦時に帝国軍の捕虜となった者から“ヤンの不在”の情報が漏れる。ミュラーはこの真偽を疑った。

キャスト
ケンプ;玄田哲章
ミュラー:水島裕
フーセネガー:依田英助
パトリッケン:大山高男
アイベンドルフ:桑原たけし
オルラウ:梶哲也
ドレウェンツ:真地勇志
 
 

ナレーション:屋良有作
 
 
 
 
 
 
 

 

ヤン:富山敬
フレデリカ:榊原良子
ユリアン:佐々木望
キャゼルヌ:キートン山田
シェーンコップ:羽佐間道夫
ムライ:青野武
フィッシャー:鈴木泰明
アッテンボロー:井上和彦
グエン:小室正幸
パトリチェフ:塩屋浩三
ポプラン:古川登志夫
コーネフ:鈴置洋孝
リンツ:小杉十郎太
メルカッツ:納谷悟朗
ビュコック:富田耕生
アイランズ:田中康郎
 平野正人
 山崎たくみ
 菅原淳一
 北島淳一


冒頭3、4分ぐらいの場面で、シェーンコップが「参謀長のご意見はもっともです。ただし、付け加えるんだったら敵が出てくるのを待つことはありません。こちらから同じ策で仕掛けてもいいでしょう」とか言いながら、コーヒーカップを指でぐるぐる回してるんだけど、真似してやってみたら案外難しい…。っていうか危険! 原作にも「空のコーヒーカップを指先でくるくるまわした」とあるけど、あーゆーふうにまわしていたとは。
この回の戦闘時のBGM、気に入っています。特に前半。「白鳥の湖」(チャイコフスキー)の舞い踊るような旋律が、ローゼンリッターの白兵戦シーンを華麗なイメージで彩る感じで素敵。さらに、気に入っているのは、その次の艦隊が動き始めるのと同時に始まるベートーヴェンの「交響曲第7番-第4楽章〜第1楽章」。奏で始める間合いが絶妙…。要塞対要塞という、銀英伝全話の中でも屈指のでっかくて、しかも燃える作戦をいい感じで煽ってます。
予告:イゼルローンへの帰路を急ぐヤン。一方同盟の増援の到着を知った帝国軍は、これを逆用して一挙に回廊突破を図る。だがイゼルローン要塞の中でその作戦を見抜いた者がいた。次回、銀河英雄伝説第34話「帰還」。銀河の歴史がまた1ページ。