“0” <02>
次から次へとアスランの指と唇は僕の体を変えていった。その場所から甘い熱が出ているようで頭が朦朧とした。一瞬ずつの痛み。紅い印が無数、白い素肌に残された。
そんな中で必死に抵抗し続けている自分の体。
「んっ、ん...やっ」
「嫌がっても体は正直だね、こんなに綺麗に色付いてる。わかる?キラ」
「わかんないっ!」
わかりたくもない、自分の体の変化なんて。いくら灯かりが消えていても。
しかしアスランには全部見えているのかと思うと、それだけでもなぜか体が反応を示した。
嫌なはずなのに。
自分の”好き”を否定され、無理やりこんなことされて...。
そうアスランが無理やり。理由も教えないで無理やり。
いつものアスランじゃない。ホントのアスランじゃ...。
胸の二つの突起を指と舌で愛撫され、声を絶え間なくあげているのに、思考の方割れでは冷静にそんなことを考えていた。
初めてのこんな行為。相手は親友。それも男。思考回路のどこかが壊れてもおかしくないと思って続けた。
否定された僕の”好き”。どうしてアスランは否定したの?違うと言い切った?
「あっ...あすら...」
息が多く混ざり過ぎて、音に出せない。けれどアスランはそれを聞き取り、手を止め聞き返した。
「どうした、キラ」
「...すき...って...」
好きって...好きって。
好きという気持ちって...。
愛情と友情って...。
「なにが...何が、違うの?...アスランの好きも...僕の好きも...好きだよ?...なのに...」
「じゃあ、キラは俺にこういうことされて、うれしい?」
「...それは...よくわからないよ...。嫌だけど、こんなに近くに君がいるって思うと、うれしい」
そう。
うれしい。
アスランといれることが。
「僕は、ずっと好きな人と一緒にいれればそれでいい。ずっといつまでも...。それが叶うなら、僕はアスランが望むならこういうこと...我慢できると思う。うぅん、我慢じゃなく本心でちゃんと応えることができようになると思う」
確信もない告白。自分の思いが文法を完全に無視して次々流れ出た。
考え直すと自分はなんてこと言ったのだろう、と後悔に自己嫌悪。
しかしそんな中でも最後に言いたかったこと。
「アスラン、好き。ずっと一緒にいて...それが僕に君が気付かせてくれた愛の形だから」
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