はじめに
はじめに
都市の構造は、都市の数だけ違うものである。しかしながら、近年多くの都市に於いて共通の問題が発生していると言われるようになった。いわゆる中心市街地の空洞化問題であるが、この問題の複雑さは、単純に商業や土地政策だけの問題でなく、広く総合的な都市政策全般の問題であると思われる事からも伺えるのだが、現実の空洞化問題への対応策は、多くの場合全体の姿をとらえた上でのものではなく、場当たり的・その場しのぎ的な政策が多い様に見受けられる。又、活性化政策の中には、誰の為のものなのか判然としないものも多く見受けられることや、活性化政策が何故必要で誰の為に行うものなのかが判然としない場合が多い。
本研究における究極の目的は、中心市街地活性化が必要なものなのか、必要であるならばどのようにして活性化を行うべきなのかを明らかにすることであるが、その為の基礎研究として中心市街地の空洞化とそれに対する活性化の過程を明らかにし、活性化政策を分析することによって、問題点をより明らかにする事を第1に考えていきたい。
研究の手法としては、都市形成の過程及び中心市街地形成の過程を調査し、その上で中心市街地空洞化の原因等を文献調査等によって行い、中心市街地問題の構造についての把握に努めたいと考えている。その中で、中心市街地に対する実際の政策を研究するために、事例として同じように人口急増都市であり、類似点も数多くありながら、全く違う政策を選択している三田市及び川西市の中心市街地に対する認識及び活性化政策を取り上げ、分析と評価を行ってみたい。
本論文では、第1章で中心市街地活性化とは何かを論じた後、第2章において、中心市街地の形成と衰退の原因について、第3章で中心市街地活性化の意義を、第4章で事例として三田市・川西市の中心市街地活性化の過程と現状及び問題点について述べていきたいと思う。第5章で中心市街地の未来についての私なりの展望を明らかにしたい。
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