風が取り残される場所
今日も最終電車のベルが鳴り
掴み所のない一日が走り出す
朝日とともに積み木を重ね
太陽の下で時間を浴び
紅の狭間に疲れを溶かし
闇の中を手探りで歩き行く
ガタガタとがなり立てる受話器の向こうに
ボクはいったい何を求めるのか
カタカタと音を起てる鞄の底に
ボクはいったい何を夢見ているのか
降り立った静かな駅のホームで
過ぎ去った夏の香りに身を委ねてみる
今日一日を追い立てる残り風に
自分の明日を乗せるように両手を広げる
遠く離れた街の青い空の下
明日を抱いた風見鶏はどこにいる