詩とイラスト[ Like A Moon ]コトバノカケラ 詩集6 喪の香り

喪の香り

経ちどころに消え逝く煙のように
残り香が香り切々と時を刻む

悲しみに暮れる暇すら与えられず
命の限り靴底を擦り減らす

何もすべきではない
何も求めるべきではない

落ちていく一握の砂を握りしめるだけ
全ての瞬間で崩れ落ちる砂の城のように