なまじゅ日記 1999年8月


8月31日(火) 雨

 今朝、初めてエサを与えた。エサをぱらぱらっと振りかけると、じゃかずさんとじゃこずさんは沈んできたエサに一直線に向かって来て、水底を掃除するようにむしゃむしゃ食べ始めた。買ってきてから今日までエサを与えていなかったので、かなり空腹だったようだ。
 夜、帰宅してからもエサを与えたが、これもあっという間に平らげた。多くの魚は、エサを与えただけ食べてしまうという話を聞いたことがある。自然環境ではエサが余るなどということはまず起こり得ないため、「エサがあったらあるだけ食べよ」と命令する遺伝子に魚は支配されているようだ。それが自然環境では適応的な方略である。しかし、この方略は水槽の中では必ずしも適応的ではない。人間が大量にエサを与えてしまうことがあり得るからだ。たとえ1週間くらいエサを与えなくても魚が餓死することは滅多にないが、エサの食べ過ぎで死んでしまうことはあるので、エサのやりすぎには気を付けなければならない。
 今日は仕事場の高いデジカメを借りてきたので、結構いい写真を撮ることができた。この写真は、じゃかずさんとじゃこずさんがいつものように仲よくくっついている時のもの。手前にいるのがじゃかずさんで、後ろにくっついているのがじゃこずさん。背鰭の斑点模様が違う。じゃかずさんは背鰭の斑点が3つ、三角形を描くように配置されているが、じゃこずさんは背鰭の斑点3つを直線で結ぶとまっすぐになる。また、じゃこずさんの方が多少細めのようだ。今日はじゃかずさんの方が騒がしく、こうしてじっとしていることは滅多にない。

8月30日(月) 曇り時々雨

 今のところ、じゃかずさんもじゃこずさんも病気などなく、元気に水槽の中を泳ぎ回っている。2匹とも、たいてい水槽の底を這うように、高速移動している。全く水面には上がってこない。
 僕が植えた水草はハイグロという種類らしく、茎の途中からどんどん根が生えてくる。ゅさんによれば、この根の部分を切り取り、他の場所に置いておくとそこから発芽して、1本のハイグロができあがるらしい。また試していないが、近々やってみよう。
 掲示板で僕の使っている"BICOM 78"(淡水専用硝化菌)について質問があったので、僕の回答をここにも残しておこう。

Bicom78の説明によれば、使用するのは、
 1.水槽の新規セット時
 2.治療薬使用後の水換え時
 3.エサ食いが、悪い時
 4.えら病や白点虫病などの予防時
 5.水換え時の早期水質安定のために

これは亜硝酸が出来てからとか考えずに、最初に入れてしまって大丈夫のようです。2日でアンモニアが落ち、7日ほどで亜硝酸が安定するそうです。また、内容物は生きたバクテリアのため、開栓後はなるべく早く使用したほうがいいようです(生もの)。

 また、これは定期的に入れる必要はなく、最初に入れてしまえば基本的に放って置いても大丈夫。これを導入することによって、アンモニアや亜硝酸を硝化することができる。自然にバクテリアができるまで2ヶ月もかかるため、人工的に投入することが必要になるわけである。
 さて、明日からいよいよエサを与えようと思う。じゃかずさんとじゃこずさんはどんな風に食べるのだろう。あのはしゃぎようから考えて、食欲は旺盛と見た。

8月29日(日) 晴れのち曇り

 今日はマイカル小樽に行ってきた。マイカル小樽は、札幌の隣街小樽市(最近、よく食中毒が発生している街などと書くと失礼だろうか)の小樽築港駅に隣接した、百貨店が3つ程くっついたくらい巨大なショッピングゾーンだ。この不景気によく、とか思うが、海外の資本が入っているらしいと聞いた。
 もちろん目的はなまずとなまず飼育に使える道具の探索。ペットショップは期待に反して1店しかなかったが、でかいなまずが泳いでいた。でかいなまずは2匹いて、1匹がレッドテールキャット。こいつは1メートル近い大きさまで成長している。もう1匹はセルフィンプレコで、こいつも50センチくらいの体長があった。それにしても昨日、セルフィンプレコを買わないでよかったなあ、と胸をなで下ろす。あんなに大きくなったら、とてもうちでは飼えそうにない。
 セルフィンプレコはどこにいるのかなかなか分からなかったが、よくよく見ると、水槽の隅にでかい唇を吸い付けて眠っているようだった。それにしてもまぬけで油断した感じがたまらない。眼と眼の離れたところなんかも愛嬌があってかわいらしい。
 一方、レッドテールキャットは、元気に右へ行ったり左へ行ったり、動き回っている。もちろん図体がでかいので動きは非常に緩慢だが、水槽の端でターンする時など、くいっ、くいっ、と上手に身体をひねらせるところなんかたいへん優雅である。長く延びたひげといい、僕の飼っているピクタスキャットの親分みたいな風格がある。確か値札には\130,000などというとても買えないような値がついていたが、子どもは\9,000で売ってくれるとのこと。昨日、熱帯魚屋さんの人が話していたことだが、レッドテールキャットは成魚になるのに時間がかかるため、20年以上生きるそうだ。また、アロワナなんかは50年も生きるために、へたをすると人間の方が先に逝ってしまいそうだ。
 さて、今日もじゃかずさんとじゃこずさんは仲よく元気に泳いでいる。相変わらず落ち着きがない。しばらく観察していると、水槽の端で2匹がおもしろいダンスのような動きをしているのを発見した。じゃかずさんが水槽の角を下からひげでなめるように上がっていく。そうすると、その後をじゃこずさんが付いていき、やはり同じように水槽の角を下からすすすっと泳いで上る。じゃこずさんが上っている間にじゃかずさんはじゃこずさんの背後から水槽の底に下がり、また角を上り始める。それを2匹で繰り返しているのだ。水面に向かって上る時、じゃかずさんもじゃこずさんも頭部を左右に振りながら上るので、たまらなく愛嬌がある。この動きは引き続き観察が必要だろう。なお、まだエサは与えていない。

今回の買い物(いずれもマイカル小樽内で購入)

  1. NISSO PC・ミニ(水換え時になまずの待避場所となる、カブトムシを飼うようなプラスチックの小型水槽:\198)
  2. NISSO ヒーターカバー Sサイズ(魚がヒーターにくっついて火傷しないように:\480)

8月28日(土) 晴れ

 なまずを買ってきた。今は水槽の上に買ってきたままのビニール袋を浮かべ、少しずつ水槽の水を入れつつ慣らしている。
 買ってきたなまずは、タイガープレコではなくて、ピクタスキャット。長いひげと斑点模様がかわいいので前からほしかったのだが、なかなかお店で見かける機会がなかった。今日は運よく巡り会えたのですぐに買った。1匹1,600円で、お店の水槽には2匹がなかよさそうに泳いでいたので2匹とも買ってきた。ピクタスキャットは雑食で、小さいグッピーなら食べてしまうとのこと。プレコなんかとはまぜこぜにして飼っても大丈夫らしい。
 それにしてもよく泳ぐ。隣のセルフィンプレコなんかはじっとして水槽にへばりついていたのに、この2匹は水槽のなかでひっきりなしに動いている。で、顔を寄せるとこっちに来るなんて愛嬌を振りまいたりしてとてもかわいらしい。
 熱帯魚屋さんの人からいろいろアドバイスをいただいたので、箇条書きにメモしておこう。

全く新しく「水を作る」ときの注意点

  1. 魚を買う前に「水を作る」時、そのまま水を放って置いてもだめ(水が腐るだけ)。
  2. 生物的な濾過ができるようにバクテリアが必要→バクテリア繁殖用の溶液(硝化菌)を買う・活性炭を入れておく。
  3. もちろん魚を水槽に入れておいてもバクテリアは発生するが、それには2ヶ月もかかる。
  4. 活性炭は通常2週間に1回は取り替えないといけないが、パックのものをフィルターの部分に入れておくタイプであれば2ヶ月はもつ(パックは最初撥水するので、きちんと水でもみ洗いして用いること)。
  5. 魚を買う前に、できればめだかの様な魚を飼っておき、水槽の生物的濾過装置を完成させておくのが好ましい。
  6. 生物的な濾過が全くできていない水槽であっても、硝化菌と活性炭を導入すれば、すぐに魚を入れて構わない。硝化菌は多少入れすぎても大丈夫。

今回の買い物

  1. ピクタスキャット2匹(1匹\1,600)
  2. テトラ ディスカス ブリーダー Red(ディスカス用のエサ。150g:\2,000)
  3. BICOM 78(淡水専用硝化菌110ml:\1,780)
  4. Tetratest pH(pH試薬50回分:\1,480)
  5. TetraTest NO2(亜硝酸試薬50回分:\1,580)
  6. 流木(1個:\1,000)
  7. HIKARI WAVE カーボンパック(活性炭2パック入り:\350)

 なお、現在の水槽はこんな感じで、元気に泳いでいるピクタスキャットはこちらこの写真の右にいるのがじゃかずさんで、ちょっと鼻が長くておとなしめです。左のじゃこずさんはじゃかずさんよりスマートでいつもおおはしゃぎします。

8月27日(金) 晴れ

 今日から「なまじゅ日記」を執筆することになった。といってもまだなまずを飼っているわけではない。掲示板でpataさんにけしかけられる感じで始めた日記ということもあり、どこまでまじめに続けるかは謎だが、飼育日記は後から見ても役に立つものだと思って書くことにした。日記は大学時代4年間続けた記録はあるが、「なまじゅ日記」はできれば週1度くらい更新できたらいいなと思っている。
 現在、ゅさんに送ってもらった40センチ(26リットル)水槽(NISSO Clear Stingray L)、電子式サーモスタット(NISSO ホットセット300)、蛍光灯(NISSO フレキインバーターライトF430)、フィルター(Tetra OneTouchFilter 45cm水槽用)の環境に砂利を引き、水草を植えて、カルキ抜き(Tetra ContraChlorine)を加え、水を作っている。金魚は何年か飼育した経験があり、丈夫に思われる金魚でも水道水に入れるとたいていすぐに死んでしまう。実家の水道にはカルキ抜き用のフィルターを取り付けてあるが、それでも1日ベランダで天日に当ててから1/3だけ水換えするようにしている。そうたらずいぶん長生きするようになった。魚にとっての水は人間にとっての空気と同じ。しかも、飼育水槽は閉じられた環境のため、定期的な水換えや、各種試薬によって常に水質をチェックする必要がある。また、水草を植えて育てるつもりなら、1日8時間程度蛍光灯に晒した方がいいらしい。植物が光合成をするためには光と二酸化炭素が必要なのは言うまでもない。二酸化炭素の添付などもする人がいるらしい。水草は魚に必要な酸素を供給しくれるし、魚は水草に必要な二酸化炭素を排出する。よい水槽には水草と魚のいい関係ができるはずだ。
 水は22日から作ってあり、明日なまず本体を買いに行く予定。ついでに、pH、硝酸、硝酸塩などの濃度を検査する試薬、活性炭、ヒーターカバー(プレコなどの場合、ヒーターにくっついて唇をやけどする場合があるらしい。「すいつきなまず」などと呼ばれるくらいだ)、流木なども買い足さなければならないだろう。活性炭はアンモニアを吸い付けてくれるし、流木はなまずの隠れ家になる。
 飼うなまずは、タイガープレコを予定しているが、もっとかわいい子がいたらそちらに浮気する可能性もある。水槽の幅が40cmのため、あまり大きいのは飼えないが、10cm程度になるのが手頃だと思う。今日はこれくらい。


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