春花「ツカサー、見て見て!」
司「ん?」

 春花がゲーム機を抱えてやってきた。
 前に遊んでいたのとは別の機械だ。

司「どうしたんだ? それ」
春花「寛が拾ってきた!」
司「で、直したのか?」
春花「うん! 一緒に遊ぶ!」
司「ああ、わかったよ」

 特にすることもなかったので、付き合うことにした。
 今回は前とは違い、アドベンチャーゲームを遊んでいるようだ。
 声入りのそれをぼんやり眺める。



『あたしには妹なんていないわ』(CV:川澄綾子)



青葉「これよ!」

 青葉がいきなり画面を指差して叫んだ。

司「な、何が?」

 とりあえず突っ込んでおく。

青葉「このゲーム、末莉にもやらせた方がいいわね。そうすれば、私がどれだけ迷惑して
いるか、少しは理解できるでしょう」
司「お前、このシナリオのエンディングを知らないだろう。姉と妹は和解するんだぞ」
青葉「あら、そうなの。ところで、どうして貴方はそんなことを知っているのかしら?」
司「……うぐぅ……」

 答えに詰まった俺は、変な風に唸った。
 俺の側に末莉がやってきて、小声で言った。

末莉「おにーさん。今度のイベント、一緒に行きませんか?」
司「……あぅ……」

 イベントって何だ………とは言えなかった。