パルフェ chocolat second brew-/Windows
 
2005.04.19
 
 本作は、TGLのソフト部門ブランド・戯画制作のエロゲです。
 
 とりあえずTGLでサーチしてみたらなんかやたらお堅い企業サイトが見つかった、と言
 
うかあれ? なんかフツーのソフト会社っぽいですよ? 戯画のサイトへのハイパーリン
 
クはどこですか? 状態で、戯画の元締めはTGL企画という似た名前の全く別の会社だと
 
言うことに気付くのに15分ほどかかったのはヒミツです。
 
 TGLは確かDOS時代にV.G.を出して、エロゲでもストII並みの格ゲーを作れると言うこと
 
をリッパに証明した職人気質のエロゲソフトウェア、アボパ的技術屋イメージがあるのは
 
ぼくだけでしょうか。
 
 エロゲ格ゲーといえばメルティブラッドがアーケードゲームになったそうで、いやいや
 
月型とナベちゃん(馴れ馴れしい略称)は凄いなぁ、とほっとけばどこまでも話が横滑り
 
していくのでこの辺でやめときます。
  
 
 
 
 
 
 さてパルフェの話ですが、ぼくがこのソフトを遊ぼうと思ったのは、前作キュリオがな
 
かなかの傑作であったからです。
 
 キュリオもPC版が出た当時は全く興味が無かったのですが、アルケミストによってDC移
 
植された際、ファミ通のライター語りページ(クロスレビューのすぐ後ろ辺りにある、ラ
 
イターが1ページ丸々使ってお気に入りゲームを語るコーナー)で絶賛されたのを読んで、
 
「ふむ、なかなか良さそうだな。いつかやろう」
 
と脳内チェックリストに加えておいたわけなのです。
 
 はっきり言ってファミ通は好評より悪評の方が多く、ぼく自身も好きじゃないゲーム雑
 
誌ですが、このライター語りページだけは信用してます。
 
 大名作My Marry Mayシリーズも、このライター語りページで紹介されていたのがプレイ
 
の大元のきっかけでしたから。
 
 そんなわけでキュリオというタイトルを頭の片隅に留めて日々を過ごし、2月下旬頃中古
 
ショップで比較的安く売っているのを見つけて購入。
 
 久しぶりにDCを引っ張り出してみたらこれが予想外に面白く、あっという間にフルコン
 
プ。
 
 3月末に続編にあたるパルフェが出ることを知り、これは買うしかない! と決意、そ
 
して購入・プレイしたらこれまたかなり面白く、大変気に入ったので、こうやって感想雑
 
記を書きたくなった次第なのであります。
 
 ああ長い前フリ。
 
 
 
 
 
 
 そういうわけでパルフェの話ですが(前段も同じ書き出しなのは忘れるように)、戯画
 
へのハイパーリンクを張ってますんで、まずそっち見てきなさい。
 
 ストーリーとキャラクター紹介は基本ですが、何より
 
システム紹介ページを絶対見なさい。
 
 とにかくですね、本作の最大のウリはシナリオでもキャラでも音楽でもなく(いや、無
 
論それらも良く出来ているのですが)、システムと言って良い。
 
 エロゲーでギャルゲーで萌えゲーでシナリオゲーなのに、最大のウリはシステムと言っ
 
て良い。
 
 それっくらい、システムが非常に良く出来ている。
 
 基本は言わずもがなの例のシステムですが、よくもまぁここまで痒いところに手が届き、
 
しかも安定感あるシステムを構築できましたな、と。
 
 特筆すべきはイベントシートで、各ヒロインのトゥルーエンド・ノーマルエンドへ行く
 
ための重要イベントがハッキリ明示され、しかも詳細な発生条件まで教えてくれる親切っ
 
ぷり。
 
 アイルに匹敵する完成度の高いシステムです。
 
 ぼくは前々から、ADV32システムはシナリオを見せることだけに特化したシステムで、
 
それ以上でもそれ以下でもないと言ってきましたが、ここまで丁寧に作りこまれていれば
 
話は別。
 
 初めてONEをプレイした時のような衝撃を受けました。
 
(一応解説。ONE以前のエロゲは、今のようなADV32システムはほぼ皆無で、コマンド総当
 
りタイプだったりあちこち移動して目当てのキャラを探したり、という機械的作業をしな
 
ければ先へ進めないことが多かったのです。エロゲの歴史を変えたと名高い同級生にもこ
 
の縛りが存在しました。まぁ同級生の場合は画面上をクリックしまくって様々なメッセー
 
ジを見るのもまた楽しかったし、Only Youのようなシステム面での面白さを持ったゲーム
 
もあったので、一概に悪いと言うことはできませんが、そんな中で登場したONEは、シナリ
 
オを見せると言うことだけにシェイプされたスマートなシステムでした。ストレスの無い
 
システムと希代の名シナリオにより、ONEは大傑作としてその名を残すことになったわけ
 
です)
 
 戯画には、今後とも是非このシステムクオリティを維持して欲しいものです。
 
 
 
 
 
 
 
 エロゲの肝ともいえるシナリオ・キャラも、かなり良く出来ている。
 
 テキストが読みやすく面白いので、スムーズに読んでいけるのですね。
 
 というか、最近になってやっと気付きましたが、テキストのレベルが高いADVにハズレは
 
無い。
 
 良いテキストを書ける人が、くだらないシナリオを書くわけが無いのです。
 
 話の流れがスムーズで、内容が面白くて、感情移入できて、ちゃんと納得できるエンデ
 
ィングを迎える。
 
 強いて言えば若干ボリューム不足かな、とも思いますが、整ったシステムとテンポよく
 
話が進むおかげで、フルコンプ後のセカンドプレイ、サードプレイを気軽に楽しめるとい
 
う利点とも取れます。
 
 実際ぼくはそう感じて、コンプ後既に3回はプレイし直してます。
 
 で、また少し話が斜め上になりますが、本作や、最近プレイしたはにはになどは、基本
 
的に悪人がいない話なのですね。
 
 だから、ちょっと重い話になったりしても、決して胸糞が悪くなるような展開にはなら
 
ない。
 
 悪意ある人間がいないから、シナリオに嫌悪感を感じないわけです。
 
 だから、気楽に再プレイできるし、気楽に楽しめる。
 
 この反例としては、例えばめ組の大吾。
 
 大吾は確かに面白い漫画で、初めて読む時は時間を忘れて読み耽ってしまいますが、一
 
度読みきってしまえばそれまで。
 
 二回目・三回目と読む気が起きない。
 
 悪人がいるかどうかはさておき、あまりにもストーリーが重過ぎ、正直嫌悪感を抱いて
 
しまうために、何度も読み返す気が起きないわけです。
 
 シナリオが面白ければ大抵のことは許されると思いますが、ぼくは何度も再プレイした
 
くなるような話のほうが好きですねぇ。
 
 
 
 
 
 
 
 相変わらずダラダラしてとりとめの無い感想雑記でしたが、ぼくがパルフェを凄く気に
 
いったってことだけはわかってもらえたと思います。
 
 前作との繋がりは希薄ですが、全く無いわけでもないので、やはりキュリオから通して
 
遊ぶのが一番楽しめるプレイ方法でしょう。
 
 6/30にPS2でキュリオが発売されるそうなので、それと合わせてパルフェもプレイする
 
ことをお勧めします。
 
 両作とも、地味ながらかなり良く出来ておりますので。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 余談市。
 
 前作を知らなくてもプレイに支障はありませんが、ところどころに前作とのつながりを
 
感じさせる言葉が出てくるし、前作の某キャラもチョイ役でちょっとだけ出てきます。
 
 ですが、ぼくはこーゆーコラボはもっとやってもいいと思うのですよ。
 
 シリーズモノの続編を買うプレイヤーの大半は前作のファンだし、そう言ったプレイヤー
 
が前作のネタを使われて怒るかといえば、怒るわけが無い。
 
 ニヤリとして何となく楽しい気分になると思うのです。(少なくともぼくはそう)
 
 同じ喫茶店モノとしてMilky wayシリーズがあって、あれはかなり暴走してたけど、あ
 
れはあれで面白かった。
 
 せっかくの続編、せっかくのシリーズなんだから、無理に前作の色を薄めるより、適度
 
に盛り込んで見せた方が、シリーズのファンはもっと楽しめるんじゃないかなあ、と思う
 
次第です。
 
 
 
 
 
 
 
 余談尼。
 
 本作のマイフェバリットキャラは、言うまでも無いとは思いますがツインテール強気系
 
キャラの花鳥玲愛。
 
 ツインテール強気キャラには例外なく萌えてる気がしますが、ストライクゾーンど真ん
 
中なのでもうしょうがない。
 
 コンプ後のプレイの9割は玲愛トゥルーエンド。
 
 でも玲愛の場合、ノーマルエンドもこれはこれでフツーにハッピーエンドと思えてしまっ
 
たり。
 
 本作にはヒロインが6人いますが、設定的にメインヒロインと言えるのが里加子、シナ
 
リオ的にメインヒロインと言えるのは由飛・玲愛。
 
 他の三人のシナリオだって悪くないしさほど偏重があるわけでもないのですが、総合的
 
に判断すればやはり上記三人が頭一つ抜き出るわけです。
 
 ついでに言えば里加子は、トゥルーエンドとノーマルエンドがほとんど同じなのですが、
 
そこへいたるまでの過程が違う。
 
 ノーマルエンドで「ん、これはどういう意味だ?」な不可解なセリフが、トゥルーエン
 
ドを見ることで理解できるようになる。
 
 この辺、実に上手い見せ方です。
 
 キュリオの頃から、こういったシナリオの絡ませ方が上手かった。
 
 いやホント、このやり方を是非多くのプレイヤーに見ていただきたい。
 
 
 
 
 
 
 
 余談酸。
 
 実はこのページの文章全部、ToHeart2やりながら書いてました。
 
 まだファーストプレイ中ですが、結構面白い。
 
 話題にならなかったとは言え、不評というわけでもないので、それなりに楽しめて萌え
 
られることを期待。
 
 まーマルチシナリオのような一生忘れられないトラウマ級目玉シナリオは無いんだろー
 
けどさー。