更新日記&徒然草。 →トップページはこちら


■10/28(月)「トリプルX」〜「サイン」〜「ゴスフォード・パーク」〜疲れた。
 映画ざんまいワイドな日。まずはコマ劇前にてロブ・コーエン監督トリプルX。とにかく中欧の宝石プラハが舞台というだけでも自分的には見に行く価値大あり。話題のヴィン・ディーゼルが体をはりまくるジェットコースターアクションは目に快し。特に大雪崩の中でのスノボシーンは、燃えます!アーシア・アルジェントも良い感じ。あとは敵役にもうちょっと深みがあればなあ・・。世界を破滅させようとする秘密結社「アナーキー99」って、お前等それで何がウレシイのか!?
 つづいて新宿スカラ座でM・ナイト・シャマラン監督サイン。これはまあ、CNNの放送したドッキリな内容のホームビデオを観て過激なまでにビビりが入るホアキン・フェニックスに笑ってくれ!あとはちょっと・・というか途中しばし寝てしまったので評価下せる立場にないんだよね。妙に独裁的になったあげく地下室にこもろうとするメル・ギブソン、お前そりゃ「ナイト・オブ・リビングデッド」の人じゃないのか。
 恵比須ガーデンシネマでロバート・アルトマン監督ゴスフォード・パーク。いやあマギー・スミスってこんな役ばっかりですな。個人的にはマルレーネ・ディートリッヒのコピー女テイスト大爆発のクリスティン・スコット・トーマスが最高。まあ似てるというだけといえばその通りですが・・。英国貴族の館で一夜のうちに起こる事件を通して、貴族階級の横顔、その従者たちの横顔を丹念に描いた作品・・みたいに表面上はまとめることができようが、そんなに通り一遍のテイストには仕上がっていないところがアルトマンらしさなのか。個人的に「クッキー・フォーチュン」のときほど傾倒はできなかったが、見逃すべからざる映画でありましたなあ。お誘いいただいた両氏に感謝! 

■10/22(火)新書「世俗宗教としてのナチズム」
 かねてから読んでいたちくま新書の小岸昭著「世俗宗教としてのナチズム」読了。ナチズムを知ることは現代を知ることの第一歩であろうと考えている自分としては、"宗教としての"という切り口に少し興味深いものがあったのと、ヒトラーの山荘があったベルヒテスガーデンに関する記述が最初の章から出てくるのに惹かれ読みはじめた。ベルヒテスガーデンのヒトラー山荘「ベルクホーフ」は、観た人なら覚えていると思うがこの夏のWOWOWキラーコンテンツだったスピルバーグ製作のドラマ「バンド・オブ・ブラザーズ」の最後の舞台となった場所でもある。しかしながらこれは一種の文学的評論の域にある書物で、史実を実証的に分析したものではないので、個人的には少々食い足りない感じを残すものだった。ナチに山岳信仰の気があったことは間違いないだろうが、では聖なる山岳の中でじっさいヒトラー自身が何を考えていたのか?ということは、数少ない証言から類推する他ないということだろう。仕方ないところかも知れないが、やっぱり知りたいのは類推ではなく、事実とそれにベースを置いた客観的なヴィジョンなのである。
 このところ歯周病が悪化し、歯茎からの出血をくりかえしている。恐ろしいですな〜歯茎の病は。歯を磨いた後にぺっと吐いたものが血の固まりだったりして、何か昔の刑事ドラマに出てくる、不治の病に犯された敏腕刑事のごとき風景。(←40分後に殉職。)

■10/21(月)「インソムニア」。
 買い置いていた前売券が無駄になってしまう前に見なければ!と新宿ピカ3にダッシュ。クリストファー・ノーラン監督「インソムニア」を見る。まったく太陽の沈まない白夜のアラスカで、少女殺人犯を追うアル・パチーノ演じる刑事。しかし彼は自身の過去の捜査について内務監査に追求を受けており、追い詰められた状態で本来の所属であるロスからアラスカにやってきたのであった。彼はさらに殺人の捜査の中で取り返しのつかないミスを犯してしまい、状況的にも精神的にも行き場のないデッドエンド状態に陥ってしまう。そして彼の目蓋を撫でる白夜の光は、彼を不眠症(インソムニア)へと誘っていく・・というストーリー。
 かなり息苦しいストーリー展開であり、そのわりにはサスペンスや謎ときがあっさりした感じなので、サスペンスを期待して行った人の中には不満な人もいるのではないだろうか。しかしこの映画、最近ふと孤独感に立ちすくむことの多い自分にはかなりのヒット作だった。

(以下はストーリーの中身が述べられるので、まだ観ておらず、楽しみにしているという方は飛ばして下さい。)


 誰にも打ち明けることのできない過去の秘密を胸に持ったアル・パチーノは、唯一その秘密を共有していた同僚を自分のミスで射殺してしまい、その自ら犯した同僚殺しをまた自らの手で隠蔽しなければならなくなる。まさしく、空恐ろしいまでに孤独な状況である。そしてその最中、唯一パチーノの状況を知り手をさしのべてくるのが、少女殺しの殺人犯ロビン・ウイリアムスというのがまた忌わしい。ロビン・ウイリアムスは特別に残忍な人間ではなく、ただずる賢く計算高い人間に見えるが、パチーノをとりまく状況が彼を恐ろしい誘惑者にするのである。ただでさえクマのあるパチーノの目の下はどんどんドス黒くなっていく。つねに晴れ渡ったアラスカの美しい自然風景の中で話が展開するので、
画面に展開する画そのものは閉息感などあるはずのないものだ。しかしその中で、着実にパチーノの孤独は深まっていく・・。
 この展開が、恐ろしいながらも我々を魅惑するのは、実のところ誰の心にも巣食っている、生まれ落ちた時からの孤独感に共鳴するものがあるからではなかろうか?もっともこのストーリーが恐ろしいのは、その孤独の中で背徳が「お前の事情はよく分かる、仲間になろう」と囁きかけてくる事だ。人形のような瞳で偽善的なにやにや笑いを浮かべるロビン・ウイリアムスこそその背徳なのである。
 めまいのするような不眠の症状と己を包囲する孤独の中で、パチーノはある選択をする。孤独の中でどのように生きるのか?を描いている映画ととることもできるこの不眠症映画、実はいま孤独を感じている人こそこの映画を観るべきなのかもしれない。
 「メメント」を観た者としては映像表現にも期待したいところだが、一点感心したのはラスト近くに登場するパチーノのみる幻覚。いや〜まったく徹夜明けってこんな感じだよナ的に納得させられる。特に革命的な感じとは思えないが。


■10/20(日)ブーメラン旅行in松本〜諏訪。
 あずさ号に乗っていざ、松本へ!旧友3人と会う旅のはずだったが、みな諸事情で日取りがバラバラ。結局うち1人としか会えない旅となってしまった。そんでもってカメラつき携帯で撮った旅の思い出がコレです。

これが松本城(国宝)だ。 そしてコレが松本城のイメージキャラ(失笑)だ。 塩狩の駅でイベント運行していたD-51!動いてるSLは初めて観ました。 水蒸気もうもう。
いやカッチョいい。やっぱキカイの原点は蒸気機関っしょ!
諏訪はホントに諏訪大社と温泉以外に何もない町・・。そんな町のただ中を長距離トラックが何十台も爆走して通過していく。何か映画の舞台にでもしたいような郷愁をさそう町でありました。
諏訪大社秋宮。まとまっていてイイ感じの建築。 よく見えないと思うけど、狛犬の向こうに立ってる樹齢数百年という杉が、イイんすよ。 なんと、駅の構内で温泉に入れる!(ただし足湯のみ)オレが行った時は閉館時間後だったので残念。



■10/14(月)目黒の能楽堂再び+「元祖天才ピカソくん原画展」(←違う)。
 会社同僚バイト嬢の舞発表会を見に目黒の能楽堂へ。前回たしか去年の今頃だったよねと思ってたのだが、11月でした。(その時の記事)当時も6人そろって謡をやるおじさん達の管理職的日常に思いを馳せたものだったが、今回もまた、どー考えても能の歩みになっておらぬ仕舞を舞うおばあちゃんを見て「いやぁ〜わたしなんて全然だめよぉ、・・でもねえ、やっぱり能をやっていると姿勢がよくなるみたいねえ」などと井戸端会議で語る姿を想像してしまう。バイト嬢の(嬢ったってオレより年上ですが)仕舞はでも花があって良かった。衣裳もちょっと良い感じ。プロ公演でないとはいえ、能は舞台装置がない分、やっぱり装束を見て楽しんだりしたいものなのであります。聞いてみるとみんな自前みたいなんでゼータクは言えませんが。
 我が社の観客連はその後白金台を散策の後、ばらけて思い思いの地へ。私は上野の森へ殴り込み、「ピカソ〜天才の誕生」展を見に行く。ピカソとはいえ何しろガキん時の作品ばっかりだから「これぞピカソ!」って感じの作品はあまりない。モーツァルトの10番台の交響曲聴きまくるよーなモンではなかろうか?様々なタッチを試しており(ってこと自体はその後も変わらないが)ムンクみたいなタッチの絵とかもあったのが印象的。あと、パリに出てきた当時の作品がずらりと並んでいる所で、到着シーンを描いたの次の次あたりの絵に早速フレンチ・カンカン娘が登場。やっぱりどいつもこいつも、とりあえずは行くのか!歓楽街に!
 「生涯に8万点の作品を残しました」などと紹介に書いてあるので「その中には必ずやマンガの類いもあるであろう、特に中学時代に授業をサボってノートのすみに書き付けた4コママンガ『元祖天才ピカソくん』などといった畢生の大作があるハズだ」と考えた私だったが、コマつきのものはないにせよ、やっぱ実際マンガは多かった。芥川龍之介も原稿用紙のスミにマンガ書いてたしなぁ。表現の神は落書きBOY に宿るのかも。
 池袋で映画を見ようかと思うが、歩き疲れたので挫折。(・・ってのも去年のこの時と同じ)ピーダッシュパルコに入ってるタワーレコードに行き、「ロード・トゥ・パーディション」のサウンドトラックとちょっと前からほしかったエイミー・マンの新譜、安くなっていたカルミニョーラ(Vn)のヴィヴァルディ:後期VN協奏曲 と、注目の新譜!ラトル/ベルリン・フィルのマーラー5番など買う。

■10/13(日)父子たちの映画2題「ジョンQ」「ロード・トゥ・パーディション」。
 映画試写会で東京商工会議所ホールへ行く。ニック・カサヴェテス監督「ジョンQ/最後の決断」。デンゼル・ワシントン演じる工場労働者の父親が、息子の心臓移植手術を行わない病院に対して抗議+要求貫徹のために救急室占拠という挙に出る。熟練労働者への高額給与支払いを避けるために労働時間を減らされたデンゼルは、会社がそれとなく変更していた雇用制度のため、完全保障を受けることができないような保険に強制移行させられていたのだ。日本とアメリカとでは社会保障制度の違いはあろうが、ハリウッド映画の中だけの話には思えない。保険会社の息のかかった医者が、労働者に対して重大な疾病の恐れがあることをアドヴァイスしないように心掛ける・・という話も心胆寒からしめる。効率化・合理化、企業が生き残るために愛想笑いをうかべながら行う手練手管がそれと気づかぬうちに人々の命への梯子を外していくのだ。 一方でアン・ヘッシュが院長の病院側は患者に対して手術費用25万$の前金7万$を現金一括で支払わねば、臓器提供を受けるためのリストに名前を載せることすら出来ないと言い渡す。だからといって銃を持って病院を占拠するのがやるべきことだとは思えないが、自分の子供が同じ状況だったらどうだろう?映画が序盤で描く家族のふれあいがあまりにも微笑ましく美しいので、そんな想像をどうしてもしてしまう。父子の情愛を描くシーンはとても共感できるのだが、サスペンスシーンはあまりにも凡庸でありきたり。ここだけ監督が交代しているのでは?と思わせるほどだ。音楽も論外。
 3週ぶりの休日で一本だけは我慢ならんということで、かねてから見たかったサム・メンデス監督「ロード・トゥ・パーディション」見にワーナーマイカル板橋のレイトショーに行く。これまた父子愛の映画ながら、こちらは社会的なバックグラウンドが絡んだり等あまりしない、いたって単純な筋立てだ。しかし映画では、単純な筋立てを緻密に語る作品の方が感動は大きいもの。とにかく撮影の美しい映画で、特に素晴らしいのはクライマックス。最後に(最後だけに)海の出てくる映画に何やらオレは弱いが、この映画のクライマックスの美しさには本当に胸を打たれた。もっともこの映画で出てくるのは海のように広いけれども湖ですが。ジュード・ロウ演じるヒットマンもすごい。こういう象徴的なキャラクターは今どきの映画には滅多に出てこないのでは?トーマス・ニューマンの劇伴音楽も素晴らしい。
 吉田修一の芥川賞受賞作「パーク・ライフ」読了。石原慎太郎が罵っているのをどこかで見て読んでみたくなった小説・・と、今ブックマークから探してみるとヤスケン@bk1だった。名指しではないが「美穂の旅」が出てきたりするのが笑える。小さいことばかり書いてある小説なのだが、「くだらねえことばかり書いてあるなあ」という風には思わせないし、スターバックスが実名で出てきたりするが、現代風俗を陳列することに趣味を見い出しているようにも読めない。格別の快適さも眉をひそめさせるような不快さも感じることなく、すいすいと素直に読める小説だ。自分としては25Pの「公園のベンチで長い時間ぼんやりしていると、風景というものが実は意識的にしか見えないものだということに気づく」という一節から、主人公の目にニューヨークのスターバックスの店内や、高校時代の思い出等が次々と写っていくくだりが最も好き。これは特に新しいやり方ではないだろうけど、まあ、新しいからどうだ、古いからどうだという価値基準は賞の審査員にとっては重大でも、読者にしてみれば余計なお世話でしかない。石原の<私たちの属する国家社会の衰退を感じさせる昨今だが、どうもこの国の文学の方も衰退の感を否めない>なんて評言も、これまた余計なお世話というものだ。

■10/1(火)台風ではやあがり(他の人は)。
 戦後最大級と噂される台風21号の接近に、首都圏では日寄る会社が続出。ウチの会社も定時の6時を2時間さかのぼる4時に終了、続々と人が帰っていく・・。自分は定時を2時間遅れた8時に退社。ひさーしぶりにタワーレコード新宿へ。先月なかばからの流れでクリップス指揮の「後宮からの逃走」全曲盤を買う。ほかにはリゲティ・プロジェクト第三弾のリリースに乗じての値下げを狙い、リゲティ・プロジェクト第1弾など。帰り途の西部新宿駅前で、街路樹が倒れていたのと信号機の支柱が倒壊していた。やはりビル風などで増幅されて強烈になってしまうのでしょうか、あの辺は。

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