5月16日、新座多目的グランドにおいて4種リーグ戦(2節)が行われました。
チーム構成
T.F.C. U-12
6年 5年 4年 3年
小林 遼也 小林 渉 稲井 一隆 中道 麗心
植竹 祐人 佐々木亮弥 藤村 直樹
千葉 大夢 中根 康佑
斉藤 開輝 山口 智也
石黒 秀輝 石黒 華織
吉田 凌 石黒 彩織
飯田 将太
宮中 翼
相馬 あい
深井ほたる
相馬 瑠風
試合結果(11人制、20分ハーフ)
T.F.C. ー わらび錦
0 ー 3
T.F.C. ー 前川ドッグス
0 ー 0
総 評
今回は試合中や会場で、コーチがどんな事を考えているかをお話します。
一口に試合といっても、コーチの中ではその都度目的があって臨んでいます。みなさんにその趣旨を明確にお伝えすることもあれば、何も言わずに送り出すこともあると思います。ただ、どんな試合にせよ、必ずチェックすることがあります。それは「サッカー以外の勝負で勝てるか」ということです。
どんな種目、項目でもいいのですが、例えば鬼ごっこ・木登り・鉄棒・野球・バスケット・マラソン・リレー・相撲にはじまり、漢字の書き取り・計算・宿題・ケンカに至るまで、あらゆる場面を想像します。目の前ではサッカーの試合が行われているだけですが、コーチの頭の中ではかなりの数の種目のバトルが繰り広げられています。あくまでコーチの勝手な想像の範疇でのことですので、あまり気にしないでください。(笑)
さて、その多種目競技の勝敗を想像するにあたり、コーチがチェックするポイントがいくつかあります。躍動感・バイタリティ・表情・視線・・・待機中の振舞い、まぁ全体的な雰囲気も含め、コーチの今までの経験から勝手な勝敗表を毎回作成しています。サッカーで勝ち、その他の項目でも勝利を確信できるようなパフォーマンスをみなさんに期待していることは言うまでもありませんよね。
今年度に入り全少、4種リーグはじめ、様々な試合を見てコーチが感じる事は、選手一人ひとりに余裕がないことです。負けた試合はまだしも、勝った試合でもパフォーマンスに余裕を感じる事が出来ません。技術的に未熟な部分から起こる不安定要素も当然あるでしょう。それ以外にも、選手個人のモチベーション・フィジカル・メンタルの不足がパフォーマンスに影響しているとも感じています。これらをクリアしなければ、実戦で余裕を感じさせるプレーなど到底不可能な話だと思います。
技術が無く、身体も心も弱いということであれば、選手として全くお話になりませんが、コーチはみなさんをそのような選手だと思っている訳では決してありません。どうしたらもっと良いサッカーが展開できるかという可能性と、そのスイッチを模索しています。
みなさんは字幕付きの映画を見た事はありますか。もしくはパソコンで文字を入力したことは。。
画面に流れる日本語を読み取る能力がなければ、映画そのものを楽しむことは難しいでしょう。キーボードからいちいち文字を探して入力していたのでは、思考も遮られてしまいます。このような作業は本来無意識にスムーズに行われることが理想です。この部分に問題があったり、意識がいってしまうようでは、アスリートとしては二流です。どんなに映像に対する感性が優れていても、素晴らしい理論や思考を持ち合わせていても。。
練習では効率的な動作を徹底的に反復させ、反射的に良い動作を獲得します。実戦では全く意識せずに良い動作が自動的に再現される。。これが一流のアスリートだとコーチは思います。みなさんに今必要なのは、良い動作の反復と実戦での平常心だと感じています。
実戦でもう少し余裕が持てれば、どんなメリットがあるでしょうか。一言で言ってしまえば「サッカーを楽しむ」ことができるようになると思います。個性を出し切る・やりたい事を試す・狙い通りの試合運び・・・
これらを阻害する悪い流れになってしまう、その流れを変えられないのは、映画の字幕を追えなくなってしまうからで、それが多種目競技の架空の勝敗表の結果と重なって見えてしまって仕方ありません。
今の6年生が低学年の頃、チームは大勝するのですが局面では走り負け、あたり負けをする試合が多かったのです。試合には勝ったけど鬼ごっこでは負ける、そんな事をよく考えていたものです。サッカーチームなのだからサッカーで勝てば良いのかも知れませんが、その事に対してコーチはものすごく危機感を抱いていました。
その後様々な取り組みを経て6年生になりましたが、現在でも架空の多種目競技でのアドバンテージを感じる事は残念ながらほとんどありません。
あまり良い表現ではないかも知れませんが、どう見ても技術・経験でこちらの方が上回っていると感じるチームとの対戦でも、負けたり勝ちきれなかったりすることが頻繁にあります。サッカーの実力とは技術や経験だけでなく、あらゆる要素が入り交じって評価されるものであると、改めて感じさせられます。
技術や経験以外の要素には、どんなものがあるのでしょうか。それは「勝つために必要なもの」であり、「あらゆる競技・分野において共通するもの」であると思います。それらを含めて良い選手・良いチームという評価がなされるものだとコーチは思います。
具体的には、走る・止まる・曲がる・ぶつかる・飛ぶ・投げる・蹴る・見る・考える・工夫する・表現する・準備する・やり抜く・決める・闘う・楽しむといったような基本的な能力があげられると思います。6年生は特に「走る・闘う」が弱いので、実戦でのメンタリティがいつも「怒り・恐れ・不安・逃避」になりがちです。
これを克服するためには、なんといっても走りの質を高めるしか方法はないと思います。どんなに走りや闘いのモチベーションを要求されても、現状では武器を持った相手に素手で勝負するようなもので、やはり無理があります。地道な作業になりますが、身体能力の向上が6年生には最優先課題であることは変わりません。
走りの質が向上すれば、多種目競技の勝率も一気に上がるのではないでしょうか。スポーツにおいて、とりわけサッカーでは走りの質はとても重要な要素です。走る事をもっともっと楽しみましょう。
またPKのシーンがありましたが、今回はあいちゃんを指名させていただきました。
みなさんは知らないと思いますが、レディースチームは公式戦を7試合戦ってきたばかりです。結果は4分3敗でした。参加したレディース選手たちのポテンシャルを考えれば、正直5勝2敗でなければ納得出来ないものでした。即席チームだったことを考慮しても、いや即席チームだからこそチャレンジ選手の力量が問われる大会だったとコーチは考えています。
普段トップチームで主力選手たちにコーチが期待していることを、レディースチームではあいちゃんが率先して行動してくれるのかどうか。。。いろいろな決め事があったのかも知れませんが、あいちゃんがリーダーシップを発揮した試合運びが出来ていたら、コーチの考える数字に限りなく近い結果を出せたのではないでしょうか。
残念ながら今回のPKもど真ん中に蹴り込んでセーブされてしまいました。実はレディースチームでもコーチの見た試合ではシュートを外しまくっていました。結果論からいうと、そのうち1本でも入っていたら、川口ガールズは県大会出場だったのですが。。。チャレンジ選手ならそういった厳しさも受け入れなければならないかも知れません。
ここであいちゃんにお伝えしたいのは、チームの明暗を分ける大事な仕事をコーチはあいちゃんに託したことをまず理解して欲しいと思います。それをどのように感じたかを教えてください。楽しむ事ができたのか、重荷になってしまったのか。。どちらの方が上回りましたか。。
チームがPKを得た瞬間、この日目立った活躍もしてないくせにどこからともなく表れ、ボールをセットした選手がいましたが、そういう感覚って大事だと思います。「おいしい部分は自分がいただく」センスはチャレンジ選手には絶対的に必要です。
逆にセットプレーやスローインを他の選手に渡してしまう選手がいますが、チャレンジ失格ですよ。
チームの中で自分のやるべき仕事に楽しみよりもプレッシャーを感じている選手がいるのであれば、それはもったいない事です。何としても楽しみの方が上回るようにしたいものです。
PKのような場面では、そのような心理状態が結果に直結しやすいのではないでしょうか。それと相手コーナーキックの守備時。。相手ストライカーや危ないゾーンにマークが集中してしまい、こぼれ球を叩き込まれるならまだわかります。ボールが入った瞬間、一番危険な選手やゾーンからスーッと逃げるようにマークがいなくなってしまうことがあります。そういうところは敏感だよね。。(笑)
あとGKからのフィードを受ける時。。ボールを要求してるのか拒んでるのかわからない選手がいます。
みなさんの微妙な心理状態で、試合は大きく動きます。それを忘れないでください。
重要なことは、プレッシャーを不安や恐れに変えるのか、それとも楽しみに変えるのかで結果は変わってしまうということです。これはスポーツ選手にとってとても大事な才能だとコーチは思います。そのためには実力と自信を獲得しなければなりません。ニセモノは分かります。。実戦では逃げるから。
あいちゃんには右サイドでスペースを使う・使わせないという仕事を主にやっていただいていますが、コーチが見ていて感じるのは、細かい事は気にせず、自分の役割を楽しんで欲しいということです。この一点がなければ今後コーチが要求する仕事は何一つ達成出来ないと思います。
実戦でPKをど真ん中に蹴ってしまう。。チャレンジ選手として自分で超えなければならない壁だと思います。
最近チームはなかなか結果を出せませんが、チーム・個人で「勝つ」ために必要な要因をしっかりと抽出し、それを習慣化していきましょう。