映画「風の大陸」 1992年(55分)

原作:竹河 聖(タケカワ・セイ)『風の大陸』(富士見書房「月刊ドラゴンマガジン:富士見ファンタジア文庫)
監督・脚本:真下耕一
キャラクター原案:いのまた むつみ
キャラクターデザイン:結城 信輝
作画監督:黄瀬 和哉
美術監督:平田 秀一
撮影監督:高橋 明彦
音楽:大島 ミチル
 

キャスト
ティーエ:関 俊彦
ラクシ(アルン・アーダ):高山 みなみ
ボイス:屋良 有作
アルン・ハラド:広中 雅志
バルニ・リファス:江森 浩子
ガデン・ラクム:銀河 万丈
盗賊副長:郷里 大輔
家臣:佐藤 正治
盗賊A:平野 正人
    B:川津 泰彦
    見張り:田中 和実
仮面門:掛川 裕彦

役名なし:荻森 徇子
役名なし:中村 尚子
協力:青二プロ
 

主題歌
歌:西脇 唯「風の大陸」 (作詞・作曲/西脇 唯 編曲/萩田 光男) サントラ盤:ビクター音楽産業

VIDEO=発売:バンダイビジュアル



ストーリー:超古代。かつては全土が統一されていたこともあった大陸は、今は乱れ、群雄割拠の時代を向かえていた。1000年ほど前から起こっている大災害と氷河時代の終焉による海面の上昇、全土を浸食する砂漠化、大陸を統治していた共和体制の崩壊のためだ。
 それぞれに過去を持つ3人の旅人……女と見紛うほどの美貌ので左右の瞳の色が違う 薬師(くすし)ティーエ、故国と女であることを捨てた少女ラクシ、元傭兵の偉丈夫ボイス―は死者のために作られた、と伝えられる都黄金都市アゼク・シストラにたどり着く。アゼク・シストラのの神殿に眠る《真の財宝》を狙う盗賊が封印を破って開けた箱の中から出てきたのは…。


広中さんメモ:広中さんの演じるアルン・バラドは、ラクシの兄。ラクシが故国を出ることになったときの回想シーンに登場します。(とっても重要!)劇中だけでは分かりませんが、アルン・ハラドは新イタール公国を治める大公という役どころ。病弱なアルン・ハラドを廃し、妹のラクシを大公位に就けようと、退位を迫る重臣達を穏やかにさとそうとします。

 「なぜみんなで力を合わせない? 新しい畑を開墾し生産を上げる方が今のわたしたちにとっては重要なはずだ」

 「絶望するのは、貧しさゆえだ。貧しさから抜け出すのは、みんなの力なのだ」

 「ラクシ、みんな疲れたのだ。故郷を離れて15年も経つのだから」

 「わたしも、疲れた…」

 「ラクシ!」

 疲れてます、アルン・ハラド。疲れ切ってます! マリアナ海溝より深く疲れてますよ〜。なんか、聴いてるこっちも「疲れた……(T-T)」と、悲しくなってきます。同じ場面が、原作「風の大陸」第1部邂逅編176ページあたりに出てきます。171ページの挿し絵の右側がアルン・ハラド。原作の挿し絵も、いのまたむつみ大先生(!)なので楽しめます。「故郷を離れて15年…」というくだりがありますが、これは15年前に強国の圧力のためにイタール公国を追われ、「新」イタール公国を作ったからです。ゆえに、新イタール公国の規模は大変小さく貧しいものなのです。

 詳しいことは、原作を読むか「風の大陸」CDシネマで。


「風の大陸」キャストについて小さいメモ:1990年に発売された富士見カセットブック「風の大陸 第1部」でのキャストは、ティーエ:杉山良一、ラクシ:高山みなみ、ボイス:塩沢兼人だったとか。そして翌1991年に出た同「風の大陸 第2部−呪いの町」でのキャストはティーエ:塩沢兼人、ラクシ:林原めぐみ…だったようです。つまり、塩沢さんが1部ではボイスを、2部ではティーエを演っていらっしゃる。なんかスゴイ事だとおもいません?いろんな意味で。というのは、関さんと塩沢さんのキャラがかぶったことは洋画の吹き替えでもたま〜にあったことだから、そういう部分もあるんだなと、まあ分かるとしても、塩沢さんがボイスって、驚き。屋良有作さんと塩沢さんのキャラがかぶるなんて、夢にも思いませんでしたから。こうなると、聴き比べてみたいのが声マニア(?)としての人情! でも今時、カセットブックって入手困難になりつつあるし……ああっ、聴いてみたい!