映画「銀河英雄伝説―わが征くは星の大海―」 1988年(60分)
 

原作:田中芳樹『銀河英雄伝説』(徳間書店)
制作;山下辰巳 多賀英典
企画:和田豊 尾形英夫 落合茂一
プロデューサー:田原正利 菅原善雄 菊川幸夫
監督:石黒昇
脚本:首藤剛志
キャラクターデザイン・作画監督:奥田万つ里
メカニックデザイン&メカニックアートディレクション:加藤直之
メカニック作画監督:清積紀文
美術監督:金子英俊
仕上監督:工藤秀子
指揮監督:石川欣一
テクニカルスーパーバイザー:八巻磐
音響監督:明田川進
音楽監督:佐々木節夫
出版プロデューサー:小島浩郎 鈴木敏夫
音楽プロデューサー:渡辺隆史
宣伝プロデューサー:小林智子 横尾道男 大串京子
 
 
 
 

キャスト
ラインハルト:堀川亮
ヤン:富山敬
キルヒアイス:広中雅志
アッテンボロー:井上和彦
ミッターマイヤー:森功至
パエッタ:徳丸完
ロイエンタール:若本規夫
ロボス:大木民夫
ミュッケンベルガー:柴田秀勝
グリーンヒル:政宗一成
フレーゲル:二又一成
ニルソン大林隆介
メックリンガー:戸谷公次
ポプラン:古川登志夫
シュウタインメッツ:石丸博也
コーネフ:鈴置洋孝
オーベルシュタイン:塩沢兼人
トリューニヒト:石塚運昇
ルイ:菊池正美
トニオ:小林通孝
ウイン堀内賢雄
グルト屋良有作
ゲッツ:平野正人
アナウンサー:江森浩子
ビジョン:中野聖子
索敵員:田中和実
ナレーション;屋良有作
 
 

VIDEO=発売元:徳間ジャパン


ストーリー:
 遠い未来、銀河系に進出した人類は銀河帝国(専制君主制)と自由惑星同盟(民主共和制)という異なる政治体制に分かれ、約150年間にわたり戦争を繰り返していた。

 宇宙歴795(帝国歴486)年、帝国軍のラインハルト・フォン・ミューゼル大将は、その配下の遠征艦隊を率いてイゼルローン要塞に向かっていた。一方、自由惑星同盟軍は、帝国軍イゼルローン要塞攻略に向かっていた。イゼルローン要塞のミュッケンベルガー元帥は迎撃の命令を、長旅で疲れている上に、まだ要塞に到着もしていないラインハルトの艦隊に出した。というのも、ラインハルトが皇帝の寵姫の弟であるがために昇進した、というのが一般の評価で、そんな彼をこころよく思っていなかったからだ。
 両軍は、惑星レグニツァで対峙する。ラインハルトは驚くべき奇策で同盟軍を撃破しようとしていた。が、その作戦を同盟軍で看破していた人物がひとりだけ存在した。それは、同盟軍第2艦隊の作戦参謀ヤン・ウェンリー准将であった。しかし、彼の上官パエッタ中将は、ヤンの意見を聞かず、艦隊の5分の4を失ってしまう。ラインハルトは無傷の艦隊と共にイゼルローン要塞に入港した。

 同盟軍は予定通り、イゼルローン攻略を開始し、迎え撃つ同盟軍は、左翼にラインハルトの艦隊を配置した。両軍の戦力はほぼ同じ。しかし、ミュッケンベルガー元帥はわざと左翼のみに前進を命令し、おとりにして勝利しようと考えていた。が、ラインハルトは途中までは命令通り突出するが、右に転進。敵の目の前を横断した。同盟軍パエッタ中将はこれを罠だと判断したため、ラインハルトの艦隊は、ミュッケンベルガーの意に反して、無傷のまま敵左翼艦隊の側面についたので、かえって本隊と右翼が窮地に陥った。そこで、ラインハルトの艦隊が救援に入ったため、今度は同盟軍が数の上で危機を迎えた。そこで、同盟軍は陽動部隊を編成しヤンがこれを指揮した。この陽動部隊は帝国軍本隊の退路を断つと見せかけたが、ラインハルトはこれを察知、麾下のミッターマイヤー少将に掃討させる命令を出した。
 しかし、ヤンは、ラインハルトの旗艦ブリュンヒルトの真下に戦艦ユリシーズをつけ敵味方の攻撃を封じた。

 こうして、第4次ティアマト会戦は終わった。そして、それは、ラインハルトとヤンの長い戦いの始まりでもあった…・。


広中さんメモ:
 この映画は、アニメ「銀河英雄伝説」シリーズに先だって作られ、公開されました。つまり、記念すべき(?)最初のキルヒアイスで〜す。その最初のセリフは、帝国軍イゼルローン要塞に向かう戦艦ブリュンヒルトの艦橋でかわされるラインハルトとの会話です。

 ラ:…キルヒアイス、いよいよだな。
 キ:ええ、いよいよです。
 ラ:しかし小さい。
 キ:はい。あの要塞は空に光る星くずのひとつにも満たぬ大きさです。
 ラ:それを何十年にもわたって、人々は奪い合ってきた。
 キ:ええ。何千万もの人命を犠牲にして。
 ラ:終わらせるよ。
 キ:はい、要塞の戦いだけでなく150年続いたこの銀河の戦いが終わるのもそう遠くはないでしょう。
 ラ:ああ、遠くはない。それを終わらせる。
 キ:はい。



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