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2001.09.22
NHK-FMのラジオドラマで知った「オルガニスト」(山之口洋著・新潮社)が、文庫になったというので、早速買って読んだ(実はまだ読んでなかったんだよねー、えへ)。表紙絵がちょっと恐いので、内容を知らない人があらぬ想像をしてしまうのではないか、と余計なお世話な心配をしてしまう。ラジオドラマの番組は15分番組で、全10回だったから、計150分。それと同じぐらいの時間があれば読み終わることができる。 舞台は主に近未来(2004年ぐらいまで)。ドイツの音楽大学で、パイプオルガンのオルガニスト・ヨーゼフと出会った「ぼく=テオ」の目を通して、ヨーゼフの数奇な運命がが語られる。 …と思って読み終わったら、あとがきで瀬名秀明氏が、驚きの事実をバラしてくれた。 「本作品のハードカバー版をすでに読まれた方はお気づきのことと思うが、山之口氏は本作品の文庫化にあたり、全面的な改稿を施している。最大の変更点は視点の位置だ。初刊行時、本作品は神の視点ともいうべき三人称で書かれていた。ところが山之口氏はこれをテオの視点に直したのである」 なんと。 それでは、殆どを改稿したということになるではないか。 ラジオドラマでは既に、「ぼく=テオ」が語り部になっていた。「三人称版」を読んでないので、何とも言えないけれど、読んでいて、不自然さは少しも感じられなかった「一人称版」。ラジオドラマにするときに、既に氏が、テオの一人称形式での脚本をリクエストしたのかどうかは不明だけれど、ここら辺で何か、思うところがあったのかもしれない(全くの推測)。 こうなったら、ハードカバー版を入手して読み比べてみたいな〜と思うのが人情(?)。 うーん、このまま本当に戦争(第3次世界大戦…あ、今「大惨事世界大戦」って変換された…うまい誤変換だな)になるのかなー。 もし戦争が始まっちゃったら、今が「戦前」ってことになっちゃうよなー。 戦前生まれ…あーなんかカッコ悪…。非常にかっこわるい(鬱)。 第2次世界大戦の前に生きてた人ってこんな気分だったのだろうか。あんまり実感ない。不況だっていっても、殆ど実感がないのと似てる。 |
2001.09.18
ユダヤ教の聖典は「旧約聖書」と呼ばれているものです。その中に、「方舟」で有名なノアの子孫のアブラハムが、カナン(現在のパレスチナ)に辿り着き、「神」から啓示を受けた話が載っています。神さまいわく「カナンのすべての土地をあなたと、その子孫に永久の所有地として与える。わたしはお前達の神になる」 というわけで、アブラハムとその仲間達は、そこに定住しました。これが紀元前20世紀頃と言われています。 135年(やっと紀元前でなくなった)、ローマ軍がエルサレムを占領。イスラエルを「パレスチナ」と改名させました。イスラエル人がローマからの独立を図ると、逆に弾圧を受け、エルサレムへ入市することを禁止され、追い出されてしまいました。 そんなこんなで、ユダヤ人の流浪の歴史が始まりました。国を失くした彼らは、世界各国に散らばってゆきました。国を失うという過酷な状況に直面したユダヤ人たちは、これは神に選ばれた自分たちへの試練なのだと考えるようになり、それから「神に選ばれた民としての選民思想」が生まれたとも言われています。 折しも1914年第1次世界大戦勃発。第1次世界大戦をおさらいして、連合国(イギリス、フランス、ロシアなど)vs同盟国(ドイツ、オーストリア、オスマン・トルコなど)という図式を思い出しておいてください。イギリスは、この戦争に勝つための外交として「もし、この戦争で味方してくれたら、アラブの独立を認めてあげる」という内容のフサイン・マクマホン協定を、当時、トルコ支配下にあって独立したがっていたアラブ諸国に提示しました。アラブ諸国は、1915年これを締結し、自らの独立のためにトルコと戦いました。 戦争に勝つことに躍起になっていたイギリスは、1917年、ユダヤ人が持つ豊かな資金に目をつけました。当時のイギリスの外相バルフォアは、シオニズム運動の経済的支援者L・ロスチャイルド卿に宛てて、1通の短い手紙を書きます、「もし、この戦争でイギリスに協力してくれたら、シオニズムの悲願−ユダヤ人のための国家建設を支援してあげる」という内容でした(バルフォア宣言)。ユダヤ人たちは、イギリスに資金援助をし、パレスチナへ流入し始めました。 1945年、第1次世界大戦終結し、「国際連合」が成立しました。 1947年、混迷を極めるパレスチナ情勢に困ったイギリスが国連に 翌1948年、ユダヤ人、イスラエル共和国建国宣言。アラブ人が周辺アラブ諸国支援を得て、イスラエルに宣戦布告し、第1次中東戦争が始まりました。=結果はイスラエル(ユダヤ)の勝利。アラブの領土がより狭くなる。100万人以上が居住する場所を失い、難民になりました。この難民たちや、パレスチナに住んでいるアラブ人のことを「パレスチナ人」と呼ぶようになります。こんなことになった最大の原因はもちろんイギリスの三枚舌外交にあります。 1956年、第2次中東戦争。 1957年、オサマ・ビン・ラディン、サウジアラビアに生まれる。家は、大手建設会社の経営をしているお超金持ち。 1967年、第3次中東戦争。パレスチナ全土をイスラエルが占領。 1973年、第4次中東戦争。 1979年、パレスチナ、エジプトとは、和平条約締結。 1982年、パレスチナ、レバノンへ侵攻。PLO(パレスチナ解放機構)をベイルートから退去させる。 |
長かったです。これを読んでる人は、ついてきてるんでしょーか。かなり荒っぽい端折り方してます。でも、ココまでで「第1幕」なんです。長い長い1幕でした。第2幕は「冷戦」の頃に始まります。
敵の敵は味方! というわけで、当時ソ連と対立していたアメリカは、これに対抗して、アフガニスタンに出兵したいところでしたが、ベトナムでの敗戦以後、それもできなくなっていたので、ソ連とイスラム教徒を戦わせる……つまり、間接的にアフガニスタンを支援するために「イスラムの同胞」であるサウジアラビア、パキスタン、ヨルダンなどアラブ諸国 というのは、志願兵達はイスラムの信仰を種に戦争をさせられたために、信仰が篤くなりすぎて、反イスラムを許さないという思想を持つようになっていたからです。それぞれの祖国に帰国した“信仰心篤い”アフガン帰りの兵たちの目には、貧しい人たちを顧慮しない祖国政府は腐敗しているように見え、祖国を良いイスラム社会にしようと「世直し」活動を始めます。腐敗した祖国政府を支えているのは、石油の利権やイスラエルの安全を守ろうとしているアメリカ−しかも、アメリカは自身は手を汚さずに−という構図が イスラムによる「世直し」は続きます・・・ |
2001.09.12
昨夜10時ごろ、N.Y.のWorld Trade Center(世界貿易センター)のビルに旅客機が突っ込んだという第一報を聞いたときは何事かと予想もできなかった。何?事故?かと思ったらテロとの情報。同時に何機もハイジャックして被害が同時に多発したということで、名付けて「アメリカ同時テロ」。 しかも、突っ込んだのはハイジャックした飛行機だったということで、これを計画した人(誰かは知らんが)は「本気だ」と思った。最小限の元手と手間で最大の効果(というのも何だけど、首謀者の狙い通り)を生んだからだ。今日になって、計画が周到なものだったという傍証が明らかに。 しかも、貿易センターは、数時間後に倒壊。昨夜から今日に至るまで、マスコミは突っ込む瞬間や、倒壊する瞬間の映像を繰り返し放映するものだから(ご丁寧にスローモーション映像まで)、刷り込みによる心理的効果も増幅。まったく、首謀者の狡猾さには舌を巻く。 被害者の数はまだ正確には報道されていないけれど、この視覚効果は、死傷者○○人というような報道より遙かにインパクトがある。何百人、何千人の死者が出ようが、マスコミはその映像をオープンにすることは、まず(でき)ないから、情報の受け手にとっては比較的抽象的なものに終わってしまう(例えば湾岸戦争の時、その光芒の中で、誰かが本当に死んでいるなんてことは、頭では理解できても、実感は殆ど無かったのと似ている)。 1日中繰り返し流れる映像を見ながら、「こんなの予想できなかったよな〜」と思いながら、いろんな映画や小説やテレビゲームがあるけど、こんな計画を考えた人がいただろうかと考える。だって、もし「何か」が起こるとしたら、「サイバーテロ」とか「細菌兵器」「人工衛星からの攻撃」とか、「現在の科学技術」を利用するんじゃないかと、思い込んでいた(テレビやSFの見過ぎか?)。ところがどっこい、飛行機で特攻…。なんか、肉弾戦って感じです。予想外。誰かは知らないけど、特攻しちゃうその心理は、全然リアルな感じがしません、私にとって。
不幸な事件があると、「自粛」しちゃうのも、よくあること。ひとまず目に付いたのは明日発売のナムコ「エース コンバット04」(PS2)のテレビCM放映中止や明後日放送する予定だった日テレの金曜ロードショー「ダイ・ハード3」は放送延期で、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にさしかえ。ゲームは予定通り発売とのことでよかった(てゆーか、いまさら引っ込められないしねー)。「ダイ・ハード」ちょっと見たかったのに(いや、もうみたけど)。 とりあえず、これ以上何も起こらないでほしい。仕事が増えるから(不謹慎)。 |