Q34 麻雀の謎

フィリピンで麻雀をやっているのを見たことはお有りでしょうか?
かなり大きめの稗を使って、何だか適当に取って、適当に真ん中に捨てているように見えるし、上がった状態を見ても、一体どんな役で上がったのか、チンプンカンプンです。
要するにフィリピンの麻雀のルールは日本と違う!(そんなことは言われなくても分かる?)
そのために今までは黙って見ているだけだったのですが、「こんな鴨を見逃す手はない」と思ったのかどうかは不明ですが、みんな熱心にルールを教えると言うので、教わって参加してみました。
・・・・そしてしっかりと鴨られました(笑)

教わった場所がマタブンカイビーチでしたので、下記のルールはマタブンカイ地方のローカルルール的な部分もあると思いますが、ミンドロから来た人もレート以外の質問無しに参加していましたので、ある程度の一般性はあるようです。
説明で使われているレートはあくまでも一例に過ぎません。


   *** フィリピン式麻雀ルール ***

1.牌の違い

一般的に言って、日本で普通に使われる物よりふた周りくらい大型の牌です。
と言うか中国式と同じ大きさであるように感じます。
牌の呼び方は、
 ○マンズはカー (例:2萬はツーカー)
 ○ピンズはボール (例:7ピンはセブンボール)
 ○ソウズはスティック (例:3ソウはスリースティック。但し1ソウはバードとも呼ばれます)
 ○字牌、花牌はフローレス(全てフローレスで個別には呼ばれません)
と呼ばれていて、数牌には全て数字が、字牌には名前の頭文字が表面に添えられています。
(但し白はWではなく、B(blank)でした。)
これはデパートで売られているどの麻雀セットも同様になっていましたので、フィリピンでの標準仕様であるようです。
日本では通常は花牌を使いませんが、フィリピンでは全てそれも山に入れます。


2.積み方

かなりいい加減に洗牌して、日本と同様に2段に積みます。
特に一人当たりの決まった山数は無いようです。


3.親決めと配牌

最初にサイコロを振る人はいい加減ですが、ゲーム中であれば前のゲームの勝利者がサイコロを振ります。
サイコロ(1個)は2回振るか、プラス幾つと言いながら1回振ります。
出た目の合計の山の人がマーノ(親)になります。山の数え方は日本と同じで振った人が1として反時計回りで数えます。
マーノは自分以外の好きな山の好きな端から、出た数分の山を置いて8または9枚取ります。
反時計回りで各々8枚ずつ、2回山から取ります。(だからつもの向きは一定しない)
持ち牌の合計はマーノが17枚、それ以外の人は16枚になります。(日本より1面子多くなります)
フローレスは手の中には入れないで手元に出すして、代わりに最初に残した山から順にフローレスの数だけ新たな牌を取っていきます。
フローレスの交換が終わったら、マーノは最初と同様にサイコロを2回振り、フローレスを取った山から出た数の所の牌を表にします。これがジョーカーと呼ばれるものになります。
表にした牌がフローレスなら、それを自分の手元に取って、その下の牌をめくり、それがまたフローレスなら、サイコロを振り直し、数牌がでるまで繰り返します。
ジョーカーはドラと違い、トランプのジョーカーのようにオールマイティーに使える牌になります。
日本と違ってめくられた牌の次ではなく、その牌自体がジョーカーですので、実際に使用可能なジョーカーの枚数は3枚だけになります。

この時点で手元に出したフローレスの枚数が0枚か13枚以上あると、その人はその場で5ペソ通しで貰えます。


4.ゲームの進め方

まず最初にマーノから捨てます。(配牌が1枚多い)
当然の事ながら牌の表を見せて捨てますが、卓の真ん中へ無造作に捨てて(ターポン:taponと呼ばれます)、自分の捨配と他の人の捨配は区別されません。つまり振り天はありません。
次に積もる(ブーノッ:bunotと呼ばれます)のは日本と同様に反時計回りの隣の人です。
積もった牌がフローレスであった場合は、配牌の時と同様に手元に出して、残した山から補充します。
これまたここで13枚以上揃えば5ペソ通しで貰えます。
ポンとチーは日本と同様のルールで、ポン(「ポン」や「バレル」と声を出します)は誰からでも、チー(「チャウ」と声を出します)は上席からのみ可能です。ポンとチーが両方居た場合はポンの人が優先されます。
カン(「バレル」とか「マガストス」と言っていましたが、マガストス=お金が掛かる、は5ペソ払うことからの冗談であるようです)はその場で5ペソ通し貰えます。暗カンである場合には、「シークレット」と宣言して何をカンしたのか見せなくても構いません。カンをした場合はフローレスと同様に1枚を山から取ってきます。
ポンした後に明カンで付け加えた牌が、他の人の上がり牌であった場合には、上がった人が10ペソ通しで貰えます。この場合、振った人も10ペソだけで、振込自体への払いはありません。

役は基本的に2つしかありません。
*セブンファースト:チートイツ+1面子 (つもでも誰から上がっても、10ペソ通しでチップ2枚)
*エスカラーダ:一気通かん+1面子 (つもでも誰から上がっても、10ペソ通しでチップ2枚)
それ以外はトイツとジュンツのどのような組み合わせでもOKで、5面子+頭ができれば上がりです。
積もった場合やロンの場合には「アライ!(痛い)」とか色々な言い方をします。
振込みの場合は振った人が10ペソでチップ1枚、積もの場合はみんなから10ペソでチップ2枚貰います。
複数の人が同じ捨牌で上がる場合は、捨てた人の上席が優先権を持ちます。

チップ(ビールの王冠が使われていましたが)とは上がった人が貰えるもので、特別な役の場合は2枚、通常は1枚貰えます。チップを5枚溜めるとハイアライと言って、更に5ペソ通しで貰えます。
誰かがハイアライになるとチップは回収されゼロからやり直しとなります。まあ言うなればハイアライが半チャンみたいなものです。
フローレスを一枚も手元に出さずに上がった場合は、どんな手牌でも15ペソ通しでチップ2枚。
ジョーカーの単騎待ち(シングルジョーカーと呼ばれる)で上がった場合も15ペソ通しでチップ2枚になります。
上がりを宣言して牌を倒したのに実は間違いだった場合はP10通しのペナルティを払います。


********************
極めて単純なルールです。
役も振り天も無いので、相手の待ちが全く読めません。
ある意味それが面白くないとも言えますし、面白いとも言えます。
わたしはいきなり18時間の徹夜麻雀をやってしまいました(笑)(それでも150ペソ程度の負けでした)
何しろ半チャンで精算するといった区切りがないので、終わりのタイミングが掴めません(^^;