Q21 トイレの不思議

フィリピンに来て一番のカルチャーショックはトイレでした。
ホテルにいるときは気が付かなかったのですが,デパートやレストランのトイレに紙がないのです。
その代わりに何故か手洗い場に「手桶(タボと呼ばれる)」が置いてあります。
最初は訳が判らず,ホテルまで駆け戻って用をたしていました。
普通の家でもトイレットペーパーはトイレ(大概はシャワーと兼用)の中には無く,入り口に置いてありました。やはりここにも「タボ」があります。
最初はシャワーで濡れるので,外に置いてあるのだろうと考えていたのですが,それは間違いで,わたしが来たときだけ入り口にトイレットペーパーを置いてくれたのでした。
通常は紙無しで済ませるのです。

どうやるかと云うと,トイレに入ったらまず「タボ」に水を満たし手元に置きます。
用を足したら,その「タボ」の水を使って(通常は)左手でお尻を洗います。 つまり完全手動式のウオシュレットと云うわけです。 濡れたままズボンを穿いてお終いです。
そして手洗い場の石鹸でよーく手を洗います。

最初の2ヶ月間は手で洗うことに思い切れず,いつもトイレットペーパー持参でトイレをしていましたが,慣れてしまうと,これが快適!
冷静に考えると,紙でふき取るより,水で洗う方がきれいになるし,痔(わたしは違いますが)にもなり難いようです。
日本でも実践したいのですが,あちらと違って床が濡れても良いようになっていないので,我慢しています。(ウオシュレットは高くて買えません (T_T))


フィリピンのトイレは今まで見た限りでは全て水洗式です。
もっとも,日本の水洗式とは違って,水タンクは付いていないことが多いので,前述のタボを使って自分で流します。
水タンクがあるトイレも,品質が悪いのか直ぐに壊れることが多いので,結局はタボ頼りになってしまうことが多いようです。
下水が完備されている訳ではないと思うので,トイレの下がどうなっているのかは不明ですが,ちょっと怖いのでそれは考えないようにしています。
便器の形状は洋式の便器ですが,日本で見かけるものよりかなり小型のものが多く使われています。
また便座は最初はあっても直ぐに壊れてしまい,結局は便座無しのものを使うことになります。便器のサイズが日本などと同じであれば,これは大変でしょうが,小型なのでさほど違和感無く使用することが可能です。
ひょっとしたら壊れることを前提に小型の便器を使うのかもしれません。


右手で食事をし,左手でお尻を洗う。これは熱帯諸国では多く見られる習慣だと思いますが,インドなどとは異なり,左手を不浄なものとは考えていないようです。
ちなみに左利きの人は,左で食べて,右手でお尻を洗うそうです。