(修正:10/10/1999 1999年10月から最低料金がP2.5からP3.0に上がりました。)
ジプニーといえば言わずと知れたフィリピン名物の,ジープとバスとトラックの相の子のような乗り物です。
通りを我が物顔に,すごい煙を吐き出しながら走っているあれですが,在比日本人は色々な理由からほとんど乗ることはないようです。
1.運転手付き自家用車があるので乗る必要がない。
2.あんな不潔な危ない乗り物は死んでもいやだ。
3.いつも急いでいるのでジプニーでは間に合わない。
4.お金はいっぱいあるので,タクシーで構わない。
5.どれに乗ったらいいか解らない。
6.どうやって乗るのか解らない。
上記の1〜4方々はどうぞご自由にと言うわけで,5〜6の理由の方々のための簡単なジプニー利用法の案内です。
手軽で安価な乗り物ですので,初めて行く場所へジプニーを使って行くのは無理でも,普段行っているショッピングセンターとか近所を出歩くのに利用してみるのもいかがなものでしょうか。
1.ジプニーの特徴
・車両毎に特定のルートを往復して運行しています。
都市部では運行ルートは車体の横に書いてあり,どちらへ向かっているかはフロントガラスのところにカードがぶら下がっています。
田舎では必ずしもルート表示が無いので,運転手に確認する必要があります。
またジプニー停車所でお客が一杯になるまで待っていますので,いつ出発するかはその日のあなたの運次第。
・ルート内であれば乗り降り自由。
・低料金。
都市部では初乗りの最初の4kmまでP3.0。以後1km毎にP0.5(1999年10月現在)。ただしメータが付いているわけではないので,運転手の大体のカンによって距離/料金が決められます。
田舎ではどうしても運行距離が長めになりますし,他の交通手段が無いため割高で上記の倍ぐらいになるようです。
・24時間営業。(深夜は走っている数は減りますが。)
深夜の利用は防犯面での問題がありますので,フィリピン人でも差し控える人が多いようです。
・人の乗り降りの都度止まるので,通常タクシーの倍は時間がかかります。
・雨が降ると濡れます。
都市部のジプニーは比較的窓部分にプラスティックの窓が入っているので,乗る場所を選べば濡れずに済みますが,田舎のやつはフルオープンの物が多いので,確実にびしょ濡れになります。
2.乗り方
行きたい所の地名がハッキリしていて(メガモールとかアヤラとか),乗り換えの必要が無い場合は,通りで目を凝らして行き先の場所へ行くか,そこを通過する(であろう)ジプニーを探します。(目が良くないと無理ですが。)
マニラでは一方通行の道が結構多いので,逆方向の道にいると,いつまで経っても見つからないのでご注意を。
行きたい場所の地名がルートに無い場合とか,良く判らない場合は,それらしい方向へ向かうジプニーを捕まえます。
この辺の見極めが非常に難しいので,初めて行く場所とか,判りにくい場所へ行くときは止めておいた方が無難です。
乗りたいジプニーが来たら,手を上げて知らせます。この時複数人数であれば,その人数を指を折って知らせます。
ジプニーにそれだけの人数を乗せるだけの空きがあれば,側に寄ってきて止まります。
素早く助手席の空きをチェックして,助手席が空いていれば助手席へ,そうでなければ後ろからできるだけ素早く乗り込みます。助手席の方がいい理由は後述します。
乗り込んだら,空いている席へ座ります。(出口に近い方がベター)ドライバーが止めた以上,必ず座るスペースがあるはずです。(程度の差はありますが)狭い場合は
"Ikskyus mi "(エクスキューズミー)を連発してお尻を押し込んで下さい。
外のステップに掴まって乗っているのをよく見かけますが,あれは基本的には違法らしいですし,危険ですので止めておいた方が無難です。
3.料金の払い方
料金の支払いは降りるまでのいつでも構わないのですが,後になると,どこで乗ったか言わないと,ドライバーが困ってしまうので,できるだけ早めに支払いましょう。
近距離(4km以内)であることがハッキリしている場合は,一人当たりP3.0を用意して,
" Mama Bayad " (ママ バーヤッド=おじさん,お勘定)
" Bayad dalawa" (バーヤッド ダラワ=料金2人分)
などと言って,グループの人数分をまとめて払います。
複数人数で利用する場合は,必ずまとめて払いましょう。マナーです。
ジプニーではタガログ語が基本です。
isa(イサ)=1人,tatlo(タットロ)=3人,apat(アーパット)=4人
ドライバーに遠い場合は,お金を持って手を伸ばせば,手近な人がそれをドライバーまで回してくれます。これはジプニーでのマナーですので,あなたがドライバーの近くに座っている場合は,嫌な顔をしないで,お金をパスしてあげなくてはなりません。
この時に基本的には,お金を出した人の言ったセリフも伝言しなくてはなりません。
" Bayad dalawa raw." (バーヤッド ダラワ ラウ=お勘定二人だって)。
これが面倒な人は,助手席や出入口に近い方に座った方がベターです。
お釣りが無いように渡せばそれで済んでしまいますが,そうでない場合はドライバーがどこまで行くのか聞いてきます。
"Saan ?"(サーン=どこ)
近距離でない場合も同じですが,ここで行き先を言えばOKです。
"SM"(エスエム)等
お釣りも,支払時と同様に手近な人の手を渡って戻ってきます。
近距離ではない場合は料金を払う時にどこまで行くのか付け加えます。乗り継ぎの場合はフロントガラスに表示している終点の名前を言えばOKです。
料金が判らない場合はドライバーにたずねます。
"Magkano hanggang sa Baclaran ?"
(マッカーノ ハンガンサ バクラーラン=バクラーランまでいくら?)等
答えは数字で返って来ますが,英語/タガログ語/スペイン語のどの数字でくるかはドライバー次第ですので,言葉に自信が無い方は,料金をたずねずに大きめの金額を行き先だけ言って渡した方が無難です。(都市部のルートでは一番高い料金でもP10以内ですの,それを目安にして下さい。)
4.降り方
ジプニーの中からの視界は非常に悪いので,後ろの昇降口や狭い窓に目を凝らして,自分の降りる場所が来たら(この時助手席は有利なのです),
ジプニーを降りるわけですが,この時には幾つかの方法があります。
・"Para !"(パーラ!=止めて)と(大きな声で)言いながら天井をコンコンと叩く。
・"Sa tabi !"(サ タビ=端によせて)と言いながら,コンコン。
ちょうど停車していたなら,
・"Sandali lang"(サンダリ ラン=ちょっと待って)
と言って止まっているのを確認してから降ります。
「止めて」と言った所ですぐ止まるとは限らず,止められる場所まで若干走りますので,数十m手前で言うのがコツです。
降りた時には,後続の車に十分注意して下さい。
(ご注意:料金の支払い法を含めて,上記の言い方はかなりぶっきらぼうな言い方ですので,特に女性にはお勧めできませんが,顔つきや振る舞い,そして発音で「外人」であると察してくれますので,それで目くじら立てるようなことにはならないはずです。適切な言い方を書こうとするとキリがないので,これで勘弁して下さい。)
終点まで行く場合は,折り返し点で乗客が一斉に降りますので,それで判ります。
5.乗り継ぎ
乗り継ぐ場合や,ルートがよく判らない場合は,他の乗客や,ドライバーに尋ねるのがベターですが,言葉の問題がある場合は,周りの景色を見ながら,それらしい方向へ向かっている間は乗り続け,変な方向へ曲がったら,すかさずそこで降りて,別のジプニーを拾います。
料金が安いので,間違ったらまた別のジプニーを繰り返し試していれば,運が良ければ目的の地点に到着できると思います。どんどんとんでもない方へ行く可能性もありますが。(笑)
乗り継ぎに関しては,ケースバイケースで何のアドバイスもできませんが,知り合いのフィリピン人にルートと乗り継ぎ点を聞いてから利用した方が無難は無難ですが,ちょっとした冒険旅行気分にも浸れますので,上記の方法を試してみるのも一考です。
(責任は持てませんが)
まあ,判っているルートで近距離だけを利用する方が宜しいかと思います。
6.利用上の注意
女性の方はミニスカートは控えた方がいいかと思います。座席が低いので立て膝で座る形になりますので。
カバンは持っていない方がベターですが,どうしてもカバンを持っている場合には膝に置くか胸元に抱えるようにして持った方がいいです。横に置ておいて開けられて財布を摺られたり,カッターナイフで切られて,中身を抜かれたと言う話をよく聞きます。(フィリピン人がですよ。)私の知り合いのフィリピン人は,腕にはめていた腕時計を抜かれたそうです。(腕時計をいじられれば普通気づくと思うのですがね。マジシャンが一杯です。)
深夜の利用は危険です。乗客や場合によってはドライバーがホールドアッパーに変身したり,最悪の場合は自分以外の全てがぐるで身ぐるみ剥がれる事態が起こり得ます。
多額の現金を所持したり,「金あるぞー」と宣伝しているような服装(上等な服や装飾品)での利用も控えた方が無難です。
もっともこの辺の注意事項はジプニーに限らず,徒歩を含めたどのような交通手段でも共通(自家用車も厳密には例外とは言えない!)だと思いますので,良識と常識を持って行動すれば,そうそう危ない目には遭わないと思います。
さあ,これであなたも「似非フィリピン人」!
ジプニーへトライしてみましょう!
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