第1章 研究目的


我々消費者は、商品(製品)の情報やブランド、購買行動時における状況などによって購買意志決定がなされる。この購買意思決定を巡って、近年、多くの媒介変数の議論がなされている。商品のタイプ分けや、購買態度、事前思考を規定する変数の組み合わせ、ブランドロイヤリティ、知覚リスク、そして「関与(involvement)」など様々なものがある。
現在の変化の激しい市場環境で、商品分類や製品別購買行動にも影響している「関与」は、個人の製品に対してのこだわりの程度を「ものさし」代わりに測定でき、近年、消費者行動論の中でも注目されるようになった。それが故に、現在まで様々な関与概念の研究が行われてきた。
そこで我々は、「関与」の性質にはどのようなものがあり、消費者と製品にどのように関わってくるのか、また現在まで行われてきた「関与」概念を整理・検討し、その問題点について考察する。