ミラークルム −ザ・ラスト・レベレーション−

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PC−FXの中では珍しい、普通のRPGです。

キャラクター配置については、戦士タイプの主人公と、 おとなしい治癒系のヒロイン、元気な魔術師系サブヒロインに、ちょっとボケ役の忍者と、かなりス テロというかお約束になっています。4人目は、まあ、いてもいなくても…ですが。

シナリオ的にも王道というか、大地を駆け、海を渡り、 空を翔けて世界の危機を救うという…それじゃ、簡単すぎますね。肉体改造された影響で記憶障害を 起こした主人公がかつて仲間だった者達と戦う過程で記憶を取り戻していくとか、ヒロインが実は 人間じゃなかったとか、特定の街で宿泊するとサービスシーンのムービーが流れるとか、諸々の直球 どまんなかな展開が繰り広げられます。

システム上では、天候が戦闘に影響するようにしてあっ たり、戦闘コマンド入力時に値が周期変化するゲージを表示し、ゲージの値が大きいときに決定ボタ ンを押すとダメージが大きくなる(インパクトモード)ようにしてあったりと、細かい工夫が施され ています。また、戦闘時に技を使った場合の演出も結構派手です(なお、ヒロインの使う天使召喚は とても重い(所用時間が長い))。

ただし、シナリオ進行上必要な情報(〜に行け、〜が必 要、など)の出し方に不親切な場合があるため、つまることがあるかもしれません。ネタばれになっ てしまいますが、ゲーム中に、開かない扉と、複数の上げ下げできるレバーが取り付けられたパネル、 正負の数字が書かれた複数の扉がある塔というのが出てきます。開かない扉を開くにはレバーを操作 しなければならない、というのはすぐに分かりますが、問題はレバーの操作法です。正解は、扉に書 かれた数字を合計した結果を2進数に変換し、上げた状態を1、下げた状態を0としてレバーを操作 する…なのですが、黎明期のパソコンゲームならいざしらず、コンシューマ機用のソフトで出すパズ ルではないでしょう(雑誌の攻略記事でも、レバーの操作法のみ記して「何も言わずにこう操作しろ」 というニュアンスで済まされていました)。しかも、事前に与えられるのが「そこには数学的なパズル がしかけられている」という情報だけなのです。もっとも、これは極端な例で、他の場合はマップ内を うろついていれば、時間はかかるもののいつかは正解に到達できますが。

さて、めでたくエンディングに到達した後は、おまけモ ードである「バベルの塔」が遊べるようになります。なんというか、これが本編よりもやりがいがあっ たりするのです。各階にパズルの仕掛けられた塔の頂上を目指すという内容なのですが、ワンダリング モンスターがそれまでの中ボス並みに強力なうえ、パズルも上述のレバーの件よりずっと難解(だから 楽しいのですが)です。…なお、私はいまだにクリアしていません。

総評としては、いろいろと問題点はあるものの、結構遊 べるゲームではあります。