イ・スンチョルを見た!

・スンチョルのライブを見て来た。ここで私は、のっけからイ・スンチョルという歌手はいい!すごくいい!素晴らしい!と言ってしまう。一気に書いてしまいたい。だからどんな主旨のコンサートで、どこで行われて、いやいや、そもそもイ・スンチョルがどんな歌手で、どんなキャリアで、どんな曲が有名か・・という説明は一切省略させて頂く。というのも、すでに強力なサイトで紹介されているのである。たとえばこのコンサートがどんなものかについては、なば班長のニュースのバックナンバー(TURBO CLUB:すみません、他人任せで^^;)とか、Lucy先生のコンチュリ追っかけ記録(CLUB KKO KKO:すみません、他人任せで^^;)に詳しいし、イ・スンチョルについてはSUMさんのところ(コリアあんどカラオケ:すみません、他人任せで^^;)で紹介されているし、また、すー画伯の秀逸な似顔絵(ノドン2号:すみません、他人任せで^^;)も是非参考にして頂きたい。(こんなリンクを張ってる間に自分で書けばいいじゃないか)

っそく会場入りするのである。なお、撮影禁止にも関わらずアンコールのどさくさで何枚か唄っているスンチョルの写真を撮ったが、これはデジカメではないので、現像して写りを確かめてPhotoCDにして・・ということで、少し時間がかかる。ちゃんと写っていれば後日貼り付ける予定である。

ああ、やっと始まる。1999年6月6日午後4時半、予定より30分も遅れてスタートである。席は前の方のど真ん中。照明が消えて数名がステージに現れる。演奏が始まっても前座バンドと思って気を抜いていたら、実はれっきとしたスンチョルのバックバンドであって、突如イ・スンチョルが飛び出して来た。「おおおおお!」

う言えば大柄なベーシストとがっしりしたコーラスのお姉さん2人は、ジョンシク君にもらったコンサートのビデオ(m・netを録画したもの)で見覚えがあった。しばらく瞬きもしないで本物のスンチョルを見つめる。私に同行した韓国人は、韓国のナイト(ディスコみたいなもの)でスンチョルを席に呼んで一緒に飲んだことがあるという。「昔はもっと素敵だったのに」などと言うが、私にとっては今でも十分に素敵である。マリファナか何かで2度も捕まったなんていう話もどうでもよい。あのスンチョルが生で動いているというだけで、私には感動なのだった。あのスンチョルが目の前に---バラードで右耳を押さえながら唄う---アップテンポの曲ではリズムに乗っているのかいないのか、小刻みに首や手足を動かす---ギタリストと並んでギターの早弾きのマネをする---両手を広げる---どこかを指差す---顔をしかめる---奇声を発する。・・・すべてがカッコいい。どこの誰がマネをしても野暮ったいであろう動作が、スンチョルだからカッコいいのだ(ファン心理ですねぇ、これは)

ンチョルのトークは、日本公演だからなのか、元々きれいな発音なのか、私が思っていたよりは聞き取ることができた。ステージ進行の順序の記憶がめちゃくちゃだが、思い出すままにいくつか紹介してみたい。ステージ進行と言えば、入場前にプログラムが配られたのだが、そこに書いてある曲順とは無関係に演奏されていた。やらなかった曲もある。あれはきっと韓国でのコンサートのものをそのまま書いたのではなかろうか。

ず、「こんにちは、イ・スンチョルです」と、甘い声で挨拶する。客はヒューヒューきゃーきゃー言いながら拍手。そこで後方からオッサンの声が何かを叫ぶ。「日本語でお願いします」と、韓国語で言っていたようだ。同行者によると、発音からして在日の人のようだ。「な、なんですって?」舞台からスンチョルが聞き直す。オッサンがまた同じことを言う。「日本語はですねぇ、勉強しようかと思ったんですけど、覚えなきゃならない唄がたくさんありまして、勉強できませんでした」スンチョルはうまくかわした。とりあえず「ありがとごじゃいます」という日本語だけは発したが、スンチョルはまったくしゃべれないようだ。いや、私にとってはその方がいい。

催者とのちょっとしたセレモニーのあと、スンチョルが「さぁここから私のステージの本番ですよ」なんて言っているところで、さっきのオッサン(たぶん同じ人)がまた「日本語で」なんて叫んでいる。うざい!ここに何しに来たんだ?あんた韓国語しゃべれるんじゃないのか?・・そこでスンチョルが「私のコンサートにいらっしゃるなら、そちらが韓国語を学んでいらっしゃい」みたいなことを言って、会場が大いに湧く。私も大きな拍手を送る。

ンチョルが日本に来たのは2度目で、1度目はサッカーの韓日戦だったそうだ。「昨夜その辺の通りを歩いて見ました。2日しかいないから韓国と同じだなぁと感じますけど、もし1ヶ月住んだらまったく違って見えるような気がします。そうでしょう?」すると多くの韓国人から「ネーー」と同意の声があがる。「道がちょっと狭いだけ」とも言っていたが、是非1ヶ月過ごして見てもらいたい。

なり予習していたので、曲はほとんど知っている。が、タイトルと曲が一致しない。キャリア14年の歌手の曲を、ファン歴1年ぐらいの私がここ2週間ほどで古い曲から最新曲までつめこんだのだから、粗が多いのだ。一緒に唄える曲となると、3曲ぐらいしかない。ちょっとアレンジの違う「アンニョンイラゴ マルハジマ」のとき、客席にマイクが向けられ、皆で唄う。ああ、そのマイク貸してくれ!(笑)

体に客のノリが、実はよくない。本当にイ・スンチョルが見たくて、一体になりたくて来ている客ばかりではないのだ。いかにも韓国アガッシ!という感じの人はたいていノリが良く、ちょっと歳上のアジュmマになるともう雰囲気が違ってしまう。とにかく韓国から大物が来たから見ておかなくちゃ、という程度で来たのではなかろうか。まさに私のすぐ前の席がそんな感じだった。始まる前は、何が嬉しいのか互いに写真を撮り合ってはしゃいでいたくせに、さぁ盛り上がろうというところで変におとなしい。それでも口だけは参加していたようだ。スンチョルが確か、「もっと元気出して」みたいなことを言ったときに、妙に通る声で「酒飲んで来なくちゃ」と言い、それを聞いたスンチョルが「じゃぁ今度は私が1杯ずつ注いで差し上げます。2杯目からは有料ですが」と笑わせた。

のアジュmマ達が開演前にきゃーきゃーと仲間同士で写真を撮っていたとき、私の連れが小声で言っていた。「韓国人はなんでこんなに写真ばっかり撮るんだろう?こっちが恥ずかしい」日本人の目に映る韓国人像を心配したようだった。私はそんなことよりも、こんなに前の席で、真ん中で、皆立ち上がっても座っている姿の方がイヤだった。こんなにいい席はもったいないから、両脇の自由席のノリのいいアガッシ達を真ん中に連れて来てあげたい。

ぁそんなことはともかく、私はスンチョルに対して「うまいなぁ、なんてうまいんだろう」と、当たり前のことをずっと考えていた。たとえば私が唄うとして、キーが高くて苦しくてぎりぎりのところの、さらにその上の上みたいなところを、すごい声量ですごい肺活量でスコーンと唄ってしまうのだ。その極めつけが、ご存知(かどうか知らないが)「マジマク コンソトゥ」の見せ場:

♪ぱっくろぉぉ なぁがぼーりごーーーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーおおぉぉぉ

である。上を向いて口にマイクを突き刺すように持って、そのまま1分間(正確な数字ではない)ぐらい。プロなら誰でもできるって?そうかねぇ?そうかも知れないが、「マジマク コンソトゥ」はスンチョルの曲だから、この名曲とセットで「最高!」というのはスンチョルしかいないだろう。(ファンとしてはそう思う)

中でスンチョルがサングラスをはずす。韓国人は素直に「きゃー!」と言えるだろうが、私は頭のどこかで林家こぶ平を思い出してしまう。それを同行者に話そうかと思ったが、こぶ平を説明するのが面倒だからやめた。

ころで、なんと、もう今度の冬(12月)にまた日本でコンサートをやるのだそうだ。今日のスンチョルはノーギャラ(そういう主旨のコンサートなのだ)なのだが、日本でやってみて、そこそこ客が入るという感触をつかんだので、冬の公演を急に決めたのだろうか?まぁどっちでもいい。稼いでください!

ンチョルが世に出たデビュー曲は、「ヒィヤ」という。スンチョルは客席の女の人に「ヒィヤ!と呼びかけてくれたら唄い始めます」と告げた。しかし、最初はぱらぱらと声が上がるだけ。「あ、方言は使わないでくださいね、そちらテグの方のようですけど」文字で表わしてしまうと(しかも日本語で)伝わらないかも知れないが、ここが何ともおかしかった。こうやって笑わせて声を出しやすくするんだろう。客席からの声はやり直しのたびに大きくなって、ようやくスンチョルが唄い始める。すごい歓声が起こったが残念なことに、私は予習不足でこの曲をあまり知らなかった。一緒に唄っている周りがうらやましい。同行者が私に言う。「誰でも知ってる有名なバラードなのに」・・・ふん。

盤過ぎだったろうか、「カップルは手を挙げてください」と突然言い出し、何組かが手を挙げて、その中で結婚している1組がステージに呼ばれる。ダンナは下で待たされ、奥さんだけがスンチョルに導かれる。そして奥さんを抱くようにして(つまりチーク)唄い始める。これはすごい。こんなことをされたら、男の私でも感激してしまうだろう。その奥さんのダンナは、ステージの下で苦笑している。少しじらしてからダンナもステージに上げて、スンチョルに代わって愛妻と踊らせる。これもすごいサービスだなぁ。

なり後半になって、ようやく客が立ちあがり始める。私はもっと早く立ちたかったが、やはりバラードが多いので立つタイミングが難しい。客の多くはあまりコンサート慣れしていない感じで、スローな曲に手拍子を入れてスンチョルに止められる場面もあった。その仕種もよかった。パッと片手で客席を制したあと、耳を指差して「聴け」と。これを唄いながらやったのだが、これは私もいつかマネしたい(笑)

て、バックバンドの「立って立って!」という動作でようやくまぁ、総立ちに近い状態になった。さっきの私の前のアジュmマ達は、連れの在日アジョッシがノリノリで立っているのに頑固に座っていて、私は両肩をつかんで立たせたい衝動にかられる。そして、やっと盛り上がったと思ったら「カmサハmニダ!」と言ってスンチョルが消えてしまった。「え?終わり?」

んなはずはない。まだ肝心のあれを聴いていない。アンコールは2度あったので、どっちが「イ・スンチョル!イ・スンチョル!」で、どっちが「エンコル!エンコル!」だったか忘れた(実は帰ってからまたライブビデオを見たので、それともちょっと混同している)が、スンチョルは当然のように戻って来てくれた。

のうち、待ちに待ったその曲になった。イントロがほんのちょっと流れただけで「オヌルド ナン」だとわかった。女性コーラスの態度を見てもわかる。たぶんこの曲で最高潮に達しただろう。私の前の客もようやく重い腰を上げた。私の思い込みかも知れないが「この曲を待ってた!」という雰囲気があちらこちらにある。私が、まさにこの曲を聴いて一緒に騒ぎに来たようなものだからか?---スンチョルの首が前後に揺れる。これだこれだこれだぁ!自分で、サーッと総毛立つのがわかる。手足から顔まで、一気に何かが登って来る。手拍子したり腕を振ったり、もう私はスンチョルしか目に入らない。

間が経つのが早い。「オヌルド ナン」のあと2〜3曲で、本当に終わりが来た。スンチョルがバンドとコーラスを1人ずつ紹介して、全員でおじぎをして消えて行った。うーーーん(いま思い出している)。もうこれ以上ごちゃごちゃ書きたくない。1人で余韻に浸らせてください。

以上!

追記1:どなたか同じ会場にいた方、曲順を覚えておられませんでしょうか?
追記2:韓国語はすべて意訳してますが、「それは違うよ」という聞き取りミスがありませんか?

メールを頂けると、とても嬉しいです。sangmin@mail.goo.ne.jp


追記

ぶんたさん、さっそくありがとうございました!!

私が見に行った前日、6月5日の曲順は以下の通りだったそうです。たぶん6日も大きくは違わないでしょう。・・・改めていろいろ思い出します。1曲目って私は知らない曲でした。だから前座バンドの演奏だと思ってしまったんですね。「コムン コヤンイ」で始まるとばっかり思い込んでましたし。2曲目、好きな曲です。このメロディーは口説く時に効果的かも(嘘)。3曲目が、私の書き方だと「ヒィヤ」(ハングル使えばよかったかも)で、ああこんなに早目に唄ったんでしたっけ。4曲目は頭の上で両手クルクルをやらされる(笑)あれですね。6曲目は有名ですね。どんなへっぽこカラオケにもこれだけは入ってますね。最初に聴いたのはルーラのライブビデオだったので、しばらくルーラの曲だと思っていました。7曲目が大先輩歌手の曲をリメイクしたもので、この話は「イソラエ プロポーズ」出演のときにも話していました。「**という歌手、ご存知ですか?」とスンチョルが言うと、必ず何人かが「ネー」って答えて、すかさずスンチョルが「本当にご存知ですか?」って訊くというパターン。5日と6日が同じなら、後輩(たぶんゴンモ?)が唄ってヒットしたという曲がこの中にあるはずです。カップルをステージにあげた曲は・・・はて?どれでしたっけ?・・・私は本当にファンか?

01イ スンガヌル オンジェッカジナ
02ピエ
03ヒヤ
04カッカイ ワバ
05サランイラン
06アンニョンイラゴ マラジマ
07イルム モルル ソニョ
08クデガ ナエゲ
09チャムド オジ アンヌン パメ
10Wonderful tonight
11マジマク コンソトゥ
12フッペクノルリ
13ソニョシデ
14オヌルド ナン
15ナ イジェヌン
16オジク ノップニン ナルル
17チュオギ ガトゥン イビョル


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