旅行記2の前に

旅行記1は意外に好評だった。「こらぁ!」というメールは(いまのところ)来ていない。 それどころか嬉しいメールばかり来て調子に乗って旅行記2を書こうとしている。しかし、 2回目以降は、初の韓国旅行ほどの衝撃は当然なかったし、ハラボジとの出会いほどの感動 はないのである。たぶん韓国人と結婚でもしない限り、同じような感激はもうないと思う。

得てして、2番目は面白くない。映画でも「***パート2」はがっかりすることが多い。 自分が他人の旅行記を読む場合、不慣れな土地で悪戦苦闘しながら、それでもまぁなんとか してしまう過程のドタバタを楽しむ。主人公はあまり平然と歩いていちゃいけないのだ。そ の点はしかし大丈夫だと思う。3回韓国へ行っても、やはりドタバタしている。「韓国人と は。。。」などと書いたとしても、それはその時の刹那的感想であって、国や人々を分析し て「韓国はこうだ!」という結論を出したいとは思わないし、そんなゆとりはまだない。

旅行記1を読むとわかるが、自分は韓国バンザイ!と手放しに言ってはいない。職場で「* *くんは韓国好きだからなぁ」などと言われるとちょっとカチンとくるのである。「**く んは初めて行った韓国でたいへんお世話になったハラボジが好きだからなぁ」とでも言って くれれば問題ないのだが、職場でここに書いてきたようなことはほとんど語っていないのだ から無理な注文である。

帰ってすぐスナックへ土産を届けた。なんだか急に韓国語を話すテンポが速くなったので、 店の人はみな驚いた。韓国語は日本語を話すときよりも大きな声で、ちょっとケンカするよ うな口調でやると(やりすぎはよくない)ちょうどいい。以前は語尾の上げ方や伸ばし方が、 教科書的でありすぎた。そのへんの変化を店の韓国人は、やはりキチンと聞き取ってくれた。 「ハラボジとあそこへ行ってどうしてこうして・・・」と語る自分を、ママの娘もアジュマ ガッシもちょっと呆然とみつめたのだった。

江南の、うちの会社の日本人は楽しそうにしていた自分をどうみただろうか。彼はイヤイヤ韓 国に送られ、ちょっと勉強しようともしたのだが諦めたと言っていた。本社では会ったことが なく、韓国で初めて会って挨拶を交わしたのだが、初対面の自分のために時間を割いてくれて 嬉しかった(こっちは遊んでて彼は勤務中)のだが、韓国に行きたくて行った人間と来たくな かった人間の姿勢の違いははっきりとあった。「仕事で来てみればわかりますよ」と言われた。 そうかもしれない。こっちはせいぜい10日で日本に帰れるのだから。韓国に住んでいるのが もうどうしようもなく嫌になっていたとしたら、どんな気分で帰って行く自分の後ろ姿を見送 ったのだろう。。。誰かが楽しいときは、きっと誰かが楽しくないのだ。

ここであまりたくさん書いてしまうと本文で書くことがなくなってしまうので、この辺にして おこう。では再び、韓国に行く。


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