Diplomacy ルール

−−−ここに運は必要ない。


1.概要

ディプロマシーは、単純な国盗りゲームです。運の要素が入っていないとこが特徴であり、
それゆえ、プレイヤーの戦略眼がもろにゲームに反映されます。

また、決して一人では勝てないようになっていますので、他人との同盟が必要です。
ここで、ディプロマシー(外交戦略)ということが重要になります。

「どこと共闘するか?」、「どこと戦うか?」、そして、「いつ裏切るか?」

ディプロマシーのプレイヤーはこのような選択を迫られます。

さて、あなたは欧州の覇者となれるでしょうか?

 

2.国・サプライ(都市)・ユニット

ディプロマシーでは、プレイヤーは各国の軍隊に命令をだします。ディプロマシーは
最大7人まで(ていうか6〜7人が望ましい)なので、担当する国も7つあります。 

(数字は初期ユニット数)

イギリス  3(陸軍1 海軍2)
フランス  3(陸軍2 海軍1) 
ロシア   4(陸軍2 海軍2) 
ドイツ   3(陸軍2 海軍1) 
オーストリア  3(陸軍2 海軍1) 
イタリア  3(陸軍2 海軍1) 
トルコ   3(陸軍2 海軍1) 

6人でプレイするときは、イタリアを抜くのが良いでしょう。ただし、この場合のイタリアは
「誰の援護も期待していない かつ 自国を専守防衛する」動きをすることにします。

ユニットは2種類あります。陸軍(Army, Aと略する)と海軍(Navy, Nと略する)です。
現実と同じように、陸軍は陸上の地域しか動けませんし、海軍は海域か、沿岸部の地域に
しか存在できません。

また、ユニットは一つの地域に一つしか存在できません。
そのユニットが自国であっても他国であっても、一つの地域に二つ存在することはありません。

マップを見てもらうとわかりますが、地域のなかに、■のある地域があります。
これは、サプライ(都市)を表していて、この数と同じだけ、軍隊を持てます。

サプライは、ユニットが初期配置されている地域に加え、12の空きサプライがあります。

ゲームの勝利条件は「18以上のサプライを占領する」ですが、非常に長くかかるので、
年を「10年」とか「5年」とかに区切って、一番多くのサプライを占領していたプレイヤーの
勝利、としてもかまいません。

 

3.ゲームの流れ

ディプロマシーの「一年」は、次のような順番になります。

外交フェイズ(春) → 命令フェイズ → 命令解決フェイズ →
外交フェイズ(秋) → 命令フェイズ → 命令解決フェイズ → 部隊補給/削減フェイズ
→ (次の一年)

つまり、一年は春と秋に別れていて、それぞれで軍隊を動かすチャンスがあるということです。
ただし、ユニットの補給は秋にしか行われません。

・外交フェイズ

このフェイズは、プレイヤー間で相談をして、軍隊をどのように動かすかを決めます。
もちろん、どのような相談(密談)をしてもかまいません。
他プレイヤーに内容を教える必要もないですし、その義務もありません。
常識の範囲内で相談を行ってください。

このフェイズがディプロマシーの中核をなすフェイズです。実際のボードゲームでも
このフェイズに30分かけることもザラにあります。
幸いネットワーク上でやる分には、時間がたっぷりあるので良いといえるでしょう。

ある一定時間を過ぎたら、軍隊を動かす命令書を作成します。

・命令フェイズ

自国のユニットを動かす命令書を作成します。
書式は「どこのユニットが、(どのような行動をとって)どこに移動する」です。

一例をあげましょう。

・イギリス
エジンバラ  陸軍 移動 ノルウェー

これは、エジンバラにいるイギリスの陸軍が、ノルウェーに移動することをあらわしています。
ユニットの移動、行動については 4.移動と行動 を参照してください。

さて、このような命令書ができたら、国連役のひとに渡します。ネットワーク上だとメールで
okですね。

すべての国の命令書がでそろったら、次のフェイズに進みます。

・命令解決フェイズ

国連役の人は、すべての命令書を集めた後に開封し、すべての軍隊の行動を解決します。
このとき、ユニットの移動はすべて同時に行われます。

行動の解決方法については、4.移動と行動 を参照してください。

・部隊補給/削減フェイズ

秋の終わりにしか行われませんが、秋の命令解決フェイズ終了後、軍隊を補給します。
くわしくは 5.軍隊の補給/削減 を参照してください。

 

4.移動と行動

ユニットのできる行動は以下の4つです。「移動」以外は、今いる位置から動きません。

・待機(stay、keep)
・移動(move)
・援護(support)
・輸送(convoy)

・待機

この命令を受けたユニットは、何もしません。その場にとどまります。

・移動

ユニットを隣接する一地域に移動させます。その際、すでにユニットのいる地域を指定しても
かまいませんが、「援護」なしでは移動できないでしょう。

移動をする際に注意しておくのは、「同じ地域に2つ以上のユニットが入る場合」
は、両方の移動がキャンセルされます。これをスタンド・オフといいます。


←スタンド・オフの一例。両方のユニット(A)が同じ地域に
移動しようとしたので、スタンド・オフとなって行動がキャンセル
される。

←これも、スタンド・オフになる。基本的に、
攻め込んできた地域には移動できない。

・援護

あるユニットの移動に対し、その行動を「援護」することによって、スタンド・オフを回避
することができます。

←援護の一例。黒のユニットの進行を、援護(赤い矢印)
したことによって、スタンド・オフにならずに進行が成立
している。



援護するユニットはいくつでもいいが、移動の対象となる場所に隣接していなければならない。
言い換えると、対象の場所に「移動できる」ユニットは、援護も可能です。

また、援護は、「待機」に対しても行うことができる。ようは、その地域を防衛したいために、
「待機」+その地域に隣接するユニットの「援護」を行うことができます。

「行動を行うユニット(常に1つ)+その行動を援護するユニット数」をくらべて、
多い方が行動を成功させることができます。

←よく起こる例。軍隊の行動表は、

A0 待機
N0 援護 A0(待機)

A1 援護 A3(移動)
A2 援護 A3(移動)
A3 移動

となっている。(A1+A2+A3)対(A0+N0)なので、
A3の移動が成功する。


移動の結果、待機している軍隊がつぶされた場合、強制的に隣接する地域に移動
させられます。(撤退)
もし撤退できる地域がないとき、つまり、周りがすべてユニットで埋まっている場合、
そのユニットはゲームより取り除かれます。(壊滅)

重要なこととして、援護はキャンセルされることがあります。
援護を行動としているユニットがいる地域に、敵軍が攻め込んだ場合、「援護」は
キャンセルされ、「待機」にかわります。

←援護キャンセルの例。行動表は

A0 移動
A1 待機

A2 援護 A3(移動)
A3 移動

となっている。A2はA3の移動を援護しようとしたが、
A0が攻めてきたために「待機」を余儀なくされ、
A3の進行は成功しなかった。


この「援護」という行動は、対象さえ正当なら、どの国のユニットでもかまいません。
(ていうか、それが同盟ってものなんだけど。)

・輸送

海軍のみが使える行動です。陸軍を、海軍の「輸送」行動で運ぶことができます。
海軍さえいれば、海域をいくつ渡ってもかまいません。

また、輸送途中に敵軍が進行してきて、「待機」の状態になっても、輸送は成功した
ものと見なされます。

ただし、「輸送」を行っている海軍が(撤退)もしくは(壊滅)したときは輸送は成功
しません。

 

5.軍隊の補給/削減

毎年秋が終わったとき、サプライ上にユニットがいる場合、そのサプライは軍を置いている
国のものになります。サプライの占領は、秋の終わりにのみ起こり、春にはおこりません。

占領が解決したのち、自国が占領しているサプライ数を数えて、保有部隊数より多い場合は
ユニットを増やすことができ、少ない場合は占領しているサプライ数まで減らさねばなりません。
減らす場合は自国の部隊の中から任意に選びます。増やす場合は、自国本土内(占領地は含めない。つまり、ゲームの一番最初に部隊が置かれていた場所)の、部隊のいないサプライにのみ
配置することができる。増やす部隊の種類は陸・海任意だが、海軍は当然海域のあるエリアに
しか配置することはできません。
もしエリアの空きが足りない場合は、その分の生産は次の生産ターンまで持ち越しになります。

配置・破棄は、他プレイヤーとの交渉なく、命令書にその内容を書いて一斉に解決します。


おおまかなルールは以上です。

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