Q熱 (Q fever)
リケッチア目の細菌の1属 【 Coxiella burnetii : コクシエラ菌 】 によって引き起こされる感染症

Q熱(Q fever)のQは,「Query」を省略したものです。「Query」とは,英語で「?」のことです。

病原体 コクシエラバーネッティイ ( Coxiellaburnetii )
分布 ニュージーランド以外の国全て
好発年齢 特になし
性差 なし
潜伏期 2〜4週間 (平均20日間)
治療方法 有り (急性の場合、テトラサイクリン系抗生物質およびクロラムフェニコールが有効)
有り (慢性の場合、化学療法の効果があまり期待出来ない)
自然界では野生動物、家畜、愛玩動物が不顕性感染している。
感染動物由来の羊水、胎盤などに汚染された塵挨(エアロゾールの吸引)、汚染獣皮、毛皮類等からの経気道感染が最も多い。
非殺菌生乳の飲用による経口感染もあり得る。その他、感染動物の尿、糞便も感染源になり得ると報告されている。

人から人への感染はまれ
感染経路
予防方法 ペットに触った後は、手をハンドソープ等で洗浄する。
ペット用トイレはこまめに掃除をする。掃除後は、手をハンドソープ等で洗浄する。
口周辺を舐めさせない。
箸の共用や、食べ物の共用はしない。(ペットが舐めた物などは、飼い主の口へ入れない)

◆ 発症後の自覚症状 (初期)
急激な発熱 微熱が長く続く
発疹 頭痛
眼球後部痛 食欲不振
胸痛 粘液性の喀痰
全身の倦怠感 疲労感
悪寒 咳が出る
筋肉痛 関節痛
眩暈 (立ちくらみ) 集中力の低下
咽頭痛 発汗
嘔吐 下痢
腹痛 体重の減少
★☆★ 風邪・インフルエンザの初期症状に酷似している ★☆★
無症状 (Q熱に感染した人の半数は、何も症状が現れない)
◎ 急性Q熱の多くは2週間程度で自然治癒し、死亡例はまれ
◆ 発症後、悪化した場合の症状 (合併症・続発症)
肺炎 肝炎
骨髄炎 髄膜炎
慢性心内膜炎 慢性肝炎 (肝機能障害)
リンパ節腫張 など

◆ 予想される感染ルート (現段階では、感染ルートは確立されていない)
ペットに物を与えた箸で、自分も物を食べる (箸の共用
ペットとのキス
ペット用トイレ(糞尿の放置
ペットとの触れ合い
ペットと一緒に寝る
予感染ルートの主だった要因として、ペットとの過度によるスキンシップが上げられている
コクシエラ菌は、乾燥状態になっても死滅しません (埃・塵状態で生きています)
調査した飼い猫のうち14.7%、飼い犬は10.7%が、保菌しているとの結果 (野良の場合は3〜4倍と予測)
保菌動物の糞・尿・胎盤等に菌が含まれる (胎盤には、特に多くの菌が蓄積されている)

◆ ペットの検査について
飼い主に症状が出てからで良いとの事  (検査よりも、ペットやペット用トイレを清潔に保つ事の方を優先)
検査に付いては、下記の医療機間へ問い合わせをして下さい。

◆ Q熱の治療・検査を行っている医療施設
東北大学医学部 遺伝子・呼吸器内科
電話:022−717−7875
日本大学附属板橋病院 受付担当 荒島氏
電話:090−6345−8084 受付時間 <月〜金>9:00〜17:00 <土>9:00〜12:00
池袋病院(埼玉県川越市)
電話:049−231−1552
静岡県立総合病院 総合診療科
電話:054−247−6111

◆ Q熱について
1937年にオーストラリアの食肉処理場の従業員が発病したのが、世界で最初のQ熱疾患です。

当初は原因不明の熱病(query fever)とされていたことから、“Q ”が疾患名がつきました。

Q熱による集団発生は、家畜・愛玩動物などの出産に関連する事例が多いくされていますが、散発例の多くは、
感染源や感染経路が特定出来ていないと報告されているそうです。

急性Q熱の場合、何の治療もなしに数ヶ月の内に患者の大多数は健康を回復すると言われてます。しかし、急性のQ熱と
なった患者の1−2%が、亡くなっているとも言われているそうです。

慢性のQ熱は,6ヶ月以上にわたるCoxiella burnetii の感染がみられるものを示すそうです。(多くないけれど、重症な病気)
慢性となる期間はバラバラで、急性のQ熱となった患者が、その最初の感染から1年後に慢性のQ熱を発病することもあれば、
20年もたってから発病する場合もあるそうです。

重症な合併症は「心内膜炎」で、大動脈弁や僧帽弁が侵される事があると報告されています。慢性のQ熱となる患者の大部分
は、もともと心臓弁膜症があったり、心臓弁膜の手術を受けている人達だそうです。臓器移植を受けている人・癌患者・慢性の
腎臓病患者の人達等も、慢性のQ熱になり易いと言われているようです。(慢性のQ熱となった患者の65%が死亡)

Q熱の潜伏期の長さは、通常10-14日sと言われていますが、最初にその人の体内に入り込んだCoxiella burnetii の数による
と考えられているそうです。多数のCoxiella burnetii が入り込めば、Q熱の潜伏期は短くなるようです。
Coxiella burnetii に接触して、2-3週間の内に発病する場合が多いけれども、一方で潜伏期が40日に達する人もいます。

全快した人は、終生にわたる免疫を獲得すると書かれてあります。

アメリカ合衆国では、コクシエラ菌に曝露した人に対して、発病予防のためにtetracycline あるいは doxycyclineといった
抗生物質が使われる事が有るそうです。

通常の治療には、テトラサイクリン系の抗生物質が使用されるのだそうです。

日本では10年程前から知られるようになった為、医療関係者の間でも余り知られて無く、検査出来る医院が少ない。

  何故かと言うと…

 ( WHOの要請により1952年〜53年にかけて血清疫学的調査が行われ、18県から採集された食肉解体従業員、
   獣医師等、家畜と接触する職業の人756名中3県の22名(2.9%)が抗体陽性という結果が得られた。しかし、
   当時は実験室内感染例を除いて、人の自然感染例が発見されず、日本における研究はその後約40年間途絶
   えていた。つい最近までは教科書的にもQ熱は日本には存在しないとの記載がみられた )

  と言う背景が有ったからだそうです・・・・。

上記は解る範囲で調べたものです。何分素人なので、「…だろう」の域を越える事は出来ません。
もっと詳しく知りたいと思われる場合は、インターネット検索をしてみて下さい (Q熱でヒットします)
◆ 個人的に思うこと…
下記の事に思い当たる人は、上記の医療セクションに電話確認をした方が良いと思います…。
☆ 体調が思わしくなて病院で診察を受けたが、治る気配が見えない

☆ 色々な病院で診てもらったが、「精神的ストレス」「心気症」「躁鬱病」とか「原因不明」と言われるだけで、原因が解らない

☆ 風邪をひいているような状態が、長期にわたっている

☆ 敷地内で野良犬/猫が、子供を産んでいるのを見かける事が多い

☆ 思い当たる事が無いのに、倦怠感/疲労感が継続している

☆ 思い当たる事が無いのに、食欲不振/下痢/頭痛などが継続している

Q熱は慢性になると怖い病気となりますが、予防をすれば自己防衛出来る病気であるとも言えるのではないでしょうか…。

ペットとのスキンシップは、飼い主にとって好ましい事です。しかし、過度になればQ熱以外にも弊害は出てきます。

愛情から来る行為であっても、お互いの健康を損ねる危険性が存在する限り、しない事が最良の手段だと考えます。
飼い主が病気になれば、ペットとのスキンシップその物が出来なくなります。

少し距離を置く事で病気が防げるならば、その方法を取り入れる事こそが、飼い主の愛情ではないでしょうか・・・。
今まで何もおきなかったから平気…は危険です。病気は突然現れるものですから。

飼い主もペットも健康で暮らせる事が、幸せの第一条件だと私は思います。
Go Top