心配の種




心配なんだ、最近。
すごく心配なんだ。
こんなこと君に言ったらきっと怒られるし、悲しまれるから言えない。








「ん、いたっ、いって、アスランッ」
「ほら。大丈夫だから、キラ、力、抜い、て」
「あっあぁ」

夜の色情事。

少しの明かりだけが灯された部屋で僕はアスランとの行為にふける。
いつもどおりの甘く、優しい愛撫の雨に、しだいに追いつめられる僕の体。

強ばる体を解すためのキスが交わされる。


「んっ・・・ん」


ゆっくり絡まる舌。
上がる息。
しかし、そっちに意識が向いたおかげでを無駄な力が抜けることは、過去のアレコレでわかってる。

きっとキスは安定剤。

頭の中に快感という、淡い靄がかかり始めた。



「アス、ラン・・・」

声に妖艶が含まれる。
自然とアスランに触れたくて、深青の髪に手を伸ばし、指に絡める。



アスランは軽く顔を上げ、笑みを浮かべてる。



その笑みが好き。
何度もその笑みのように優しいキスをして欲しくて、髪を引く。


ふと。


思い出した、心配の種。

「あっ・・・」


手を外してしまう。
あと数センチで唇に触れそうな距離のところで急に離してしまった手のせいで、沈黙が二人の間を割る。



「キ・・・ラ?」

「えっ、あっ・・・」

不穏な表情のアスラン。

キリッ。


胸が痛む。



言いたいけど言えないよ、こんなこと。


「キラ?どこか痛い?無理させた?」

「えっ、あっ。ううん、どこ、も痛くなんてない」

「それじゃあ、どうして・・・」


アスランが離れた僕の手を掴みとって口づけた。
それは、何か僕の手を惜しむような、そんな動き。


「・・・どうして、離すの?」

僕はいつも行為の最中にアスランの髪に手を伸ばす。
僕らの間ではそれが無言のある合図だった。
快感が上り詰めてきたという、合図?のよう、な。
「・・・それは、」

何?、と問いつめるアスランの瞳。

ごめんね、アスラン。

こんなことで君に迷惑、かけて。
こんな余計なお節介で。

「キラ?」

「ううん。なんでもない、から、」

止めないで

これは本当。

止めないで、と懇願。


だけど、やっぱり・・・アスランには、駄目。


「誤魔化さないで、キラ。言わないとこのままだよ」
「そんな、アス・ラン・・」

真っ直ぐに見つめられ、言葉が続かなかった。
やさしい目だけど、絶対拘束の力を持つ光があると思う。



お昼のこと。
今の原因と言ってもいい、あるテレビ番組を思い出す。


はぁ、あんなのみなければ良かった。

[今日も○○××いっきりテレビ]

最近人気の(主婦の間でだけ、ね)ミリもんたのやっている、お昼のご長寿番組。
ふと、テレビのチャンネルを回しているときに見てしまったのがことの始め。


「・・・言ったら、続き、してくれるの?」

「あぁ。ちゃんと本当のこと言ってくれたらね」

「・・・怒らない?」

「うん」

「絶対怒らないでよ」

「怒らないから」

「わかった」



「あのね…アスランっ!アスランはハゲたりしないよねっ?そんなことならないよね?」







後書き。

これも続くのかよ!つらくなるのは自分だってことは痛いくらい知ってるのに………。一応、ギャグです。私が書くとどっか壊れてしまうキラ。ごめんねv

ミリもんた!大好きです!(ラジ種リスナー)豊口さんのトークっていいですよねーふふふ。