ほぼ同時進行、そのころザフト艦にて。

 

 

ばりっ。

その部屋で、先程から散発的に響くその音はやけに響いている。

ディスプレイから溢れる音声以外に、言葉を発するものが居ないせいだ。

 

その部屋のなかにいる、2人。

クルーゼは厚焼き醤油せんべい(特大)を食しながら、ディスプレイを眺めている。

その対面のソファーには、妙に無表情なアスランが鎮座している。

その視線はやはりディスプレイに注がれており。

 

その鮮明すぎる画面には、キラとフラガのやりとりが、しっかりと映し出されていた。

 

「・・・また画質が上がったようだな」

「は。・・・先日バージョンアップを施したので」

 

初期装備は盗聴機だけだったトリィも、ここまで進化していたらしい。

 

キラオンリーラブただいま拉致計画検討中、アスランの力作である。

 

なぜバージョンアップ出来るのか、などと尋ねてはいけない。

トリィは一定周期で、キラのもとから宇宙を超えて主アスランのもとへ舞い戻っているのだ。

もちろんそれだけではなく、軍事用の対光学兵器バリアすら突き抜ける、正しく『は全てを超える』強力な通信機能で、常にキラの輝く姿と優しい声音をリアルタイムでアスランの元へ送り続けている。

 

トリィがキラの手にわたったのは月の幼年学校にいたころ。

そのころから既に充分すぎるまでのキラ馬鹿であった。

 

 

 

 

さて、そうこうしているうちに遠くはなれたアークエンジェルのほうは、佳境に突入している。

 

ひく、とアスランのこめかみが微妙に動いた。

表情の読めないクルーゼのほうも、纏う雰囲気が、黒い。

 

「・・・アスラン・ザラ」

「は」

「フラガには手を出すな」

「・・というと」

 

「お互い、殺意を抱いたという事だ」

 

ああ、とアスランは納得する。

そもそも、イザークあたりの胃に穴があきそうなアスランのキラオンリーラブ故の数々の暴走を、クルーゼが黙認した理由だ。

 

『そのトリィとやらが送ってくる画像、フラガのものがあったら私の方へ』

 

まさに魚心あらば水心。

ノリは悪代官と越後屋に近い。

 

「隊長も、くれぐれもキラには危害を加えないで下さい」

「勿論だよ」

 

 

 

 

隊長からして、エースパイロットからしてコレである。

クルーゼ隊の、全ての常識人、真人間の幸福を、せめてもの気持ちから、祈る。

 

無理かもしれないが。

 

 

 

 

<後書きというか苦しい言い訳>

うわあ、なんなんでしょうか?

一応補足というかつじつま合わせなんですけど。ノリがいまいちで良く分らない。

トリィの機能、もうキラ姫会の中では常識です(笑)。いかがなものでしょうね。

アスランに至ってはアホラン呼ばわりです。

ともかく、あたしはアスキラむしろアス→キラ、クル→ムウ基本です。ギャグならば。

キラはアスランと戦うことについて、純粋に友情からくる悩みを抱えてますが、ちゃーんと周りの可愛い女の子やら大人のお姉さんやらにどきどきして、青春謳歌してるのですよ(笑)。

ムウさんはなにやら隊長と過去の因縁があるようですが、ともかくクルーゼを全力拒否の方向で。

・・・シリアスはサンショが書いてくれるからいいよ!(あ、開き直った)

いえ、嘘です、すみません・・・・(滝汗)。

 

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