『キラといっしょv』〜序章・ザフト〜
それは、オーブからのG奪取作戦決行3日前。
ザフト鑑内・トレーニングルームにて。
「アスランっ!アスラン・ザラは居るかー」
典型的な髪型で有名なイザークが、ドアを勢いよく開け放ち中にいる者に叫んだ。
各自いろいろな機具を使い、身体を鍛えている男達が一斉に視線を出入り口付近に合わせた。
その中の3人が声を上げ、イザークの言葉に応える。
「イザーク、ここにはアスランは来ていないぞ」
奥の方からダンベル片手に現れたディアッカが一人目。
「何かあったのか?イザーク。君がアスランを探しているなんて」
ディアッカのタオルを持たされた、さわやか系好青年・ラスティ(二人目)。
「・・・見える、見えますよ、イザーク・・・あなたの心が・・・あなたは今・・」
パシンッ!(後頭部をディアッカがどこからか持ち出したハリセンなるモノで殴った音)
「あっ!イザーク、大丈夫ですか?・・・あれ?アスランはどこに?」
一瞬、何者かと思ったが・・・。
霊媒体質がたたってか、最近多く自分を見失いかかっているニコル(三人目)。
イザークと同じクルーゼ隊のメンバーだった。
「そうか・・・。いや、クルーゼ隊長が私とアスランに話があると言ったので探しているのですが、どこにも居ないので。あの馬鹿野郎、どこで何してんのか」
眉間を押さえ、いかにもというような態度を取りながら壁に寄りかかる。
「俺達も手伝おうか?どこを探せばいい?」
ディアッカの提案にもう二人は了解しているらしく用意を始めた。
「すまない。けどもうあいつのいそうな場所は全て探した。残すは・・・」
「・・・第三ミーティングルーム。そこに犯人が・・・」
パタリ・・・。
「ど、どうしたニコルっ!しっかりしろっ」
急に妖しい言葉を残してニコルが床に倒れた。
力・・・使いすぎ。(一同)
数分後。
残された戦士三人はニコルの仇を打つため予言通りに、第三ミーティングルームのドアの前にいた。
確かに部屋は使用されていて、内側からロックされていた。
外から開けるにはパスワードを入力し、解除しなければならない。
「まっ、手始めにラスティ、やってくれ」
「ああ」
イザークの指名でパスワード入力にまわる、ラスティ。
その間、中でアスランが何をしているのかと気になるイザークとディアッカは二人でドアに耳を近づけた。(馬鹿?)
んが・・・。
のちに二人は、聞き耳なんて立てるんじゃなかった、と後悔の嵐に襲われた。
「な、なぁ・・・イザーク」
「な、なんでしょう、ディアッカ」(思わず敬語)
「あのさ、これって・・・」
「思いたくないですけど、そうとしか・・・」
(・・・沈黙。)
二人がドアの向こうから聞き取ったもの・・・とは。
『・・・おはよう、今日もいい天気だねv』
とても朝の寝起きには聞こえない、小鳥のような透き通った声。
『・・・早く行かなきゃ会社、遅刻しちゃうよ。いってらっしゃ〜いv』
男のロマン。嫁の朝の見送り。
『・・・今日は・・・やった!たまごサンドv』
ランチタイムだろう・・・かわいらしいはしゃぐ声。
そのまま続く、一人の声。
聞いてるだけでヒーリング効果抜群だろう、その声。
日常会話なのにどうしてこんなにも心を和ませるのだろう。
先程までアスランに対して二人が持っていた憎悪も、いつのまにか消え失せていた。
しかし、新しく沸いた憎悪。
――こんな時に女、密室に連れ込んで何してんじゃい!あほんだらがぁ!――
注)この時点でお二人が勝手に女だと思っているだけなので、心配無用(?)です。
パスワード入力に時間がかかっていたラスティに、ストップがかけられた。
見ると、ディアッカ、イザーク共に目の色がガラリ情熱の赤に変わっていた・・・。
「強行突破です、ディアッカ!!」(まだ敬語)
「おう!」
「お、おいっ。二人ともやめ・・・」
「3・2・1っ!」
ドスンッッッ!!!
情熱って恐ろしい・・・。
鉄製のドアが艦内全域に響いただろう、ものすごい音を立てて開かれた。
「ディアッカ!イザーク!ラスティ!何をしてるんですかっっ」
突破成功。
目の前のアスランを確認、まず保留とし、先に和み系美女を捜し始めた。
んがが・・・。
「・・・え?」
確認できたのは、大型モニターに映る美少年とそれに合わせて聞こえる和み系ボイスだけだった。
《後書き・・・らしきもの》
うっわ〜最悪なオチです、ゴメンねっラスティ!!てか、アスキラなはずなのに『キラ』って文字が題名以外に無いのって・・・(死)
何が書きたかったか、というと・・・。
『ザフトはキラを狙ってる!!』
と、いうことでふ。
てか、只今午前五時。空、まだ暗いです。冬に近づいてるんだな〜と。今日ガッコ。
あぁ、言い訳だ、言い訳ですよ、言い訳さ・・・。(眠)