*注意
  さんしょううおのなかでの月幼年学校は寮設定でございます。
  


アリガトウ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>5/18



「ハッピーバースディ、キラ」


朝の光が瞳に入り込んだ瞬間。
耳に届けられた、心地良いボイス。


「んっ・・・・」


まだ眠気が残る目を擦り、声の主を視界に探す。


「アスラン?」

アスランの姿はすぐ側に確認できた。
あ、もう制服に着替えてる。


「早くおきなよ、キラ。お父さんとお母さんからメールと小包が届いているよ」

「・・・今年も早いね」


寮に入ってから9度目の誕生日の朝。
毎年、その日の朝には速達で小包がメッセージ付きで届く。
誰よりも先に息子に『おめでとう』と言いたくての配慮だろうが、それが叶ったことは僕が覚えている限り、無い。

いつも最初の『おめでとう』は同室の君、アスラン・ザラ。


「今回のプレゼントは何だろうね?」


そういってベットの上に起きあがっているだけ(まだ少し眠いんだ・・・)の僕の元に、アスランが包みを運んでくれた。


「去年みたいにまた学習ソフトの10本セットだったら、今度の帰宅、延ばそうかな〜」


「そんなこと言わないの。キラのお母さんも君を思ってくれるプレゼントなんだから」


それに実際、試験で役に立っただろ?とアスランに言われると何も言えない。

やはり親とは怖ろしいもので僕にぴったりのソフトを贈ってきた。
プラス試験前、例によって何もしていなかった僕に「ある物は活用!」といってアスランが家庭教師(笑)してくれたおかげでもある。


「うぅぅぅ〜〜」


「でも今年はソフトじゃないな。少し重いよ、これ」


「え?」

「はい」


手渡されたそれは、大きさ的にB5サイズくらいで厚みもノート3,4冊くらいだ。


「何だろ?」

「まだ時間はあるから、開けてみなよ」

「うん」


ペリペリと青の無地包装紙を破かないようにはがしていく。


「あっ、これって」


数十秒後、出てきたモノは黒いボード状の黒い機械。
それがなんなのか、僕にはすぐ分かった。


「新しいノートパソコンっ!それも最新型!テレビで見て欲しいなーって思ってたやつっ!えっ、うわぁ〜ホントに?ねぇ、見て見てアスランっ!」


一気に目が覚めた。
満面の笑みがこぼれる。
手の中にある、ノートパソコン。
ずっと欲しい欲しいと思っていた新しいパソコン。


「良かったね、キラ」

「うんっ!」


今にも飛び上がって喜びそうな勢いだ。
うれしくてうれしくて、たまらない。


「手紙にはなんて書いてある?」

「え?あぁ、そうだった」


興奮して忘れてた。
ベットの上に広げられた包装紙の下を探す。
淡いピンクの花が描かれた封筒。
毎年、色違いの同じ封筒。
お母さんの好みだろうと予想。



「えーっと・・・『キラへ。お誕生日おめでとう。今日で13歳ですね。今年で学校も卒業です。勉強の方は大丈夫ですか?またアスラン君に迷惑かけていないでしょうね?』・・・て、もう耳タコだよ。母さんったら。で?『今回は、この前キラが欲しいとテレビの前で駄々をこねていた』・・・こねてない。『新しいパソコンを贈りました。これで少しでもキラが真面目に勉強してくれることを願っています。13歳はもう大人よ、キラ。これからは自分の考えで道を選んでいきなさい。お父さんもお母さんもいつでもキラの幸せを願っているわ。その事を忘れないでね。・・・・・・追伸。今度の休みは、アスラン君の家とキャンプに行くことになったから、このこと、アスラン君のも伝えてね。・・・・母より』・・・」



大人。
道。
選択。
幸せ。

母さんの笑顔が目に浮かぶ。




「キャンプって、また勝手に決めたな、母さん達・・・。折角今度の休みはキラと二人でデートしようと思っていたのに・・・・」


「アスラン?」


「あ、いや。こっちの話」


「?」


「それよりキラ。浸ってるのも良いんだけど、もう学校の時間が」


壁の時計を見ると、もうそれは朝食の時間まであと5分。
食堂のおばちゃんは時間に五月蠅い。


「あっ!やばいじゃんっ。うわっ着替えなきゃ!」


「はい、着替え。学校の用意はもうやって置いたから早く着替えて」


「あわわ〜」


アスランの用意周到さには感激するよ。
だけど、もっと早く僕に注意してくれないかな。
いつもギリギリくらいで言われるから、焦るしかない。
慌てふためく僕を見ながら、アスランはニコニコ笑って見てる。
うぐぅ〜時々分からなくなる。
アスランが優しいのか、意地悪なのか・・・。


「あ、キラ、言い忘れてたけど」

「ふへ?」


Tシャツの首穴からポフっと顔を出す。
お願いだからタイミングを狙って、声をかけるのは止めてっ!


「俺からのプレゼントは夜で良いよね?」


アスランの最高級笑顔。
クラスの女の子たちに見せたら、絶対悲鳴が上がるかな・・・。


「え、あ、うん。いいけど」

「期待しててね」

「アスラン?」

「残り3分。移動にどう頑張っても1分。さて13歳になったばかりのキラ君は無事朝食にありつくことができるのかな〜ははは」


「アスランッ!」


本人はもう僕の鞄も持って靴を履いてドアの前で待っている。
そこで、なかなかうまく開襟シャツのボタンがかけられない僕をまた笑顔で見ている。

「むむむぅ〜」


「ほら、キラ。こっちにおいで」


指が上手く動かないので(どうしてだ?)仕方なくドアのほうに向かう。


「大人ねぇ〜僕のキラはまだまだ子どもみたいだけど、ね?」


「悪かったですねぇ、子どもで」


「あはは。怒った?」


「全然。早くやってよ、アスラ・・・・んっ」


え、え、え?
ど、どうして?

ボタンはしてもらってます、綺麗に、順序よく。
・・・・でも。



「んんっ・・・」


どうしてキス・・・されてるんだ?
あーもう今日から僕の方が年上なのに〜!
どんどん退化してきている気がする。


「んっ・・・ぷはぁ!」

「可愛いキラに、愛のプレゼント」

「はぁ?何言ってっ」


「ハッピーバースディ、キラ。これからも可愛いキラでいてね」


にっこり。

「ねぇ、今日のアスラン、ちょっと・・・変?」

「変にしたのは、キラ。今日は何時にもまして可愛いから」

「僕の所為なの?!」

「キラの所為」

「アスランっ!!」

「あ、こんなことしてる暇はないよ。もう時間が、」

時計が指すのは、残り一目盛りの場所。

「アスランの所為でしょ!」

「さぁ、いこうか、キラ」

「ううう〜前途多難な僕の誕生日〜」




end?


後書き。。。。。
ハッピーバースディ!キラ!!マイスイートボーイ☆
もう今日は祭りだ祭り!!!キラがまた大人の階段のぼるっちゃ!
さあ今夜はキラ、アスランにどんなプレゼントを貰うのでしょう。
あえてssではさわりませんでした、そこの部分。皆さんの考えに(妄想?)にお任せしますv
てか、私、今日はすばらしく修羅場なんですよ〜明日からテ・ス・ト☆
勉強してない。アカ点確実?あはは。(死)
久しぶりのupなのにこんな駄作ですみません!!テスト終わってからは頑張りますので!なにかリクエストなどありましたら・・・(無理?)カキコしていただけたら・・・
感謝の印に書きたいな〜なんて。あはは〜ホントにごめんなさい〜〜〜(泣)