kiss*kiss
「くぁーっ・・・・」
大きく伸びをしながら、朝日の眩しさに目を細め、デュオは甲板に出た。
ハワードの整備工場へ戻って三日目の朝。
今日の暮れには、次の任務へ向けてここを発たねばならない。
「まったく、忙しないねぇ」
呟いて、まだひんやりとしている手摺にもたれる。
なにをするでもなく、ただ水平線を眺めていると、がちゃがちゃと背後のドアが開く音がした。
「デューオ?おっはよう、早いね」
振り向けば、にこにこと笑っているのは、デュオと同じくらいの年回りの少女。
「おはよーさん、」
デュオも笑顔を返す。
は小走りに、デュオの隣に並んで、先ほどのかれと同じように水平線を眺めた。
「もう『今日』になっちゃったねー」
「そうだなー」
2人して海を眺めながら、そんなふうに、呑気に言葉を交わす。
「今度はいつ帰ってくるの」
「さァ。何時になるかなんて、わっかんねーよ」
デュオの返答に、はむう、と膨れっ面をしてみせた。
このはプロフェッサーGの、秘蔵っ子とも言われる弟子で、作戦開始の少し前に秘密裏に地球に降下し、
ハワードのところへやってきていた整備士である。
年回りも同じくらいのデュオとは、大変仲が良い。最近、進展があったとかなかったとか。
さて、そのは、しばらく不服そうにしてから、ふと俯いた。
「あーあー」
「何だよ。・・っわ!?」
デュオは傍らのに視線を向けて、ぎょっとした。
「な、何してんのお前」
自分の胸を両手でちょっと持ちあげて、むにーとかしているは、俯いたまま−−−つまりは自分の胸に
視線を落としたまま、
「男に生まれてくれば良かったー」
とか、ぼやいた。
「そ、そういう意味ね・・・」
「なぁーによ。デュオのえっちぃ」
がくりと肩を落とすデュオに、手をまた手摺へと戻したが冗談めかして言う。
「そういう事言うなら俺の前で自分の胸揉むんじゃありません」
「揉んでないもん。揉んで無くなるものなら揉むけど」
「普通は逆だろ・・・」
「だーってー」
また、むむぅと不機嫌そうにして。
「男だったら、プロフェッサーにガンダムもう一機造ってもらって、デュオと一緒に戦ってたもん」
女の子は駄目とか言っちゃってさーふーんだプロフェッサーのばかぁぁ、とか付け足すを、デュオは
しばらく眺めてから、ぷ、と吹き出した。
「なによ」
「いや、そんなこと考えてたのかーって」
「そんなことって何よ」
「だってさー」
そこで言葉を切って、デュオは不意を討ちの唇を奪った。
ちゅ、とネズミの鳴くような音をたてるキスをしてから、デュオはにーんまりと笑った。
「が男だったら、こーいうことできないじゃん」
「・・・茶化さないでよ」
唇をおさえて、は上目遣いでデュオを睨む。デュオは勝ち誇ったように笑っている。
は悔しく思いながら、ふと、思い付く。
そして、今度はにーっこりと微笑んで。
「あたしはもしデュオが女の子だって、キスしたいとか思うけど?」
「へ?」
ぴしり、と硬直したデュオに、今度はからキスをしてから、また微笑んで踵を返す。
「あたし、先にご飯食べに行ってるから。じゃあネ、デュオちゃん♪」
勝負はの逆転勝利。
End.
後書き
頭悪くて済みません(殴)
ナンか、力無い(この場合はどうだよ・・)ヒロインが「一緒に戦えたら〜」って話、さてはシリアスか!と思わせといて
(思わせられたのか?)此れです。すみません。
でもなんだか、アタシの場合基本的にヒロインは強いコvのようです。シュミで。