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Network-Pro68k

は・じ・め・に

おそらくは物置にひっそりと眠っているであろうX680x0(以下68)を1台でも多く救済すべく、 68に於けるネットワークの世界を紹介すると共に、誰でも簡単に設定が出来るようにと、 実際に過去使ったことのあるソフトの簡単設定を説明します。
68には先人たちが苦労して生み出した良作が一杯有ります。 ですが、「なんとなく難しそう」「知らない言葉ばかりでさっぱり分からない」 と言うだけで敬遠している人は多いと思います。私もその一人です。
誰かに聞こうにも周りには68ユーザーが居ない。 いきなり作者にMailで聞くのもなんとなく恥ずかしい、いや、そもそも何をどうやって質問すればいいのか? それさえも分からない。そんな風に敬遠してしまう人はきっと多いと思います。私もその一人です。
「どこかに良い手引書があれば・・・」そう願うものの、なかなかありません。 無いのなら知っている事だけでも書き出しておこう。そう思い立ってこのページを作るに至りました。
次のどれかに該当する人には役立つページであると思ってます。

・これから68でインターネット利用を始めようとしている人
・既に始めてはいるものの知らないことが多過ぎる人
・68を複数台所有していて活用したい人
・もしかしたら知らないことが書いてあるかも知れないと期待を持っている人

ご・め・ん・な・さ・い

先に謝っておきます。
体裁をとりつくろうが為にテキトーに文章書いてます。
内容的には間違ってはいないのですが、さっぱり分からなかったり、 足りないところだらけだと思います。多分。
ある程度書き溜めて精神的余裕が出来て時間も自由になったらちゃんと書き直しますんで。
その時はちゃんと検証用に専用ディスク作って解説に漏れが無いようにします。 ホントーの初心者には分からないかも知れませんが、 ある程度の基礎知識がある人なら理解できる程度には書かれているとは思ってます。

ご利用の前に

このページに書かれている通りにやったのにうまくいかない、不具合が発生したとしても責任は持てません。 もちろん正常に動作することを願って書いておりますが、各個人の環境がどの様になっているかなど当然私の知るところではなく、 無限とはいかないにしても相当な数にのぼる組み合わせ全てで動作させること自体がそもそも不可能だと思っているからです。 ですが、不具合があったとしてもそれを自分の胸だけに秘めてしまっては先に進みません。 情報を交換しましょう。WWW上に掲示板を用意してあります。気軽に書き込みして下さい。

目次はあくまでも目標であって、いずれ全てを説明できる位になりたいと言うだけで現時点に於いて全てを把握している分けではありません。 それから、このページは紹介する順番を守っていません。 気が向いた所から書き始めていますし、各セクションに於いても書き終わる事無く他へ手を掛ける事もします。そーゆー性格なんです。ごめんなさい。 やけにアッサリした説明だな。と思ったら後で書き加えられるだろう程度に思って読んで下さい。

構成がころころ変更になる可能性があります。言うまでもなく無計画だからです。 常に書き加えられるので削除される事は無いにしても、移動したり分割される事は日常茶飯時でしょう。

なるべく具体例を出して解説する事を目指しています。 具体例と言うのはもちろん私の環境の事です。 よって設定すべき内容というのは人によって異なります。 そんなわけで、実際に機器に対して設定を行なう場合は必ず自分の環境に合わせて設定するようにして下さい。 そのうちアンダーラインを引くとか、色を変えるとかして直感的に例と分かるようにします。


下記の環境を例に説明しています。固有の値は便宜自分用に読み替えて下さい。

                                  +----------------------------+
                                  | X68000XVI    Human68k 3.02 |
                        +---------|        Neptune-X v0.4      |
                        |         |    xvi.shack (192.168.1.1) |
  ISDN   +--------+     |         +----------------------------+
---------| Router |=====+                                       
         +--------+     |         +----------------------------+
       192.168.1.254    |         | X68030      NetBSD1.3/x68k |
       comstarz.shack   +---------|        Neptune-X v0.4      |
                                  | x68030.shack (192.168.1.2) |
                                  +----------------------------+

目 次

  1. 必要な物
    1. ハードウェア編
      1. プロバイダまでの回線
      2. MODEM
      3. TA
      4. Neptune-X
      5. ESP/X
      6. ROUTER
      7. HUB
    2. ソフトウェア編
      1. 必要なもの
      2. あると便利なもの
  2. 接続方法
    1. 接続前の注意事項
    2. LANに接続する
      1. Neptune-Xを使った接続
      2. ESP/Xを使った接続
    3. インターネットに接続する
      1. 一般電話回線でモデムを使った接続
      2. ISDNでTAを使った接続
    4. ROUTERを使ったインターネット接続
  3. 各クライアントの基本的な使い方
    1. ホームページを見て回る(VWX編)
    2. ホームページを見て回る(WebXpression編)
    3. ホームページを見て回る(lynx編)
    4. ホームページの自動巡回(XGET編)
    5. ホームページの自動巡回(RoboGet編)
    6. メールを出す(smail編)
    7. メールを出す(lynx編)
    8. メールを受け取る(spop編)
    9. FTPでソフトを手に入れる
    10. archieでソフトを探す
    11. NetNewsを購読する(lynx編)
    12. NetNewsを購読する(gn編)
    13. NetNewsを購読する(mnntp編)
    14. NetNewsに投稿する(lynx編)
    15. NetNewsに投稿する(gn編)
    16. telnetを使ってNIFTY-Serveへのアクセス
  4. インターネットの活用
    1. ホームページを開く
      1. HTMLを書く
      2. 画像イメージを作る
      3. プロバイダにファイルを置く
    2. サーチエンジンの活用
  5. LAN構築
    1. サーバーを立ち上げる(Human68k)
      1. WWWサーバーの構築
    2. 各種サーバーを立ち上げる(NetBSD)
      1. WWWサーバーの構築
      2. FTPサーバーの構築
      3. NFSサーバーの構築
    3. 仮想ドライブを組む
  6. 参考文献
    1. 書籍
    2. ホームページ
  7. Special thanks !!
  8. 最後に

必要な物

ハードウェア編

プロバイダまでの回線
インターネット接続をしたい人には必要です。

まずは何といってもプロバイダまでの回線が必要となります。 ISDNが推奨ですが普通の電話回線で十分です。 しかし家に回線は引かれていても部屋には無いと言う人は多いんじゃないかと思います。 そういった方は『電灯線モデム』か『リモートTA』を使うしかないでしょう。 他の方法として『無線LAN』を利用する手もありますが、当然の事ながら68でLANが使える環境である必要がありますし、 LANである以上『ルーター』や『プロキシ・サーバ』がLAN内に無ければなりません。
個人的にはISDN+HUB付ルーターがお勧めです。 ISDNも同番移行が出来るようになりましたし、マシンも2台あれば家庭内LANを名乗る資格を持ちます。 複数台のマシンから同時にインターネットへのアクセスが出来るメリットは捨て難いですから。

MODEM
一般電話回線を使ってインターネット接続をしたい人には必要です。

使用する回線が一般の電話回線となると必然的に MODEM となります。
最近は V.90 対応の高速モデムも安く出回ってますが残念ながら68からではその真価を発揮させることが出来ません。 RS-232Cポートの最高速が 38400bps ですから 33600bps で十分と言うことになります。 有り難いことにその程度のスピードであれば安く購入する事が出来ます。
ただし、既に高速RSボードや、近い将来発売されるであろう Mach2p を購入予定の方は高速モデムを使い切ることが可能となります。
そんな人はケチらずに買ってしまいましょう。

TA
ISDNを使ってインターネット接続をしたい人には必要です。

感覚的にはデジタル・モデムと言ったところです。
ISDN が既に導入されている、または導入予定があると言う人は TA を使うことで MODEMよりも高速にデータの送受信が出来るようになります。 ただし注意しなければならないのがプロバイダの対応です。 多くのプロバイダは ISDN を導入済みで問題無いのですが、対応する回線速度に注意しなければなりません。 プロバイダによっては64k(同期)のみと言うところが少なくありません。 使用するドライバが64k(同期)に対応していれば良いのですが、おそらく対応とはなっていないでしょう(未確認)。 そうなると「同期/非同期変換 PPP 機能」を搭載した TA を使って 115200bps 以上で接続しなければならないのですが、 純正68では無理な話です。68本体の RS-232C ポートの最高速は 38400bps です。 よってプロバイダが 19200bps や 38400bps(共に非同期であること)に対応していれば利用することができます。

Neptune−X
68を家庭内 LAN に組み込みたい人には必要です。
また、ルーターを使ったインターネット接続をしたい人も必要となります。
後記の ESP/X でもOKです。2つ持っている必要は有りません。

なんと言っても LAN カードが無いことには LAN 接続することが出来ません。
Neptune-Xに関しては別ページにまとめてあります。そちらを参照して下さい。

ESP/X
68を家庭内LANに組み込みたい人には必要です。
また、ルーターを使ったインターネット接続をしたい人も必要となります。
前記のNeptune-XでもOKです。2つ持っている必要は有りません。

なんと言ってもLANユニットが無いことにはLAN接続することが出来ません。

ROUTER
複数台のマシンを同時にインターネット接続したい人には必要ですが、他の方法で代用も可能です。 手軽さを求める人向けのハードとなります。

既に家庭内LANが構築されている、または構築の予定があると言う人にお勧めなのが「ダイヤルアップルーター」です。 ISDNが導入されている事と、金銭的に多少のゆとりがある人でないとダメなのですが、それだけの価値はあります。 次にあげる様なメリットがあります

68からでも高速転送が可能となる
Neptune-XやESP/X自体にどれだけの転送能力があるのかは知りませんが、 少なくともINS64の128kbpsを使い切るだけのデータ転送が行なえることだけは確かです。確かめました。 そのスピードは圧倒的で「68でこんな高速転送が!?」と感動しました。

複数台のマシンから同時にインターネットが利用できる
なんと言ってもコレがルーターの最大のウリ文句でしょう。 重複ログインとならずに1つのプロバイダを使って複数台のマシンからインターネットを利用することができます。 もちろん回線速度は限られていますから台数が増えると見かけ上の転送速度は落ちますが、 回線を有効利用することが可能です。

LAN内でDNSが使える
これは別にメリットでは無い気もしますが、 LAN内のマシンをお互いにアクセスする時にIPアドレスではなくドメイン名で参照できるようになります。 各マシンが hosts ファイルを持っていれば済むことですが、 変更があった場合に全マシンのファイルを書き換えるのは手間です。 ルーターのDNS機能を使って一括管理することで変更も容易になります。

接続までがとっても早い
これはISDNだからであってルーターの特徴ではありません。 ですが、普通ルーターを使う場合はISDNである場合がほとんどでしょう。 結果的に「素早い接続が可能」と言えます。 大体3〜5秒でアカウント認証まで済んでしまいます。 Mailを1通出したいだけなら、『KDDの1円電話』と組み合わせることで2円程度の出費で済むのではないでしょうか。 ただし、手動による回線切断が可能なルーターで無ければなりません。

ダイヤルアップしなくて良い
ルーターがLAN内に流れるパケットを監視してインターネットへ接続する必要があると判断された場合に自動でダイヤルアップします。 接続も数秒で済んでしまいますし、ルーターが見えないところに置かれているのであれば常時接続の気分も味わえることでしょう。 そして設定された無通信時間を過ぎると自動で回線を切断してくれるので切断忘れによる無駄な課金のトラブルを無くすことができます。

とまぁ、この様に MODEM とは全く違った世界があり、一度使ってしまうと手放せなくなります。 問題なのは「これから LAN を始める人」でしょうね。Neptune-X をどうやって手に入れるかがカギとなってきます。

HUB
家庭内LANを構築したい人は状況によって必要となります。

前記のルーターには HUB 機能付と言うものが多く出回っており、 マシンが3台程度ならばわざわざ HUB を購入する必要はありません。

ソフトウェア編

とりあえず持っているツールをリストアップしました。が、すべて必要と言う分けではありません。
また、同じ目的のツールが重複しています。これは複数の人が同じ似たようなツールを作ったための結果です。
その場合には「よりポピュラーなもの」を必要度高にしてあります。ですが、あくまでも個人的な判断です。

IP ドライバは inetd.x / hinetd.x / xip.x と3つありますが、 この内 hinetd.x を使用すると lynx から FTP サーバへのアクセスがうまくいかないようです。 詳しくは後述しますが、xip.x をなるべく使うようにしましょう。

ジャンル ソフト名 必要度 アーカイブ名 置かれているであろう場所
ドライバ関連 inetd.x   TCPPACKA.LZH  
hinetd.x   hinetd4.lzh  
xip.x ★★★ xipb5.Lzh  
ppp.x ★★★ pppx_r4.lzh  
ifconfig.x ★★★ TCPPACKA.LZH  
inetdconf.x ★★★ TCPPACKA.LZH  
WWW関連 xget.x   xget.lzh  
vwx.x   vwxb25.lzh  
lynx.x ★★★ lynx26r9.lzh  
WebXpression.x   webx040.lzh  
lynxload.x   lynx26r9.lzh  
メール関連 msmtp.x      
mpop.x      
smail.x ★★★ smail031.lzh  
spop.x ★★★ spop017.lzh  
ニュース関連 gnspool.x      
gn.x      
mnntp.x ★★    
変換ツール smime.x ★★★    
aish.x ★★    
base.x ★★★    
ack.x      
試験ソフト netstat.x   TCPPACKA.LZH  
ping.x TCPPACKA.LZH  
データベース検索 archie.x ★★ archie10.lzh  
whois.x   whois10.lzh  
nslookup.x   nslup11.lzh  
finger.x   finger10.lzh  
画像展開 GIFH.r ★★★    
bjpeg.x      
jpeged.x ★★★    
遠隔ログイン telnet.x ★★ TCPPACKA.LZH  
仮想ドライブ nfs.x ★★★ nfs031.lzh http://lt.sakura.ne.jp/~vvp/soft/nfs/
ファイル転送 ftp.x   TCPPACKA.LZH  
ftp.x ★★★ ftp-beta9.tar.gz  
ftpkb.x      
ftpkbset.x      
??? arp.x   TCPPACKA.LZH  
kill.x   pppx_r4.lzh  
kbf.x      

接続方法

接続前の注意事項

接続の手段とは無関係にHuman68kでバックグランドでドライバを動かす必要があります。
この為今まで使って来たツールの動作がおかしくなる事もあるかもしれません。
その場合通信そのものを諦めるか、動作があやしくなると思われるツールの使用をやめるか、 目的毎に環境そのものを入れ替える必要があります。
具体的に何に影響が出るのかは分かりません。知っていたら教えて下さいませ。

もう1つ重要な事があります。
バックグランド・プロセスを使えるようにする事でインタラプトボタンが効かなくなります。 マシンの都合を無視して勝手にシステムを止めることは本来良くないことですが、 場合によっては必要な場面もあります。 システムリセットだと失うものも多いですが、インタラプトで済む場合はこれに越したことはありません。 そこで、INTSWDRV.X と言うツールをお持ちの方は組み込むことをお勧めします。 このツールを組み込むとインタラプトボタンが使えるようになります。 ただし、元来の動作とは違い「インタラプトボタンを監視する」事で割り込みを処理しています。 よって何かのツールが無限ループに陥っていたりするとボタンが無効となります。 また、監視するタイミングが合わなければ押したところで無視されます。 根気よく何度も押す必要もあると言うことを覚えていて下さい。 このツールは Human68k v3.02 からでも問題なく使えているようです。 私は毎日の様にお世話になってます。

LANに接続する

Neptune-Xを使った接続
Neptune-Xを使って68をLANに接続してみましょう。 まずはNeptune-Xのデバイスドライバの登録です。 エディタを使ってCONFIG.SYSに次の1行を書き加えます。

DEVICE = \SYS\ether_ne.sys
これが登録されていない事には Neptune-X が使用できず話にならないので、書き加えたらセーブします。
LAN を利用するにあたって環境ファイル及び環境変数が必要となります。下記の物をシステムに追加してあげましょう。

SYSROOT
これは環境変数です。
下記の4つのファイルは、この環境変数が示すディレクトリ\ETC に置いておく必要があります。
例えば、A ドライブのルートに etc と言うサブディレクトリを作成して、そこに4つの環境ファイルを収めたのならば、

SET SYSROOT=A:\
となります。\ は付けても付けなくても動作するようです。
使う度に設定するのも面倒なので、起動時に設定されるよう AUTOEXEC.BAT に追加しましょう。

HOME
これも環境変数です。
各クライアントの設定ファイルがこの環境変数の示すディレクトリに保存されます。
ネットワーク以外にも使用される重要な環境変数なので既に設定されていることと思います。その場合そのままでOKです。
まだの人は下記の様に設定すると良いです。

SET HOME=A:\HOME
無くてはならない環境変数なので、これも AUTOEXEC.BAT に入れてしまいましょう。

protocols
プロトコル名のデータベースファイルです。
LAN で使用されるプロトコルの情報が格納されます。
TCPPACKA.LZH に入っているものがそのまま使えます。特に手を加える必要はありません。

networks
ネットワーク名のデータベースファイルです。
LAN の情報が保持されています。
TCPPACKA.LZH に入っているものがそのまま使えます。特に手を加える必要はありません。

service
サービス名のデータベースファイルです。
利用可能なサービスの一覧が格納されます。
TCPPACKA.LZH に入っているものだけでは足りません。必要に応じて追加してあげなければなりません。
とりあえず下記の内容にしておけば事足りるでしょう。

#
# /etc/services - Network services, Internet style
#
ftp-data        20/tcp
ftp             21/tcp
telnet          23/tcp
smtp            25/tcp
whois           43/tcp
domain          53/tcp          nameserver
domain          53/udp          nameserver
finger          79/tcp          finger
http            80/tcp
pop3            110/tcp
nntp            119/tcp
prospero        191/tcp
prospero        191/udp

hosts
ホスト名のデータベースファイルです。
LAN 内のコンピュータをそれぞれ名前を付けて呼びたい時に、このファイルに記述します。
例として下記の様になります。

#
# /etc/hosts
#
127.0.0.1	localhost	localhost.shack
192.168.1.1	xvi		xvi.shack
192.168.1.2	x68030		x68030.shack
IP アドレスならびにホスト名は自分の環境にあわせて使用する必要があります。

次にIPドライバの登録をします。コマンドラインから、

@>xip
@>ifconfig lp0 up
@>ifconfig en0 192.168.1.1 netmask 255.255.255.0 up
の様に入力して自機のIPアドレスとネットマスクを設定してあげます。
これで68はLANの中の一台として無事に市民権を得たはずです。 試しに他のマシンに対してPING試験をしてみましょう。次の様にします。

@>ping -c 3 192.168.1.2
手応えはありましたか? 問題が無ければ68は無事にLAN接続された事になります。 なんらかのエラーが表示されたのであれば次の点を疑ってみて下さい。

・ホード/ケーブルはちゃんと刺さっているか?
・ケーブルはストレート/クロスの勘違いをしていないか?
・他のマシンとIPアドレスは重複していないか?

インターネットに接続する


ROUTERを使ったインターネット接続

ルーターを使ってインターネットへ接続してみましょう。
接続自体はかなり簡単です。注意しなければならないのは機器の構成です。 どーゆー事かと言うと、68が接続されているのは LAN であって、 実際にダイヤルアップしてIPアドレスを発行してもらうのはルーターだと言う事です。 プロバイダと契約をしているのであれば設定すべき項目と設定値をもらっているはずです。 が、アクセスポイントの電話番号やアカウント等はルーターに設定されるものであって 68に設定されるわけでは無いと言う事です。 インターネットに接続されるわけですからルーターはグローバルIPアドレスを (臨時とは言え)持っていますが、68は LAN 内でのみ通用するローカルIPアドレスしか 持っていません。 この2つを変換してくれるのがNAT機能と呼ばれるもので、大抵のルーターはこの機能を持ってます。 NAT機能を持っていないルーターもあるわけですが用途がちょっと違うのでここでは説明しません。 話がちょっと難しくなりましたが、実際の使用にあたっては意識しなくて結構です。 既に68が LAN に接続されているのであれば次の通りにコマンドをタイプして下さい。

@>inetdconf +dns 192.168.1.254 +domain comstarz.shack +router 192.168.1.254
左から順に説明しますと、DNS サーバとして 192.168.1.254 のマシンを参照する。 そのマシン名を comstarz.shack とする。 そして 192.168.1.254 と言うマシンを経由して LAN の外へ行く。と言う感じになります。 一般的なルーターであれば簡易 DNS 機能が搭載されています。 容量は大したことないのでせいぜい数10台分のホスト名しか登録する事が出来ませんが、 小規模の LAN であればそんなもので十分です。 そこで LAN 内のマシンに対してはルーターの DNS で参照する様にします。 しかしこのままではインターネットの各サーバーへアクセスする事が出来ないわけですが、 ルーターは自分の手に余るものは上位の DNS サーバーへ処理を委託します。 ここで言う上位の DNS と言うのがプロバイダ内にある DNS サーバーの事です。 この処理は自動で行なってくれるのでユーザーが気にする必要はありません。

各クライアントの使い方

ホームページを見て回る(VWX編)


ホームページを見て回る(WebXpression編)

ホームページを見て回る(lynx編)

アーカイブを解凍すると下記のファイルが出来るはずです。 それぞれ指定されたサブディレクトリの中に放り込みましょう。

lynx 2.6r9 の場合
ファイル名置くべき場所
.mailcap環境変数“HOME”で示された場所
.mime.types環境変数“HOME”で示された場所
lynx.cfg環境変数“LYNX_CFG”で示された場所
lynx.hlp
lynx.xパスの通った所
lynxload.xパスの通った所


次に環境変数の設定をします。

HOMEブックマークが記録されます(例 A:\HOME
LYNX_CFGコンフィグファイルの場所を示します(例 A:/InterNet/etc/lynx.cfg
LYNX_TEMP_SPACE一時保管場所です(例 I:/
LYNX_SAVE_SPACEダウンロードしたファイルのセーブ先です(例 G:/Internet/DownLoad/
WWW_HOME起動したら最初に見にいくページです(例 http://www.remus.dti.ne.jp/~shade/
NNTPSERVER普段使うニュースサーバです(例 news2.dti.ne.jp

LYNX_TEMP_SPACE は容量にゆとりのあるドライブを指定してあげましょう。でないとあふれる事があります。
また、LYNXが途中でエラーを吐いてダウンしてしまう事や、バス/アドレスエラーとなって中断する事が考えられます。
この場合一時保管ファイル名として残ることになります。たまにメンテナンスしてあげましょう。
また、使用にあたって cp.x や TwentyOne.x も必要となります。手に入れておきましょう。

さて、それでは使ってみましょう。 コマンドラインから lynx と入力すれば起動しますが、パラメータとしてURLを与えるとそのページを見に行きます。
試しに lynx http://www.yahoo.co.jp/ としてみましょう。有名なサーチエンジンが表示されるはずです。
とりあえずサーフィンは後回しにして環境設定をしちゃいましょう。“o”キーを押します。 画面が変わり対話的に設定が出来ます。とりあえず必要そうなものは、 エディタ、ブックマーク、メールアドレス、文字コード、ユーザーモードと言ったところでしょうか。 ユーザーモードはアドバンストにするとリンク先のURLを表示するようになります。お勧めです。 設定が一通り済んだらセーブします。“>”キーを押して抜けましょう。

ホームページの自動巡回(XGET編)


ホームページの自動巡回(RoboGet編)


メールを出す(smail編)

それでは E-Mail を出してみましょう。
お気に入りのホームページを作っている人に感想を伝えたり、フリーウェアのバグレポート、 メーリングリストを使った情報交換、そして通信販売等 E-Mail は必要不可欠です。
有り難いことに E-Mail はテキストだけがほとんどです。 これでしたら無改造愛機68でも十分に用が足ります。

まず smail031.lzh を手に入れてアーカイブを展開します。 使用するにあたって必要なファイルは2つです。 それぞれ適切な場所にコピーしてあげましょう。

  行き先
smail.x パスの通っている所ならどこでも
smail.rc 環境変数 HOME が示すフォルダ

どうでもよい事ですが、smail.rc .smailrc とリネームすると良いかも知れません。 ただし、これは完全に趣味の範囲であり、またリネームしなくても全く支障が無い上に、 Human68k からすればイレギュラーなファイルネームとなる為に強くは薦めません。
ですが68ユーザーならば (V)TwentyOne.x は必須アイテムですし、 他にもドットファイル(ピリオドから始まるファイル名)はいずれ存在することになるので、 どうせなら揃える意味でリネームしておくと良いかも知れません。

smail.rc の中身は自分のアカウント情報や、保存ディレクトリの指定などがされています。
当然の事ながら書き換えないと全く使えません。とりあえず下記のような感じにしましょう。
言うまでもなくこれはサンプルであり、詳しいことはプロバイダとの契約書等を参考にして下さい。

!default-smtp
smtp		smtp.dti.ne.jp
host		xvi.shack
mail		shade@remus.dti.ne.jp
name		Shade
pass		xxxxxxxx
signature	A:/home/.signature
各行の意味は同梱の smailrc.doc に詳しく説明されています。そちらを参考にして下さい。
smail.x をインストールするにあたって忘れてはいけないのがポート番号の追加と環境変数 HOME の設定です。 設定はLANに接続するを見て正しく行なって下さい。

それではいよいよ E-Mail を出す分けですが、送りたいテキストの先頭部分に最低限のお約束を書かないとなりません。 毎回書くのも面倒ですし、タイプミスがあったりすると余計なトラブルに巻き込まれないとも限りません。 そこで最初に雛型となるファイルを作っておきましょう。これに本文を書き足すようにすればトラブルや手間を減らすことが出来ます。
下記の様な中身のファイルを作っておきましょう。

Subject: 
In-Reply-To: <shade@remus.dti.ne.jp>
X-Attachment: 
To: 
Cc: 
Bcc: 
そうしておけば題名・宛先・添付ファイル名・本文を書き加えるだけです。
どんなメールを送ったのか必ず確認したい人は Bcc: に自分のメールアドレスを予め入れておくと良いかも知れません。

送るべきメールが書けたらいよいよ送信です。

@>smail foo.doc
の様にします。送り先が表示されしばらくするとプロンプトに戻るハズです。
正常に終了していればまず問題無く相手のサーバーに転送された事でしょう。 残念ながら確認の手段はありません。 Bcc: に自分のメールアドレスを入れて送信した人は受信をして確認してみましょう。 複数のメールアカウントを持っている人は他のプロバイダのアドレス宛にするとより良いです。 受信してみて異常が見当たらなければまず相手のサーバーまでは届いたと見て良いでしょう。

メールを出す(lynx編)


メールを受け取る(spop編)

それでは、届いているかもしれない E-Mail を受け取ってみましょう。
プロバイダーからの連絡事項がMailされているでしょうし、 もしかしたらホームページの感想が着ているかも知れません。

まず spop017.lzh を手に入れてアーカイブを展開します。 使用するにあたって必要なファイルは2つです。 それぞれ適切な場所にコピーしてあげましょう。

  行き先
spop.x パスの通っている所ならどこでも
smail.rc 環境変数 HOME が示すフォルダ

どうでもよい事ですが、smail.rc .smailrc とリネームすると良いかも知れません。 ただし、これは完全に趣味の範囲であり、またリネームしなくても全く支障が無い上に、 Human68k からすればイレギュラーなファイルネームとなる為に強くは薦めません。
ですが68ユーザーならば (V)TwentyOne.x は必須アイテムですし、 他にもドットファイル(ピリオドから始まるファイル名)はいずれ存在することになるので、 どうせなら揃える意味でリネームしておくと良いかも知れません。

smail.rc の中身は自分のアカウント情報や、保存ディレクトリの指定などがされています。
当然の事ながら書き換えないと全く使えません。とりあえず下記のような感じにしましょう。
言うまでもなくこれはサンプルであり、詳しいことはプロバイダとの契約書等を参考にして下さい。
行番号は説明のためであり、実際には不要です。

  1. !default-pop3
  2. pop3 pop.remus.dti.ne.jp
  3. mail shade@remus.dti.ne.jp
  4. pass xxxxxxxx
  5. mailspool B:/
  6. recvsize 100

各行の意味は同梱の smailrc.doc に詳しく説明されています。そちらを参考にして下さい。
spop.x をインストールするにあたって忘れてはいけないのがポート番号の追加と環境変数 HOME の設定です。 設定はLANに接続するを見て正しく行なって下さい。

それではMailの受信をしてみましょう。プロンプトが出ている状態で、

@>spop
とするだけでOKです。
サンプルではスプール先を B:\ にしてあるので、Bドライブのルートに保存されます。
ファイル名は 0 からの連番となりますが、そのディレクトリで最も若い番号が自動で割り振られます。
何十通も溜めると整理が大変です。受け取った度になんらかの処理が必要となります。
単にMailを受け取るだけでなく、届いているかの確認を行なう( -m オプション)、 メールサーバーから削除せずに受信する( -d オプション)なんて事が出来ます。
他にもオプションがありますので同梱のマニュアルは必ず読むようにした方が良いでしょう。 E-Mail は使い方を誤ると大変なトラブルの種になりかねません。 よく理解した上で使うようにしましょう。

落し穴(?):
サンプルでは pass 行の次が空行となっています。
設定を変えていろいろ試してみたのですが、この空行が無いと受信が行なわれません。
バグなのか仕様なのかは作者に確認しない事には分かりませんが、 ペアである smail.x では空行が無くても正常動作します。
とりあえず現時点では pass 行の次を空行にする事を忘れないで下さい。
アーカイブに同梱のファイルを書き換えて使うのであれば問題は起きないと思われます。

FTPでソフトを手に入れる

お目当てのツールがホームページにあるとは限りません。 FTP サーバと呼ばれるところに格納されている事もあります。 そんな時は ftp.x を使ってダウンロードします。
有名なところで東北大学のサーバにアクセスしてみましょう。下記の様にします。

@>ftp ftp.tohoku.ac.jp
接続されるとユーザー名とパスワードを聞かれます。 未登録のユーザーですから当然アカウントなんて持ってません。 しかし、特定のディレクトリは誰にでも公開されていて好きなファイルをダウンロードする事が可能となってます。 とりあえずログインしないと始まらないので Anonymous (匿名)でログインする事にしましょう。 ユーザー名には ftp を、パスワードには自分のメールアドレスを入力します。具体的には下記の様になります。

@>ftp ftp.tohoku.ac.jp
ftp version 1.04 Copyright (C) 1994,1995 First Class Technology
Trying ftp.tohoku.ac.jp...
Connected to ftp.tohoku.ac.jp.
220 akiu FTP server (Version wu-x.x(x) xxx xxx xx xx:xx:xx JST xxxx) ready.
Name (ftp.tohoku.ac.jp:root): ftp
Password:
FTP サーバによってはメールアドレスをある程度チェックします。 まったくデタラメな文字列を入れた場合、ログイン出来ないことがあります。 パスワードの入力だけにエコーバックはされません。 変な記号をタイプしない様に注意しましょう。
パスワードの入力が無事に終わればそのサーバのルートに居ます。 そこから先は Human68k のディレクトリ移動と同じ要領です。 ただし、大文字/小文字は区別されます。注意が必要です。 以下のコマンドを知っていれば用は足りるでしょう。

open
普通は ftp.x の起動時にサーバのアドレスを与えるものですが、ftp.x だけを先に起動し後からサーバ名を与える時に使います。 具体的には open ftp.tohoku.ac.jp と言った感じになります。

cd
チェンジ・ディレクトリです。使い方は説明するまでも無いでしょう。
パスの区切は / です。\ ではありません。 例えば二階層上へ移動する時は cd ../.. となります。

binary
バイナリー・モードへ移行します。
大抵のファイルは Lzh となっている事でしょう。 ftp.x は起動直後はアスキー・モードになってます。 バイナリー転送が出来るようにモードを移行しなければなりません。

ascii
アスキー・モードへ移行します。
HTML ファイルの様なテキストはアスキー・モードで転送します。 バイナリー・モードでファイルを転送後、普通のテキストファイルを転送するのであればこのコマンドでアスキー・モードへ移行してあげましょう。

get
サーバよりファイルを取得します。
使い方は get filename となります。 指定したファイル名のファイルを、指定したファイル名でディスクにセーブするわけですが、あまり長いと不都合が出ます。 そんな時はファイル名を与えずに get とだけタイプします。 すると、ダウンロードしたいサーバのファイル名とセーブしたいファイル名を聞いて来ますから、適当に18文字以内に詰めてファイル名を与えましょう。 正式なファイル名では無くなってしまいますがやむを得ないことです。

hash
一定のバイト数転送毎にマークを表示します。
大きいファイルでは転送中のトラブルが気になったりします。 特にモデムやルーターのランプが見えない所にあったりすると、ちゃんと転送されているのかどうかが不安になります。 そんな時はハッシュをONにすると転送の確認が出来ます。 このコマンドは一回実行する毎にトグル的に切り変わります。

close
コネクションを断します。
open コマンドの反対です。サーバーからログアウトします。

quit
ftp.x を終了させます。
実行を終えて Human68k のコマンドラインに戻ります。
この他にもコマンドは用意されており、help と入力する事で一覧が見れます。
また、後述しますがオートログインも可能です。

落し穴:
ルーター経由で接続している人には落し穴があります。
ファイル転送が完了していながらも、そのまま放置していると(ルーターの設定にもよりますが)一定時間経過後に回線は切断されます。
その状態から close または quit コマンドにてサーバとの接続を完了させようとルーターは再接続しようとします。
環境によっては無駄な課金をされる事になりますので注意しましょう。
必要なファイルの転送が完了したら即ログアウトする様に心掛けると良いです。

archieでソフトを探す


NetNewsを購読する(lynx編)


NetNewsを購読する(gn編)


NetNewsを購読する(mnntp編)


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NetNewsに投稿する(gn編)


telnetを使ってNIFTY-Serveへのアクセス

当然の事ですが、NIFTY-Serve のアカウントを持っていないと話になりません。
持っていないのであれば NIFTY-Serve へのログインは不可能です。

接続は次のようにします。

@>telnet -K sjis r2.nifty.ne.jp
無事に接続が出来れば次のようになるはずです。

telnet version 1.03 Copyright (C) 1994,1995 First Class Technology.
Trying 202.219.63.247:23...
connected to r2.nifty.ne.jp
Escape character is '^]'.
kanji code set to sjis
 Enter Connection-ID  --->
ここから先はパソコン通信で NIFTY-Serve へアクセスするのとまったく同じ感覚なので説明しません。
ログアウトする時は普通に OFF コマンドです。実行すると利用時間を表示した後に、

Connection closed by foreign host.
telnet>
となって接続が切られます。quit とタイプして telnet を抜けましょう。
注意しなければならないのがセキュリティです。 パスワードはもちろん、利用状況によってはクレジットカードの番号も保護されずにインターネット上を流れます。 パスワードをこまめに変更してインターネットからの利用は臨時の時のみに済ませるか、 割り切って日常的に使うか、ですね。
また、今のところログ記録は取れないようですし、バイナリーファイルの転送も出来ないみたいです。 ログ記録は condrv を使うなり Emacs のシェルからアクセスすれば残りますが、B-Mail は無理です。 私はMailチェック程度にしか使ってません。通販やMailの読み出しはパソコン通信にて行なっております。

落し穴:
セキュリティ以外にも落し穴があります。
NIFTY-Serve をログアウトする事無く telnet 中に不意のトラブルによりハングアップしてしまった場合、再接続が出来なくなります。 telnet を再起動しても NIFTY-Serve へはログインからやり直すわけですが、 前回の時にログアウトしていなかった分けですから、 結果として重複ログインとなってしまい受け付けされません。
幸い NIFTY-Serve は無通信時間を監視していて、一定時間が過ぎると強制ログアウトの処理を行ないます。 確か15分と思いましたが、この間はひたすら待つだけです。 プロバイダ側をログアウトしても NIFTY-Serve 側は課金が続きます。注意しましょう。

インターネットの活用


LAN構築

サーバーを立ち上げる(Human68k)

各種サーバーを立ち上げる(NetBSD)

NFSサーバーの構築
NFS サーバーを立ち上げておく事で、他のマシンからは特定のディレクトリ以下のファイルを読み書き出来る様になります。 ファイル転送に限ってしまえば似たような目的を実現できるものとして FTP があります。 が、クライアント側で専用のソフトを立ち上げて特別な操作が必要とされるのは面倒なものです。 「もっとこう、DOS が HDD をアクセスする様な感覚で他のマシンのファイルをアクセス出来ないものなのか?」 と言う願望は少なからずあるでしょう。出来ます。それが NFS です。

とりあえず NFS サーバーを立ち上げてみましょう。 やる事は至って簡単で mountd と nfsd を実行させるだけです。 その前にファイルを1つ作ってあげないとなりません。 それは /etc/exports と言うファイルです。例をあげると中身は下記の様になります。

/home/people/shade        -mapall=shade        xvi.shack
簡単に説明すると、1つ目はどのディレクトリに対してマウントを許可するか、 2つ目は誰に対してマウントを許可するか、3つ目はどのマシンに対してマウントを許可するか、 と言うことになります。 ある程度規模の大きいネットワーク構成ならいざ知らず、 どうせ自分の部屋のプライベートマシン同士のマウントでしょうから root 権限で全てを見せるようにマウントしてもいいのでしょうが、 トラブル防止と言う意味からもお勧めは出来ません。 使い勝手の面で面倒でしょうが、ホームディレクトリに対して自分用のユーザー名でマウントする様にしましょう。
ディレクトリの記述に関して注意事項があります。それは絶対パスによる指定であることです。
ディスク容量を始め色々な事情により、 マウントを許可したい場所がシンボリックリンクによって実際の場所と異なっている可能性があります。
例えば、/home/people/shade と言うのが、実は /usr/home/people/shade だったりすると、 /etc/exports の中には後者を記述することになるわけです。
これを忘れると mountd を走らせる時に怒られます。注意しましょう。
さて、exports ファイルが作成出来たならばいよいよデーモンの登録です。次のようにします。

% su
# mountd
# nfsd -tun 1
# exit
何の問題も無ければすぐプロンプトに戻りこれと言ったメッセージは出ないはずです。
それでは、ちゃんと動いているか確認しましょう。プロンプトが出て入力待ちならば ps ax と打つことで確認できます。
mountd と nfsd が表示されたのであれば問題無く登録されていると言うことです。
忘れちゃならないのがサーバー機のIPアドレスです。設定されていないと他から仮想ドライブを組むことが出来ません。 また、NFS サーバーを立ち上げておきながらIPアドレスの設定がされていないと X-Window が起動しないようです(未確認)。 忘れずに設定しておきましょう。

立ち上げ方は上記の通りですが、このままではシステムを shutdown してしまえば消えてしまいます。 毎回同じ登録をするのも面倒です。そこで /etc/rc.conf を書き換えて起動時に自動で登録されるようにしてしまいましょう。 NetBSD をインストールした直後は rc.conf の NFS 関係の部分は下記の様になっているはずです。

--------------------------------------------------------------------------------
# NFS daemons and parameters
nfs_client=NO                                   # enable client daemons
                        nfsiod_flags="-n 4"
nfs_server=NO                                   # enable server daemons
                        mountd_flags=""
                        nfsd_flags="-tun 4"
--------------------------------------------------------------------------------
要はサーバーの所を有効にすれば良いわけです。よって次の様に変更します。オプションは必要に応じて与えましょう。
--------------------------------------------------------------------------------
# NFS daemons and parameters
nfs_client=NO                                   # enable client daemons
                        nfsiod_flags="-n 4"
nfs_server=YES                                  # enable server daemons
                        mountd_flags=""
                        nfsd_flags="-tun 1"
--------------------------------------------------------------------------------
書き忘れましたが /etc/exports にはマシンをホスト名で明記します。 LAN 内に DNS サーバがある人は /etc/resolv.conf を、無ければ /etc/hosts を便宜書き換えてホスト名が有効になる様にして下さい。

仮想ドライブを組む

それでは、Human68k から NetBSD 機を仮想ドライブとしてアクセス出来るようにしてみましょう。
巨大なファイルならまだしも、ちょっとしたファイルをいちいちMOをマウントして・・・ なんてとてもじゃないですが面倒です。フロッピーはすぐ一杯になっちゃいますし。
いまやLANは当り前。ここはスマートに仮想ドライブを組むことにしましょう。 既に LAN が使える環境にあるならば新たに必要となる物は NFS.X だけです。 NetBSD 機では既に NFS サーバが立ち上がっているものとします。 立ち上げ方が分からない人は別の章を参考にして立ち上げて下さい。
PING 試験をしてみてサーバまでの経路に問題が無ければ次のようにタイプして NFS クライアントを 常駐させます。(下記のはあくまでも例です。自分の環境に合わせて下さい。)

@>nfs -m755 -u100 -g100 x68030.shack:/home/people/shade
ユーザIDや、グループIDは NetBSD のインストール時に決めているハズです。 ここが違っているとアクセス権利がありません。見るだけなら出来るみたいですが。 激光電脳倶楽部を参考にインストールしたのであればどちらも 100 にした人は多いのではないでしょうか。 仮想ドライブとしたい対象のマシンのホスト名は DNS サーバに登録されているものか、 hosts ファイルに書かれているものを使用します。DNS サーバの方が優先される様です。 それから直接IPアドレスを指定するのはだめな様です。注意しましょう。 デフォルトではYドライブが仮想ドライブとなります。 常駐後 @>dir y: としてみて NetBSD 機のディレクトリが取れれば成功です。 MINT を使っているのであれば(遅い)HDD を使っている気分が味わえる事でしょう。

サーバー側と同じ注意点があります。
NFS.X のバージョンによっては(サーバー側の)シンボリックリンクに未対応です。
よってマウントしたいディレクトリはルートからの絶対パス指定となります。例えば、 サーバー側の /home/people/shade と言うディレクトリが実際には、 /usr/home/people/shade であった場合、こちらを指定する事になります。
これを忘れると NFS.X から常駐時に怒られることになります。注意しましょう。

参考文献

このページを書くにあたって下記の書籍・ホームページを参考にしました。

書籍

電脳倶楽部別冊拾六號 [満開製作所]
まさに初心者のためのインターネット・スタータキットと呼べる号。
この号をきっかけにインターネットを利用し始めた始めた68ユーザーは多いと思う。

激光電脳倶楽部 Vol.4 & Vol.5 [満開製作所]
NetBSD1.3/x68k のインストールから Mozilla 5.0 が使えるまでを初心者でも出来るように凝縮された号。
これが無ければ悲しいインターネットライフを送っていたかもしれない。

Programming Series #4 NetBSD/X68k
NetBSD だけでなく UN*X 全般的に入門書としても通用すると信じている一冊。
この本からは多くの事を学び、今でも基盤としている本です。

FreeBSD User's Reference Manual [ISBN4-8399-0088-4]
FreeBSD System Administrator's Manual [ISBN4-8399-0109-0]
標準的なUN*Xには備わっているであろうコマンドの和訳リファレンス。
セクション1・5・8の膨大な量を和訳した、とっても頼りになる本です。
68版のツールはUN*Xからの移植が多く、OSは違えどコマンド名や使い方は全く同じだったりします。
将来UN*X機を部屋に置く予定がある人なら買わなきゃ嘘です。

ホームページ

NFS Client on X680x0
NFS クライアントが置かれているページです。
オンラインマニュアルにもなっているので読みに行くと良いでしょう。

X68とMACでネットワーク
68とMacの接続について書かれています。
Mac側の設定のみなので上のページと合わせて読むと良いでしょう。

NEPTUNE-EVOLUTION。
68と Windows との接続の仕方+αが詳しく説明されています。必読です。

Special thanks !!


最後に

BBSやニュースグループ、そして雑誌等を見ていると初心者からの質問というのは絶えることがありません。 が、どの質問に対しても親切丁寧な回答はまず望めず、挙げ句の果てには口論となるケースさえもあります。 (まぁ、口論まで発展する場合どっちも悪いんですけどねぇ) はっきり言って無駄な時間を費やしてます。勿体ないです。 それだけではなく、これじゃユーザーが育ちません。 そこで、「68で通信したいんなら良いページがあるよ」と言われるのを目標に書き始めました。 誰か一人が書けば良いだけの事ですし、何も全部書く必要はありません。 利用出来そうなページはリンクを張れば良い事ですし、無ければ誰かに教えてもらうか、 自分が知っていたら書く。それだけの事です。 昔とは違いインターネットと言うメディアのWWWと言う巨大なデータベースを個人でも活用できる今だからこそ当然の解決方法ではないと信じています。 いちいちサーチエンジンで探さなくても良い程度の事が出来ていれば存在価値ありと思ってます。 そんなつもりで作ってみました。

自分が知っている範囲内を初心者にも分かり易く書いているつもりではあるのですが、 いわゆる落し穴となる様なもの(例えば、この環境変数だけは忘れてはいけないとか)があるかも知れません。 一度設定してしまえば以後永遠に変更することの無い環境変数なんかは特に忘れがちです。 書かれている通りにやってみたのに動かない。そんな時は気軽に意見して下さい。

誤字・脱字・用法の不適節・デッドリンクにお気付きの方や、意見・感想・質問がある方は shade@remus.dti.ne.jpまでE−Mailしてもらえると助かります。
Mailを出すのは手間が掛かって嫌だ。と言う人には掲示板が用意してあります。

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