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夏の終わりの午前9時。江ノ島、七里ヶ浜、稲村ヶ崎、そして由比が浜と、海を見ながら走り抜けて行く。土曜なのに道は空いている。遊び疲れた若者達が去った今は"黄昏のサマーホリデー"っと言った感じだろうか。 小坪トンネルを抜けると別世界だ。ヤシの樹が立ち並び、リゾートマンションのエントランスホールには立ち入りがたい雰囲気がある。そんな一角にヨットハーバーやテニスコートそしてイベント会場であるガーデンプールがある。 駐車料金を払い、サマーベットを抱えて中に入ると、すでに芝生エリアには無数のシートが敷き詰めてあり、仕方なくステージよりにベットを広げた。 それにしても毎年、人が増えている。ウクレレに魅せられた人々が、これから始まるステージの前座の様にあちこちで音色を奏でている。 このイベントは、アマチュアの方も参加出来るとあって、とてもアットホームな雰囲気で進められていく。ステージ前のセンター席で聞くのも良し、丘の上の芝生でビール片手に聞くのも良し、ビーチマットに寝ころんでプールで漂うのも良しと、人それぞれの楽しみ方があり、まさにピクニックなのです。そんな私は、プールで泳いだ心地よい疲労感と、まったりとしたウクレレの音色をBGMに、潮風に抱かれて眠りに付いたのであった。 どのくらい寝て居ただろうか、潮風が肌寒くなる頃、『IWAO』さんの登場だ。前回、前々回とムクちゃんとのユニットだったが、今回は自らのバンドを引き連れての参加と言うこともあり『IWAO』ワールドが堪能出来た。『IWAO』さんのウクレレは、まさにカルチャーショックだ。それは,Rock`nRollであり,R&Bであり、津軽じょんがら節なのだ! さて、夕陽が傾き、江ノ島と富士山がシルエットになる頃、『ムクちゃん』の登場だ。ゲストボーカルに『KONISHIKI』さんを迎え"私の青空〜MYBLUE HEAVEN"から何曲か演奏し、後はハワイアンのスタンダードをやり『ムクちゃん』らしいのほほんとしたステージでした。 ふと時計を見ると9時を回っている。何をする訳でもなくサマーベットに寝っ転がってウクレレを聞いていた。カレーも食った、ビールも飲んだ、昼寝もした。『サザン』のライブが、バリライト、大音響の非日常だとするとウクレレピクニックには、それがない・・・私が、過ごした逗子マリーナガーデンプールは、『キャプテン・ムック』の思惑通り、日本のワイキキビーチになっていたのだ! このやすらぎは何だろう・・・誰も叫ばない、誰も煽らない。 あるのは、波の音と、潮風と、良く冷えたビールだけ M.S |