「演出とは?」


今年はチケットゲット難の中、運良く31日のチケットを譲り受けることができ、2004年から2005年の良き日に、またサザンと過ごすことができました♪ さて、いつもライブを観ていると、曲順や選曲などが気にかかっていたのですが、今回のライブはちと様子が違いました。とてつもなく演出ということを考えされたライブだったのです。

1.舞台セットについて

他のアーティストのライブ経験がさほどないので、比較はできませんが、サザンのライブセットは、きっと派手でもなくシンプルでもない、まさに中間くらいなのかと思います。セットにお金をかけるのではなく、あくまでアーティストが活きてくるセット。そして素直に歌を楽しめるセット。これがサザンを含む、一般的な考えなのでしょう。それを超越するには、そもそもアリーナやドームでは厳しい。建長寺や茅ヶ崎という、根本的にその情景がすべてセットになりうる場面で初めて、究極の舞台セットができると思うんです。!だから! アリーナやドームでライブをやる以上は、セットに期待をするのではなく、他のところで演出をしていかないといけないのでしょうね・・・。

2.ダンサー&スクリーン映像

その代わり、サザンの特長はダンサーが多いという点。ダンサーは時として、曲のいいアクセントになりスパイスになっていると思います。今回のライブの中で言うと、『愛と欲望の日々』へ導入する、『大奥』からの雰囲気作りや、PVを想像させる、和風のダンサーというのはとても曲を盛り上げていたと感じています。今まで、ドラマの主題歌を数多く提供してきたサザンですが、ライブでドラマとの融合を行ったのは、今回が初めてではないでしょうか?しかし、これは『大奥』だからこそ有効な方法だったのでしょうね。ダンサーは時として良いスパイスになると言いましたが、逆にいうと多すぎると、曲を壊します。これはここ数年強く感じているサザンライブの大きなマイナス面です。 「そのダンサーは、何の意味があるの?? 曲の雰囲気をあまり壊さないで!」というものもある。曲に集中できない。言葉が厳しいですが、そこにお金をかけるのであれば、他にかけてほしいと思ってしまうのです。  映像も同じことが言えます。曲に映像のイメージを植えつけてしまうおそれがあります。今まで一番強烈だったのが、『CRY哀CRY』の恐怖のうさぎちゃんかな。『CRY哀CRY』を聴くと、あの映像が出てきてしまいます。バックグラウンド的な映像なら、あまり主張しない方が良いような気がしますね。

3.特効(特別効果)について

 今回、大晦日ライブのときに、特効によるボヤがありました。かろうじで事なきを得ましたが、もしかしたら大惨事になっていたかもしれません。室内での特効は、確かにインパクトがスゴイですし、効果さんの努力の賜物だと思っています。しかしそれは、あくまで安全が確保された上でお願いしたいと思っています。 しかしながら、ファンは花火やスモークより、風船やキャノン砲の方が好きなような感じがするのですが・・・。 個人的には、そういうサービスより、同じ特効でも雪を降らせる、とか天井に光が・・・というような、曲とシンクロした特効の方が心に残ります。

4.では、理想のライブとは?

個人的な意見で恐縮ですが、私はライブに曲を聴きに行っています。しかも、カラオケで誰かに歌ってもらって聴くのではもちろんなく、サザンの魂を聴きに行くのです。その曲の雰囲気や情景や気持ちをビシッとダイレクトにハートに直撃してくれるような演奏&演出を欲しています。にぎやかしだけの演出ではなく、その曲の世界を作り上げるような演出。1曲が極上の料理であり、ライブがフルコースであるような。1品1品にシェフの魂が込められているような、そして「あの素材がこんな味になるの!!」なんて感嘆しながら楽しめるような、そんな魂のある演出が観たいですね!


たまには、桑田さんが衣装がえをしてみても面白いかもしれませんね。昔、ミスチルのライブで『雨のち晴れ』というサラリーマンの悲劇を歌った曲のときに、背景映像が会社のオフィスになり、舞台中央に会社のデスクが置かれ、メンバーはスーツで出てきて歌いました。ものすごく曲の雰囲気が出ていて、『雨のち晴れ』の歌詞が否が応でも心に響いてきました。そんな感じ(笑)。


もしかしたら、AAAのライブ演出が私の欲しているものに近いのかもしれません・・・。

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