椿の冬


「この季節は一人で居るとすごく寒いんですよ」
「そうね」
「私は兄弟と一緒に寒空の下に捨てられたからかもしれません」
「……」
「最初はみんなで体を寄せ合って寒さに耐えていたんです」
「……」
「でも、そのうち一人一人冷たくなって…私以外はみんな死んでしまいました」
「……」
「あのまま誰にも拾われなかったら私も同じように死んでいたんでしょうね」
「……」
「だから今の季節は悲しくなって辛いです」
「子供じゃなくても一人で生きていくには辛い季節だからね」
「…え?」
「昔の飼い主が嫌なヤツでね、ある時石油ストーブを倒して火ダルマにしてやったのさ」
「……」
「気分が良かったけど家も燃えたから住むとこが無くなってノラ猫になったんだよねぇ」
「…そうだったんですか」
「あの時は大変だったわ。ナワバリ争いに巻き込まれるわ色々あって」
「……」
「でも今は幸せなんだから、いつまでもそんな顔をするのは止めときなよ。ね?」
「はい…」


「椿ぃ〜、柊ぃ〜、どこに居るのぉ〜。コタツ出したから帰ってきてぇ〜」

慌てている榎さん

「…な、幸せだろ(^-^;」
「…そう、ですね」


2001/12/02
BACK