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クイックシフト取り付け 難易度 ★★★★

準備するもの ・プラスドライバー  ・マイナスドライバー  ・10mm・12mm工具(スパナ/メガネレンチ/ソケット)  ・六角レンチ(5mm)
            ・棒ヤスリ  ・ラジオペンチ  ・プライヤー  ・ピンポンチ(6・8mm)(代用可)  ・ハンマー  ・グリス  ・潤滑剤(CRC)  ・ウエス
作業してみて分かったあった方がいいもの (状況に応じてその他工具が必要になる場合有り)
            ・貫通型マイナスドライバー  ・先端の薄いマイナスドライバー  ・万力(作業台)  ・新聞紙(下に敷くもの)
作業時間    最低2〜3時間は見ておいたほうがいいです。

< 目次 -Contents- > クリックするとジャンプできます。

< 製品紹介 >

< 取り付けの様子とコツ >
 Step 0. 下準備
 Step 1. 純正パーツ取り外し (其の壱)
 Step 2. 純正パーツ取り外し (其の弐)
 Step 3. 純正パーツ取り外し (其の参)
 Step 4. 純正パーツ取り外し (其の四)
 Step 5. クイックシフト取り付け (其の壱)
 Step 5. クイックシフト取り付け (其の弐)

< 取り付け後のシフトノブ >

< 製品紹介 >

製品名 : ジムゼクイックシフト
販売元 : sports service JIM
定  価 : \28,000

適合車種 : ヴィッツ SCP10 (E/G : 1SZ-FE/2WD)
                            NCP10 (E/G : 2NZ-FE/2WD)
                            NCP15 (E/G : 2NZ-FE/4WD)

仕様
・形状 : ノーマル形状
・ストローク量 : 76%   3速〜4速間 122mm → 93mm
・シフトノブ位置 : ノーマル位置 +10mm
・支点部 : ノーマル形状 位置移動
・作用点部 : ノーマル形状 ノーマル位置

製品の中身 (27kB)

< 取り付けの様子とコツ >

Step 0. 下準備

タイヤに輪留めをしておいた方がよいでしょう。
取り外しの際にはサイドブレーキを解除しなくてはならないこともあります。
作業に夢中になるうちに、クルマが動いてぶつかったらいやですから(^^;)

あと、シートにはカバー(ゴミ袋・新聞紙など)を掛けておいたほうがいいかもしれません。
今回の作業ではグリスを使用する部品があるからです。
場合によってはあらかじめシートを外すのも手でしょう。

Step 1. 純正パーツ取り外し (其の壱)

1. シフトノブ取り外し

反時計回りに回して外します。


2. センターコンソール取り外し

リヤカップホルダーの底に敷いてあるフェルトを取り除きます。(のり付け無し)
すると、ビスが見えますので、プラスドライバー、もしくは10mmソケットを使用して取り外します。

ビス取り外し前 (15kB)

また、サイドブレーキを引くとレバーの下にカバーがあります。
これは指をかけて引けばとれます。

カバーを取り外したところ (20kB)

この二つを取り外したら、センターコンソールを持ち上げて取り外します。
なお、フロントカップホルダー下にはツメが2箇所ありますが、真上に引き抜けばとれます。
サイドブレーキレバーとシフトレバーが邪魔ですが、向きをいろいろ試せばとれるはずです。

フロントカップホルダー裏のツメ (13kB)

とれたら、どこか邪魔にならないところに置いておきましょう。


Step 2. 純正パーツ取り外し (其の弐)

では本格的にばらしていきましょう。

1. セレクトワイヤー及びシフトワイヤー切り離し

先にクリップを外して置いた方がいいかと思いましたので、まずこちらをご覧下さい。
百聞は一見にしかず。

セレクトワイヤークリップ取り外し (15kB)
シフトワイヤークリップ取り外し (17kB)


2. ボルト、ハーネス取り外し
ちょっとこの辺面倒なので、頑張って下さい。

最初に、シフトボディ本体を固定している四隅にあるボルト(12mm)を外します。

次に、ハーネスを留めているクリップのうち、車両前方のもの(黒)を外します。

ハーネスクリップ取り外し (其の壱) (18kB)

そのそばにある2段重ねの半透明のクリップのうち、上側の方を外します。

ハーネスクリップ取り外し (其の弐) (36kB)

そこまで外すと、だいぶんシフトボディを動かせることができるようになってくると思いますので、
左右どちらからでも構いません、裏側にひっくり返して最後のハーネスクリップを外します。

ハーネスクリップ取り外し (其の参) (21kB)


3. シフトワイヤー取り外し
さて、いよいよシフト・セレクトワイヤーの取り外しです。

シフトボディを裏返して見たときに、これの前方、奥の方にツメが見えます。
これをマイナスドライバーであおりつつ、ワイヤーを外すわけです。
外す方向は取り付け状態でいうと上です。実際に見ればすぐ分かると思うけど(^^;)

ワイヤー2本取り外すときにあおるツメ (24kB)

これでシフトレバーAssyの取り外しが完了です。
うかつに置くとグリスが付いたり、逆にグリス部分が砂まみれになるので新聞紙でも引いておきましょ。


Step 3. 純正パーツ取り外し (其の参)

まずはじめに、部品名の説明をしておきますね。
部品名解説 (22kB)


1. ブッシュナット取り外し

このブッシュナットは再使用しません。
シフトボディとの隙間にドライバーをつっこんでこじって取ろうかと考えたのですが、固くて歯が立ちませんでした。

説明書に書いてあったのですが、こういう場合はポイントをマイナスドライバーで叩いて
外周部を浮かすと良いようです。

叩くポイント (16kB)
あと少しで取れる (21kB)


2. リンクシャフト取り外し

リンクシャフトをピンポンチ、または付属のM8ボルトを使用して抜き取ります。
抜けずらい場合は、ドライヤーで暖めると抜けやすくなることがあります。
ただし暖めすぎは変形の元。要注意。

抜いているところ (20kB)

リンクシャフトが取れたら、リンク・リターンスプリングも取り外します。
このとき、リターンスプリングの取り付け方をよく憶えておきましょう。

リンクシャフト・リンク・リターンスプリングを取り外したところ (19kB)


Step 4. 純正パーツ取り外し (其の四)

1. シフトボディ取り外し

シフトブッシュを取り外しやすくするために、周囲に糸ノコで切り込みを入れます。
シフトブッシュは再利用しますし、シフトボディへのダメージも最小限に抑えなければなりませんので
意外に気を使う作業です。

シフトブッシュ切り込み (17kB)
シフトブッシュを取り外したあとのシフトボディ (13kB)

切り込みを入れたら、シフトブッシュのリンクシャフトが通っていたあたりを中心にマイナスドライバーであおり、取り外します。

シフトレバーもこの時はずれますので、どういう風に違うか眺めて
感心しておきましょう。写真取り忘れました(^^;)


2. カラー、ゴムプッシュ取り外し

シフトボディ四隅にあるカラーとゴムブッシュを取り外します。
マイナスドライバー1本ですぐはずれます。

カラー、ゴムブッシュ (25kB)


3. シフトボディの加工

糸ノコ、棒ヤスリ等を使用してシフトボディの一部を切り取ります。
この作業は干渉部を削除するための作業のため、これを怠るとシフトワイヤーに無理が掛かることが
あるので必ず行って下さい。

シフトボディの加工 (其の壱) (32kB)

シフトボディの加工 (其の弐) (14kB)
加工済み記念写真 (26kB)

以上で取り外しは全て終了です。あとは組み付けるのみ!おつかれ〜茶にしようぜっ(^^ゞ


Step 5. クイックシフト取り付け (其の壱)

1. クイックシフト取り付け

クイックシフトの関節部分(ボール状の部分)に適量のグリスを塗布し、
シフトボディに差し込み、シフトブッシュをかぶせます。

クイックシフト取り付け状態 (14kB)


2. シフトブッシュブラケット及びリンク周辺部品取り付け

クイックシフトとリンクが接触する部分(ボール状の部分)にグリスを適量塗布します。

シフトブッシュブラケットをシフトブッシュの上に乗せ、リンクボルトをリンク、リターンスプリングを介して
シフトボディに組み付け、付属の六角ナット(M8)で締め付けます。

リターンスプリングの付け方は、アナタが憶えているとおりです。
え?憶えていない?(^^;)大丈夫です。
向きは特にないはずです。
リンクを動かしたときにバネの力を感じるような取り付け方が正解です。
簡単なしくみだから、ちょっと考えれば分かりますよ。

シフトブラケット等部品取り付け状態 (19kB)


3. シフトブッシュステー取り付け

シフトブッシュステーをシフトボディの後ろに引っかけて、キャップボルト(M6x12)、ワッシャー(M6)、
六角ナット(M6)で取り付けます。

シフトブッシュステー取り付け状態 (19kB)


Step 6. クイックシフト取り付け (其の弐)

さて、いよいよ車体に取り付けますよ〜(^^)/

1. スペーサの取り付け

付属のスペーサ(大小各2個)にOリングを取り付けます。

スペーサとOリング (24kB)

シフトボディにセレクトワイヤーとシフトワイヤーを通しておきます。
シフトボディと車体の間にスペーサを挟み込みます。
この時、スペーサ(小)は車両前方に、スペーサ(大)は車両後方に挟み込みます。


2. シフトボディの固定

シフトボディを付属のボルト・ワッシャで固定します。
ボルトにはあらかじめワッシャをはめておきます。
車両前方には短い方のボルト(M8x35)を、車両後方には長い方のボルト(M8x40)を使用します。


3. 各ワイヤーの取り付け

シフトワイヤーとクイックシフト下端をU字クリップで固定します。
次に、セレクトワイヤーとリンクをクリップで固定しますが、この時セレクトワイヤー末端の向きは
凸凹面(ギザギザ)があるほうを上にします。
もっともねじろうと思っても簡単にはねじれませんでしたが...

シフトボディ取り付け状態 (22kB)


4. 動作確認

この時点でシフトを1速に入れ、シフトワイヤーがシフトボディに干渉していないか確認します。
干渉している場合、「Step. 4-3 シフトボディの加工」が不完全なので、印を付け再度切り取ります。
そのままにするとワイヤーに負担がかかり故障の原因となりますので、必ず確認して下さい。

正常動作を確認した後、ハーネスを復元します。
外したクリップ3個をはめていきます。


5. センターコンソール取り付け

外してあったセンターコンソールを、シフトレバー・サイドブレーキレバーをかわしつつ組み込み、ビス1本で固定します。
サイドブレーキレバー下のカバーをつけるのもお忘れ無く。

最後にシフトノブを取り付けて完了です。
お疲れさまでした。

完成状態 (14kB)


< 取り付け後のシフトノブ >

さて取付がおわりましたが、それまでTRDの球状タイプだと
シフトが重い、ギヤの入りが渋いという本末転倒な状態になっていました。

では、クイックシフト向きのシフトノブはどういうタイプでしょうか?
好みの問題がありますので一概には言えませんが、傾向としては「重い」ものが良いようです。
ここでいう重いというのは、およそ200〜300g位のものを指します。

そこで、経験者の御意見を参考に「私好み(触るところが革)」かつ「重い」物を探してみました。
余談ですが、これらの条件の場合、選択肢が非常に少なくなりました。というかほとんど無いっす(笑)
なんとかひとつ見つけたのは、Simoni Racing というイタリアのブランドです。
今回はこの中から、RACING TITAN というスポーティタイプのシフトノブをチョイスしてみました。

RACING TITANの紹介 (50kB)
ちなみにTRDシフトノブ(球状) (24kB)

数値的にはどれくらい違うのか、比較してみました。

Simoni Racing Titan TRD 球状シフトノブ 備 考
重 量 約 240g 約 55g 重量差は、約 185g
シフトレバー先端からの距離
(支点-力点距離の差)
全高      約 95.0mm
穴奥行     約 55.0mm
力点上昇 約 +40.0mm
全高     約 42.5mm
穴奥行    約 31.0mm
力点上昇 約 +11.5mm
力点の距離差は、28.5mm

この場合はシモーニレーシングチタンの方が、より遠く重いということが分かります。
支点からシフトノブ先端までの距離を22cmとして計算すると、てこの原理より
支点におけるトルク差が、実に約5倍あることが分かりました。
(計算が間違っていたら指摘して下さいませ。)

シフトノブの重さだけを見ると、シフトチェンジが遅くなるのではという意見もあるかとは思いますが、
バランスも大事だと思います。
軽いシフトノブにしたのはいいけれど、ギヤが入らないのでは意味がないですからね。
実際に使ってみると、シフトノブが重くなったという印象はほとんど受けません。
シフト間の移動とギヤの入りが楽になったので、かえってスピーディになりました。
また、作用点が多少伸びましたが、その分を差し引いても移動は少なくて済みます。

取り付けはちょっと大変かもしれませんが、効果は大きいです。
あなたも取り付けてみませんか?

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